最低賃金法 第31条(労働基準監督署長及び労働基準監督官)
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労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。
この条文の基本情報
労働基準監督署長及び労働基準監督官とは何ですか?
定義労働基準監督署長及び労働基準監督官とは、最低賃金法第31条に定められた規定で、「労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第31条(労働基準監督署長及び労働基準監督官)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第31条の条文原文は「労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。」で始まります。
- 最低賃金法第31条は第四章 雑則に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第31条の前の条は最低賃金法第30条です。
- 最低賃金法第31条の次の条は最低賃金法第32条です。
- 最低賃金法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法31条は、労働基準監督署長と労働基準監督官が同法の施行事務を担うと定める。最低賃金割れの申告先は職場を管轄する労働基準監督署であり、監督官は事業場への立入検査権も持つ。
Q · 時給が最低賃金を下回っていたら、どこに持ち込めばいいの?
職場を管轄する労働基準監督署です
最低賃金法31条により、同法の施行事務は労働基準監督署長及び労働基準監督官がつかさどります。つまり最低賃金割れの窓口は裁判所ではなく、職場を管轄する労働基準監督署です。監督官は32条により事業場に立ち入って賃金台帳等を検査でき、33条ではこの法律違反の罪について司法警察員の職務も行います。労働者は34条により監督機関に申告でき、申告を理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁止されています。ただし船員法の適用を受ける船員は35条2項により運輸当局・船員労務官が権限を行使します。
解説
「この法律の施行に関する事務をつかさどる」。一行だけの、いかにも役所の内部事情めいた条文だが、ここで決まっているのは「最低賃金を割られたとき、その話が誰の机の上に乗るか」である。最低賃金法の現場執行は、専用の新しい役所ではなく、労働基準法と同じ労働基準監督署が担う。時給が地域別最低賃金を下回っているとき、あなたが最初に向かう先は裁判所ではなく、職場を管轄する監督署の窓口になる。しかもこの条文が名指しする労働基準監督官は、32条で事業場に立ち入って帳簿を検査でき、33条ではこの法律違反の罪について刑事訴訟法上の司法警察員の職務まで行う。ただし立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと32条3項が釘を刺している。行政指導の顔と刑事の顔、その二つが同じ人物に載っている構造を、雇う側も雇われる側もほとんど意識していない。
法的な位置づけ
最低賃金法31条は、同法の施行事務を担う行政機関を定める組織規定であり、労働基準監督署長及び労働基準監督官が厚生労働省令の定めるところにより施行事務をつかさどる旨を規定する。最低賃金の監督・指導は労働基準法の監督機関網に統合されており、32条の臨検監督権、33条の司法警察員の職務、34条の申告の受理は、いずれもこの機関に帰属する。
よくある質問 AI による整理
Q1労働基準監督署とは何をするところですか?
労働基準法と最低賃金法などの労働法令が守られているかを監督する厚生労働省の第一線機関です。最低賃金法31条により、同法の施行事務も監督署長と監督官が担います。
Q2最低賃金より安い時給はどこに相談すればいいですか?
職場(事業場)の所在地を管轄する労働基準監督署です。本社ではなく実際に働いている店舗・現場の住所で管轄が決まる点に注意してください。
Q3労働基準監督官の権限はどこまでありますか?
32条により事業場への立入り、帳簿書類の検査、関係者への質問ができます。さらに33条で、この法律違反の罪について司法警察員の職務も行います。
Q4最低賃金法違反の罰則はいくらですか?
地域別最低賃金額以上を支払わない場合、40条により50万円以下の罰金です。42条の両罰規定で行為者だけでなく法人にも罰金が科されます。
Q5監督署への申告は匿名でもできますか?
匿名の情報提供は可能ですが、34条の申告として処理し是正指導まで進めるには、事業場と事実関係の特定が必要になるのが実務です。
Q6申告したら会社にバレて不利益を受けませんか?
34条2項が申告を理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止し、違反は39条の犯罪となります。申告日を受付記録で固定しておくと立証が容易です。
Q7船で働く人の最低賃金はどこが監督しますか?
船員法の適用を受ける船員については、35条2項により国土交通大臣、地方運輸局長、船員労務官が権限を行使します。労働基準監督署は管轄外です。
Q8是正勧告に従わないとどうなりますか?
同じ監督官が33条の司法警察員の職務に基づき捜査・書類送検に進みます。行政指導から刑事手続へ、担当者が変わらないまま局面だけが変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最低賃金より安い時給でも、本人が納得してサインした契約なら有効ですよね?
無効である。4条2項により最低賃金額に達しない部分は無効となり、その部分は最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされる。合意があったかどうかは関係がない。取締りを担当するのは本条により労働基準監督署である。実務のポイント:窓口では「相談」と「34条の申告」で扱いが変わる。申告として受け付けられたかどうかを最初に確認しておくと、その後の是正指導の進み方が違ってくる
Q2監督官が来たら、その場で帳簿を全部見せないとダメなんですか?
