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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第71条の2

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  1. 特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
  2. 2.第百三十六条第一項及び第二項、第百三十七条第二項並びに第百三十八条の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第71条の2は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第71条の2の条文原文は「特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。」で始まります。
  3. 特許法第71条の2は第一節に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第71条の2の前の条は特許法第71条です。
  7. 特許法第71条の2の次の条は特許法第72条です。
  8. 特許法第71条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第71条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第71条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/71_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法71条の2は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があったとき、特許庁長官が審判官3名を指定して鑑定させると定める。私的鑑定とは別の中立的証拠となる。

Q · 特許侵害裁判で、製品が特許の技術的範囲に入るかどうかは裁判官だけが判断するの?

いいえ、裁判所は特許庁に鑑定を嘱託でき、審判官3名が判断します

特許法71条の2により、裁判所は特許発明の技術的範囲について特許庁に鑑定を嘱託することができます。嘱託を受けた特許庁長官は、3名の審判官を指定して鑑定を行わせなければなりません。これは、特許を付与した専門官庁が中立の立場で技術範囲を判断する手続で、当事者が雇う私的鑑定人とは別系統の証拠となります。鑑定に法的拘束力はなく最終認定権は裁判所に残りますが、その内容は和解交渉の力関係を大きく左右します。

解説

特許侵害で訴えた、あるいは訴えられた。その裁判の勝敗を分ける最大の争点は、問題の製品や方法が特許の「技術的範囲」に入るかどうか、その一点に尽きる。ところがこの技術的範囲を判断するのは、法律家である裁判官だ。半導体の回路でも医薬品の化学構造でも、裁判官が独力で正確に読み解けるとは限らない。特許法71条の2は、ここに隠しルートを設けている。裁判所は特許庁に鑑定を嘱託でき、特許庁長官は専門の審判官3名を指定して技術範囲を鑑定させなければならない。当事者がそれぞれ雇う私的鑑定人とは別に、特許を付与した役所そのものが、裁判所のために中立の立場で技術を読み解く。あなたが知っておくべきは、この鑑定書が出るか出ないか、出たら何と書いてあるかで、和解交渉のテーブルの力関係が一夜にして反転するという事実だ。

法的な位置づけ

特許法71条の2は、特許侵害訴訟における技術的範囲の鑑定嘱託を定める規定である。裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があった場合、特許庁長官は3名の審判官を指定して鑑定を行わせる義務を負う。民事訴訟法上の官公署への鑑定嘱託(218条)の特則として、専門官庁による中立的な技術判断を訴訟に取り込む手続を規律する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.まず技術的範囲を文章化して対比表を作る 特許法70条に基づき自社特許の技術的範囲(クレーム構成要件)を明確に文章化し、相手製品・方法との構成要件対比表を作成する。どの要件を充足・非充足と主張するかの土台を固める
  2. 2.技術範囲の対立と裁判官の逡巡を見極める 当事者間で技術的範囲の解釈が真っ向から対立し、裁判官が技術を測りかねている兆候が出たら、特許法71条の2の鑑定嘱託が効く局面だと判断する。弁理士・弁護士とタイミングを検討
  3. 3.裁判所に中立鑑定の嘱託を上申する 自社に有利な中立鑑定が見込めるなら、裁判所に対し特許庁への鑑定嘱託を上申する。相手が私的鑑定で押してきた場合は、その偏りを指摘して中立鑑定へ委ねるよう促す
  4. 4.鑑定結果を和解・判決の梃子にする 審判官3名による鑑定が出たら、その内容を軸に和解交渉や早期の請求認容・棄却を狙う。鑑定に時間を要する点を踏まえ、差止めの仮処分との併用も視野に入れる

よくある質問 AI による整理

Q1特許の技術的範囲とは何ですか?

特許発明の権利が及ぶ範囲のことで、特許請求の範囲(クレーム)の記載に基づいて定められます(特許法70条)。侵害の成否はこの技術的範囲に相手製品が入るかで決まります。

Q2特許庁の鑑定嘱託に費用はかかりますか?

