特許法 第196条の2
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第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第196条の2は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第196条の2の条文原文は「第百一条の規定により特許権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 特許法第196条の2は第十一章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第196条の2の前の条は特許法第196条です。
- 特許法第196条の2の次の条は特許法第197条です。
- 特許法第196条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第196条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第196条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/196_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法196条の2は、101条のみなし侵害(間接侵害)を行った者を五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処すと定める。専用部品を供給した上流の者も処罰対象となる。
Q · 部品を作って卸しただけでも、特許侵害で刑務所に行くことがあるの?
専用部品と知りつつ供給すれば刑事罰の対象
はい。特許法196条の2は、101条が定める間接侵害(みなし侵害)、つまり特許製品の生産にのみ用いる物を特許品と知りながら製造・譲渡等する行為を、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金、又はその併科で罰します。完成品を作っていなくても、専用金型・専用部品・専用ソフトを供給した者が対象です。分水嶺は二つ、その物が他用途に使えない「専用品」か、そして「特許品と知っていたか」。汎用品や特許を知らなかった場合は成立しない余地があります。
解説
金型を一つ削った。部品を一種類だけ卸した。プログラムのモジュールを一本だけ提供した。あなたは完成品など作っていない、ただの素材屋・下請けのつもりだった。それでも刑務所行きの対象になりうる。特許法196条の2は、101条が定める「みなし侵害(間接侵害)」、つまり特許製品を作るためだけに使う部品・道具・ソフトを、特許品だと知りながら作ったり売ったりする行為を、五年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金、あるいはその両方で罰する。ここで知っておくべき分水嶺は二つ。第一に、罰せられるのは完成品メーカーだけではなく、その上流であなたが供給した「専用部品」も射程に入る。第二に、鍵を握るのは「知っていたか」。特許品の製造専用部品だと認識していたか否かが、ただの取引と犯罪を分ける。納品書一枚、メール一通が、後から故意の証拠として読み返される。あなたが下請けという立場に安心しているなら、その安心こそが落とし穴だ。
法的な位置づけ
特許法196条の2は間接侵害罪を定める罰則規定であり、同法101条により特許権又は専用実施権の侵害とみなされる行為、すなわち特許製品の生産にのみ用いる物を特許品と知りながら製造・譲渡等する行為を、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨を規定する。直接侵害を罰する196条と対をなす。
よくある質問 AI による整理
Q1特許の間接侵害とは何ですか?
特許製品の生産にのみ用いる部品・道具・ソフトを、特許品と知りながら製造・譲渡等する行為です。特許法101条が侵害とみなし、196条の2で刑事罰の対象になります。
Q2みなし侵害(特許法101条)とは?
直接の実施行為ではないが、専用品の供給など侵害を惹起する予備的行為を法律上「侵害とみなす」制度です。間接侵害とも呼ばれ、民事の差止・賠償に加え刑事罰の根拠にもなります。
Q3特許でいう「専用品(のみ用いる物)」とは?
その特許製品の生産にしか使えず、他の用途に転用できない物を指します。汎用的に使える部品は原則対象外で、この「のみ要件」が間接侵害成立の分水嶺です。
Q4特許の間接侵害の罰則はどのくらいですか?
五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金、又はその併科です(特許法196条の2)。直接侵害を罰する196条より軽いですが、前科がつく刑事罰です。
Q5特許侵害で会社に科される罰金はいくらですか?
両罰規定(特許法201条)により、間接侵害罪では法人に最大3億円の罰金が科されうります。担当者個人の刑と会社の罰金が別々に来る構造です。
Q6特許の間接侵害は民事と刑事どちらの問題ですか?
両方です。差止(100条)・損害賠償(102条)の民事責任に加え、196条の2で刑事罰も科されます。民事で和解しても刑事告訴は止まりません。
Q7対象製品の特許が有効か調べる方法はありますか?
特許庁の J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で特許番号や製品名から権利の存否・存続期間を検索できます。特許は原則出願から20年で満了します。
Q8特許権者から警告書が届いたらどうすればいいですか?
