要点特許法 46 条の 2 は、実用新案権者が出願日から 3 年以内なら実用新案を土台に特許出願でき、原出願日に遡及すると定める。ただし技術評価の請求後は乗り換えできず、元の実用新案権は放棄が必要となる。
Q · 安く早く取れる実用新案を選んだけど、あとから特許に切り替えられるの?
3 年以内かつ技術評価未請求なら特許へ乗り換え可能
特許法 46 条の 2 により、実用新案権者は自己の実用新案登録を基礎として特許出願ができます。この特許出願は、明細書等が元の実用新案の記載範囲内であれば、実用新案登録出願の時にしたものとみなされ、出願日が遡及します。ただし条件があります。実用新案登録出願日から 3 年を経過したとき、自己または第三者が技術評価を請求したとき、無効審判が一定段階まで進んだときは、乗り換えの権利が消滅します。さらに特許出願をするなら、元の実用新案権は放棄しなければなりません。
安く早く取れるからと実用新案登録を選んだ。それ自体は賢い判断だ。だが知っておくべきことがある。実用新案は審査を経ずに登録される代わりに、権利としては脆い。後になって「やはり特許のしっかりした権利が欲しい」と思ったとき、特許法46条の2は、あなたの実用新案を土台にして特許出願へ乗り換える道を用意している。しかも元の実用新案の出願日に遡って出願したものとみなされる。ここが核心だ。新しく特許を出し直すのではなく、最初から特許だったことにできる。ただし扉には鍵がかかる時刻がある。実用新案の出願日から3年が過ぎたとき、自分または他人が実用新案技術評価を請求したとき、無効審判の手続が一定段階まで進んだとき。このいずれかに該当した瞬間、乗り換えの権利は消える。そして乗り換えるなら、元の実用新案権は放棄しなければならない。二つを同時には持てない。
特許法 46 条の 2 は、実用新案登録に基づく特許出願を定める規定である。実用新案権者が一定の要件のもとで自己の実用新案登録を基礎として特許出願を行うことを認め、原則としてその特許出願は元の実用新案登録出願の時にしたものとみなされる。特許出願にあたっては当該実用新案権を放棄することが要件となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
審査なしで取った実用新案を土台に、後から特許出願へ乗り換える制度です。特許法 46 条の 2 が根拠で、出願日が元の実用新案の日に遡り、元の実用新案権は放棄します。
原則、実用新案登録出願の日から 3 年以内です。ただし技術評価の請求や無効審判の進行があると、3 年を待たずに乗り換えの扉が閉じます。
自己または権利者が請求した場合はその時点で不可となります。第三者が請求した場合は、最初の通知を受けた日から 30 日以内なら特許出願が可能です。
元の実用新案権を放棄しなければならず、二つを同時に持てません。また遡及効は元の実用新案の記載範囲に限られ、はみ出した新規事項には及びません。
特許出願をする際に放棄が要件となります。実務では特許出願手続と同時に実用新案権の放棄手続を行い、権利の二重併存を避けます。
元の実用新案の願書に添付した明細書・実用新案登録請求の範囲・図面に記載した事項の範囲内に限り遡及します。範囲外の新規事項は遡りません。
早く安く押さえたいなら実用新案、審査を経た強い権利が欲しいなら特許です。46 条の 2 があるため、まず実用新案で押さえ後で特許へ昇格する時間差戦略も取れます。
専用実施権者・質権者・通常実施権者がいる場合は、これらの者全員の承諾が必要です(4 項)。承諾なしには特許出願できません。
実用新案は審査なしで登録される(無審査主義)ため早く安く権利が取れますが、新規性などの実体審査を経ていない未完成の権利です。権利行使には実用新案技術評価書の提示が要ります(実用新案法29条の2)。特許は審査を経た強い権利で、46条の2はその軽い実用新案を特許へ昇格させる橋です。業界裏話ヒント:実務では「とりあえず実用新案で押さえて様子を見る」戦略が使われますが、3年の昇格期限を管理できていない出願人が驚くほど多い。出願時に期限をリマインダー登録するか否かで、数年後の選択肢が変わる
戻ります(2項)。元の実用新案の願書に記載した範囲内であれば、その実用新案登録出願の時に出願したものとみなされます。これが46条の2最大の武器で、先願主義の競争で2、3年分の優先順位を確保できる。ただし範囲をはみ出した新規事項は遡及しません。業界裏話ヒント:遡及効を確実にする鍵は、最初の実用新案の明細書をいかに広く厚く書いておくか。安いからと薄い明細書で出すと、後で特許化したくても遡れる範囲が狭い。最初の一手で将来の選択肢が決まっている
できません。専用実施権者・質権者・通常実施権者がいる場合、これらの者全員の承諾が必要です(4項)。承諾なく出願しても効力は認められません。逆にライセンシー側から見れば、これは強力な交渉カードになります。業界裏話ヒント:承諾を求められたライセンシーは、ただ判を押すのではなく、特許化後の実施料や独占範囲の再交渉に持ち込むのが定石。「承諾します、ただし条件は」と言える立場にあると知らないライセンシーが多い
原則アウトですが、救済規定があります(3項)。自分の責めに帰することができない理由(災害、重大な事故など)で期限を過ぎた場合、理由が消滅した日から14日(在外者は2月)以内、かつ期間経過後6月以内なら、なお特許出願が可能です。業界裏話ヒント:この「責めに帰せない理由」のハードルは高く、単なる失念や多忙は認められません。だからこそ最初からの期限管理が命綱。救済の運用や期間は近年の法改正で変動があり得るので、最新の改正状況をご確認ください
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 46 条の 2:実用新案登録を基礎とする特許出願(権利種別の昇格) | — |
| 対象 | 設定登録された実用新案権 | — |
| 遡及効 | 原実用新案の記載範囲内で実用新案登録出願時に遡及(2 項) | — |
| 元の権利・出願の帰趨 | 元の実用新案権を放棄しなければならない(1 項後段) | — |
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