意匠法 第63条(証明等の請求)
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- 何人も、特許庁長官に対し、意匠登録に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類、ひな形若しくは見本の閲覧若しくは謄写又は意匠原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。ただし、次に掲げる書類、ひな形又は見本については、特許庁長官が秘密を保持する必要があると認めるときは、この限りでない。
- 一願書、願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本又は意匠登録出願の審査に係る書類であつて、意匠登録がされていないもの
- 二第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に関する書類、ひな形又は見本
- 三判定に係る書類であつて、当事者から当該当事者の保有する営業秘密(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第六項に規定する営業秘密をいう。次号及び第六号において同じ。)が記載された旨の申出があつたもの
- 四裁定に係る書類であつて、当事者、当事者以外の者であつてその意匠登録に関し登録した権利を有するもの又は第三十三条第七項において準用する特許法第八十四条の二の規定により意見を述べた通常実施権者からこれらの者の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
- 五拒絶査定不服審判又は補正却下決定不服審判に係る書類であつて、当該事件に係る意匠登録出願について意匠登録がされていないもの
- 六意匠登録無効審判又はその審判の確定審決に対する再審に係る書類であつて、当事者又は参加人から当該当事者又は参加人の保有する営業秘密が記載された旨の申出があつたもの
- 七個人の名誉又は生活の平穏を害するおそれがあるもの
- 八公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるもの
- 2.特許庁長官は、前項第一号から第七号までに掲げる書類、ひな形又は見本について、同項本文の請求を認めるときは、当該書類、ひな形又は見本を提出した者に対し、その旨及びその理由を通知しなければならない。
- 3.意匠登録に関する書類及び意匠原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
- 4.意匠登録に関する書類及び意匠原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
証明等の請求とは何ですか?
定義証明等の請求とは、意匠法第63条に定められた規定で、「何人も、特許庁長官に対し、意匠登録に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類、ひな形若しくは見本の閲覧若しくは謄写又は意匠原簿のうち磁気テープをもつて調製…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第63条(証明等の請求)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第63条の条文原文は「何人も、特許庁長官に対し、意匠登録に関し、証明、書類の謄本若しくは抄本の交付、書類、ひな形若しくは見本の閲覧若しくは謄写又は意匠原簿のうち磁気テープをもつて調製…」で始まります。
- 意匠法第63条は第七章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第63条の前の条は意匠法第62条です。
- 意匠法第63条の次の条は意匠法第64条です。
- 意匠法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法63条は、何人も特許庁長官に意匠登録書類の証明・閲覧・謄写等を請求できると定める。ただし秘密意匠や営業秘密申出のある書類など八つの例外は、長官が必要と認めれば拒否される。
Q · ライバル会社の意匠登録の中身って、誰でも見られるんですか?
誰でも閲覧できる。ただし秘密意匠や営業秘密の書類は除く
意匠法63条1項により、何人も特許庁長官に対し、意匠登録に関する証明・謄本交付・書類やひな形・見本の閲覧謄写・意匠原簿記録事項の交付を請求できます。J-PlatPatの公報に載らない包袋(審査書類一式)まで取り寄せられるのが実務上の要点です。ただし未登録出願の書類、秘密意匠(14条、最長3年)、当事者が営業秘密と申し出た判定・裁定・審判の書類などは、長官が秘密保持を要すると認めれば閲覧できません。
解説
競合のヒット商品を分解しながら、自社の新デザインが意匠権に抵触しないか不安になったことはないか。意匠法63条は、その不安を確かめる扉を「何人も」、つまり誰にでも開いている。特許庁長官に対し、意匠登録に関する証明、書類の謄本・抄本の交付、書類やひな形・見本の閲覧・謄写、意匠原簿の記録事項の交付を請求できる。狙いはJ-PlatPatの公報に出ない包袋(出願から登録までの審査書類一式)だ。出願人が審査官にどう権利範囲を主張し、どこを補正し、何を拒絶されたかが全部読める。ただし例外が八つ。未登録出願の書類、秘密意匠(登録後最長3年デザインを伏せる制度、14条)、当事者が営業秘密と申し出た判定・裁定・審判の書類などは、長官が秘密保持を要すると認めれば閲覧できない。しかもこの書類には情報公開法も適用されず、請求は63条という専用ルートに限られる。
法的な位置づけ
意匠法63条は意匠登録書類の証明等請求を定める規定であり、何人も特許庁長官に対し証明・謄本交付・閲覧・謄写等を請求できる原則を明らかにする。一方で未登録出願書類、秘密意匠、営業秘密の記載がある判定・裁定・審判書類など八類型については、長官が秘密保持の必要を認める場合に請求を拒否できる。意匠書類には情報公開法および個人情報保護法の開示規定が適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象の意匠登録番号・出願番号を特定 J-PlatPatで対象製品の意匠を検索し、意匠登録番号と出願番号を確定する。相手が秘密意匠を選んでいる場合は公報に図面が出ないため、番号と権利者名から特定する
- 2.秘密意匠なら秘密期間の満了日を確認 相手が秘密意匠(14条)を請求している場合、登録後最長3年の秘密期間が経過するまで包袋は閲覧できない。満了日を確認し、満了後に請求するスケジュールを組む
- 3.特許庁長官に証明・閲覧・謄写・謄本交付を請求 63条1項に基づき、証明請求・書類やひな形見本の閲覧謄写・意匠原簿記録事項の交付を所定様式で請求する。所定の手数料を納付する
- 4.取り寄せた包袋を非侵害の主張材料に整理 拒絶理由通知・意見書・補正書を読み、出願人が審査で自ら絞り込んだ権利範囲を抽出する。その自己限定を盾に非侵害を主張できるよう論点を整理する
よくある質問 AI による整理
Q1意匠の包袋とは何ですか?