鑑定は裁判所からの嘱託により特許庁が行う訴訟内の手続で、当事者が私的鑑定人へ個別に支払う報酬とは異なります。手続の負担や時間は事案により変わるため代理人にご確認ください。

Q3特許侵害訴訟はどれくらい時間がかかりますか?

技術的範囲の争いや鑑定嘱託の有無で大きく変わります。中立鑑定を経る場合は判断に時間を要するため、差止めの仮処分と併用するかを含め戦略を立てる必要があります。

Q4なぜ審判官は3名なのですか?

特許法71条の2第2項が審判の合議制(136条以下)を準用するためです。高度な技術判断を1人の判断に委ねず、複数の専門官による合議で中立性と正確性を担保します。

Q5技術的範囲は誰が判断するのですか?

最終的には裁判所ですが、法律家である裁判官は技術の専門家ではないため、特許法71条の2により特許庁へ鑑定を嘱託し、審判官3名の専門判断を取り込むことができます。

Q6特許庁の鑑定に拘束力はありますか?

法的拘束力はありません。鑑定は証拠の一つで、裁判所が自由に評価します。ただし専門官庁による中立判断のため、実務上は重く受け止められる傾向があります。

Q7中立鑑定の嘱託は当事者から申し立てられますか?

鑑定嘱託を行うかは裁判所が判断しますが、当事者が上申・促すことは可能です。私的鑑定で形勢が苦しいとき、中立鑑定を促して相手の鑑定の説得力を下げる戦術が使われます。

Q8特許法71条の2と民訴218条の鑑定嘱託は違いますか?

民訴218条は官公署等への鑑定嘱託の一般規定で、特許法71条の2はその特則です。特許の技術的範囲について特許庁が審判官3名で鑑定する点が固有です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1特許庁の鑑定と、自分で雇った鑑定人の意見、どっちが裁判で強いんですか?

形式上はどちらも証拠の一つで、裁判官が自由に評価します。ただし本条1項に基づき特許庁が審判官3名で行う鑑定は、特許を付与した専門官庁が中立の立場で出すため、当事者が雇った私的鑑定より重く受け止められやすいのが実務感覚です。実務のポイント:私的鑑定はどうしても依頼者寄りと見られがち。技術範囲で形勢が苦しいとき、あえて中立な特許庁鑑定を裁判所に促すと、相手の私的鑑定の説得力を相対的に下げられることがある

Q271条の判定と、この71条の2の鑑定って何が違うんですか?

71条の判定は、訴訟とは関係なく当事者が特許庁に「これは技術的範囲に入るか」を尋ねるもので、法的拘束力のない参考意見です。71条の2は、現に係属している裁判所からの嘱託に応じて特許庁が鑑定するもので、訴訟の中で証拠として機能します。実務のポイント:交渉段階でまず71条の判定を取り、有利な結果なら相手にちらつかせて圧力をかける、というのは実務で使われる手。訴訟前の判定と訴訟中の鑑定を使い分けられるかどうかが分かれ目になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「技術的範囲は裁判官が独自に決める」と思って主張を組み立てがちだが、その前提自体が誤っている。法律家である裁判官は、高度な技術判断を特許庁の鑑定に委ねることができる。誰をどう説得すべきかという問いの立て方そのものを、組み直す必要がある
  • 特許庁の鑑定という制度があることは知っていても、その重みを過小評価している人が多い。審判官3名による鑑定は事実上判決の方向を決定づけることがあり、「単なる参考意見だろう」と侮ると、訴訟戦略の根幹を読み違える
  • 71条の判定(当事者が特許庁に求める技術的範囲の意見)と、この71条の2の鑑定嘱託(裁判所が訴訟の中で求めるもの)を同じものだと思っている人が多いが、誰が求めるか、どの場面で効くかがまったく違う。混同すると、使える武器を使えない場面で振り回すことになる
比較の観点この条文ほかの条文
誰が求めるか71条の2:裁判所が特許庁へ嘱託71条:当事者が特許庁へ判定を請求
民訴218条:裁判所が官公署等へ嘱託(一般)
効く場面係属中の侵害訴訟の中訴訟前・交渉段階でも可
各種訴訟一般
判断主体指定された審判官3名(合議)特許庁の判定(審判官の合議)
嘱託先の官公署・法人等
法的効果訴訟内の証拠、拘束力なし・裁判所が評価法的拘束力のない参考意見
訴訟内の証拠、拘束力なし

