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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

最低賃金法 第16条

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前条第二項の規定により決定され、又は改正される特定最低賃金において定める最低賃金額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額を上回るものでなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 最低賃金法第16条は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
  2. 最低賃金法第16条の条文原文は「前条第二項の規定により決定され、又は改正される特定最低賃金において定める最低賃金額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場の所在地を含む地域について決定…」で始まります。
  3. 最低賃金法第16条は第三節 特定最低賃金に置かれています。
  4. 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
  5. 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 最低賃金法第16条の前の条は最低賃金法第15条です。
  7. 最低賃金法第16条の次の条は最低賃金法第17条です。
  8. 最低賃金法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第16条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
  • 本サイト収録最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/16

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点最低賃金法16条は、特定最低賃金の額が、その事業場所在地の地域別最低賃金額を上回らなければならないと定める。産業別が地域別を下回ることは法律上ありえない。

Q · 業種ごとの特定最低賃金って、地域別最低賃金より低くなることはないの?

ありません。法律上、必ず地域別を上回る額でなければなりません

最低賃金法16条は、特定最低賃金(旧・産業別最低賃金)の額は、その事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金額を上回らなければならないと定めています。したがって地域別を下回る特定最低賃金は決定も改正もできません。地域別が大幅に引き上げられて既存の特定最低賃金を追い越した場合は、高い方である地域別が実効的な下限として適用されます(同法6条1項の趣旨)。自分の業種に特定最低賃金があるかは、都道府県労働局の一覧で確認できます。

解説

最低賃金には二階建ての構造がある。あなたの給与明細に書かれた時給が「地域別最低賃金」を超えていても、それだけで安心してはいけない。最低賃金法16条は、産業ごとに設定される「特定最低賃金」(旧・産業別最低賃金)は、その事業場が所在する地域の地域別最低賃金を必ず上回らなければならないと定めている。つまり、あなたが鉄鋼、電気機械、自動車小売、百貨店、旅館といった特定最低賃金の対象産業で働いているなら、地域別の額ではなく、より高い産業別の額があなたの法的下限になる。多くの労働者は自分の産業に特定最低賃金があること自体を知らない。そして知らないまま、地域別ぎりぎりの時給を受け入れている。16条が保証しているのは、産業別の数字が地域別を下回る「逆転」は法律上ありえない、という一点である。地域別が大幅に引き上げられた年、産業別が改定されずに追い越されそうになるとき、この条文が働く。

法的な位置づけ

最低賃金法16条は、特定最低賃金の額に関する下限規制を定める規定である。同法15条2項により決定または改正される特定最低賃金の最低賃金額は、当該特定最低賃金の適用を受ける使用者の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金額を上回るものでなければならない。産業別最低賃金が地域別最低賃金を下回ることを許さない一方向の関係を固定する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.事業場所在地の地域別最低賃金を確認 都道府県労働局のサイトで、事業場が所在する都道府県の地域別最低賃金額と発効日を確認する。複数県に事業場がある場合は県ごとに個別に確認する
  2. 2.業種に該当する特定最低賃金を確認 同じ労働局サイトの「特定最低賃金一覧」で、事業場の主たる事業内容が対象業種に該当するかを確認する。判定は日本標準産業分類によるため、会社の自己申告ではなく実際の事業内容で照合する
  3. 3.実労働時間あたりの時給を算出 給与明細とタイムカードから、算入対象外の賃金(精皆勤手当・通勤手当・家族手当・時間外割増など、同法4条3項)を除外して時間あたり賃金を計算し、地域別と特定最低賃金の高い方と比較する
  4. 4.下回っていれば書面で差額請求 労働者側は会社に書面で差額を請求し、応じなければ労働基準監督署へ申告する。使用者側は判明時点で遡及して差額を支払い、是正報告を行う
  5. 5.毎年10月の改定に追随する仕組みを作る 使用者側は就業規則・賃金規程に最低賃金改定への自動追随条項を設け、改定公示のタイミングで全事業場を突き合わせる年次チェックを業務フローに組み込む

よくある質問 AI による整理

Q1特定最低賃金とは何ですか?

特定の産業について、労使の申出を受けて審議会の調査審議を経て決定される法定の最低賃金です。地域別最低賃金に上乗せする形で適用され、対象業種は都道府県ごとに異なります。

Q2特定最低賃金と地域別最低賃金はどちらが適用されますか?

両方が適用され、高い方が実効的な下限になります。16条により特定最低賃金は地域別を上回る額でなければならないため、通常は特定最低賃金が下限となります。

Q3自分の業種に特定最低賃金があるか調べる方法は?

都道府県労働局のサイトで「特定最低賃金一覧」を確認します。業種名・金額・発効日・適用除外者が明記されています。判定は会社単位でなく事業場ごとの主たる事業内容によります。

Q4特定最低賃金は毎年変わりますか?

