特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
要点特許法 81 条は、先願の意匠権が抵触する後発特許と併存し満了した場合、原意匠権者に原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を法律上当然に認める規定である。
Q · 意匠権が満了したら、後から取られた他社の特許で自分の製品は止められてしまうの?
意匠出願が特許出願より前か同日なら、満了後も無料で使い続けられます
特許法 81 条により、あなたの意匠登録出願が相手の特許出願より前または同日で、両権利が抵触している場合、意匠権の存続期間が満了しても、原意匠権の範囲内でその特許を無償で使い続けられる通常実施権を法律上当然に取得します。契約も交渉も申請も不要で、出願日の前後という客観事実だけで発生します。ただし『存続期間満了』が要件であり、放棄・無効・登録料不納による途中消滅は対象外です。また保護範囲は原意匠権の範囲内に限られ、相手の改良特許まではカバーしません。
あなたの会社が 20 年前にこだわり抜いた製品の形を意匠登録し、その形のまま売り続けてきたとする。ところがある日、同業他社が「うちの特許に抵触している、製造をやめろ」と内容証明を送ってくる。よく調べると、その特許はあなたの意匠登録より後に出願されていた。普通に考えれば、意匠権の存続期間が切れた瞬間、あなたは後から来た特許権の前で丸腰になり、自分が長年作ってきた製品を止めるしかない。だが特許法 81 条がそれを防ぐ。あなたの意匠登録出願が相手の特許出願より前、または同日で、両者の権利が抵触している場合、意匠権が満了しても、あなたは元の意匠権の範囲内でその特許を無料で使い続けられる通常実施権を、法律上当然に取得する。先に投資して権利化した者を、後発の特許で締め出させない。これは契約でも交渉でもなく、条文が自動的にあなたの手に握らせる盾である。
特許法 81 条は、特許出願日より前または同日の意匠登録出願に基づく意匠権が特許権と抵触する場合に、その意匠権の存続期間が満了したとき、原意匠権者に対し原意匠権の範囲内で当該特許権についての無償の通常実施権を法律上当然に付与する規定である。先願意匠権者の既得的地位を後発特許から保護する法定通常実施権として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
先願の意匠権が抵触する後発特許と併存して満了したとき、原意匠権者に原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を法律上当然に認める規定です。契約も申請も不要で発生します。
先に投資して権利化した意匠権者を、後発の特許権で締め出させないためです。満了は権利消滅ではなく、抵触特許に対する無償の実施権に形を変えます(特許法 81 条)。
意匠権の存続期間が満了した時点で、法律上当然に発生します。申請期限はなく、対象特許の存続期間満了まで継続します。特定の手続は不要です。
元の意匠登録が保護していた形状・デザインの射程内を指します。相手が後から取得した改良特許や、原意匠を超える実施部分にはこの実施権は及びません。
同じ一つの製品形状が意匠権でも特許権でも保護対象になり、市場で二つの権利が正面衝突する状態です。抵触の有無は特許請求の範囲と製品を突き合わせて判断します。
意匠出願日が相手の特許出願日より前または同日で抵触していれば、満了後も原意匠の範囲で無償で作り続けられます。後なら満了日から侵害者になり得ます。
①意匠登録出願が特許出願より前または同日、②意匠権と特許権が抵触、③意匠権が存続期間満了で消滅、の 3 つです。一つでも欠けると実施権は発生しません。
抵触する競合特許が生きていれば、81 条の無償通常実施権という貸借対照表に載らない事業資産になり得ます。デューデリで見落とすと資産の過小評価につながります。
いいえ、81 条の通常実施権は法律上当然に発生する無償の実施権で、対価を支払う必要はありません。先に投資して権利化した者の既得の地位を保護する趣旨だからです。業界裏話ヒント:同じ無償でも、相手がその後さらに改良した別の特許を持っていれば、改良部分はこの条文ではカバーされません。「無料で使える」と安心して改良技術まで取り込むと、別の特許で足をすくわれる。守られる範囲は『原意匠権の範囲内』に限られると押さえておく
できます。通常実施権は登録がなくても特許権の譲受人など第三者に対抗できます(特許法 99 条、平成 23 年改正で導入された当然対抗制度)。特許が転売されても、あなたの実施権は消えません。業界裏話ヒント:平成 23 年(2011 年)改正より前は、対抗するために登録が原則必要でした。古い解説書を読んで「登録していないから対抗できない」と諦めるのは間違い。今は意匠出願日が先である事実さえ立証できれば対抗できる(最新の改正状況をご確認ください)
もらえません。81 条が対象とするのは『その意匠権の存続期間が満了したとき』だけです。期間途中での放棄、無効審決の確定、登録料不納による消滅などは、満了とは別物として扱われ、通常実施権は発生しません。業界裏話ヒント:登録料の納付を一度うっかり忘れて意匠権が途中消滅すると、満了で消えた場合と見た目は同じ「権利が消えた」でも、81 条の保護を受けられるかどうかは正反対になる。意匠権の維持管理を軽視すると、満了まで持たせなかったことで盾を失う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利発生の原因 | 特許法 81 条:抵触する先願意匠権の存続期間満了 | — |
| 対価 | 無償(法定通常実施権) | — |
| 保護範囲 | 原意匠権の範囲内 | — |
| 主体 | 先願意匠権者本人 | — |
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