受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

商標法 第33条の3

クイックジャンプ
  1. 商標登録出願の日前又はこれと同日の特許出願に係る特許権がその商標登録出願に係る商標権と抵触する場合において、その特許権の存続期間が満了したときは、その満了の際現にその特許権についての専用実施権又はその特許権若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者は、原権利の範囲内において、その商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその登録商標又はこれに類似する商標の使用をする権利を有する。ただし、その使用が不正競争の目的でされない場合に限る。
  2. 2.第三十二条第二項及び第三十三条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
  3. 3.前二項の規定は、商標登録出願の日前又はこれと同日の出願に係る実用新案権又は意匠権がその商標登録出願に係る商標権と抵触する場合において、その実用新案権又は意匠権の存続期間が満了したときに準用する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商標法第33条の3は、日本の商標法に含まれる条文です。
  2. 商標法第33条の3の条文原文は「商標登録出願の日前又はこれと同日の特許出願に係る特許権がその商標登録出願に係る商標権と抵触する場合において、その特許権の存続期間が満了したときは、その満了の際現…」で始まります。
  3. 商標法第33条の3は第一節 商標権に置かれています。
  4. 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 商標法第33条の3の前の条は商標法第33条の2です。
  7. 商標法第33条の3の次の条は商標法第34条です。
  8. 商標法第33条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第33条の3
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127
  • 本サイト収録商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第33条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/33_3

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商標法33条の3は、抵触する特許権の存続期間満了時に専用実施権または通常実施権を有していた者が、原権利の範囲内で登録商標を継続使用できる権利を定める。不正競争の目的でないことが条件。

Q · 特許が切れた日に、長年売ってきた商品名を他人の商標で奪われそうになったら、もう使えないの?

満了時の実施権者なら原権利の範囲内で使い続けられる

商標法33条の3により、特許権の存続期間が満了したとき、満了時点で専用実施権者または通常実施権者だった者は、原権利の範囲内で、抵触する登録商標やこれに類似する商標を、指定商品・役務またはその類似範囲で使い続ける権利を有します。条件は、その使用が不正競争の目的でされないことです。実用新案権・意匠権が満了した場合も3項で準用されます。ただし商標権者は33条2項準用により混同防止表示を請求できます。

解説

あなたが他社の特許や意匠のライセンスを受けて、ある商品を長年つくり、売ってきたとする。客はその商品名・ロゴ・形であなたの会社を覚えている。ところが、その特許の存続期間が満了したその日、まったく別の誰かが、あなたが使ってきたマークに似た商標をすでに登録していたと判明する。普通に考えれば、もう特許という盾はないのだから、あなたはその商標権者から差止めを食らい、長年使った商品名ごと失う。だが商標法33条の3がここで効く。特許の存続期間が満了しても、その時点であなたが専用実施権者または通常実施権者だったなら、原権利の範囲内で、その登録商標やこれに類似する商標を、指定商品やその類似範囲で使い続ける権利が法律上残る。条件は一つ、その使用が不正競争の目的でないこと。ライセンスを受けていた側、つまり権利者本人ではないあなたまで救うのがこの条文の射程だ。

法的な位置づけ

商標法33条の3は、商標権と抵触する特許権・実用新案権・意匠権の存続期間が満了した場合に、満了時点の専用実施権者または通常実施権者へ、原権利の範囲内での登録商標の継続使用権を認める例外規定である。先行投資により蓄積された事業信用を、権利の境目から救済する機能を果たす。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.満了時点の実施権者の地位を証拠で固める 特許権等の存続期間満了の時点で、自分が専用実施権者または通常実施権者であったことを、ライセンス契約書・登録原簿・特許原簿で確保する。通常実施権は登録不要のため、契約書と実施の事実の立証が要となる
  2. 2.原権利の範囲を販売実績で確定する 満了前に実際に使用していた指定商品・役務と、使っていた商標の範囲を、カタログ・販売資料・出荷記録で時系列に固める。これが原権利の範囲の証明となり、保護される境界線を画定する
  3. 3.不正競争目的の不存在を整える 独自の出所表示や正当な事業実態を整理し、他人の信用への便乗ではないことを示せる状態にする。これにより33条の3ただし書きの反論を封じる
  4. 4.警告状には33条の3を明示して反論する 商標権者からの警告には33条の3を明示し、継続使用権の存在を宣言する。差止めには応じず、33条2項準用に基づく混同防止表示の協議に限って対応する

よくある質問 AI による整理

Q1商標法33条の3とは何ですか?

