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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

最低賃金法 第9条(地域別最低賃金の原則)

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  1. 賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。以下同じ。)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。
  2. 2.地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。
  3. 3.前項の労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。

この条文の基本情報

地域別最低賃金の原則とは何ですか?

定義地域別最低賃金の原則とは、最低賃金法第9条に定められた規定で、「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 最低賃金法第9条(地域別最低賃金の原則)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
  2. 最低賃金法第9条の条文原文は「賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。」で始まります。
  3. 最低賃金法第9条は第二節 地域別最低賃金に置かれています。
  4. 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
  5. 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 最低賃金法第9条の前の条は最低賃金法第8条です。
  7. 最低賃金法第9条の次の条は最低賃金法第10条です。
  8. 最低賃金法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第9条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
  • 本サイト収録最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/9

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点最低賃金法9条は、地域別最低賃金をあまねく全国各地域で決定し、労働者の生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力の三要素を考慮して定めると規定する。

Q · 最低賃金って、生活できる金額として決められているんですか?

違います。会社の支払能力も同じ基準に入っています

最低賃金法9条2項は、地域別最低賃金を「地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力」を考慮して定めると規定します。労働者の生計費は三つの考慮要素のうちの一つにすぎず、地域の賃金相場と事業者の支払能力も対等に並びます。ただし3項が、生計費の考慮に当たり健康で文化的な最低限度の生活を営めるよう生活保護に係る施策との整合性に配慮するとして、下限側に歯止めを置いています。

解説

毎年秋、あなたの時給の下限は法律の手で書き換えられる。その書き換えのルールがここに置かれている。第1項が命じるのは、地域別最低賃金を全国どの地域にも漏れなく決めること。最低賃金が存在しない土地は日本に一つもない。第2項が挙げる考慮要素は三つ、労働者の生計費、地域の賃金水準、そして通常の事業の賃金支払能力である。三つ目に目を止めてほしい。あなたの生活費が足りるかどうかだけでなく、会社が払えるかどうかも、法律上は同じ天秤に載っている。だから最低賃金は「生活できる額」とイコールにはならない。そして第3項、平成19年(2007年)改正で加わった歯止めが、生計費を見るときは生活保護に係る施策との整合性に配慮せよと定める。働いて得る最低額が生活保護を下回る逆転現象を潰すために入った一行である。

法的な位置づけ

最低賃金法9条は地域別最低賃金の原則を定める規定である。1項は賃金の低廉な労働者の最低額保障のため、あまねく全国各地域について地域別最低賃金を決定すべきことを、2項は労働者の生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力という三要素を考慮すべきことを、3項は生計費の考慮において生活保護に係る施策との整合性に配慮すべきことを規定する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.給与から最低賃金の算入対象外を取り除く 通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与など臨時に支払われる賃金を除外し、最低賃金の比較対象となる賃金額を確定する
  2. 2.時間額に換算する 時給者はそのまま、日給者は1日の所定労働時間で、月給者は1か月平均所定労働時間で割って時間額を算出する。固定残業代込みの月給は、その残業代相当分を全部除いてから割る
  3. 3.勤務先事業場の所在地の公表額と照合する 厚生労働省・都道府県労働局が公表する地域別最低賃金額と比較する。基準は住所地ではなく事業場の所在地、派遣中なら派遣先の所在地(同法13条)。発効日が都道府県ごとに異なる点にも注意
  4. 4.社内に計算根拠を示して是正を求める 下回っていた場合、算入除外項目と時間額換算の計算過程を書面またはメールで示し、発効日以降の差額の精算を求める。改定漏れは事務ミスであることが多く、指摘だけで是正されるケースが少なくない
  5. 5.動かなければ労働基準監督署へ申告する 使用者が是正しない場合、事業場を管轄する労働基準監督署に申告する(同法34条1項)。申告を理由とする解雇その他の不利益取扱いは同条2項で禁止されている

よくある質問 AI による整理

Q1地域別最低賃金とは何ですか?

一定の地域ごとに定められる賃金の最低額です。最低賃金法9条1項により、あまねく全国各地域について決定しなければならないとされ、最低賃金が存在しない地域はありません。

Q2最低賃金はどうやって決まるの?

9条2項の三要素(労働者の生計費、地域の賃金、通常の事業の賃金支払能力)を考慮し、地方最低賃金審議会の調査審議を経て都道府県労働局長が決定します(同法10条)。

Q3最低賃金 生活保護 どっちが高い?

9条3項が生活保護に係る施策との整合性への配慮を求めており、逆転解消が立法趣旨です。ただし世帯構成によっては保護の方が手厚くなる場合もあります。

Q4最低賃金はいつ変わりますか?

例年7月末から8月に答申が公表され、10月前後に発効します。発効日は都道府県ごとに異なるため、勤務地の労働局公表日を確認してください。

Q5最低賃金は住んでいる県と働く県、どっちが基準?

