特許法 第201条(両罰規定)
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
- 一第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項三億円以下の罰金刑
- 二第百九十七条又は第百九十八条一億円以下の罰金刑
- 2.前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
- 3.第一項の規定により第百九十六条、第百九十六条の二又は前条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。
この条文の基本情報
両罰規定とは何ですか?
定義両罰規定とは、特許法第201条に定められた規定で、「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第201条(両罰規定)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第201条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その…」で始まります。
- 特許法第201条は第十一章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第201条の前の条は特許法第200条の3です。
- 特許法第201条の次の条は特許法第202条です。
- 特許法第201条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第201条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第201条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/201
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法201条は両罰規定で、従業者が業務上で特許侵害罪等を犯すと、行為者本人に加え法人にも罰金を科す。法人は最大3億円と個人の30倍に達する。
Q · 社員が特許侵害をしたら、会社も罰金を払うんですか?
はい。両罰規定で法人にも最大3億円の罰金が科されます。
特許法201条の両罰規定により、法人の従業者が業務に関して特許侵害罪(196条)等を犯すと、行為者本人を各本条で罰するほか、法人にも別個に罰金刑が科されます。196条・196条の2・200条1項の違反では法人に最大3億円、197条・198条では最大1億円です。個人の罰金上限の30倍に達する『法人重課』であり、会社は選任・監督上の無過失を立証しない限り責任を免れません。
解説
あなたの会社の開発者が、他社の特許を踏んだ製品をこっそり世に出した。捕まるのはその開発者だけで、会社は知らんぷりできる。そう思っているなら、特許法201条があなたの常識を書き換える。この条文は「両罰規定」と呼ばれ、違反行為をした個人(行為者)を罰するのに加えて、その会社にも別個に罰金を科す。しかも金額が桁違いだ。特許侵害罪(196条)で個人が払う罰金の上限は1000万円。だが会社は最大3億円、実に30倍である。なぜか。1000万円では大企業にとって端金で抑止にならないからだ。さらに恐ろしいのは、会社が「自分は何もしていない」では逃げられない点。判例は、会社が従業員の選任監督を怠った過失を推定する。つまり会社側が「侵害を防ぐ体制を尽くした」と証明しない限り、有罪へ自動的に近づいていく。
法的な位置づけ
特許法201条は両罰規定であり、法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務に関して同法の一定の違反行為をした場合、実行行為者を各本条により罰するとともに、その法人自体にも別個に罰金刑を科す規定である。侵害罪等では法人に最大3億円が科される。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
違反行為をした行為者本人を罰するのに加え、その事業主である法人にも別個に罰金刑を科す仕組みです。特許法では201条が定めており、法人重課で最大3億円になります。
Q2特許法197条・198条の法人罰金はいくらですか?
詐欺の行為の罪(197条)と虚偽表示の罪(198条)では、両罰規定により法人に最大1億円の罰金刑が科されます。侵害罪の3億円とは別枠の上限です。
Q3両罰規定で会社は免責されますか?
選任・監督上の過失がなかったことを法人が立証すれば免責される余地があります。ただし実務で無過失が認められる例は極めて稀で、平時のクリアランス記録が唯一の防御線です。
Q4両罰規定の告訴の効力はどうなりますか?
201条2項により、行為者への告訴は法人にも効力が及び、法人への告訴も行為者に及びます。一方だけを告訴・取下げすることはできない連動構造です。
Q5特許侵害罪の時効は何年ですか?
196条の侵害罪は拘禁刑10年以下のため、公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条)。両罰規定による法人の時効も本罪の時効に従います(201条3項)。
Q6秘密保持命令違反は両罰規定の対象ですか?
前条(200条)1項の違反は201条1号の対象で、法人に最大3億円が科されます。訴訟中の営業秘密漏えいが会社の刑事責任に直結します(現行効力は要確認)。
Q7中途採用者が前職の技術で特許侵害したら会社の責任は?
採用した法人が両罰規定の対象となり、最大3億円の刑事リスクを負います。採用時のクリアランス調査記録が、選任監督上の無過失を反証する足場になります。
Q8特許の両罰規定で有罪になると上場に影響しますか?
罰金額以上に、前科による入札資格停止・取引先の与信引き下げ・上場審査への影響が事業の信用を蝕みます。刑事処分の事実そのものがリスクです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が勝手にやったことなのに、なぜ会社まで罰金を払うんですか?
両罰規定(201条)は、行為者個人を罰するだけでは大企業への抑止にならないため、法人にも別個に罰金を科す仕組みです。判例(最大判昭和32.11.27)は、法人の責任を従業員の選任監督上の過失の推定として説明します。実務のポイント:会社は無過失を立証すれば免責される余地がありますが、実務でこの反証が認められるのは極めて稀。平時にクリアランス調査やコンプライアンス研修の記録を残していたかが、唯一現実的な防御線になります
Q2個人と会社で罰金の額がそんなに違うんですか?
違います。特許侵害罪(196条)の個人の罰金上限は1000万円ですが、201条1項により法人は最大3億円、実に30倍です。これは「法人重課」と呼ばれます。実務のポイント:この差は、罰金を事業コストとして織り込ませないための立法的意思です。逆に言えば、捜査機関や特許権者にとって法人を被告にするほうが圧倒的に交渉力が増す。だから刑事リスクを警告書に書くだけで和解が進むことが多い
Q3うちは小さな会社だけど、本当に3億円も取られるんですか?
