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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第82条

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  1. 特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその意匠権についての専用実施権又はその意匠権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、当該特許権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
  2. 2.当該特許権者又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第82条は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第82条の条文原文は「特許出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権がその特許出願に係る特許権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にそ…」で始まります。
  3. 特許法第82条は第一節に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第82条の前の条は特許法第81条です。
  7. 特許法第82条の次の条は特許法第83条です。
  8. 特許法第82条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第82条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第82条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/82

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法82条は、抵触する意匠権の存続期間が満了した際に現に実施権者だった者に、原権利の範囲内で特許権の通常実施権を認める。ただし特許権者は相当の対価を請求できる。

Q · ライセンスを受けていた意匠権が切れたら、重なっている他社の特許で工場を止められるの?

満了時に実施権者なら通常実施権が立ち、止められません

特許法82条により、意匠権が特許権と抵触する場合でも、意匠権の存続期間が満了した際に現にその意匠権の専用実施権者または通常実施権者だった者は、原権利の範囲内で当該特許権について通常実施権を持ちます。したがって特許権者から差止めを受けることはありません。ただし無償ではなく、2項により特許権者は相当の対価を請求できます。争点は差止めの可否ではなく対価の額へ移ります。この保護資格は『満了の際に現に』実施権者だったかで確定し、満了後に契約しても得られません。

解説

あるメーカーが、他社の意匠(製品デザイン)のライセンスを受けて20年以上、看板商品を作り続けてきた。ところがその意匠権の存続期間が満了した瞬間、同じ製品の形をカバーする特許が別に存在していたと判明する。普通に考えれば「意匠が切れた今、その特許であなたは差止めを食らう」と身構えるだろう。だが特許法82条はそうさせない。意匠権の満了時に専用実施権または通常実施権を持っていた者は、原権利の範囲内で、その重なっている特許権について通常実施権を持つ。つまりあなたの工場のラインは止まらない。代わりに特許権者へ「相当の対価」を払う義務が生じる(2項)。ゼロか百かではなく、使い続ける権利を残したうえで対価で調整する、それがこの条文の設計だ。あなたが投じた設備と販路という実施の実態を、権利の隙間で潰させないための安全装置である。

法的な位置づけ

特許法82条は、特許出願前又は同日の意匠登録出願に係る意匠権が特許権と抵触する場合において、意匠権の存続期間満了の際に現にその専用実施権又は通常実施権を有した者に、原権利の範囲内で当該特許権について法定の通常実施権を認める規定である。特許権者は相当の対価を受ける権利を有する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.満了の際に実施権者だったかを証拠で確認 特許権者から抵触・差止めの主張が来たら、意匠権の存続期間満了の際に現に自分が専用実施権者または通常実施権者だったかを、ライセンス契約書・登録原簿・製造記録で確認する。満了時点のスナップショットが分水嶺になる
  2. 2.82条1項の通常実施権を主張し差止めを退ける 要件を満たすなら、原権利の範囲内で当該特許権について82条1項の通常実施権を有すると主張し、差止請求に応じる義務はないと反論する。相手の土俵を『差止め』から『対価の額』へ移す
  3. 3.原権利の範囲を精査し超過部分を切り分ける 82条の通常実施権は『原権利の範囲内』に限られる。従来の意匠実施の態様を超える製造・販売は保護外なので、実施態様を洗い出し、範囲内と範囲外を切り分けておく
  4. 4.相当の対価を交渉し、アンカーを先に打つ 争点が対価額に移ったら、意匠時代のロイヤリティ水準を整理して先に合理的な額を提示し、交渉の基準線を自分で引く。まとまらなければ訴訟・調停も視野に入れるが、実施自体は止めなくてよい

よくある質問 AI による整理

Q1特許法82条とは何ですか?

抵触する意匠権が満了したとき、満了時の実施権者に特許権の通常実施権を認める規定です。原権利の範囲内で工場を止めずに実施を続けられますが、相当の対価を払う義務が生じます。

Q2意匠権が満了したら特許で差し止められますか?

満了の際に実施権者だった者は82条の通常実施権を持つため差し止められません。争点は差止めの可否ではなく対価の額に移ります。実施権者でなかった第三者は差し止められる余地があります。

Q3法定通常実施権とは何ですか?

