最低賃金法 第11条(最低賃金審議会の意見に関する異議の申出)
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- 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなければならない。
- 2.前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見に係る地域の労働者又はこれを使用する使用者は、前項の規定による公示があつた日から十五日以内に、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に、異議を申し出ることができる。
- 3.厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による申出があつたときは、その申出について、最低賃金審議会に意見を求めなければならない。
- 4.厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、第一項の規定による公示の日から十五日を経過するまでは、前条第一項の決定をすることができない。第二項の規定による申出があつた場合において、前項の規定による最低賃金審議会の意見が提出されるまでも、同様とする。
この条文の基本情報
最低賃金審議会の意見に関する異議の申出とは何ですか?
定義最低賃金審議会の意見に関する異議の申出とは、最低賃金法第11条に定められた規定で、「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなけ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第11条(最低賃金審議会の意見に関する異議の申出)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第11条の条文原文は「厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前条第一項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その意見の要旨を公示しなけ…」で始まります。
- 最低賃金法第11条は第二節 地域別最低賃金に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第11条の前の条は最低賃金法第10条です。
- 最低賃金法第11条の次の条は最低賃金法第12条です。
- 最低賃金法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法11条は、最低賃金審議会の意見の要旨の公示を義務づけ、地域の労働者と使用者が公示の日から15日以内に異議を申し出られると定める。異議があれば再諮問まで決定できない。
Q · 最低賃金の答申額に納得できないとき、どこかに意見を言えるんですか?
公示から15日以内なら労働局へ異議を申し出られます
最低賃金法11条2項により、その地域の労働者または使用者は、最低賃金審議会の意見の要旨が公示された日から15日以内に、厚生労働大臣または都道府県労働局長へ異議を申し出ることができます。申出があれば行政は審議会に再度意見を求めなければならず(3項)、その意見が提出されるまで決定できません(4項)。額が確定した後に争う手続は実質的に用意されていないため、勝負はこの15日間に集中します。
解説
毎年夏、地元紙に「県の最低賃金、時給◯◯円に」という記事が載る。あの数字が確定する前に、15日間だけ扉が開いていることを知る人はほとんどいない。最低賃金審議会が意見を出すと、厚生労働大臣または都道府県労働局長は、その意見の要旨を公示しなければならない(本条1項)。公示の日から15日以内、その地域で働く労働者も、人を雇う使用者も、役所に直接「異議」を申し出ることができる(2項)。申出があれば、役所は審議会にもう一度意見を求める義務を負う(3項)。そして役所は、公示から15日が過ぎるまで、また異議についての審議会の意見が出るまでは、決定を打てない(4項)。時給が10円動けば、フルタイムで年2万円の差になる。その額が固まる前の15日間に、あなたの名前で書面を出す権利が、法律の条文として置いてある。
法的な位置づけ
最低賃金法11条は、地域別最低賃金の決定過程における公示と異議申出の手続を定める規定である。最低賃金審議会の意見の要旨の公示(1項)、公示の日から15日以内の労働者・使用者による異議申出(2項)、申出を受けた審議会への再諮問(3項)、および15日の経過前と審議会の意見提出前における決定の禁止(4項)から構成される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.答申報道を見た日に公示日を確認する 「県の最低賃金、時給◯◯円に」という報道を見たその日に、都道府県労働局の賃金担当部署へ問い合わせるかサイトを確認し、意見の要旨の公示日を特定する。15日の起算点は報道日ではなく公示日である
- 2.異議の論点を数字で組み立てる 感想ではなく審議会が検討できる論点にする。労働者側なら9条3項の生活保護に係る施策との整合性、地域の実勢求人時給、物価推移。使用者側なら同業の人件費比率、直近の売上推移、雇用維持への影響を数値で用意する
- 3.異議申出書を作成し労働局へ提出する 厚生労働大臣または都道府県労働局長あてに、対象公示・申出人の立場・異議の趣旨・理由・添付資料を記載した書面を提出する。締切間際より公示直後に出すほうが、再諮問の議事で中身を読ませられる
- 4.連名化して重みを付ける 個人名の一通は件数として処理されやすい。労働組合・地域ユニオン、あるいは業界団体として会員企業の実数を背負った連名にすることで、3項の再諮問における審議会の扱いが変わる
- 5.期限を逃した場合は発効までの猶予で備える 15日を過ぎると決定額そのものを争う手続は実質的に残らない。決定後は公示から一定期間を置いて効力が生じる(14条)ため、その猶予で賃金体系・就業規則・給与計算設定を改定し、差額の遡及支払いと罰則を回避する
よくある質問 AI による整理
Q1最低賃金の異議申出とは何ですか?
