特許法 第199条(偽証等の罪)
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- この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
- 2.前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
この条文の基本情報
偽証等の罪とは何ですか?
定義偽証等の罪とは、特許法第199条に定められた規定で、「この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第199条(偽証等の罪)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第199条の条文原文は「この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する…」で始まります。
- 特許法第199条は第十一章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第199条の前の条は特許法第198条です。
- 特許法第199条の次の条は特許法第200条です。
- 特許法第199条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第199条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第199条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/199
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法199条は、宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁に虚偽の陳述・鑑定・通訳をした場合、三月以上十年以下の拘禁刑を科す。確定前の自白で減軽・免除もある。
Q · 特許庁の審判で嘘の証言や鑑定をしたら、どんな罪になるの?
最高10年の拘禁刑。ただし確定前の自白で減免も
特許法199条により、宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁または嘱託を受けた裁判所に虚偽の陳述・鑑定・通訳をすると、三月以上十年以下の拘禁刑に処されます。最高刑は刑法の法廷偽証罪と同じ重さで、「役所での手続だから軽い」という感覚は通用しません。ただし第2項により、判定謄本の送達前、または特許異議の決定・審決が確定する前に自ら白状すれば、刑の減軽または免除がありうる救済も用意されています。
解説
特許の無効審判で、あなたが技術の専門家として鑑定人に呼ばれたとする。宣誓書にサインし、特許庁の審判官の前で意見を述べる。ここで「依頼主に有利なように」と事実を一つ曲げた瞬間、あなたは犯罪者の側に立つ。特許法199条は、宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁(またはその嘱託を受けた裁判所、つまり特許庁の依頼で証人尋問を行う地方裁判所)に対し虚偽の陳述・鑑定・通訳をしたとき、三月以上十年以下の拘禁刑に処すると定める。「役所での発言だから軽い」という感覚は通用しない。最高刑10年は、刑法の法廷偽証罪とまったく同じ重さだ。だが本条には逃げ道も組み込まれている。判定の謄本が送達される前、または特許異議の決定・審決が確定する前に自分から白状すれば、刑を減軽または免除できる(2項)。嘘をついてしまった後でも、確定の瞬間まで引き返す扉は開いている。
法的な位置づけ
特許法199条は、審判等の手続における偽証罪を定める規定である。この法律により宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁または嘱託を受けた裁判所に対して虚偽の陳述・鑑定・通訳を行った場合に、三月以上十年以下の拘禁刑を科す。第2項は、事件の判定謄本の送達前または特許異議の決定・審決の確定前に自白した者について、刑の減軽・免除を認める。
よくある質問 AI による整理
Q1特許法199条の偽証罪とは?
宣誓した証人・鑑定人・通訳人が特許庁または嘱託裁判所に虚偽の陳述・鑑定・通訳をする罪です。法定刑は三月以上十年以下の拘禁刑で、刑法の法廷偽証罪と同じ重さです。
Q2特許法199条の法定刑はどのくらい重い?
三月以上十年以下の拘禁刑です。刑法の業務上横領(10年以下)と並ぶ水準で、技術鑑定や証言の一言が重大な刑罰の射程に入ります。
Q3鑑定人が虚偽の鑑定をしたらどうなる?
証人と同じく特許法199条の対象です。依頼者に有利なよう技術鑑定を故意に曲げれば、三月以上十年以下の拘禁刑の射程に入ります。
Q4通訳の誤訳も偽証罪になる?
故意に虚偽の通訳をした場合は該当します。証人本人ではなく通訳人が処罰される側になります。単なる訳し間違いではなく、故意の虚偽が要件です。
Q5特許の偽証罪は自白すれば許される?
判定謄本の送達前、または特許異議の決定・審決の確定前に自ら自白すれば、第2項により刑の減軽・免除が可能です。確定後は間に合いません。
Q6特許法199条と刑法の偽証罪の違いは?
刑法169条は法廷での偽証、特許法199条は特許庁の審判等での偽証を対象とします。特許庁の手続には特許法199条が特別法として優先適用されます。
Q7特許の偽証罪の公訴時効は何年?
