国民健康保険法 第75条の6
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都道府県は、前条第一項の規定により保険給付の全部又は一部を取り消すべきことを勧告したにもかかわらず、当該市町村が当該勧告に従わなかつたときは、国民健康保険保険給付費等交付金の交付に当たり、政令で定めるところにより、国民健康保険保険給付費等交付金の額から当該保険給付(当該勧告に係る部分に限る。)に相当する額を減額することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第75条の6は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第75条の6の条文原文は「都道府県は、前条第一項の規定により保険給付の全部又は一部を取り消すべきことを勧告したにもかかわらず、当該市町村が当該勧告に従わなかつたときは、国民健康保険保険給…」で始まります。
- 国民健康保険法第75条の6は第五章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第75条の6の前の条は国民健康保険法第75条の5です。
- 国民健康保険法第75条の6の次の条は国民健康保険法第75条の7です。
- 国民健康保険法第75条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第75条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第75条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/75_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法75条の6は、都道府県の保険給付取消勧告に市町村が従わないとき、国民健康保険保険給付費等交付金から当該給付相当額を減額できると定める規定である。
Q · 市役所から国保の給付を取り消すと言われたけど、これって市の判断なの?
市町村の処分だが、背後に都道府県の交付金減額圧力がある
被保険者に対して取消処分をするのは市町村です。ただし国民健康保険法75条の6により、都道府県が同法75条の5第1項で取消しを勧告したのに市町村が従わない場合、都道府県は国民健康保険保険給付費等交付金から当該給付相当額を減額できます。市町村には従わない自由が残る一方、従わなければ財源の穴を自ら負うため、実務上は取消しに傾きやすい構造です。被保険者側の不服申立ては、市町村の処分に対する国民健康保険審査会への審査請求になります。
解説
国保の給付を決めるのは市町村(保険者)だが、その原資は2018年4月から都道府県を経由して流れている。国民健康保険保険給付費等交付金という名の、市町村の生命線だ。本条が定めるのは、この蛇口を都道府県の側から絞れるという事実である。前条第一項で都道府県が「その給付は取り消せ」と勧告したのに市町村が従わなかった場合、都道府県は政令の定めに従い、勧告対象の給付に相当する額を交付金から引くことができる。従わない自由は残るが、従わなければ市町村が自腹を切る。ここからあなたに何が跳ね返るか。支給決定済みの海外療養費、柔道整復の施療費、資格喪失後の受診分について、市町村が急に硬い姿勢で取消と返還を求めてくる背景には、この減額圧力が座っていることがある。窓口職員は「決まりですので」としか言わない。だが本当の力学は、あなたと市町村の間ではなく、市町村と都道府県の間にある。
法的な位置づけ
国民健康保険法75条の6は、都道府県による国民健康保険保険給付費等交付金の減額措置を定める規定である。同法75条の5第1項に基づく保険給付の取消勧告に市町村が従わなかった場合に、政令の定めるところにより、勧告に係る保険給付に相当する額を交付金額から減額することを都道府県に認める財政的な是正手段である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書で処分庁と教示欄を確認する 取消・返還の通知が届いたら、金額欄より先に処分庁(市町村長)、処分理由、不服申立ての教示欄を確認する。審査請求先が国民健康保険審査会であること、期間が3か月であることを通知日から逆算して手帳に記入する
- 2.都道府県の取消勧告の有無を照会する 市町村の国保担当に「国民健康保険法75条の5第1項に基づく都道府県の取消勧告に基づく処理か、対象範囲はどこまでか」を電話または窓口で照会し、担当者名・日時・回答内容を記録する。勧告がある案件では担当者に裁量はほぼ残っていない
- 3.個別事情を裏づける資料を集める 医学的必要性、資格関係、渡航の事実など、一律取消に混ざった自分の事案を切り分ける材料を集める。診療明細書、施術内容の記録、渡航記録(パスポートの出入国印・航空券)、雇用関係書類などを時系列で整理する
- 4.国民健康保険審査会へ審査請求する 処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、審査請求書に処分の内容・不服の理由・収集した資料を添えて国民健康保険審査会へ提出する(国民健康保険法91条、行政不服審査法18条)
- 5.返還の分割協議を並行して進める 一括返還が資力的に苦しい場合、争うことと払うことは同時に進められる。市町村の徴収担当と分割納付を協議し、合意内容を書面で残す。争っている事実は必ず伝え、争わない趣旨と受け取られないようにする
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険保険給付費等交付金とは何ですか?