3億円は上限であり、実際の量刑は侵害の規模・故意性・得た利益・反省の度合いなどで決まります。中小企業に上限が即適用されるわけではありません。ただし両罰規定の対象になること自体は会社規模を問いません(201条)。実務のポイント:罰金額より怖いのは前科による入札資格停止・取引先の与信引き下げ・上場審査への影響。金額の数字以上に、刑事処分を受けた事実そのものが事業の信用を蝕みます
間違えやすい点 AI による整理
- 「侵害したのは現場の社員だから、会社は無関係」と思いがちだが、両罰規定は行為者個人と法人を同時に処罰する。社員を切り捨てても会社の刑事責任は消えない
- 両罰規定の存在は知っていても、その罰金額の落差を知る人は少ない。個人の上限1000万円に対し法人は3億円。この30倍の差は「法人重課」と呼ばれ、罰金を端金扱いさせないための立法的な意思表示である
- 「うちは故意に侵害していないから両罰規定は関係ない」という問いの立て方そのものがずれている。判例上、法人の責任は従業員の選任監督上の過失を推定する構造であり、会社側が無過失を立証しない限り責任を免れない。問うべきは故意の有無ではなく、防止体制を尽くした証拠があるかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる本罪 | 201条:両罰規定の枠組み(法人に罰金を科す) | 196条・196条の2・200条1項:侵害罪・間接侵害等・秘密保持命令違反 197条・198条:詐欺の行為・虚偽表示 |
| 法人への罰金上限 | 本罪に応じ最大3億円または1億円 | 3億円以下 1億円以下 |
| 個人(行為者)の扱い | 各本条の罰金刑を科す(法人重課とは別枠) | 196条は拘禁刑10年以下・罰金1000万円以下 197・198条は各本条の法定刑による |
| 告訴の効力 | 行為者への告訴は法人にも及ぶ(2項の相互効力) | 200条は告訴に係る罪(親告罪の性質、現行効力要確認) — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2003年に専利法の刑事罰を廃止したため特許での両罰は存在せず、IP 分野の両罰は著作権法101条が行為者と法人を同時処罰する形で残る
韓国特許法も両罰規定を置き、行為者処罰に加え法人・事業主に罰金を科す。免責の但書構造も日本と類似する
ドイツは法人自体の刑事責任を原則認めず、秩序違反法により法人に過料(Geldbuße)を科す構成をとる点で日本の両罰と設計思想が異なる
米国は使用者責任法理により法人の刑事責任を広く認めるが、特許侵害はそもそも刑事罰の対象外で民事救済が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたのスタートアップの社員が前職の技術を持ち込んで製品化し、元勤務先から特許侵害で刑事告訴されたら? 行為者の社員だけでなく、法人であるあなたの会社にも最大3億円の罰金リスクが走る。告訴後に動ける時間は限られ、クリアランス調査の記録を今すぐ揃えられるかが分水嶺になる
- あなたが中小製造業の代表者。製造ラインの責任者が、コスト削減のため他社特許を回避せず量産した。両罰規定で、行為者である責任者個人と、法人であるあなたの会社が同時に被告人席に立つ。会社の罰金3億円は、年間利益を一撃で吹き飛ばす
- 展示会で他社の特許製品をコピーして出展した。出展した社員も会社も罰せられる。会社のほうが30倍重い
- 投資先を探すファンドが、買収候補の過去製品に特許侵害の疑いを発見した。両罰規定による法人の刑事罰金リスクが、買収価格の減額交渉カードになる。売り手が気付いていない地雷である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害製品と侵害者を特定したら、行為者個人だけでなく、その所属法人を両罰規定の対象として明確に位置づける2. 警告書面(内容証明)で196条の侵害罪と201条の法人重課(最大3億円)を明示し、相手法務に刑事リスクを認識させる3. 刑事告訴を検討する場合、200条のような親告罪では告訴期間(犯人を知った日から6か月、刑事訴訟法235条)に注意4. 民事の差止・損害賠償(特許法100条、102条)と刑事を並行で組み立て、交渉の圧力を最大化する
訴えられた側:1. まず弁護士と、その行為が196条等の構成要件に該当するか、故意があったかを精査する2. 法人側は「選任監督上の過失なし」の反証材料を集める。クリアランス調査記録、研修ログ、社内規程の整備状況が決定打になる3. 行為者個人は黙秘権を行使しつつ、会社との利益相反に注意(会社と個人で別の弁護人を立てるのが定石) 4. 親告罪なら告訴の有無・取下げの可能性を確認し、被害者との示談で告訴取下げを目指す
時効(請求できる期限):本条独自の時効はなく、違反行為の本罪の時効による(本条3項)。196条侵害罪は法定刑が拘禁刑10年以下のため公訴時効は7年(刑事訴訟法250条)。親告罪である200条等では、告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑事訴訟法235条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説(過失推定説):両罰規定による法人処罰の根拠を、法人が従業者の選任・監督を怠った過失の推定に求める。無過失を立証すれば免責されうるとの建前を残すことで純粋な無過失責任を避け、責任主義との均衡を保つ。
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