長期十年の拘禁刑にあたるため、公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項、起算点は偽証行為の終了時、現行効力は要確認)。
Q8偽証を頼んだ会社側も罪に問われる?
鑑定人に虚偽鑑定を依頼すれば、教唆として問われうる可能性があります。発明を守る依頼が、自分と部下を同時に刑事被告人にする地雷になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許庁って裁判所じゃなくて役所ですよね。そこで嘘をついても、せいぜい審判で不利になるだけじゃないんですか?
それが落とし穴です。特許法199条は、宣誓したうえで特許庁に虚偽の陳述・鑑定・通訳をする行為を、独立した犯罪として三月以上十年以下の拘禁刑で罰します。役所か裁判所かは無関係で、刑罰の重さは刑法の法廷偽証罪と同等です。実務のポイント:実務では偽証で立件される例は多くありませんが、それは「滅多に罰されない」のではなく「立証のハードルが高い」だけ。相手方が証言の矛盾を丹念に記録していれば、審判の不利だけでなく前科にまで発展しうる。証人尋問や鑑定の依頼を軽く受けてはいけない理由がここにある
Q2記憶があいまいで、結果的に事実と違うことを言ってしまったら、それも偽証になりますか?
なりません。本罪が罰するのは『故意の虚偽』、つまり自分の記憶や認識に反することを承知で述べた場合です。誠実に記憶どおり述べた結果が客観的事実とずれていても犯罪ではありません。鑑定人の場合も、専門的見解の相違は虚偽鑑定とは区別されます。実務のポイント:危ないのは「断定を求められて、わからないのに言い切る」パターン。確信のない部分は『記憶にない』『その点は判断できない』と正直に述べておくのが、結果的に最大の防御になる。曖昧さを潰そうとして言い切った一言が、後で虚偽と評価されるリスクを生む
Q3嘘の証言をしてしまった後で後悔しています。もう手遅れですか?
確定前なら手遅れではありません。2項は、判定の謄本が送達される前、または特許異議の決定・審決が確定する前に自分から白状すれば、刑を減軽または免除できると定めています。免除まであり得る強力な救済です。実務のポイント:この自白減免は刑法170条の偽証自白減免と同じ思想で、虚偽が確定判断に影響する前に真実を回復させる狙いがあります。ポイントは『自分から』『確定前に』の二つ。相手にバレてから渋々認めるのではなく、自発的に、しかも期限内に申告できるかが分かれ目。気づいたその日に動くべき
間違えやすい点 AI による整理
- 「嘘の証言をしても、特許庁は裁判所じゃないから刑事罰なんてない」と思い込んでいる人が多い。これは問いの前提が誤っている。特許法199条は特許庁での偽証を独立した犯罪として定めており、最高刑は刑法の法廷偽証罪と同じ10年。役所か裁判所かは関係ない
- 偽証が犯罪だと知ってはいても、その「重さ」を知る人は少ない。三月以上十年以下の拘禁刑は、刑法の業務上横領(10年以下)や傷害罪(15年以下)と並ぶ水準。技術鑑定の一言が、暴行傷害と同じ刑罰のレンジに入るという深刻さは、現場ではほとんど意識されていない
- 「一度嘘をついたら、もう取り返しがつかない」と諦める人がいる。実は逆。2項の自白減免は、確定前なら刑の免除まであり得る強力な救済。引き返せないのではなく、引き返せる期限が決まっているだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為の性質 | 偽証(特許庁への虚偽の陳述・鑑定・通訳) | 特許権・専用実施権の侵害(196条) 特許表示に関する虚偽表示(198条) |
| 行為主体 | 宣誓した証人・鑑定人・通訳人 | 侵害行為をした者 虚偽の表示をした者 |
| 法定刑 | 三月以上十年以下の拘禁刑 | 十年以下の拘禁刑または千万円以下の罰金 三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金 |
| 自白による減免 | あり(確定前の自白で刑の減軽・免除) | なし なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特許法(專利法)に固有の偽証罪を置かず、刑法の偽證罪で規律する点で日本と構造が異なる