特許権等の存続期間満了時に実施権者だった者へ、原権利の範囲内で抵触する登録商標の継続使用権を認める規定です。不正競争目的でないことが条件です。

Q2特許が切れたら商標も自由に使えますか?

技術は自由になりますが商標は別権利です。他人が先に登録していれば侵害になりえます。ただし満了時の実施権者は33条の3で継続使用権が残ります。

Q3専用実施権と通常実施権の違いは?

専用実施権は登録された独占的実施権、通常実施権は契約で成立する非独占的実施権です。33条の3はどちらの権利者も保護対象とします。

Q4原権利の範囲内とはどこまでですか?

満了前に実施していた指定商品・役務とその類似範囲を指します。これを超えた新規の事業拡大は保護されず、商標権侵害になりえます。

Q5不正競争の目的とは何を指しますか?

他人の信用に便乗し出所の混同を狙うなどの目的です。正当な事業実態と独自の出所表示があれば、原則として不正競争目的は否定されます。

Q6混同防止表示請求とは何ですか?

商標権者が、自己の商品との混同を防ぐ表示を付すよう継続使用者へ求める請求です。33条2項が準用され、継続使用は無条件ではありません。

Q7意匠権や実用新案権でも同じですか?

同じです。33条の3の3項が、実用新案権・意匠権が商標権と抵触し満了した場合にも1項・2項を準用すると定めています。

Q8商標法33条の2と33条の3の違いは?

33条の2は特許権者・専用実施権者本人を保護し、33条の3はその実施権者(ライセンシー)まで保護を広げる点が違います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1特許が切れたら、その商品名も普通に使い続けられるんじゃないんですか?

技術は自由になりますが、商標は別の権利です。他人がその名前を先に商標登録していれば、特許切れと同時にあなたの使用は侵害になりえます。そこを救うのが33条の3で、満了時点の実施権者には原権利の範囲内で使用権が残ります。実務のポイント:特許満了を待って参入する企業の多くは、先発側が製品名や形を立体商標で押さえていることに気付かず後から差止めを受けます。満了日と商標登録は別々にチェックするのが鉄則です

Q2ライセンスを受けていただけの自分も守られるんですか、権利者本人じゃないのに?

守られます。33条の3は専用実施権者と通常実施権者を明示的に対象にしており、特許権者本人版の33条の2とは別に、ライセンシーまで保護を広げています。満了時点でその地位にあったことが要件です。実務のポイント:通常実施権は登録されていなくても契約で成立します。だからこそ満了後に争いになったとき、契約書と実施の事実をどれだけ証拠で示せるかが勝負を分けます。口約束のライセンスは、ここで足元をすくわれます

Q3意匠権でも同じことが言えますか、うちは製品の形でライセンスを受けてるんですが

言えます。33条の3の3項が、実用新案権・意匠権が商標権と抵触して満了した場合にも準用されると定めています。形状をめぐる立体商標とのトラブルでこそ効く規定です。実務のポイント:自社製品の形が売れて有名になるほど、その形が他人の立体商標として強くなるという逆説があります。意匠権の満了が見えてきたら、その形に重なる商標出願がないかを早めに調べておくと、満了後の不意打ちを防げます

Q4使用権が残るなら、ついでに商品ラインを増やしても大丈夫ですか?

