要点最低賃金法 35 条は、船員には地域別最低賃金を適用せず、国土交通大臣または地方運輸局長が交通政策審議会等の意見を聴いて船員向けの特定最低賃金を決定すると定める。監督は船員労務官が行う。
Q · 船員には、都道府県ごとの最低賃金は効かないんですか?
効きません。国土交通省ルートの船員向け特定最低賃金が適用されます
最低賃金法 35 条 1 項により、地域別最低賃金を定める第 2 章第 2 節は船員法の適用を受ける船員には適用されません。代わりに、国土交通大臣または地方運輸局長が交通政策審議会等の意見を聴いて決定する「船員に適用される特定最低賃金」が下限となります(35 条 3 項)。監督は船員労務官が行い(35 条 2 項)、金額は時間だけでなく日・週・月の単位でも定められます。相談窓口は労働基準監督署ではなく地方運輸局です。
日本の労働法には、最初から線の外に置かれている人たちがいる。船に乗る人だ。最低賃金法35条1項は、地域別最低賃金を定める第2章第2節を、船員法の適用を受ける船員には適用しないと言い切る。つまりあなたが船員なら、毎年10月に改定される都道府県ごとの時給の床は、そもそも存在しない。代わりに立つのが、国土交通大臣または地方運輸局長が交通政策審議会等の意見を聴いて決める「船員に適用される特定最低賃金」である。監督するのは労働基準監督官ではなく船員労務官、根拠となる省令は厚生労働省令ではなく国土交通省令、金額の単位も時間だけでなく日・週・月で定めうる(35条2項)。陸の常識をそのまま海に持ち込むと、相談窓口も、床の金額も、時給換算の計算式も全部ずれる。ずれに気付かないまま乗り続ければ、差額は年単位で積み上がっていく。
最低賃金法 35 条は、船員に関する同法の適用除外と権限読替えを定める規定である。船員法の適用を受ける船員には地域別最低賃金の規定が適用されず、同法上の厚生労働大臣等の権限は国土交通大臣・地方運輸局長・船員労務官が行使し、船員に適用される特定最低賃金は交通政策審議会等の意見を聴いて決定される。
船員に関する適用除外と権限読替えを定めた条文です。地域別最低賃金の規定を船員に適用せず、国土交通省側のルートで決まる特定最低賃金を下限とします。
地方運輸局に置かれ、船員法および最低賃金法に基づく船員の労働条件を監督する職員です。陸上の労働基準監督官に相当する立入検査等の権限を持ちます(35 条 2 項)。
国土交通省または地方運輸局が公示する「船員に適用される特定最低賃金」で確認します。都道府県の地域別最低賃金の一覧には掲載されません。
あります。船員に適用される特定最低賃金の違反には最低賃金法 40 条により 50 万円以下の罰金、周知義務違反には 41 条 1 号により 30 万円以下の罰金が定められています。
決められます。35 条 2 項により 3 条の「時間」が「時間、日、週又は月」と読み替えられるため、告示が月額等で示されることがあります。
地方運輸局長です。35 条 2 項の読替えにより、7 条の減額特例の許可権限は都道府県労働局長ではなく地方運輸局長が行使します。
派遣先基準です。乗組み派遣船員には、派遣先の事業または派遣先で使用される同種の船員の職業に適用される特定最低賃金が適用されます(35 条 8 項)。
国土交通大臣または地方運輸局長が、交通政策審議会等の調査審議を求め、その意見を聴いて決定します(35 条 3 項)。最低賃金審議会ではありません。
動かない。35条2項で、この法律上の厚生労働大臣・都道府県労働局長・労働基準監督署長・労働基準監督官の権限は、船員については国土交通大臣・地方運輸局長・船員労務官が行うと読み替えられる。事業場への立入検査(32条)も船員労務官の職務だ。業界裏話ヒント:地方運輸局には船員労務官が置かれ、船員法の監督と一体で賃金も見ている。相談の冒頭で「最低賃金法35条2項の件です」と言えるかどうかで、たらい回しの回数が変わる
陸上では3条で最低賃金額は時間によって定めるとされるが、船員には「時間、日、週又は月」と読み替えられる(35条2項)。告示が月額などで示される場合は、比較の単位を告示側に合わせる必要がある。業界裏話ヒント:4条3項で、一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金や通常の労働時間以外の賃金は算入されない。手当の名称ではなく支払周期で判定されるので、明細の各項目に支払周期を書き込む作業が最初の一手になる
陸上の特定最低賃金は労使いずれかの申出が出発点だが(15条1項)、船員では国土交通大臣または地方運輸局長が必要と認めれば、交通政策審議会等の意見を聴いて職権で決定でき、改正・廃止も同様だ(35条3項、7項)。判断材料は船員の生計費、類似の船員の賃金、通常の事業の賃金支払能力の三つ。業界裏話ヒント:36条により審議会の権限は交通政策審議会等が持つ。改定の兆しは厚生労働省の審議会ではなく国土交通省側の資料に先に出る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用対象 | 最低賃金法 35 条:船員法の適用を受ける船員(地域別最低賃金は不適用) | — |
| 決定権者 | 国土交通大臣・地方運輸局長(交通政策審議会等の意見) | — |
| 監督機関 | 船員労務官(地方運輸局) | — |
| 金額の単位・罰則 | 時間・日・週・月で決定可/違反は 40 条 50 万円以下の罰金 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。