最低賃金審議会の意見の要旨が公示された後、その地域の労働者や使用者が行政に意見を申し出る事前参加手続です。最低賃金法11条2項が根拠で、決定後の不服申立てとは性質が異なります。
Q2最低賃金の異議申出はいつまでにできますか?
公示の日から15日以内です(11条2項)。起算点は審議会の答申日でも報道日でもなく、大臣または都道府県労働局長が意見の要旨を公示した日である点に注意が必要です。
Q3最低賃金の公示はどこで確認できますか?
地域別最低賃金は都道府県労働局が所管するため、各労働局の賃金部門のサイトや掲示で公示内容と公示日を確認します。報道で答申額を知った時点で公示日を照会するのが確実です。
Q4異議は誰が申し出られるのですか?
審議会の意見に係る地域の労働者、またはその労働者を使用する使用者です(11条2項)。労働者側と使用者側が完全に対等に並べられており、引き上げ不足を理由とする異議も同じ条文で出せます。
Q5異議を出すと最低賃金の決定は止まりますか?
止まります。11条4項により、公示から15日を経過するまで決定できず、異議があった場合は審議会の意見が提出されるまで決定できません。申出は行政の決定タイマーを法律上停止させます。
Q6最低賃金審議会とはどんな組織ですか?
最低賃金に関する事項を調査審議し意見を述べる機関で、最低賃金法20条以下が設置根拠です。公益・労働者・使用者の三者で構成され、11条の異議はこの審議会に差し戻されます。
Q7異議申出書には何を書けばよいですか?
対象となる公示、申出人の立場(労働者か使用者か)、異議の趣旨、そして数字による理由が中心です。9条3項の生活保護との整合性、地域の求人時給、人件費比率などが審議会の検討材料になります。
Q8最低賃金の改正や廃止のときも同じ手続ですか?
地域別最低賃金の改正・廃止の場合にも本条の枠組みが及ぶ構成になっています(12条)。改定は毎年行われるため、実務上は毎年この公示と15日の窓口が開くことになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異議を出したら、本当に最低賃金額が変わることってあるんですか?
額が動くのは稀だが、手続は確実に動く。異議が出れば大臣または労働局長は審議会に再度意見を求める義務を負い(本条3項)、その意見が提出されるまで決定できない(4項)。実務のポイント:異議の件数と内容は審議会の資料に残り、翌年の目安審議で参照される。単年で勝つ手続ではなく、複数年かけて効かせる手続だと理解している人だけが毎年出している。
Q2決まった後から「この最低賃金額はおかしい」と裁判で争えますか?
実務上、極めて難しい。最低賃金の決定は特定個人に向けた行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)とは性質が異なり、処分性の有無について解釈が分かれている。本条が決定前に15日の異議申出を用意しているのは、事後の争訟が想定しにくい構造の裏返しでもある。実務のポイント:弁護士が「それはもう手遅れ」と言う理由はここにある。相談すべきは決定後ではなく公示の直後。
間違えやすい点 AI による整理
- 「最低賃金額に不満があるなら、どこへ不服申立てをすればいいのか」という問いの立て方自体がずれている。本条の異議申出は決定が下りた後の不服申立てではなく、決定される前の参加手続である。額が決まり公示された後で高すぎる低すぎると争う道は、実務上ほぼ閉じている。勝負は事前の15日で終わっている。
- 異議を申し出られること自体は知られていても、それが役所の決定権を実際に停止させることまでは知られていない。4項は、公示から15日を経過するまで決定してはならないと定め、さらに異議が出た場合は審議会の意見が提出されるまで決定できないと定める。一通の書面が、国の意思決定のタイマーを物理的に止める。
- 使用者側から見れば異議申出は「引き上げに反対する手段」に見える。だが2項は労働者と使用者を完全に対等に並べており、引き上げが不十分だという方向の異議も同じ条文で出せる。片側だけがこの窓口を使い続けている状態は、法律が想定した姿ではない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 11条:決定の前段階(公示と異議申出) | 10条:地域別最低賃金の決定そのもの 14条:決定後の公示と効力発生 |
| 当事者ができること | 公示から15日以内に労働者・使用者が異議を申し出る | 審議会の意見を経て行政が決定する(当事者の直接関与なし) 効力発生日までに賃金体系を改定して備える |