働いている事業場の所在地です。住所地ではありません。派遣中の労働者は派遣先事業場の所在地の地域別最低賃金が適用されます(同法13条)。

Q6最低賃金より低い時給は違法?

違法です。最低賃金額に達しない定めはその部分が無効となり、最低賃金額と同額を定めたものとみなされます(同法4条2項)。50万円以下の罰金もあります(同法40条)。

Q7なぜ都道府県で最低賃金が違うの?

9条2項の三要素を地域ごとに評価するためです。中央最低賃金審議会がランク別の引上げ目安を示し、各地方最低賃金審議会の審議を経て決定されます。

Q8最低賃金の差額はさかのぼって請求できますか?

できます。賃金請求権の消滅時効は5年(当分の間3年、労基法115条・附則143条3項)で、在職・退職を問わず時効内なら請求可能です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自分の県の最低賃金って、どこを見れば分かるんですか?

厚生労働省と各都道府県労働局が公表しており、使用者には事業場での周知義務もある(最低賃金法8条)。基準は住所地ではなく勤務先事業場の所在地である。実務のポイント:発効日が都道府県ごとに数日から数週間ずれるため、県境をまたいで複数拠点を持つ会社ほど改定漏れが起きやすい。9月と10月の給与明細で時間単価が動いていなければ、まずそこを疑う

Q2最低賃金より低い時給でいいと自分で同意したら、それは有効ですか?

無効である。最低賃金額に達しない賃金を定める労働契約はその部分が無効となり、最低賃金額と同額を定めたものとみなされる(最低賃金法4条2項)。違反には50万円以下の罰金もある(同法40条)。実務のポイント:差額請求は退職後でもできる。在職中の申告で報復を恐れる人は多いが、監督機関への申告を理由とする不利益取扱いは同法34条2項で明文禁止されている

Q3月給制なんですが、最低賃金と比べようがないですよね?

比べられる。月給から通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増、賞与など臨時の賃金を除き、1か月平均所定労働時間で割って時間額に換算する。実務のポイント:固定残業代込みの月給は、その残業代相当分を全部除いてから割る。固定残業代の比率が高い求人ほど、額面は立派でも換算後は最低賃金ぎりぎりということが実際に起きる

Q4なぜ東京と地方でこんなに差がつくんですか?

第2項の三要素、生計費・地域の賃金・通常の事業の賃金支払能力を地域ごとに評価するからである。中央最低賃金審議会がランク別の引上げ目安を示し、地方最低賃金審議会の審議を経て決定される(最低賃金法10条)。実務のポイント:目安に法的拘束力はなく、目安を上回る決定をする県もあれば渋る県もある。その差を動かすのは答申前の審議であり、公聴会や意見公募がその数少ない外部入力口になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 最低賃金は労働者の生活が成り立つ水準として決まる、と読まれがちだが、第2項は生計費と並べて「通常の事業の賃金支払能力」を明記している。中小企業が払えるかどうかは、法律上、労働者の生活費と対等な考慮要素である。最低賃金が生活費に届かないことがあるのは制度の失敗ではなく、条文がもともとそう設計されている
  • 最低賃金割れが違法であることは多くの人が知っている。だが効果の強さまでは知られていない。最低賃金未満の定めは無効になるだけでなく、最低賃金額と同額を定めたものとみなされる(最低賃金法4条2項)。労使が納得ずくで合意していても、その合意は初めからなかったことになり、差額は自動的に未払賃金として積み上がる
  • 「うちの県の最低賃金はいくらか」という問いの立て方自体が、場合によっては誤っている。基準になるのはあなたの住所地ではなく、働いている事業場の所在地であり、派遣中なら派遣先の所在地である(最低賃金法13条)。住所で調べて安心した人が、実は別の県の額で判定されていることがある
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割9条:地域別最低賃金の決定原則と考慮要素を定める4条:最低賃金未満の定めを無効とし最低賃金額に置換する効力規定
13条:派遣中の労働者に派遣先地域の額を適用する適用範囲規定
誰に向けたルールか額を決める側(審議会・労働局長)への決定基準個別の労働契約の効力(労使双方に直接作用)
派遣元・派遣先および派遣労働者の適用地域の判定
違反したときの効果決定手続の適否の問題(個別契約を直接無効にはしない)定めが無効となり最低賃金額と同額に置換、40条で50万円以下の罰金
適用地域を誤ると結果的に4条・40条の問題に転化する
実務で最初に見る場面毎年の改定額がなぜその水準になったかを理解するとき自分の時給が下回っていると気付いたとき
勤務地と住所地、派遣先と派遣元が異なるとき

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
最低工資法(2024年1月施行)

台湾は2024年に最低工資法を単独立法し、消費者物価指数の変動を主要参考指標としつつ経済成長率・労働生産性・企業負担能力等を副次指標に列挙する。日本の三要素方式より指標が明文で細分化されている点が対照的

韓国
최저임금법 제4조

韓国は労働者の生計費、類似労働者の賃金、労働生産性および所得分配率を考慮要素とする。日本の「通常の事業の賃金支払能力」に相当する明文がなく、生産性・分配率という指標を採る点が異なる

