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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

特許法 第182条(裁判の正本等の送付)

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  1. 裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えについて次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める書類を特許庁長官に送付しなければならない。
  2. 一裁判により訴訟手続が完結した場合各審級の裁判の正本又は当該裁判の内容を記載した書面であつて裁判所書記官が当該書面の内容が当該裁判の内容と同一であることを証明したもの
  3. 二裁判によらないで訴訟手続が完結した場合訴訟手続が完結した訴えに係る請求項を特定するために必要な書類

この条文の基本情報

裁判の正本等の送付とは何ですか?

定義裁判の正本等の送付とは、特許法第182条に定められた規定で、「裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えについて次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める書類を特許庁長官に送付しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第182条(裁判の正本等の送付)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第182条の条文原文は「裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えについて次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める書類を特許庁長官に送付しなければならない。」で始まります。
  3. 特許法第182条は第八章に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第182条の前の条は特許法第181条です。
  7. 特許法第182条の次の条は特許法第182条の2です。
  8. 特許法第182条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第182条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第182条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/182

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法182条は、当事者系の審決取消訴訟が終わったとき、裁判所が遅滞なく特許庁長官へ書類を送付する義務を定める。取下げ・和解の場合は請求項を特定する書類が対象となる。

Q · 特許の無効審判の裁判で和解して訴えを取り下げたら、特許庁はどうやってそれを知るの?

当事者ではなく裁判所が特許庁長官へ書類を送ります

特許法182条により、179条ただし書の当事者系審決取消訴訟が終わったとき、裁判所が遅滞なく特許庁長官へ書類を送付します。判決で終わった場合は各審級の裁判の正本(または裁判所書記官が内容の同一性を証明した書面)、取下げ・和解など裁判によらず完結した場合は、完結した訴えに係る請求項を特定するために必要な書類です。当事者系訴訟では特許庁長官は被告ではないため(179条ただし書)、この送付が特許庁が結果を知る唯一の経路になります。

解説

特許を無効とする審決が出て、特許権者が知財高裁に訴えを起こす。その被告は特許庁長官ではなく、無効審判を請求した相手方企業である(179条ただし書)。つまり特許庁は、自分が下した審決が法廷でどうなったかを、当事者からは教えてもらえない立場に置かれている。182条は、その情報の空白を裁判所の義務で埋める規定だ。判決で終わったなら各審級の裁判の正本(または裁判所書記官が内容の同一性を証明した書面)、判決によらず取下げ・和解・請求の放棄や認諾で終わったなら、完結した訴えに係る請求項を特定する書類を、遅滞なく特許庁長官へ送る。2号がとりわけ効く。無効審判の審決は請求項ごとに確定しうるため(167条の2)、あなたが訴えを一部の請求項だけ取り下げれば、その請求項の審決だけが先に確定し、特許権はそこだけ削り取られる。取下げは争いをなかったことにする行為ではなく、審決を確定させる行為だ。

法的な位置づけ

特許法182条は、当事者系の審決取消訴訟における裁判所から特許庁長官への書類送付義務を定める規定である。裁判により手続が完結した場合は各審級の裁判の正本等を、裁判によらず完結した場合は完結した訴えに係る請求項を特定するために必要な書類を、遅滞なく送付すべきものとする。特許庁が訴訟当事者でない当事者系訴訟において、審決確定の事実と範囲を行政庁へ到達させる連絡経路として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.取下げ前に確定する審決の範囲を請求項単位で書き出す 審決取消訴訟を取り下げる前に、その取下げによってどの請求項の審決が確定するかを一覧化する。無効審決は請求項ごとに確定しうる(167条の2)ため、全部取下げか一部取下げかで自社に残る権利範囲が変わる
  2. 2.取下書・和解条項に請求項を明記する 取下げまたは和解で終わらせる場合、対象請求項の番号を書面に特定して記載する。182条2号の送付書類はこの特定を前提としており、記載を欠くと裁判所と特許庁の確認往復で原簿反映が遅れる
  3. 3.訴訟終了後、裁判所からの書類送付を前提に社内へ通知する 終了時点と原簿反映時点がずれることを前提に、社内の知財・法務・営業へ「権利は確定済み、原簿は未反映」と共有する。取引先には判決正本または取下書の写しで空白期間を説明する
  4. 4.原簿を照会し、反映後に権利状態を最終確定させる 特許庁の登録原簿・経過情報を照会し、審決確定の記載が反映されたことを確認する。反映後にライセンス契約・担保契約・M&A の表明保証を最終版に更新する

よくある質問 AI による整理

Q1特許法182条とは何ですか?