都道府県が市町村の保険給付費等に充てるために交付する資金です。2018年度の国保都道府県化により導入され、市町村の国保特別会計の中心的な財源となっています。
Q2都道府県が交付金を減額できるのはどんなときですか?
国民健康保険法75条の5第1項に基づく保険給付の取消勧告に市町村が従わなかったときです。減額幅は勧告に係る保険給付に相当する額で、算定方法は政令に委ねられています。
Q3国保の給付取消はどこに不服を申し立てますか?
保険給付に関する処分への不服は、各都道府県に置かれる国民健康保険審査会への審査請求です(国民健康保険法91条)。処分をしたのは市町村なので、都道府県の勧告を直接争う形にはなりません。
Q4国保の審査請求はいつまでにする必要がありますか?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が原則です(行政不服審査法18条)。通知書の教示欄に期間と宛先が記載されているので、開封したその日に確認してください。
Q5いったん支給された療養費を返還しなければならないのはなぜですか?
支給決定が取り消されると、受給額は法律上の原因を欠く利得となり、不正利得の徴収の対象になります(国民健康保険法65条)。善意で受け取った場合でも返還を求められることがあります。
Q6交付金を減額された分は誰が負担しますか?
市町村です。国保特別会計の歳入が減るため、一般会計繰入れ、基金の取崩し、または翌年度以降の保険料率のいずれかで吸収され、結果として当該市町村の被保険者全員に広く転嫁されます。
Q7国保は市町村と都道府県のどちらが運営しているのですか?
2018年4月から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村は資格管理・保険料賦課徴収・保険給付の決定と窓口業務を担います。権限が分離しているため本条のような調整規定が置かれています。
Q8市町村は都道府県の取消勧告に必ず従わなければなりませんか?
本条の減額は「できる」規定で、勧告自体も是正の指示のような強い強制力を持つ行為ではありません。従わない選択は制度上残りますが、交付金減額という財政的帰結を市町村が引き受けることになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一度支給された療養費が、あとから取り消されることって本当にあるんですか?
あります。市町村が支給決定を取り消し、不正利得として徴収する流れです(国民健康保険法65条)。本条は、その取消を都道府県が勧告したのに市町村が従わない場合、交付金を減額できると定めた規定です。実務のポイント:担当者が「都道府県からの勧告なので」と言い出したら、その人に覆す裁量はほぼありません。窓口で粘るより、審査請求の証拠集めに切り替えた方が早い
Q2市町村が都道府県の勧告に従わない、という選択は現実にあり得るんですか?
制度上はあり得ます。本条の減額は「できる」規定で自動ではなく、前条の勧告も是正の指示のような強い強制力を持つ行為ではない。ただし減額されれば財源の穴は市町村が負います。実務のポイント:交付金減額が地方自治法上の「関与」に当たるかは実務上解釈が分かれており、当たると解すれば自治紛争処理委員への審査申出(地方自治法251条の3)という土俵が開く。従う前にこの論点を庁内で立てたかどうかで、後の選択肢が変わる
Q3減額された分の穴は、結局誰が埋めるんですか?
市町村です。国保特別会計の歳入が減るので、一般会計からの繰入れ、基金の取崩し、または翌年度以降の保険料率で吸収されます。国民健康保険事業費納付金の負担は別途続くため、逃げ道は多くない。実務のポイント:国保運営協議会の資料や都道府県の国保運営方針には、不適正給付の件数や財政の穴が数字で載ることがある。自分の料率が上がる理由を知りたいなら、料率の説明資料より運営協議会の議事録を読む方が早い
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、給付を取り消したのは市役所の判断である。法律の側から見れば、市町村は都道府県の勧告と交付金減額の間に置かれた受け皿にすぎない。この落差を知らないまま窓口で粘ると、担当者の裁量と同情に期待し続けて時間だけを失う。動かすべきは決定の理由づけであって、担当者の心情ではない
- 都道府県が交付金を減らせること自体は、自治体職員なら知っている。見落とされやすいのは減額の重さだ。減った分は消えず、一般会計繰入れ、基金の取崩し、または翌年度以降の保険料率のどこかで埋まる。一件の不適正給付の後始末が、その市町村の被保険者全員の負担へ転嫁される構造になっている
- 「都道府県に取り消されたのだから、都道府県を相手に不服を申し立てるのか」という問いの立て方が、すでに外れている。被保険者に対して処分をしたのは市町村であり、保険給付に関する処分への不服は国民健康保険審査会への審査請求(国民健康保険法91条)だ。都道府県の勧告と交付金減額は市町村と都道府県の間の話であり、住民が直接ひっくり返す対象ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰と誰の間の話か | 75条の6:都道府県 ←→ 市町村(交付金の減額) | 75条の5:都道府県 ←→ 市町村(取消しの勧告) 65条:市町村 ←→ 被保険者・医療機関(不正利得の徴収) |