ドイツ
Mindestlohngesetz (MiLoG) § 9

ドイツは2015年導入の全国一律最低賃金で、地域別の区分がない。Mindestlohnkommission が労働協約賃金の推移を主たる指標として調整する点で、日本の地域別・三要素方式と構造が大きく異なる

アメリカ
Fair Labor Standards Act, 29 U.S.C. § 206

米国は連邦最低賃金を法律で直接定め、自動改定の仕組みを持たない。州・市が上回る額を独自に設定でき、労働者にはより高い方が適用される。審議会方式ではなく立法過程そのものが決定手続となる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの時給が9月30日と10月1日で1円も動いていなかったとしたら? 改定の発効日を過ぎても旧額のままなら、その日以降に働いた時間分は差額請求の対象になる。改定漏れは中小企業で毎年起きており、悪意ではなく単なる事務ミスであることが大半だ。だからこそ、指摘すれば直る
  • あなたが小さな飲食店を経営していて、パート4人の時給を据え置いてきた。今年の改定で、県の最低賃金が自店の時給を追い越す。契約書に書いた時給の定めはその瞬間に無効となり、最低賃金額と同額を定めたものとみなされる(最低賃金法4条2項)。知らなかったでは済まず、50万円以下の罰金の対象でもある(同法40条)
  • 派遣で隣県の工場に送られた。適用されるのは自宅のある県ではなく、派遣先事業場の所在地の地域別最低賃金である(最低賃金法13条)。県境を一本またぐだけで、時給の法的な下限が変わる
  • 答申から発効まで、あなたに残された時間は約2か月。改定額は例年7月末から8月に公表され、発効は10月前後、しかも都道府県ごとに日が違う。この間に給与明細から通勤手当と精皆勤手当を抜いて時間額を計算しておけば、発効日の当日から数字を持って交渉できる
  • 定年後の親がスーパーの品出しで働き始め、時給は県の最低賃金ちょうどだった。ここで見るべきは、その額が生活保護の水準を下回らないよう第3項が働いているという事実と、それでも世帯構成によっては生活保護の方が手厚くなりうるという現実。相談されたとき、労働基準監督署と福祉事務所の両方を示せるかどうかで、その人の次の一手は変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 給与明細から通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増、賞与など臨時の賃金を除き、残った額を実際の労働時間で割って時間額を出す。月給制は1か月平均所定労働時間で割る2. 厚生労働省または都道府県労働局の公表額と比較、判定基準は勤務先事業場の所在地3. 下回っていれば、まず社内で計算根拠を示して是正を求める4. 動かなければ労働基準監督署へ申告する(最低賃金法34条1項)。申告を理由とする解雇その他の不利益取扱いは同条2項で禁止されている5. 差額は退職後でも時効内なら請求できる

訴えられた側:1. 毎年8月の答申時点で、発効日と新額を全事業場分カレンダーに入れる。発効日は都道府県ごとに異なるため、複数県に店舗があるなら県別に管理する2. 時給者だけでなく月給者も時間額換算で全員洗い直す。固定残業代込みの月給は残業代相当分を除いてから割ること3. 障害等により著しく労働能力が低い労働者などの減額特例は、都道府県労働局長の許可が必要(最低賃金法7条)。無許可の一方的減額は違反である4. 割れが判明したら遡って差額を精算し、記録を残す。自主是正の記録は監督時の評価を左右する

時効(請求できる期限):賃金請求権の消滅時効は各賃金支払日から5年(労働基準法115条)だが、当分の間3年とされている(同法附則143条3項)。地域別最低賃金の改定は例年7月から8月に答申、10月前後に発効し、発効日は都道府県ごとに異なる。差額請求は在職・退職を問わず時効内であれば可能(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:9条2項の三要素は並列的な考慮要素であり、いずれか一つが決定的な基準となるものではない。3項は生計費の考慮に際する配慮規定であって、生活保護基準を上回る額を法的に義務づける効力までは持たないと解される

改正沿革 AI による整理

  • 平成19年(2007年)改正、平成20年(2008年)施行 地域別最低賃金をあまねく全国各地域で決定すべきことを明確化し、決定要素を生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力として整理した上で、生計費の考慮に当たり生活保護に係る施策との整合性へ配慮する旨の第3項を追加した。最低賃金と生活保護の逆転現象の解消が立法目的である

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法制定。当初は業者間協定を基礎とする方式が中心であった
  2. 2.昭和43年(1968年) 改正:業者間協定方式を廃止し、最低賃金審議会の調査審議に基づく決定方式へ一本化
  3. 3.平成19年(2007年) 改正:地域別最低賃金をあまねく全国各地域について決定すべきことを明確化し、決定要素を生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力として整理。生計費の考慮に当たり生活保護に係る施策との整合性へ配慮する旨の第3項を追加した(平成20年施行)

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最低賃金法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 地域別最低賃金

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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