受領後の出荷は故意の証拠になり得るため、まず当該品の出荷を一旦停止し判断を保留します。専用品性や特許認識の有無を整理し、知財に強い弁護士へ早期相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは部品を作って卸しただけなのに、なんで刑事まで問われるんですか?
間接侵害(特許法101条)が、特許製品の生産にのみ使う部品等を、特許品と知りながら供給する行為を侵害とみなすからです。完成品を作っていなくても196条の2で罰せられます。実務のポイント:分かれ目は「その部品が他の用途にも使えるか」です。汎用品なら侵害になりにくく、その製品専用に作られた物だと一気に危うくなる。発注を受ける段階で『この部品、他社製品でも使えますか』と一言確認し、汎用性を記録に残すかどうかで、後の立場が変わる
Q2互換品ビジネスって違法なんですか? ネットでみんな売ってますよね
互換品が常に違法なわけではありません。問題になるのは、その互換品が特許製品の生産にのみ用いる物(専用品)で、かつ特許の存在を知っていた場合です。汎用部品や、特許が切れた製品の互換品は別です。実務のポイント:特許には存続期間(原則出願から20年)があり、切れた特許の互換品は自由に作れる。互換品を扱う前に、対象製品の特許が生きているかを J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で調べる業者と、調べない業者で、刑事リスクの抱え方がまったく違う(最新の改正状況をご確認ください)
Q3もし有罪になったら、会社の社長個人だけが罰せられるんですか?
いいえ。両罰規定(特許法201条)により、行為をした担当者個人が罰せられるのに加えて、会社(法人)にも罰金が科されます。間接侵害罪の場合、法人への罰金は最大3億円に達しうる重さです。実務のポイント:担当者個人の刑と法人の罰金は別々に来るため、『現場の判断でやったこと』では会社は逃げられない。だからこそ大企業は、警告書を受け取った瞬間に法務が出荷を止める社内フローを持っている。中小企業ほどこの初動の仕組みがなく、被害が拡大する(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許侵害は損害賠償か差止め、つまり民事の問題」と思っている人が大半だが、間接侵害は刑事罰の対象でもある。民事の支払いで終わると思って軽く構えていると、刑事告訴・捜査・前科という別の軌道が同時に走っていることに気付くのが遅れる
- 間接侵害の刑事罰を知っている人でも、その重さを正しく見積もっていない。五年以下の拘禁刑に加え、会社ぐるみと認定されれば両罰規定(特許法201条)で法人に最大3億円の罰金が科される。担当者個人の刑と会社の罰金が二重に来る構造を、経営者の多くが把握していない
- 「うちは言われたものを作っただけ、責任は発注元」と考える下請けが多いが、この問いの立て方自体がずれている。法は「誰の指示か」ではなく「専用品と知って供給したか」を見る。指示されたかどうかは免罪符にならない。あなたの故意の有無が、独立して問われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象行為 | 196条の2:間接侵害(専用品の製造・譲渡等) | 196条:直接侵害(特許発明の実施行為) 101条:侵害とみなす行為の定義(民事の母条) |
| 法定刑 | 五年以下の拘禁刑/五百万円以下の罰金/併科 | 十年以下の拘禁刑/千万円以下の罰金/併科 刑罰規定なし(侵害とみなす民事上の規定) |
| 故意・専用品性 | 専用品であり特許品と知りながら供給したことが必要 | 特許発明を業として実施する故意が必要 民事では過失でも差止・賠償が可能 |
| 親告罪か/法人処罰 | 非親告罪。両罰規定(201条)で法人に最大3億円 | 非親告罪。両罰規定(201条)で法人に最大3億円 民事責任のため親告・両罰の概念なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2003年に専利権侵害を非刑事化しており、間接侵害を独立に処罰する規定はない。共同不法行為(民法185条)で民事処理する点が日本と大きく異なる。
韓国は127条で侵害とみなす行為を定め、225条で侵害罪を規定する。刑事罰を用意する点で日本の構造に近い。
ドイツは10条で mittelbare Patentverletzung(間接侵害)を、142条で刑事罰を定める。専用性と本質的要素の供給という要件構成が日本の『のみ要件』と対応する。