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
智慧財産案件審理法(技術審査官制度)

台湾は裁判所外の官庁に鑑定を嘱託するのではなく、智慧財産及商業法院に技術審査官を配置して裁判官の技術判断を補助する方式を採る。機能的には中立の技術補助という点で共通する

韓国
특허법원 기술심리관 제도

韓国も特許法院に技術審理官を置き、裁判所内部で技術判断を補助する。日本のように特許庁へ外部嘱託する構造とは異なるが、専門知の司法への取り込みという目的は共通

ドイツ
PatG / ZPO §§ 402 ff.

ドイツは侵害と無効を分離(分岐主義)し、連邦特許裁判所に技術系裁判官を配置。侵害裁判所では ZPO の鑑定人制度を用いる。専門官庁への嘱託という日本型とは制度設計が異なる

アメリカ
Fed. R. Evid. 706 / Fed. R. Civ. P. 53 / Markman hearing

米国は当事者主義が強く、技術判断は主に当事者の専門家証人と Markman hearing によるクレーム解釈で行う。裁判所が中立の専門家や special master を任命する余地はあるが例外的

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 競合他社から「あなたの製品は当社特許の技術的範囲に入る、侵害だ」と警告書が届いたら、その技術範囲は誰が判断するのか? 裁判官は法律家であって技術者ではない。だからこそ裁判所は特許庁に鑑定を嘱託でき、専門の審判官3名が技術範囲を分析する。この鑑定結果が出る前と後で、和解交渉の力関係は一変する
  • 苦労して取得した特許を大手メーカーに模倣された。差止訴訟を起こしたが、技術範囲の解釈で双方が平行線。裁判所が特許庁への鑑定嘱託を選ぶか、当事者鑑定だけで進めるか、その分岐が判決までの時間と費用、そして勝敗の見通しを大きく左右する
  • 特許侵害訴訟の最中、裁判所が「特許庁に鑑定を嘱託する」と告げた。これは技術判断を行政の専門官3名に委ねる合図だ。鑑定書の内容が、事実上の判決の方向を決める

取るべき行動

被害を受けた側:1. 特許権者として侵害を主張するなら、まず70条に基づき自社特許の技術的範囲を明確に文章化し、相手製品との対比表を作る2. 当事者間で技術範囲の解釈が対立し、裁判官が技術を測りかねている兆候が見えたら、裁判所に対し本条の鑑定嘱託を上申する選択肢を弁理士・弁護士と検討3. 中立な特許庁鑑定が自社に有利と見込めるなら、その結果を和解交渉の梃子に使う4. 鑑定に時間がかかる点を踏まえ、仮処分(差止)との併用も視野に入れる

訴えられた側:1. 侵害を指摘されたら、まず相手特許の技術的範囲(70条)を精査し、自社製品が構成要件を充足しないと言える点を洗い出す2. 並行して特許自体の無効事由を検討し、104条の3の無効の抗弁を準備(範囲の議論に入る前に特許を潰せれば最善) 3. 相手が私的鑑定で技術的に押してきたら、その鑑定の偏りを指摘し、裁判所による中立な鑑定嘱託を促す4. 中立鑑定が非充足と出れば、それを軸に早期の請求棄却・和解を狙う

時効(請求できる期限):本条の鑑定嘱託自体に期限はなく、訴訟係属中に裁判所の判断で行われる手続だ。ただし背後にある特許権侵害の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で消滅時効にかかる(民法724条)。差止請求権は特許権の存続期間中は行使可能(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:特許法71条の2の鑑定は、特許庁が中立の専門官庁として行う証拠方法であり法的拘束力はなく、最終的な技術的範囲の認定権は裁判所に残る。もっとも専門官庁の合議による判断ゆえ、実務上は私的鑑定より重く評価される傾向にあるとされる。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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