当事者系の審決取消訴訟が終わったとき、裁判所が特許庁長官へ書類を送付する義務を定めた規定です。判決なら裁判の正本等、取下げ・和解なら請求項を特定する書類が送られます。

Q2審決取消訴訟を取り下げたら特許はどうなる?

取下げにより審決が確定します。無効審決が確定した特許権は初めから存在しなかったものとみなされ(125条)、その効果は第三者にも及びます。取下げは争いの停止ではなく審決の確定行為です。

Q3審決取消訴訟の被告は特許庁長官ですか?

特許無効審判等の審決取消訴訟では、179条ただし書により請求人または被請求人が被告となります。特許庁長官は法廷におらず、182条の送付で結果を知る立場です。

Q4特許原簿はいつ更新されますか?

裁判所から特許庁へ182条の書類が届いた後に手続が進みます。条文上は「遅滞なく」とされるだけで具体的な日数の定めはなく、確定時点と公示時点にずれが生じます。

Q5請求項ごとに特許が無効になることはありますか?

あります。無効審判の審決は請求項ごとに確定しうるため(167条の2)、一部の請求項だけ訴えを取り下げると、その請求項の審決だけが先に確定します。

Q6審決取消訴訟の出訴期間はいつまで?

審決の謄本の送達があった日から30日以内です(178条3項)。遠隔地の当事者には附加期間が定められる場合があります。最新の条文でご確認ください。

Q7審決取消判決が確定した後はどうなりますか?

審判官が更に審理を行い審決をします(181条2項)。再開は当事者の申立てではなく、裁判所から特許庁へ届く裁判の正本を起点として動きます。

Q8和解で訴訟を終える場合、書面に何を書くべき?

終了させる訴えに係る請求項の番号まで特定して記載すべきです。182条2号の送付書類は請求項の特定を前提としており、記載がないと確認のやり取りで反映が遅れます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1無効審判の裁判って、審決を出した特許庁も一緒に戦ってくれるんじゃないんですか?

戦わない。179条ただし書により、特許無効審判や延長登録無効審判の審決取消訴訟は、請求人または被請求人を被告とする当事者対立構造になる。特許庁長官は法廷の外にいるため、182条で裁判所から結果の送付を受ける立場に置かれる。実務のポイント:ただし裁判所は特許庁長官に法の適用等について意見を求めることができる(180条の2)。この意見が出るかどうかで審理の空気が変わるため、審判段階から特許庁の解釈の筋を外さないことが実は最も安い防御になる。

Q2判決じゃなくて和解で終わったのに、裁判所は特許庁に何を送るんですか?

182条2号により、訴訟手続が完結した訴えに係る請求項を特定するために必要な書類が送られる。無効審判の審決は請求項ごとに確定しうるため(167条の2)、どの請求項の争いが終わったかを特定しないと特許庁は原簿を動かせない。実務のポイント:取下書や和解条項に請求項番号を書かない実務がいまだに残っており、確認のやり取りで反映が数週間止まる。起案の時点で請求項の特定まで書き込む側の案件だけが、静かに速く終わる。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「審決取消訴訟では特許庁を説得すればよい」という前提で戦略を組む人がいるが、問いの立て方そのものが誤っている。179条ただし書の訴えでは特許庁長官は被告ではなく、法廷にいるのは請求人と被請求人だけだ。説得すべき相手は裁判官であり、特許庁は判決が出た後に182条で結果を知らされる側にすぎない。
  • 訴えを取り下げれば審決が確定することは知っている人でも、その確定が請求項ごとに切り分けられる点までは詰めていないことが多い(167条の2)。請求項1から10のうち3と7だけ取り下げた瞬間、その2項目の無効審決だけが先に確定する。182条2号が請求項の特定書類を要求しているのは、この切り分けが実在するからである。
  • 当事者から見れば和解は私的な合意にすぎないが、法から見れば対世的な権利の消滅を確定させる公的事象である。無効審決が確定した特許権は初めから存在しなかったものとみなされ(125条)、その効果は和解に参加していない第三者にも及ぶ。この落差を計算に入れずに和解書へ署名した側が、後で自社のライセンシーから責任を追及される。
比較の観点この条文ほかの条文
規律の名宛人182条:裁判所(特許庁長官への送付義務)179条:当事者(被告適格の決定)
181条:審判官(判決確定後の再審理)
発動のタイミング訴訟手続の完結時(判決・取下げ・和解いずれも)訴え提起時
審決取消判決の確定後
対象となる書類・効果裁判の正本等(1号)/請求項特定書類(2号)被告を特許庁長官とするか当事者とするかの振分け
審判官による更なる審理と新たな審決
当事者が動かせるか動かせない(裁判所の職責)が、書面の記載で精度は左右できる訴えの相手方選択に直結する
申立て不要、自動的に再開される

