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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第81条(意匠権の存続期間満了後の通常実施権)

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特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

この条文の基本情報

意匠権の存続期間満了後の通常実施権とは何ですか?

定義意匠権の存続期間満了後の通常実施権とは、特許法第81条に定められた規定で、「特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第81条(意匠権の存続期間満了後の通常実施権)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第81条の条文原文は「特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、…」で始まります。
  3. 特許法第81条は第一節に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第81条の前の条は特許法第80条です。
  7. 特許法第81条の次の条は特許法第82条です。
  8. 特許法第81条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第81条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第81条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/81

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法81条は、先願の意匠権が抵触する後発特許と併存し満了した場合、原意匠権者に原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を法律上当然に認める規定である。

Q · 意匠権が満了したら、後から取られた他社の特許で自分の製品は止められてしまうの?

意匠出願が特許出願より前か同日なら、満了後も無料で使い続けられます

特許法81条により、あなたの意匠登録出願が相手の特許出願より前または同日で、両権利が抵触している場合、意匠権の存続期間が満了しても、原意匠権の範囲内でその特許を無償で使い続けられる通常実施権を法律上当然に取得します。契約も交渉も申請も不要で、出願日の前後という客観事実だけで発生します。ただし『存続期間満了』が要件であり、放棄・無効・登録料不納による途中消滅は対象外です。また保護範囲は原意匠権の範囲内に限られ、相手の改良特許まではカバーしません。

解説

あなたの会社が20年前にこだわり抜いた製品の形を意匠登録し、その形のまま売り続けてきたとする。ところがある日、同業他社が「うちの特許に抵触している、製造をやめろ」と内容証明を送ってくる。よく調べると、その特許はあなたの意匠登録より後に出願されていた。普通に考えれば、意匠権の存続期間が切れた瞬間、あなたは後から来た特許権の前で丸腰になり、自分が長年作ってきた製品を止めるしかない。だが特許法81条がそれを防ぐ。あなたの意匠登録出願が相手の特許出願より前、または同日で、両者の権利が抵触している場合、意匠権が満了しても、あなたは元の意匠権の範囲内でその特許を無料で使い続けられる通常実施権を、法律上当然に取得する。先に投資して権利化した者を、後発の特許で締め出させない。これは契約でも交渉でもなく、条文が自動的にあなたの手に握らせる盾である。

法的な位置づけ

特許法81条は、特許出願日より前または同日の意匠登録出願に基づく意匠権が特許権と抵触する場合に、その意匠権の存続期間が満了したとき、原意匠権者に対し原意匠権の範囲内で当該特許権についての無償の通常実施権を法律上当然に付与する規定である。先願意匠権者の既得的地位を後発特許から保護する法定通常実施権として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.意匠出願日と特許出願日を公報・原簿で照合する 特許庁の特許公報・意匠公報および登録原簿で、自社の意匠登録出願日と相手の特許出願日を突き合わせる。前または同日であれば81条の射程内に入る。ここが起点となる客観事実
  2. 2.両権利が本当に抵触しているか確認する 相手の特許請求の範囲と自社製品・原意匠を突き合わせ、同一の製品形状をめぐって権利が実質的に衝突しているかを精査する。抵触がなければ81条は問題にならない
  3. 3.意匠権の消滅原因が『存続期間満了』かを確認する 自社の意匠権が存続期間満了で消えたのか、放棄・無効審決・登録料不納など別の原因で消えたのかを原簿で確認する。満了以外の消滅では81条は適用されない
  4. 4.通常実施権の存在を書面で相手に通知する 3要件を満たすなら、原意匠権の範囲内で法定の通常実施権が発生している旨を書面で相手に通知し、差止・損害賠償の根拠がないことを明示する。出願日という客観事実は解釈で覆せない

よくある質問 AI による整理

Q1特許法81条とは何ですか?

先願の意匠権が抵触する後発特許と併存して満了したとき、原意匠権者に原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を法律上当然に認める規定です。契約も申請も不要で発生します。

Q2意匠権が満了すると通常実施権が発生するのはなぜ?

先に投資して権利化した意匠権者を、後発の特許権で締め出させないためです。満了は権利消滅ではなく、抵触特許に対する無償の実施権に形を変えます(特許法81条)。

Q3通常実施権はいつ発生しますか?