改定は毎年とは限りません。地域別の大幅引き上げで追い越された業種は事実上廃止されることもあるため、毎年10月前後に労働局の一覧を確認する必要があります。

Q5特定最低賃金を下回っていたら違法ですか?

違法です。下回る賃金の定めは無効となり最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされ(同法4条2項)、差額の支払義務が民事上当然に発生します。

Q6特定最低賃金の差額はいつまで請求できますか?

賃金債権として支払期日から3年です(労働基準法115条、当分の間3年)。時効を過ぎた分は請求できないため、早期の確認が重要です。

Q7派遣社員にはどちらの最低賃金が適用されますか?

派遣先の事業場の所在地と業種を基準にした最低賃金が適用されます。派遣先が特定最低賃金の対象産業なら、その額が下限になります。

Q8特定最低賃金に適用除外はありますか?

あります。18歳未満・65歳以上の者、雇入れ後一定期間未満の技能習得中の者などが各特定最低賃金の決定文に明記され、該当者には地域別のみが適用されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自分の会社に特定最低賃金があるかって、どうやって調べるんですか?

都道府県労働局のウェブサイトに「特定最低賃金一覧」が公表されており、業種名と金額、発効日、適用除外者が明記されている。判断基準は会社の業種ではなく事業場ごとの主たる事業内容である(最低賃金法15条、16条)。実務のポイント:業種の該当性は日本標準産業分類で判定されるため、会社が「うちは対象外」と言っても、実際の事業内容で判定し直すと対象になることがある。労働局の最低賃金担当に事業内容を伝えて確認すれば、その場で判定してもらえる

Q2特定最低賃金が地域別より低くなることって、本当にないんですか?

法律上ありえない。16条が「上回るものでなければならない」と明記しているので、地域別を下回る特定最低賃金は決定も改正もできない。既存の特定最低賃金が地域別の引き上げに追い越された場合、高い方の地域別が適用される(6条1項の趣旨)。実務のポイント:近年の地域別最低賃金の大幅引き上げで、特定最低賃金が事実上追い越され廃止された業種が各県で相次いでいる。去年まで対象だった業種が今年は違う、ということが実際に起きるので、毎年確認する必要がある

Q3特定最低賃金を下回っていた場合、罰金はいくらですか?

地域別最低賃金の違反には50万円以下の罰金が定められている(40条)が、特定最低賃金の違反にはこの罰則は適用されない。ただし差額分の不払いは労働基準法24条の賃金全額払い違反として30万円以下の罰金の対象になりうる。実務のポイント:罰金額よりも実質的な打撃は、監督署の是正勧告に基づく全従業員分の遡及払いである。一人あたり月数千円でも、従業員50人・3年分となれば数百万円規模になる。罰金の額だけ見て軽視する経営判断が最も高くつく

間違えやすい点 AI による整理

  • 「特定最低賃金がある産業では、地域別最低賃金は無関係になる」と考えるのは前提が誤っている。正しい問いは「どちらが適用されるか」ではなく「両方が適用され、高い方が実効的な下限になる」である。16条は特定最低賃金が地域別を上回ることを義務付けているので、通常は特定最低賃金が実効下限になるが、地域別の大幅引き上げで逆転しかけたときは地域別が働く
  • 特定最低賃金の存在自体は知っている人でも、その効力の深刻度を見落としている。特定最低賃金の違反には、地域別違反のような最低賃金法上の罰金(50万円以下、40条)が科されない代わりに、労働基準法24条の賃金全額払い違反として罰則の対象になりうる。「罰則が軽いから」と侮ると、監督署の是正勧告と遡及払い、企業名公表という別ルートの打撃が来る
  • 「特定最低賃金は業界の自主的な取り決めで、法的拘束力は弱い」と思われがちだが、これは誤り。特定最低賃金は労使の申出を受けて最低賃金審議会の調査審議を経て、厚生労働大臣または都道府県労働局長が決定する法定の最低賃金であり(15条)、違反すれば差額支払義務が民事上当然に発生する(4条2項により、下回る定めは無効となり最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされる)
比較の観点この条文ほかの条文
対象範囲16条:特定最低賃金の額の下限規制(産業別の上乗せ)9条:地域別最低賃金(地域のすべての労働者)
15条:特定最低賃金の決定手続(労使申出+審議会)
規範の内容特定最低賃金は地域別を上回らなければならない地域生計費・賃金・支払能力を考慮して決定
労使の申出を契機に大臣または労働局長が決定
競合したときの処理下回る特定最低賃金は設定不可、追い越された場合は地域別が実効下限6条1項により複数の最低賃金が競合すれば高い額を適用
決定・改正の申出が却下されれば従前の額が存続
違反したときの効果4条2項で差額支払義務、罰則は労基法24条ルート40条の罰則(50万円以下の罰金)が適用
手続規定のため直接の罰則なし