32条1項で監督官は事業場に立ち入り、帳簿書類を検査し関係者に質問できる。拒否、妨害、虚偽陳述は41条3号で30万円以下の罰金である。ただし32条3項は、この立入検査の権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定めている。実務のポイント:同じ監督官が33条で司法警察員の職務も持つため、行政の臨検と刑事の捜査は建前上分離されている。今がどちらの局面なのかを確認することは、聞かれた側の正当な質問である
間違えやすい点 AI による整理
- 「監督署に駆け込めば未払い分を取り立ててくれる」と思って相談に行く人が多いが、問いの立て方が違う。監督署がやるのは行政指導、是正勧告、そして悪質な場合の送検であって、あなたの差額賃金を代わりに回収する取立機関ではない。差額を請求する根拠は4条2項(最低賃金額に達しない部分は無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされる)で、これはあくまで民事の請求権。是正勧告は強力な援護射撃だが、回収の主語はあなたのまま残る
- 「監督官が来ても、どうせ行政指導で終わる」と経営者は知っているつもりでいるが、深刻度を読み違えている。33条により監督官はこの法律違反の罪について司法警察員の職務を行う。是正に応じない場合、書類送検まで同じ職員が担当し、42条の両罰規定で行為者本人だけでなく法人にも罰金刑が科される
- 船で働く人が港の労働基準監督署に相談に行っても管轄外になる。船員法の適用を受ける船員については、この法律に定める労働基準監督署長や労働基準監督官の権限に属する事項は、国土交通大臣、地方運輸局長、船員労務官が行う(35条2項)。同じ最低賃金法でも、執行のルートが丸ごと別線に切り替わっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 31条:施行事務を担う機関の指定(組織規定) | 32条:監督官の立入検査・質問権(行政調査) 33条:監督官が司法警察員の職務を行う(刑事) |
| 誰が動くか | 労働基準監督署長及び労働基準監督官 | 労働基準監督官(事業場に臨検) 労働基準監督官(同一人物が捜査主体) |
| 働く側の使い方 | 窓口の所在(管轄監督署)を特定する根拠 | 帳簿検査により事実関係が客観化される 悪質事案で送検に進む圧力となる |
| 限界・注意点 | 船員は35条2項で運輸当局に切替 | 32条3項:犯罪捜査のために認められたものと解してはならない 刑事手続に移れば黙秘権等の保障が働く |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も専任機関を作らず、中央主管機關である勞動部と勞動檢查機構が最低工資の執行を担う。日本と同様に労働検査体制への相乗り型
韓国も最低賃金の監督は労働監督官が担い、司法警察官吏としての職務も併有する。日本の制度と構造が最も近い
ドイツは最低賃金の執行を労働監督ではなく税関当局(Finanzkontrolle Schwarzarbeit)に割り当てる点で日本と決定的に異なる。不法就労対策と一体運用される
米国は労働省 Wage and Hour Division が調査権を持つが、労働者自身による民事訴訟(未払賃金+同額の付加賠償)の比重が日本より格段に大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 10月に地域別最低賃金が改定されたのに、給与明細の時給が据え置きのままだったら、どこに持ち込むのが最短か? 答えは職場を管轄する労働基準監督署である。差額を払わせる法的根拠は4条2項、取り締まる機関を決めているのが本条。そして賃金請求権の時効は各賃金支払日から進み始めている(労働基準法115条、当分の間3年、最新の改正状況をご確認ください)。動かない一か月ごとに、取り返せる範囲が後ろから削られていく
- 飲食店を一店だけ経営している。監督官が身分証を提示して入ってきて、賃金台帳とタイムカードを出せと言う。拒めば41条3号で30万円以下の罰金、その場の一言で立場が変わる
学説
通説:本条は最低賃金法の執行を独立の専門機関に委ねず、労働基準法の監督機関組織に統合したものと解される。監督官が行政監督権(32条)と司法警察権(33条)を併有する構造は執行効率に資する一方、32条3項による目的外利用の禁止が適正手続上のヒューズとして機能すると説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正、平成20年(2008年)7月1日施行 最低賃金法の一部を改正する法律により法全体が再編され、旧法の条番号が大きく動いた(旧法8条の適用除外が新法7条の減額特例に置き換わるなど)。監督機関に関する規定が本条の位置に整理されたのはこの再編後であるが、本条自体の新設か文言改正かの区別は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法(昭和34年法律第137号)制定。最低賃金の監督・執行を労働基準監督機関に担わせる基本構造がこの時点で採用された(条番号の当時の位置は人的検証が必要)
- 2.平成19年(2007年) 改正:最低賃金法の一部を改正する法律により法全体が再編され、旧法の条番号が大きく移動した。監督機関に関する規定が現行31条の位置に整理されたのはこの再編後であるが、本条自体が新設か文言改正かの区別は人的検証が必要
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