意匠権の存続期間が満了した時点で、法律上当然に発生します。申請期限はなく、対象特許の存続期間満了まで継続します。特定の手続は不要です。

Q4原意匠権の範囲内とはどこまでですか?

元の意匠登録が保護していた形状・デザインの射程内を指します。相手が後から取得した改良特許や、原意匠を超える実施部分にはこの実施権は及びません。

Q5意匠権と特許権が抵触するとはどういう意味ですか?

同じ一つの製品形状が意匠権でも特許権でも保護対象になり、市場で二つの権利が正面衝突する状態です。抵触の有無は特許請求の範囲と製品を突き合わせて判断します。

Q6意匠権 満了後も製品を作り続けられますか?

意匠出願日が相手の特許出願日より前または同日で抵触していれば、満了後も原意匠の範囲で無償で作り続けられます。後なら満了日から侵害者になり得ます。

Q7特許法81条の要件は何ですか?

①意匠登録出願が特許出願より前または同日、②意匠権と特許権が抵触、③意匠権が存続期間満了で消滅、の3つです。一つでも欠けると実施権は発生しません。

Q8M&A で満了した意匠権に価値はありますか?

抵触する競合特許が生きていれば、81条の無償通常実施権という貸借対照表に載らない事業資産になり得ます。デューデリで見落とすと資産の過小評価につながります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1意匠権が切れたあとにその特許を使うのに、お金を払わなきゃいけないんですか?

いいえ、81条の通常実施権は法律上当然に発生する無償の実施権で、対価を支払う必要はありません。先に投資して権利化した者の既得の地位を保護する趣旨だからです。実務のポイント:同じ無償でも、相手がその後さらに改良した別の特許を持っていれば、改良部分はこの条文ではカバーされません。「無料で使える」と安心して改良技術まで取り込むと、別の特許で足をすくわれる。守られる範囲は『原意匠権の範囲内』に限られると押さえておく

Q2この通常実施権、相手の特許が別の会社に売られても主張できますか?

できます。通常実施権は登録がなくても特許権の譲受人など第三者に対抗できます(特許法99条、平成23年改正で導入された当然対抗制度)。特許が転売されても、あなたの実施権は消えません。実務のポイント:平成23年(2011年)改正より前は、対抗するために登録が原則必要でした。古い解説書を読んで「登録していないから対抗できない」と諦めるのは間違い。今は意匠出願日が先である事実さえ立証できれば対抗できる(最新の改正状況をご確認ください)

Q3意匠権を途中で放棄したり無効になった場合も、この実施権はもらえますか?

もらえません。81条が対象とするのは『その意匠権の存続期間が満了したとき』だけです。期間途中での放棄、無効審決の確定、登録料不納による消滅などは、満了とは別物として扱われ、通常実施権は発生しません。実務のポイント:登録料の納付を一度うっかり忘れて意匠権が途中消滅すると、満了で消えた場合と見た目は同じ「権利が消えた」でも、81条の保護を受けられるかどうかは正反対になる。意匠権の維持管理を軽視すると、満了まで持たせなかったことで盾を失う

間違えやすい点 AI による整理

  • 「意匠権が切れたら、その後はもう何の権利も残らない」と思われている。実際は逆で、抵触する後発特許に対しては、満了がむしろ無償の通常実施権という新しい権利を生む。消えたのではなく、形を変えて残る
  • 「自分のデザインだから使い続けられて当然」と軽く考えている人が多いが、その「当然」を支えているのが81条であり、適用には『相手の特許出願日より前または同日』『両権利の抵触』という厳格な要件があると知らない。要件を一つでも欠けば、満了日からあなたは侵害者に転落する。知っていることと、その深刻さを知っていることは別だ
  • 「意匠権と特許権は別の制度だから、互いに関係ない」と問いを立てている時点でずれている。同じ一つの製品形状が、意匠権でも特許権でも保護対象になりうる。あなたから見れば別々の登録制度だが、市場では一つの製品をめぐって二つの権利が正面衝突する。この視点の落差が、警告書を受け取ったときの判断を誤らせる
比較の観点この条文ほかの条文
権利発生の原因特許法81条:抵触する先願意匠権の存続期間満了特許法79条:特許出願前からの善意の実施(先使用)
特許法82条:意匠権満了時に実施権を有していた者の地位
対価無償(法定通常実施権)無償(法定通常実施権)
無償(法定通常実施権)
保護範囲原意匠権の範囲内実施・準備をしていた発明および事業の目的の範囲内
満了した意匠権についての専用・通常実施権の範囲内
主体先願意匠権者本人特許出願前から独自に実施していた者
意匠権者から実施の許諾を受けていた専用・通常実施権者