出願から登録までの審査書類一式(願書・図面・拒絶理由通知・意見書・補正書等)を指します。J-PlatPatの公報には出ず、63条の閲覧請求で初めて読めます。
Q2J-PlatPatで意匠の審査書類は全部見られますか?
見られません。J-PlatPatは公報レベルまで。審査官との攻防や補正経緯が分かる包袋は、特許庁長官への閲覧請求(63条)が必要です。
Q3意匠書類の閲覧請求に手数料はかかりますか?
かかります。証明・謄本抄本交付・閲覧謄写は所定の手数料が必要です。金額は特許庁の最新料金表をご確認ください。
Q4秘密意匠はいつまで閲覧できないのですか?
登録後最長3年です(14条)。秘密期間が満了した翌日から包袋は誰でも閲覧可能になります。満了日を狙って請求準備する実務があります。
Q5意匠書類は情報公開法で開示請求できますか?
できません。意匠書類には情報公開法の規定が適用されません(63条3項)。請求できるのは63条という専用ルートだけです。
Q6意匠原簿とは何ですか?
意匠権の設定・移転・消滅などを記録する公的な帳簿です。磁気テープで調製された部分の記録事項は、63条により記載書類の交付を請求できます。
Q7他社の意匠出願が拒絶された理由を知る方法はありますか?
63条で包袋を閲覧謄写し、拒絶理由通知・意見書・補正書を読めば、審査官との攻防と権利範囲の絞り込みが分かります。
Q8意匠書類の閲覧が拒否されるのはどんな場合ですか?
未登録出願書類、秘密意匠、営業秘密の申出がある判定・裁定・審判書類、個人の名誉や公序良俗を害するおそれがある書類など、八類型で長官が秘密保持を要すると認めた場合です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ライバル会社の意匠登録の中身って、勝手に見ていいんですか?
見られます。63条1項で何人も、つまり誰でも書類の閲覧・謄写や謄本交付を請求できます。登録済みの意匠は原則公開です。ただし相手が秘密意匠(14条)を選んでいる間(最長3年)や、当事者が営業秘密記載と申し出た審判・判定・裁定の書類は除外されます。実務のポイント:J-PlatPatで無料で見えるのは公報レベルまで。出願人が審査官とどう攻防し、どこを補正したかの包袋(意見書・補正書・拒絶理由通知)は、閲覧請求しないと出てきません。侵害警告への反論材料はそこに眠っています
Q2無効審判で出した資料に営業秘密が入ってたら、相手や第三者に丸見えになりますか?
