第三十四条第二項の規定に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
要点最低賃金法 39 条は、監督署等への申告を理由に労働者を解雇その他不利益に取り扱った使用者を、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定める。最低賃金額違反より重い刑種である。
Q · 労基署に最低賃金のことを通報したら仕返しされた。これって犯罪になるんですか?
はい。申告を理由とする報復には拘禁刑もありえます。
最低賃金法 39 条は、同法 34 条 2 項の違反者を六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処します。34 条 2 項が禁じるのは、労働者が都道府県労働局長・労働基準監督署長・労働基準監督官に法違反の事実を申告したことを理由に、解雇、減給、降格、配転、雇止め、シフト削減などの不利益な取扱いをすることです。最低賃金額そのものの違反(40 条)は五十万円以下の罰金のみで自由刑がなく、通報者への報復にだけ拘禁刑が用意されています。また 42 条の両罰規定により、法人だけでなく決裁した個人も処罰の対象になります。
最低賃金法の罰則を並べると、奇妙な逆転が見える。最低賃金を下回る賃金しか払わなかった使用者は 50 万円以下の罰金(40 条)、身柄を拘束する刑はない。ところが、労働基準監督署に申告した労働者を解雇したり、シフトを削ったり、契約更新を拒んだ使用者には、6 月以下の拘禁刑がありうる。罰金額は低いのに、自由刑はこちらにだけ付いている。理由は単純で、最低賃金という制度は、行政が全事業場を回って見つけるのではなく、現場の労働者が声を上げて初めて発見されるからだ。あなたが監督署に電話した翌週、上司の口調が変わり、翌月のシフトが半分になったとする。それは人事の裁量ではなく、刑罰の対象になりうる行為だ。しかも労働基準監督官は、この法律違反の罪について司法警察員の職務を行う(33 条)。相手は労使交渉の当事者ではなく、刑事事件の被疑者になる。
最低賃金法 39 条は、同法 34 条 2 項の申告者に対する不利益取扱いの禁止に違反した使用者を処罰する罰則規定であり、法定刑を六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金と定める。保護されるのは都道府県労働局長・労働基準監督署長・労働基準監督官に対する申告であり、社内での抗議はこの条文の射程に含まれない。
最低賃金法違反を監督署等に申告した労働者への報復を処罰する罰則です。34 条 2 項違反に対し、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金が定められています。
都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官のいずれかです(34 条 1 項)。この三者以外への申立ては、39 条の保護の外に置かれます。
最低賃金額に満たない賃金しか支払わなかった場合は 40 条により五十万円以下の罰金で、拘禁刑はありません。自由刑があるのは報復を罰する 39 条だけです。
申告を理由とする雇止めであれば、34 条 2 項の「不利益な取扱い」に当たり 39 条の処罰対象になりえます。並行して労働契約法 19 条の雇止め法理でも争えます。
公訴時効は 3 年で(刑事訴訟法 250 条 2 項)、起算点は不利益取扱いをした時、解雇なら意思表示が到達した時です。民事の差額請求は別の時効で進みます。
42 条の両罰規定により、法人と、実際に不利益取扱いを決裁した個人の双方が処罰対象です。「本部の指示だった」は行為者処罰を外す理由になりません。
使用者が、労働者の申告を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることを禁じる規定です。39 条はこの違反にだけ刑罰を接続しています。
刑事は労働基準監督官(33 条により司法警察員の職務を行う)、民事の地位確認と差額請求は労働審判や弁護士へ、と二軌道で同時に動かすのが実務です。
34 条 1 項の申告は、申告者が特定されないよう配慮を求める旨を書面に明記でき、監督官が臨検の際に申告に基づく調査だと告げない運用も可能である。ただし従業員 5 名の店で一人だけ時給が違えば、配慮しても実質的に特定される。業界裏話ヒント:特定されうる規模の職場ほど、申告前の証拠複製が生命線になる。報復が起きてから会社の記録を取りに戻ることはできない
34 条 2 項は「解雇その他不利益な取扱い」と書いており、減給、降格、配転、雇止め、シフト削減、嫌がらせも射程に入る。39 条の処罰対象はその全部である。業界裏話ヒント:勝負を決めるのは不利益の重さではなく時間的近接性。申告日と処遇変更日が近いほど、使用者側が「申告前から決まっていた」ことを記録で示す負担が重くなる
戻らない。罰金は国庫に入る金で、あなたの手元には一円も来ない。未払いの差額は民事で別に請求する(4 条 2 項により、最低賃金額に達しない定めは無効となり、最低賃金額が契約内容とみなされる)。業界裏話ヒント:在職中の遅延損害金は民法 404 条の法定利率(3 年ごとに見直し)だが、退職後は賃金の支払の確保等に関する法律 6 条により年 14.6 パーセント。請求のタイミングだけで利息が何倍も変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 39 条:申告を理由とする解雇その他の不利益取扱い(34 条 2 項違反) | — |
| 法定刑 | 六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金(自由刑あり) | — |
| 守っている利益 | 監督の端緒となる申告そのもの(制度のヒューズ) | — |
| 実務上の争点 | 「申告を理由として」の立証、申告日と処遇変更日の時間的近接性 | — |
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