要点最低賃金法 10 条は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、一定の地域ごとに最低賃金審議会の意見を聴いて地域別最低賃金を決定すると定める。行政は審議会の意見を無視して決定できない。
Q · 最低賃金の金額って、結局どこで誰が決めているんですか?
国会ではなく、審議会の意見を聴いた大臣・労働局長が決めます
最低賃金法 10 条 1 項により、地域別最低賃金は厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、一定の地域ごとに中央又は地方の最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて決定します。審議会は公益・労働者・使用者の三者構成です。同条 2 項は、行政が審議会の意見によりがたいと認める場合には、理由を付して再審議を求めなければならないと定めており、行政が一存で金額を上下させることはできません。金額そのものは法律に書かれておらず、毎年の手続を通じて改定されます。
毎年 10 月、ニュースで「今年の最低賃金は◯円アップ」と流れる。あの数字は国会が決めているのではない。厚生労働大臣または都道府県労働局長が、最低賃金審議会(公益代表・労働者代表・使用者代表の三者構成)に諮問し、その意見を聴いた上で決定する。ここであなたが握っておくべき事実は二つある。第一に、あなたの時給の下限は、国会議員ではなく、労使公益の三者が集まる会議室で決まる。つまり労働組合や業界団体を通じた意見表明が、直接あの数字に届くルートが制度上開いている。第二に、2 項が効いてくる。大臣や局長は審議会の意見が気に入らなくても、勝手に別の数字を決めることはできない。理由を書いて審議会に差し戻すしかない。行政の一存で最低賃金が上下しない仕組みが、この短い 2 項に埋め込まれている。地域別最低賃金は「一定の地域ごと」に定められ、日本では都道府県単位で運用されている。同じ仕事でも県境をまたぐと下限が変わるのは、この条文の帰結である。
最低賃金法 10 条は地域別最低賃金の決定手続を定める規定であり、決定権限を厚生労働大臣及び都道府県労働局長に置きつつ、一定の地域ごとに最低賃金審議会の調査審議と意見聴取を義務づける。意見によりがたい場合には理由を付した再審議の請求を必要とし、行政単独での決定を排除する手続的統制を構成する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
一定の地域ごとに、その地域内のすべての使用者と労働者に適用される賃金の下限額です。最低賃金法 10 条に基づき、日本では都道府県単位で決定・運用されています。
例年、夏に審議会の答申が出され、秋(10 月頃)に発効します。発効日は都道府県ごとに異なるため、事業者は自社の事業場所在地の発効日を個別に確認する必要があります。
中央最低賃金審議会が地方の審議会に示す引上げ額の参考値です。法律上の拘束力はありませんが、各地方審議会はこれを踏まえて調査審議を行うのが実務の流れです。
法律は毎年の引上げを義務づけていません。10 条は決定手続のみを定め、金額の考慮要素は 9 条が労働者の生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力と定めています。
厚生労働省および各都道府県労働局のサイトで、地域別最低賃金額と発効日が公示されます。11 条により決定は官報等で公示され、公示から一定期間後に効力が生じます。
地域別は 10 条に基づき地域内の全労働者に適用されます。特定最低賃金は 15 条に基づく特定産業向けで、地域別より高い額が定められ、その産業では高い方が適用されます。
公示された決定には、12 条により関係労使が異議を申し出る手続があります。実務上は諮問後・答申前に労働組合や業界団体が審議会へ意見を届けるルートが有効です。
同法 4 条により最低賃金額に達しない賃金の定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされます。差額の支払義務が生じ、罰則の対象にもなります。
働いている事業場の所在地が基準である。本条 1 項が「一定の地域ごと」に決定すると定めており、運用は都道府県単位、適用は勤務地基準になる。業界裏話ヒント:在宅勤務が広がった今、所属事業場がどこかで判定が変わりうる。地方在住で東京本社所属のリモート勤務者は、東京の額が適用される可能性がある。雇用契約書の「就業場所」欄の記載が、そのまま時給の下限を決めている
公益代表・労働者代表・使用者代表の三者同数で構成される。労働者代表は労働組合からの推薦が中心で、地方最低賃金審議会の委員は都道府県労働局長が任命する。業界裏話ヒント:審議会には専門部会が置かれ、実質的な数字の詰めはそこで行われる。答申が出てからでは動かせないが、諮問直後であれば業界団体名義の意見書が資料として配布されることがある。動く時期を知っているかどうかで、届くかどうかが変わる
できない。2 項が、意見によりがたいと認めるときは理由を付して再審議を求めなければならないと定めている。異なる結論を出したければ、まず審議会の議論のテーブルに戻さなければならない。業界裏話ヒント:この再審議手続は形式ではない。理由を文書で残す義務が生じるため、行政としては答申と大きく異なる決定をしにくい。三者構成の合意が事実上の決定力を持つ理由がここにある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 10 条:地域別最低賃金を「誰が・どの手続で」決めるか | — |
| 手続の起点 | 行政が審議会に調査審議を求める(諮問) | — |
| 適用範囲 | 地域内のすべての使用者と労働者 | — |
| 行政への統制 | 審議会の意見によりがたいときは理由を付して再審議(2 項) | — |
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