それは危険です。保護されるのは原権利の範囲内、つまり満了前に実施していた指定商品・役務とその類似範囲に限られます。これを超えた新規拡大は保護の外で、商標権侵害になりえます。実務のポイント:範囲という言葉を軽く見て事業を広げ、超過部分だけを狙い撃ちで差止められる例は実際にあります。守りに入るなら、満了前の使用実態を境界線として厳密に守るのが安全です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「特許が切れたら、その技術もマークも誰でも自由に使える」と思い込んでいる人は、実は半分しか合っていない。技術は自由になるが、商標は別系統の権利だ。他人が先にその名前や形を商標登録していれば、特許切れと同時にあなたの使用は商標権侵害に転じうる。33条の3はその落差を埋めるための例外規定であって、原則はあくまで侵害になる側だ
  • 「使用権が残るなら、これまで通り自由に商売を広げられる」と考えるのは危険。残るのは原権利の範囲内に限られる。満了前にやっていた指定商品・役務とその類似範囲を超えて事業を拡大すれば、その部分は保護されない。範囲という言葉の重さを軽く見た瞬間、保護の外に出る
  • 「この使用権はタダで手に入る既得権だ」と思われがちだが、商標権者は33条2項準用により、自己の商品との混同を防ぐ表示を付けるよう請求できる。使い続けられても無条件ではない。相手にも対抗手段が残されているという構図を見落とすと、交渉で足をすくわれる
比較の観点この条文ほかの条文
保護される主体33条の3:満了時の専用実施権者・通常実施権者(ライセンシー)33条の2:特許権者・専用実施権者など権利者本人
32条:出願前から善意で使用してきた先使用者
発動の起点抵触する特許権・実用新案権・意匠権の存続期間満了同左(本人版として規律)
他人の商標登録出願前からの継続使用
使用が認められる範囲原権利の範囲内(指定商品・役務とその類似範囲)原権利の範囲内
従前から使用してきた商品・役務の範囲
商標権者の対抗手段混同防止表示請求(33条2項準用)混同防止表示請求(33条2項準用)
混同防止表示請求(32条2項)

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
商標法第36条第1項第3款(善意先使用)

台湾は善意の先使用者に継続使用を認める点で発想が近いが、特許等の存続期間満了を起点とする日本の構成とは前提が異なる

韓国
상표법 제99조(선사용권)

韓国も先使用に基づく継続使用権を認める。混同防止表示請求の対抗手段も日本と類似する

中国
商標法 第59条第3項

中国は一定の影響力ある先使用商標について原使用範囲内での継続使用を認める。範囲限定の発想は日本と共通

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは大手メーカーの特許ライセンスを受け、15年間ある形状の部品を製造販売してきた。特許切れの直後、同業他社からその形状を立体商標として登録済みだとする警告書が届く。33条の3を知らなければ廃業も覚悟するが、満了時に通常実施権者だったあなたには使用権が残る。立証すべきは原権利の範囲と不正競争目的の不存在
  • もし、あなたが意匠権のライセンス契約で売ってきた製品について、意匠権の満了と同時に他人の商標権で差止請求を受けたら、どう反論する? この条文3項が実用新案権・意匠権にも準用されるため、特許に限らず同じ防御が立つ。鍵は契約書に記された実施権の範囲をどこまで証拠で固められるか
  • あなたが商標権者の側で、満了した特許のライセンシーに警告状を送ろうとしている。相手が33条の3を持ち出してきた瞬間、差止めは通らなくなる。あなたにできるのは混同防止の表示請求(33条2項準用)だけになる。送る前に相手の実施権の存否を調べないと、空振りの警告で手の内を見せることになる
  • 残り時間はわずか。特許満了まであと30日、あなたは慌てて自社のブランド名を商標出願しようとしている。だが他人が先に似た商標を押さえていた。出願で巻き返せないなら、満了時点で通常実施権者である地位を確実にしておくこと、それがこの条文を発動する前提になる
  • 友人が中小製造業を営んでいて、ライセンス品の特許が切れたとたん商標トラブルになったと相談してきた。あなたが33条の3の存在を伝えられれば、相手は弁理士に走る前に交渉のテーブルに戻れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず満了時点で自分が専用実施権者または通常実施権者だったことを示す契約書・登録原簿を確保する2. 満了前に実施していた指定商品・役務と、使っていた商標の範囲を販売資料・カタログで時系列に固める、これが原権利の範囲の証明になる3. 不正競争の目的がないことを示すため、独自の出所表示や正当な事業実態を整理4. 商標権者からの警告には33条の3を明示して反論、差止めには応じず、混同防止表示の協議に限って対応する

訴えられた側:1. 警告を送る前に、相手が満了時点で実施権者だったかを特許原簿・契約関係から確認、該当すれば差止めは通らないと織り込む2. 相手の使用が原権利の範囲を超えていないか、超過部分があればそこだけを攻める3. 不正競争の目的が立証できるなら、ただし書きを根拠に保護を否定する余地を探る4. 全面差止めが無理でも、33条2項準用で自己の商品との混同を防ぐ表示の付加を請求し、共存条件を設計する

時効(請求できる期限):この使用権は満了時点の実施権者の地位に基づく抗弁であり、行使に特定の時効はない。ただし商標権者からの損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で消滅する(民法724条)。混同防止表示請求の起算点は個別事情によるため、最新の改正状況をご確認ください

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商標法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 商標権

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›