| 行政への効果 | 審議会への再諮問義務が生じ、意見提出まで決定不可 | 審議会の意見を聴いたうえで決定権を行使できる 公示から一定期間経過後に効力が発生する |
| 使いどころ | 額に対する主張を記録に残す唯一の事前窓口 | 決定の適法性・決定原則(9条)を語る枠組み 実務対応(規程改定・システム改修)のカウントダウン |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は基本工資審議委員会が擬訂し行政院が核定する構造で、労使代表は委員会内部で発言する。日本の11条のように、公示後に外部から期限付きで異議を申し出る独立の窓口は置かれていない
韓国も最低賃金案を告示し、労働者側・使用者側の代表者が期限内に異議を提起できる。異議があれば委員会に再審議を要請する構造で、日本の11条2項・3項と設計思想がほぼ並行している
ドイツは労使と学識者で構成する Mindestlohnkommission の議決を連邦政府が法規命令で効力付与する。一般国民からの期限付き異議申出という個別手続ではなく、委員会内部の合議に重心がある
米国連邦最低賃金は議会の立法によってのみ改定され、審議会も異議申出手続も存在しない。改定圧力は選挙と州法(州独自の最低賃金)を通じて表出する点が根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地方でパート15人を雇う飲食店。答申が出た翌週、時給が60円上がると知る。人件費はならせば年百万円単位で増える。だが異議を申し出られるのは公示の日から15日以内で、ニュースを見てから社会保険労務士に相談し、数字を揃えて書面を作る時間は正味10日もない。
- もし答申額が、その県の生活保護水準と釣り合っていないと感じたらどうなる? 地域別最低賃金は生活保護に係る施策との整合性に配慮して決めなければならない(第9条3項)。本条2項の異議申出は、その主張を決定前に役所の記録へ残せる、ほぼ唯一の事前手続だ。異議が出れば審議会は3項でもう一度意見を求められる。
- 労働組合の役員をしている友人から「答申額に納得がいかない、どこに言えばいい」と相談された。答えは都道府県労働局。期限は公示から15日。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 答申の報道を見たその日に、都道府県労働局の賃金担当部署のサイトで公示日を確認し、15日の起算点を押さえる2. 異議書は感情ではなく審議会が採点できる論点で書く。第9条3項の生活保護との整合性、地域の実際の求人時給、物価の推移3. 労働組合や地域ユニオンを通じて連名にすると、審議会での扱いが変わる4. 決定後に額を争う手段は実質的に残らないため、この15日に全部を投じる
訴えられた側:1. 引き上げ幅が経営を直撃するなら、感想ではなく数字で出す。同業の人件費比率、直近の売上推移、雇用維持への影響を添付2. 引き上げ原資の支援制度が実態に合っていないことも異議の中身になる3. 期限を逃した場合、決定額は争えないが、最低賃金は公示から一定期間を置いて効力を生じる(第14条)。その猶予で賃金体系と就業規則を改める4. 放置すれば差額の遡及支払いに加え、地域別最低賃金違反として第40条の罰金が待つ
時効(請求できる期限):公示の日から15日以内(本条2項)。起算点は審議会の答申日でも報道日でもなく、厚生労働大臣または都道府県労働局長が意見の要旨を公示した日である。役所側も同じ15日を経過するまでは決定できず、異議が出た場合は審議会の意見が提出されるまで決定できない(4項)。この15日を過ぎると、決定額そのものを争う手続は事実上残らない
学説
手続法的理解(通説的整理):本条の異議申出は、行政不服審査法上の不服申立てではなく、最低賃金の決定に先立つ事前参加手続として位置づけられる。3項の再諮問義務と4項の決定禁止が結びつくことで、単なる意見表明にとどまらず決定過程を法律上拘束する仕組みになっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法(昭和34年法律第137号)制定。最低賃金の決定に際し、審議会の意見の公示と関係当事者の異議申出を組み込む手続枠組みが置かれた。
- 2.平成19年(2007年) 改正:大幅改正により、地域別最低賃金の決定原則に生活保護に係る施策との整合性への配慮が加えられ、条文構成が整理された。異議申出の実質的論拠として9条3項が用いられる下地となった。
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