当事者の許諾契約ではなく、法律の定める要件を満たすことで当然に発生する通常実施権です。82条・81条・79条などが典型で、登録なしに効力を持ちます。

Q4相当の対価はどうやって決まりますか?

法定の計算式はなく、当事者の交渉で決めます。まとまらなければ最終的に裁判所が判断します。原権利(意匠ライセンス)で払っていた水準が事実上の出発点になることが多いです。

Q5意匠権者本人は満了後どうなりますか?(特許法81条)

意匠権者自身については81条が別に満了後の通常実施権を定めます。82条は意匠権者から実施権を受けていた者を対象とする点で81条と対をなします。

Q6OEM・下請けでも82条の保護は受けられますか?

満了の際に意匠権又は専用実施権について通常実施権を有していれば対象になり得ます。発注元の権利の満了が下請けの製造可否まで連鎖するため、契約と登録の確認が重要です。

Q782条の通常実施権に登録は必要ですか?

82条の通常実施権は法律上当然に発生し、登録は成立要件ではありません。通常実施権は当然対抗(特許法99条)により登録なしに第三者へ対抗できます。

Q8意匠権と特許権が「抵触する」とはどういう状態ですか?

同じ物品の形態・技術について意匠権の実施が特許権の技術的範囲にも入り、双方の権利が同時に及ぶ重なりの状態を指します。この重なりが82条適用の前提です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1意匠が切れたんだから、もう誰でもその特許を自由に使えるんじゃないの?

いいえ、別物です。意匠権が満了しても、それと抵触する『特許権』は独立して存続しています。82条が守るのは満了の際にその意匠の実施権を持っていた特定の人だけで、その人が通常実施権を得ます。無関係の第三者が自由に使えるわけではありません。実務のポイント:実務では『意匠の満了で全部フリーになった』と誤解して製造を始め、抵触特許で差し止められる新規参入者が後を絶ちません。82条の保護は満了時の実施権者という狭い扉だけで、その扉の外の人には冷たい条文です

Q282条で使い続けられるなら、お金は払わなくていいんですよね?

残念ながら払う必要があります。82条2項で、特許権者または専用実施権者は通常実施権者から『相当の対価』を受け取る権利を持ちます。無償の先使用権(特許法79条)とはここが決定的に違う点です。実務のポイント:対価額に法定の計算式はなく、原権利(意匠ライセンス)で払っていた水準が交渉の出発点になることが多い。先に自分から合理的な額を提示してアンカーを打つと、相手の言い値を抑えられます。黙って相手の請求を待つのは下策です

Q3ライセンス契約が満了で終わったら、82条の保護も消えますか?

ここは混同しやすい点です。82条が見るのは『意匠権の存続期間の満了の際』にあなたが実施権者だったかどうか。意匠権満了の瞬間に専用実施権・通常実施権を持っていれば、その時点で82条の通常実施権が確定します。実務のポイント:契約上のライセンス期間と意匠権の存続期間は別物です。両者の満了タイミングがずれていると、82条に乗れるか乗れないかが分かれる。デューデリでは必ずこの二つの日付を分けて確認します

間違えやすい点 AI による整理

  • 「意匠権が切れたら、抵触する特許で当然に差し止められる」と思われがちだが、82条があれば満了時の実施権者は通常実施権を持ち、差止めは受けない。切れたのは意匠権であって、あなたの実施の地位ではない
  • 82条で通常実施権を持てることは知っていても、それが「タダで使い続けられる」という意味ではない点を見落としやすい。2項で特許権者は相当の対価を請求でき、その額は当事者の交渉、まとまらなければ裁判で決まる。権利は残るがコストはゼロにならない、その深刻さを甘く見ると後の対価請求で慌てる
  • 「満了後に急いで実施権の契約を結べば82条で守られる」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。82条が見るのは『意匠権の存続期間の満了の際に現に』実施権を持っていたかという過去の一点であって、満了後の契約は対象外だ。守られる資格は満了の瞬間に確定し、後から作れない
比較の観点この条文ほかの条文
実施権を得る者82条:意匠権の(専用/通常)実施権者81条:意匠権者本人
79条:出願前からの先使用者
対価の有無有償(2項の相当の対価)有償(相当の対価)
無償
発生原因抵触意匠権の満了 + 満了時の実施権者抵触意匠権の満了 + 意匠権者自身
特許出願前からの善意の実施・準備
権利の範囲原権利(意匠実施)の範囲内に限定原権利の範囲内に限定
実施・準備をしていた発明及び事業の目的の範囲内