他国ではどう定めているか 1 か国

台湾
台湾専利法

台湾は意匠を専利法の『設計専利』として発明専利と同一法で規律する。日本81条のような意匠権満了後の法定通常実施権に完全対応する明文規定は確認されておらず、抵触調整の枠組みが異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 20年売ってきた家具の脚部形状を意匠登録していた。意匠権の満了直後、競合が「その脚部構造はうちの特許だ、作るな」と製造差止を求めてきた。だがあなたの意匠出願は相手の特許出願より2年早い。81条があなたに無料の通常実施権を保証し、相手の差止請求は空振りに終わる。出願日の前後という一点が、主力製品の生死を分ける
  • もし、あなたの意匠権があと半年で満了し、しかも同じ形状をカバーする他社特許がまだ存続期間を5年残しているとしたら、満了後もその製品を作り続けられるのか。答えは「あなたの意匠出願日が相手の特許出願日より前か同日か」だけで決まる。後なら、満了日からあなたは侵害者になる
  • 企業買収のデューデリで、買収先が持つ満了済みの意匠権を「価値ゼロ」と査定した。だがその意匠に抵触する競合特許が生きていれば、それは81条による無償の通常実施権という、貸借対照表に載らない見えない資産だった。査定担当者がこの条文を知らなければ、買い手は資産を見落とす
  • 意匠権の満了まであと30日。抵触しうる他社特許の出願日を今すぐ確認しないと、満了の翌日から自社の看板商品が止まりかねない。

取るべき行動

被害を受けた側:あなたが意匠権者で特許権者から「製造をやめろ」と警告された側の場合。1. 自社の意匠登録出願日と、相手の特許の出願日を特許庁の公報・原簿で照合する。前または同日なら81条の射程内2. 両権利が本当に抵触しているか、相手の特許請求の範囲と自社製品を突き合わせて確認3. 自社の意匠権が「存続期間満了」で消えたのか、放棄・無効など別の理由かを確認(放棄・無効は81条の対象外) 4. 要件を満たすなら、通常実施権の存在を書面で相手に通知し、差止・損害賠償の根拠がないことを明示する

訴えられた側:あなたが特許権者で、相手が81条の通常実施権を主張してきた側の場合。1. 相手の意匠登録出願日が自社の特許出願日より本当に前または同日か、公報で厳密に確認(同日でも相手に権利が生じる点に注意) 2. 相手が主張する実施範囲が「原意匠権の範囲内」に収まっているかを精査、範囲を超える部分には権利が及ばない3. 相手の意匠権が「存続期間満了」で消えたのか、それとも放棄・無効・取消なのかを調べる(満了以外なら81条は使えない) 4. 範囲外の実施や別の改良特許があれば、そちらで権利行使の余地を探る

時効(請求できる期限):81条の通常実施権は、意匠権の存続期間が満了した時点で法律上当然に発生し、対象となる特許権の存続期間が満了するまで継続する。権利を行使するための特定の申請期限はない。ただし、相手が侵害として差止や損害賠償を請求してきた場合の対応は、その請求権の期間に従う(損害賠償請求権の消滅時効は民法724条、知った時から3年・行為時から20年)。

学説

通説:本条は、特許権の独占排他力を原則として尊重しつつ、抵触する先願意匠権者の先行投資による既得的地位を『原意匠権の範囲内』という限定付きの無償通常実施権で保護し、後発特許の独占と先行者保護を均衡させる趣旨と解される。範囲を意匠権の射程に絞ることで特許権者の独占を過度に削がない設計になっている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定により規定。意匠権と特許権の抵触という制度横断的な衝突を、先願意匠権者への法定通常実施権で調整する仕組みを整備した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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