韓国も特許法に固有の偽証罪規定を置き、特許審判院に対する虚偽の陳述・鑑定・通訳を処罰する点で日本と近い
ドイツは特別法に固有の偽証罪を設けず、連邦特許裁判所での宣誓の下の虚偽供述も刑法の偽証罪で規律する
米国も一般の偽証罪で規律し、USPTO/PTAB 手続の虚偽陳述は連邦の false statement 規定も関わる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが社内の技術者で、自社特許の無効審判に鑑定人として立つことになった。上司から「相手の先行技術文献は、うちの発明とは別物だと言い切ってくれ」と頼まれる。だが本心では似ていると思っている。そのまま宣誓して証言すれば、10年以下の拘禁刑が射程に入る。頼んだ上司も教唆として問われうる
- 国際的な特許紛争で、外国人証人の通訳を任された。証人の不利な一言を、依頼者に配慮して柔らかく訳した。これも199条の「虚偽の通訳」に該当する。証人本人ではなく、通訳人であるあなたが処罰される側になる
- もし、あなたが審判で偽証してしまった後、夜中にそれを後悔したとしたら? 残された時間は、審決が確定するまで。確定前に自分から特許庁に申告すれば、2項で刑が免除される可能性がある。確定した翌日では、もう間に合わない
- あなたが審判の当事者で、相手方の鑑定人が事実と異なる鑑定をしていると確信している。あと数日で審決が出る。証言の矛盾を突く反証を今出すか、それとも偽証として刑事告発する道を残すか、二つの戦線を同時に判断しなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 当事者として相手方の証人・鑑定人・通訳人の虚偽を疑うなら、まず証言内容と客観的証拠(先行技術文献、実験データ、原文)の食い違いを書面で整理する2. 審判手続内では反証・反対尋問でその矛盾を顕在化させ、審判記録に残す3. 悪質な虚偽であれば、審判とは別軌道で捜査機関への告発を検討(偽証は親告罪ではないので誰でも告発可能) 4. 偽証が認められれば再審事由(特許法171条以下の関連手続、現行効力を要確認)にもなり得るため、審決確定の前後で打てる手が変わる点に注意する
訴えられた側:1. すでに虚偽の証言・鑑定・通訳をしてしまったなら、最優先は2項の自白減免の期限確認。判定謄本の送達前、または異議決定・審決の確定前であれば、自発的な訂正・申告で刑の減軽や免除が狙える2. 単なる記憶違いや見解の相違は「故意の虚偽」ではないため、自分の認識が本当に虚偽だったのかを冷静に切り分ける3. 依頼者から偽証を求められた経緯があれば、教唆の主体は別にいることを記録に残す4. 確定前か後かで戦略が根本的に変わるため、気づいた時点で直ちに弁護士へ
時効(請求できる期限):公訴時効は、本罪が長期10年の拘禁刑にあたるため7年(刑事訴訟法250条2項、起算点は偽証行為が終了した時。現行効力を要確認)。これとは別に、2項の自白による減免を受けられるのは『判定の謄本が送達される前』または『特許異議の決定・審決が確定する前』までで、この期限を過ぎると免除の道は閉じる
学説
通説:本罪が罰するのは『故意の虚偽』であり、自己の記憶・認識に反することを承知で述べた場合に成立する。誠実に記憶どおり述べた結果が客観的事実とずれても犯罪ではなく、鑑定人の専門的見解の相違も虚偽鑑定とは区別される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法の懲役・禁錮統合に伴い、法定刑を『三月以上十年以下の懲役』から『三月以上十年以下の拘禁刑』へ変更。刑期の上下限は維持
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、審判等の手続における証人・鑑定人・通訳人の偽証罪と、確定前の自白による減免規定を整備
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法の懲役・禁錮統合に伴い、法定刑を『三月以上十年以下の懲役』から『三月以上十年以下の拘禁刑』へ変更。刑期の上下限は維持(令和7年6月1日施行)
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