米国は寄与侵害(contributory infringement)を定めるが、特許侵害はあくまで民事の問題であり刑事罰は科されない。刑事罰を持つ日本・韓国・独と根本的に異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの町工場に「この図面どおりに金型を作って」と発注が来た。完成品が他社の特許を侵害していると後で発覚。発注元だけが捕まると思っていたら、専用金型を作ったあなたにも196条の2が向く。「知らなかった」と言えるかどうかは、発注時のやり取りに特許の話が出ていたかで決まる
- EC で「○○社製品 互換パーツ」として、その製品にしか使えない交換部品を販売していた。互換品ビジネスのつもりが、その部品が特許製品の生産にのみ用いる物なら、みなし侵害として刑事罰の対象になりうる。民事の差止だけで済むと思っていると、刑事告訴で話が一段重くなる
- もし、ある日、取引先の製品が特許侵害で提訴され、その捜査の過程であなたの会社の出荷記録が押収されたら? あなたが「専用部品と知りつつ供給を続けた」と認定される材料が、自社サーバーの中に眠っている。証拠は相手ではなく、あなたの社内にある
- あなたの会社の営業担当が、特許権者からの警告書を受け取った後も同じ部品の出荷を続けた。警告書受領後の出荷は「故意」の決定的証拠になる。あと数日、出荷を止めるか続けるかの判断が、起訴か不起訴かを分ける
- ソフトウェア開発者が、ある特許アルゴリズムを実装するためにしか使えないライブラリを配布。ダウンロード提供も「譲渡等」に含まれうる。物理的な部品でなくても、デジタルの提供が間接侵害罪の構成要件に乗る場面が増えている
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが特許権者で間接侵害を発見したら、まず差止請求(特許法100条)と損害賠償(102条)の民事手段を整理、刑事告訴はその後の選択肢2. 相手に内容証明で警告書を送り、専用部品である旨と特許番号を明示、これが相手の「故意」を立てる起点になる3. 警告後も供給が続くなら、出荷記録・カタログ・通販ページを証拠保全4. 刑事告訴は故意の立証ハードルが高いため、弁理士・知財に強い弁護士と立証構造を組んでから動く
訴えられた側:1. 警告書が届いたら、その日のうちに当該部品の出荷を一旦停止し判断を保留、続行は故意の証拠になる2. 「専用品」性を争う:その部品が他の用途にも汎用的に使えるなら、101条のみなし侵害自体が成立しない可能性がある3. 「知らなかった」を裏付ける資料(発注経緯、特許の認識がなかった記録)を整理4. 民事と刑事は別軌道。民事で和解しても刑事告訴は止まらないため、両方を見据えて知財刑事に強い弁護士へ早期相談
時効(請求できる期限):本罪は親告罪ではなく(特許法196条の2、非親告罪)、告訴がなくても起訴できる。公訴時効は法定刑(拘禁刑5年)に対応し刑事訴訟法250条により原則5年。起算は犯罪行為(供給等)の終了時。継続的な出荷は最後の出荷時から進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:196条の2の間接侵害罪は、101条の専用品性(のみ要件)と、特許品であることの認識(故意)の双方が備わった場合にのみ成立する。この二重の限定により、汎用部品の取引や善意の下請けは処罰範囲から除かれ、特許権者の保護と産業活動の自由が均衡される。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正 間接侵害(みなし侵害)行為を独立の刑事罰対象として196条の2を新設。従来は刑事責任が明確でなかった専用部品等の供給に刑事罰を導入した
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 「懲役」を「拘禁刑」に統合する刑法等改正に伴い、本条の刑種も拘禁刑に改められた
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:間接侵害(みなし侵害)行為を独立の刑事罰対象として196条の2を新設。従来刑事責任が明確でなかった専用部品等の供給に刑事罰を導入した。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:『懲役』を『拘禁刑』に統合する刑法等改正に伴い、本条の刑種も拘禁刑に改められた。
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