| 効果の性質 | 財政的制裁(交付金額からの減額、「できる」規定) | 非権力的な是正の働きかけ(勧告) 金銭債権の行使(返還請求) |
| 発動の前提 | 75条の5第1項の勧告に市町村が従わないこと | 保険給付が法令違反または適正を欠くこと 偽りその他不正の行為による給付受領等 |
| 住民が直接争えるか | 争えない(自治体間の関係。市町村側は地方自治法251条の3の余地) | 争えない(勧告は被保険者への処分ではない) 争える(国民健康保険審査会への審査請求、同法91条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央健康保険署による単一保険者制のため、保険者間の交付金減額という構造自体が存在しない。給付の適正性は保険者内部の審査と争議審議で処理される
韓国も国民健康保険公団による単一保険者制。日本のような市町村・都道府県の二層構造がなく、本条に対応する規定はない
ドイツは疾病金庫(Krankenkassen)が保険者で、監督官庁が業務・会計検査と監督手段(Aufsichtsmittel)を持つ。財政的減額ではなく監督処分による是正が中心
米国 Medicaid では、州のプラン違反に対し連邦が財政参加(FFP)の差止め・減額を行う。上位政府が下位政府に財政的制裁を課す構造は本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、いったん支給された海外療養費の返還を数か月後に市役所から求められたとしたら? まず確認すべきは、その処理の背後に都道府県の取消勧告があるかどうかだ。勧告がある案件では、あなたに対する返還請求の根拠(不正利得の徴収)と、市町村が動いている動機(交付金の減額回避)は別物になっている。前者は審査請求で争えるが、後者に窓口で文句を言っても何も動かない
- あなたが市町村の国保担当で、都道府県から「この整骨院に関係する給付は全部取り消せ」と勧告が届いた。医学的必要性の判断には自信があり、被保険者への一律返還請求は住民との衝突を招く。従わなければ交付金が減り、従えば窓口が炎上する。この板挟みそのものが本条の設計であって、事故ではない
- 保険医療機関の不正請求が発覚した。都道府県が関係給付の取消を勧告し、市町村は渋る。減るのは市町村の交付金で、痛むのは翌年度の保険料率だ
- 前条第一項の勧告には期限が付く。あと二週間で回答期限、対象は数百件の支給決定。一件ずつ取消の適法性を検討する時間がないまま判断を迫られ、市町村は一律取消へ傾く。あなたの給付がその一律の中に混ざっている可能性があり、個別事情を主張するなら、市町村の決定通知が届いた日から三か月が勝負になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消・返還の通知が来たら、処分庁(市町村)、処分理由、不服申立ての教示欄をその日に確認2. 窓口に「都道府県の取消勧告に基づく処理か」を照会し、担当者名と回答を記録3. 個別の医学的必要性や資格関係の事実があるなら、診療明細・渡航記録・雇用関係書類を添えて国民健康保険審査会へ審査請求(国民健康保険法91条) 4. 一括返還が苦しければ分割協議を並行させる。争うことと払うことは同時に進められる
訴えられた側:1. 勧告の対象給付を一件ずつ洗い出し、勧告理由が法令違反か適正性の欠如かを区分して確定2. 取消の適法性が争われうる案件(医学的判断が分かれる、被保険者に帰責性がない)を分離し、期限内に都道府県へ文書で反論を残す3. 従う場合は不正利得の徴収(同法65条)の対象と善意受給を切り分け、住民説明と時効管理を同時に設計4. 減額を受けたら政令上の算定根拠の開示を求め、関与該当性を含めて争う余地を検討
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。実務上の起点は前条第一項の勧告に付された期限である。被保険者側の不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。不正利得を含む徴収金の権利は2年で時効消滅(国民健康保険法110条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)公布、平成30年(2018年4月1日)施行 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律により新設。都道府県を国保財政運営の責任主体とする改革に伴い、国民健康保険保険給付費等交付金の仕組みと、取消勧告に従わない市町村への減額措置が同時に導入された
改正の年表
- 1.平成27年(2015年)公布・平成30年(2018年4月1日)施行 新設:持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律により新設。都道府県を国保財政運営の責任主体とする改革に伴い、国民健康保険保険給付費等交付金の仕組みと、取消勧告に従わない市町村への減額措置が同時に導入された
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