「営業秘密が記載された旨の申出」をしていれば、特許庁長官が秘密保持を要すると認める限り第三者の閲覧は拒否されます(63条1項6号)。申出を怠ると閲覧請求が通る恐れがあります。実務のポイント:この申出は書類提出と同時にやるのが鉄則です。後から「あれは営業秘密だった」と言っても、すでに閲覧請求が認められていれば手遅れ。提出する書面ごとに営業秘密に当たる箇所を明示しておく運用が実務では安全です
間違えやすい点 AI による整理
- 「意匠登録の中身は出願人本人しか見られない」と思い込んでいる人が多いが、63条1項は「何人も」、つまり誰でも閲覧・謄写・謄本交付を請求できると定める。あなたの競合のファイルも、あなたのファイルも、原則として赤の他人に開かれている
- 「秘密意匠にすれば永久にデザインを隠せる」と理解している人がいるが、秘密にできるのは登録後最長3年(14条)。深刻なのはその先で、期間が満了した翌日から包袋は誰でも閲覧でき、競合が一斉に内容を分析して設計回避を仕掛けてくる。隠せるのは時間稼ぎの3年だけ
- 「役所の書類なら情報公開法で開示請求すればいい」という前提そのものが誤っている。意匠書類には情報公開法も個人情報保護法の開示等規定も適用されない(3項・4項)。請求できるのは63条という専用ルートだけで、しかも八つの秘密保持例外が立ちはだかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 意匠法63条:意匠登録書類の証明等請求 | 意匠法14条:秘密意匠(閲覧除外の根拠) 特許法186条:特許における証明等請求 |
| 請求権者 | 何人も(誰でも可) | 出願人(秘密請求は出願人のみ) 何人も(誰でも可) |
| 閲覧の可否 | 原則公開、八類型は秘密保持で拒否可 | 秘密期間中(最長3年)は閲覧不可 原則公開、同種の秘密保持例外あり |
| 情報公開法の適用 | 適用除外(63条3項)、専用ルートのみ | — 特許法上も同様に専用ルート |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は設計專利を專利法に統合し、公告後は何人も審査書類・全ファイルの閲覧謄写を申請できる。日本の包袋公開と同趣旨。
韓国も登録意匠の証明・書類閲覧請求を認め、営業秘密・秘密意匠に相当する制限を置く点で日本と類似する。
ドイツは登録意匠の登録簿および書類の閲覧を認めるが、公開意匠と留保(Aufschiebung der Bekanntmachung)の扱いに応じて範囲が異なる。
米国は係属中の出願を原則秘匿とするが、登録済み意匠特許のファイルラッパーはPublic PAIRで公開され、包袋アクセスが可能。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合が自社の新型ケトルと似た形状で意匠権を取っていると分かった。あなたの製品は侵害になるのか? 答えは公報には書いていない。包袋を閲覧請求し、相手が審査でどこまで権利範囲を絞ったかを読めば、非侵害の主張材料が見つかることがある。動く前に手元の証拠が二倍になる
- あなたが意匠権者として無効審判で防御し、自社の製造ノウハウを記した書類を証拠提出した。その書類に「営業秘密が記載された旨の申出」を添えなければ、後日まったくの第三者が閲覧請求し、ノウハウが筒抜けになる。守る側こそ手続を知らないと裸になる
- ライバルの秘密意匠の3年が来月切れる。満了の翌日から包袋は閲覧可能になる。その日に請求を出せるよう、登録番号と請求書を今から準備しておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. J-PlatPatで対象の意匠登録番号と出願番号を特定する2. 特許庁長官に証明・閲覧・謄写・謄本交付を請求(63条1項、所定の手数料が必要) 3. 相手が秘密意匠なら秘密期間(最長3年)の満了日を確認し、満了後に請求4. 取り寄せた包袋から拒絶理由通知・意見書・補正書を読み、相手が自ら絞った権利範囲を非侵害の主張材料として整理する
訴えられた側:1. 出願段階でデザインを伏せたいなら秘密意匠(14条)の請求を検討する2. 判定・裁定・各種審判で営業秘密や製造ノウハウを記した書類を出すときは、提出と同時に「営業秘密が記載された旨の申出」を必ず添える3. 第三者の閲覧請求が認められると提出者へ通知が来る(2項)ので、通知を受けたら秘密保持の必要性を主張する機会を逃さない4. 名誉や生活の平穏に関わる記載は7号・8号の保護対象になり得る点も押さえる
時効(請求できる期限):閲覧・謄写の請求自体に特定の時効はなく、いつでも請求できる。ただし秘密意匠の秘密期間(14条、登録後最長3年)が経過してはじめて当該書類が閲覧可能になる時間軸がある。営業秘密記載の申出は書類の提出時に行うのが鉄則で、後出しでは先に認められた閲覧請求を止められない(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:意匠制度は独占権を認める代償として権利の存在と範囲を公衆へ開示することで機能するため、63条は原則公開を掲げる。他方で審査・審判過程に現れる営業秘密や個人情報を保護するため八類型の秘密保持例外を設け、透明性と秘密保護の均衡を図るものと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 改正:行政機関の保有する情報の公開に関する法律の制定に伴い、意匠書類への情報公開法適用除外規定(現3項)が整備された。
- 2.令和3年(2021年) 改正:デジタル改革関連法による個人情報保護法制の一元化に伴い、意匠書類の保有個人情報について同法の開示等規定を適用除外とする現4項へ整理された。
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