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民國專利法・智慧財產案件審理法

台湾も挙発(無効審判)に対する行政訴訟の結果が智慧財産局へ戻り、専利証書・公報に反映される。ただし訴訟構造は行政訴訟型で、日本の当事者系構造とは被告適格の設計が異なる

韓国
대한민국 특허법 제189조

韓国も審決取消判決の確定後に特許審判院で再度審理される構造を採り、判決の効力を審判段階へ戻す点で日本181条・182条と近い設計

ドイツ
PatG § 84ほか(Bundespatentgericht の無効訴訟)

ドイツは無効を連邦特許裁判所の無効訴訟で扱い、判決の結果が DPMA の登録簿に反映される。特許庁の審決を経ずに裁判所が第一次判断を行う点が日本と大きく異なる

アメリカ
35 U.S.C. § 144

米国では CAFC が判決の証明謄本を USPTO 長官へ送付し、長官がこれを記録して手続に反映する。裁判所から行政庁への書類送付という骨格は日本182条とほぼ同型

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 無効審判で負けた特許権者が知財高裁に訴え、係属中に相手方とクロスライセンスがまとまって訴えを取り下げたら、特許はどうなる? 答えは、無効審決が確定し、その特許権は初めから存在しなかったものとみなされる(125条)。和解のつもりで押した取下げが、自社の資産を一つ消す。
  • あなたは無効審判の請求人で、審決取消訴訟では被告席に座っている。特許権者が一部の請求項について訴えを取り下げてきた。買収案件のクロージングまであと10日、買主の法務は特許原簿しか見ない。原簿の記載が動くのは、裁判所から特許庁に182条の書類が届いた後である。取下書に請求項の特定が書かれていなければ、その一枚が止まり、原簿は古い姿のまま10日を過ぎる。
  • 判決が確定して審決が取り消されると、審判官は同じ事件をもう一度審理する(181条2項)。その再開のスイッチを押すのは当事者の申立てではなく、裁判所から特許庁へ届く裁判の正本だ。勝訴したのに特許庁から何の連絡も来ないと焦る数週間は、書類が動いている時間である。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訴えを取り下げる前に、その取下げで確定する審決の範囲を請求項単位で書き出す(167条の2)。2. 一部の請求項だけ争いを残すなら、取下書に対象請求項を明記する。182条2号の送付書類はこの特定を前提にしている。3. 勝訴判決が確定した場合、審判官の再審理は自動的に始まる(181条2項)。特許庁への申立ては不要で、待つべきは裁判所からの書類送付である。4. 原簿の記載が動くまでの期間は、取引先への説明に判決正本の写しを添えて空白を埋める。

訴えられた側:1. 相手方が訴えを取り下げてきたら、確定する審決の範囲が自社の実施行為をカバーするか請求項ごとに検証する。2. 和解で終わらせる場合、和解条項に請求項の特定まで書き込む。書かなければ特許庁への送付書類が整わず、原簿への反映が遅れる。3. 訴訟中に特許庁長官への意見照会(180条の2)が行われたかを記録で確認する。特許庁が示した解釈は、別件の審判でも同じ筋として使える。

時効(請求できる期限):本条は裁判所の義務であり、当事者側に特定の期限はない(条文上は「遅滞なく」)。前提となる審決取消訴訟の出訴期間は、審決の謄本の送達があった日から30日(特許法178条3項、遠隔地には附加期間あり)。取下げによる審決の確定時点は取下げの効力発生時であり、書類が特許庁に到達した日ではない(最新の改正状況をご確認ください)。

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特許法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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