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾専利法第59条

台湾は意匠満了専用の法定実施権規定ではなく、先使用権(先用權)で既存実施者を保護する。既存の実施投資を守るという趣旨は共通するが、発生原因の構成が異なる

韓国
대한민국 특허법 제105조

韓国は日本法を範として『디자인권 존속기간 만료 후의 통상실시권』を明文で規定。本条とほぼ同一の制度で、継受関係が最も明瞭

ドイツ
PatG § 12

ドイツは意匠満了専用規定を持たず、先使用権(Vorbenutzungsrecht)で既存実施を保護。抵触権の満了を要件とする日本型の調整規定は独自性が高い

アメリカ
35 U.S.C. § 273

米国は先使用の抗弁(prior commercial use defense)で既存の商業的実施者を保護。デザインパテントと通常特許の抵触満了という枠組みは日本に固有

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたの会社は25年前に他社の意匠ライセンスを受けて家電のデザインを使ってきた。今年その意匠権が満了。すると特許権者が「うちの特許に抵触するから製造を止めろ」と内容証明を送ってきた。82条を知っていれば止める必要はない。あなたは通常実施権者として使い続けられ、争点は差止めの可否ではなく対価の額に移る
  • もし、あなたが特許権者の側で、抵触する意匠権がついに満了したとしたら? これで市場を独占できると思うかもしれない。だが満了の際にその意匠の専用実施権者がいたなら、その者は82条で通常実施権を持つ。あなたにできるのは差止めではなく、相当の対価を請求することだけだ
  • OEM で長年部品を作ってきた。発注元の意匠権が満了したと聞いて青ざめる。だが満了時に通常実施権者だったあなたは、抵触する特許の下でもラインを止めずに済む
  • 意匠権の満了日まであと30日。あなたが「満了の際に現に」専用実施権または通常実施権を持っているかが分水嶺になる。満了後に慌てて契約しても82条は使えない、満了の瞬間に実施権者であることが要件だ。今のうちに自社のライセンス契約と登録状況を確認しないと、安全装置のスイッチが入らない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 特許権者から抵触・差止めの主張が来たら、まず『意匠権の存続期間満了の際に現に』自分が専用実施権者または通常実施権者だったかを契約書・登録原簿・製造記録で確認する2. 該当すれば82条1項の通常実施権を主張し、差止請求に応じる義務はないと反論する3. 争点は対価額に移るので、原権利時代のロイヤリティ水準を整理し交渉のアンカーにする4. 対価がまとまらなければ訴訟・調停も視野に入れる、ただし実施は止めなくてよい

訴えられた側:1. 抵触する意匠権が満了しても、満了の際に専用実施権者・通常実施権者がいた場合、その者には82条の通常実施権が立つので差止めはできないと理解する2. できるのは2項に基づく相当の対価の請求3. 相手の原権利の範囲を精査し、82条が及ぶ実施態様を超える部分があれば、その超過分には差止め・損害賠償の余地がある4. 対価額は原権利のロイヤリティや市場価値を基に算定し、合意できなければ裁判所の判断を仰ぐ

時効(請求できる期限):特定の出訴期限はない。ただし82条1項の通常実施権が成立するかは『意匠権の存続期間の満了の際に現に』実施権者であったかという一点で確定し、後から取得できない。2項の相当の対価請求権は一般の消滅時効(民法166条、原則5年または10年)に服する

学説

通説:82条の通常実施権は、意匠ライセンスに基づく実施投資の信頼を保護するための法定通常実施権であり、意匠権満了の際に現に実施権者だったことを要件として当然に発生する。範囲は原権利の範囲内に限定され、対価は2項により有償である点で無償の先使用権(79条)と区別される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 改正:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、意匠権と特許権の抵触関係の調整として満了後の法定通常実施権が整備された。意匠権者本人を対象とする81条と、実施権者を対象とする82条が対をなす構造となっている。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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