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
労働基準法第21条・基本工資審議辦法

台湾は中央の基本工資審議会が決める全国一律の基本工資のみで、産業別の上乗せ最低賃金制度を持たない。日本の二層構造に相当するものは労働協約による上乗せに委ねられ、法定の下限規制としての16条に対応する条文は存在しない

韓国
최저임금법 제4조

韓国は最低賃金を事業の種類別に区分して定めることができるとしつつ、実務上は2000年代以降ほぼ全国一律で運用されており、産業別区分は事実上機能していない

ドイツ
MiLoG § 1、AEntG

ドイツは法定最低賃金(MiLoG)を土台に、AEntG により一般的拘束力を宣言された業種別労働協約の最低賃金が上乗せされる。業種別が法定最低賃金を下回れない点で日本の16条と同じ一方向構造をとる

フランス
Code du travail art. L3231-2以下(SMIC)

フランスは全国一律の SMIC を絶対的下限とし、業種別労働協約の最低賃金グリッドが SMIC を下回る場合は SMIC が優先適用される。協約の再交渉義務も課される

アメリカ
Fair Labor Standards Act, 29 U.S.C. § 206

米国は連邦最低賃金と州・市の最低賃金が重畳し、労働者に最も有利な(高い)額が適用される。産業別ではなく地理的階層である点が日本の特定最低賃金と異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは県内の自動車ディーラーで販売スタッフとして働いている。時給は県の地域別最低賃金ちょうど。だが多くの都道府県で自動車小売業には特定最低賃金が設定されており、その額は地域別を数十円上回る。差額が月20時間分でも年間で数千円から一万円超。過去3年分をさかのぼって請求できる可能性がある
  • 経営者側の視点。あなたは旅館を経営していて、地域別最低賃金の改定に合わせて時給を引き上げた。「これで法令遵守は完璧」と思っている。だが宿泊業に特定最低賃金がある県なら、その額に届いていない限り違反状態が続いている。労働基準監督署の調査で指摘され、差額の遡及支払いを命じられる
  • もし、地域別最低賃金が大幅に引き上げられて、産業別の特定最低賃金を追い越してしまったら、どちらが適用される? 答えは高い方、つまり地域別である。16条は特定最低賃金が地域別を上回ることを要求しているので、下回る特定最低賃金は設定できず、既存のものが実質的に追い越された場合は地域別が適用される(最低賃金法6条1項の趣旨)
  • あと10日で新年度の労働条件通知書を出さなければならない。人事担当のあなたは、事業場ごとに所在地の地域別最低賃金と、業種に該当する特定最低賃金の両方を確認する必要がある。同じ会社でも、県をまたいで事業場があれば適用される額は事業場ごとに異なる
  • 友人が「うちの会社、最低賃金より10円高いから大丈夫って言われた」と相談してきた。あなたが最初に聞くべきは「それは地域別? それとも業種の特定最低賃金と比べて?」の一言である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 都道府県労働局のサイトで、自分の事業場所在地の地域別最低賃金と、業種に該当する特定最低賃金の両方を確認、印刷して保存2. 給与明細、タイムカード、労働条件通知書を過去分まで集め、実労働時間あたりの時給を自分で計算(精皆勤手当・通勤手当・時間外割増は最低賃金の算入対象外、最低賃金法4条3項) 3. 下回っていれば、まず会社に書面で差額請求、応じなければ労働基準監督署に申告4. 差額請求権は賃金債権として時効3年(労働基準法115条、当分の間3年)

訴えられた側:1. 指摘を受けたら、まず事業場ごとに適用される最低賃金を特定、複数県に事業場があれば県ごとに異なる2. 特定最低賃金の適用除外(18歳未満・65歳以上、雇入れ後一定期間未満の技能習得中の者など、特定最低賃金の決定文に明記されている)に該当するかを確認、該当者は地域別のみの適用になる3. 差額が発生していれば、遡及して支払う方が結果的に安い。監督署の是正勧告に従わないと企業名公表・書類送検のリスク4. 就業規則と賃金規程を改定し、毎年10月の改定に自動追随する仕組みを作る

時効(請求できる期限):最低賃金額を下回る賃金の差額請求権は、賃金債権として支払期日から3年(労働基準法115条、令和2年改正により当分の間3年、将来的に5年へ移行予定)。労働基準監督署への申告自体に期限はないが、時効を過ぎた分は請求できない(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:16条は特定最低賃金の決定・改正に対する実体的制約規定であり、地域別最低賃金を下回る特定最低賃金は決定できないと解される。産業別の労使自治を認めつつ、それが地域の最低基準を切り下げる方向には作用させないという一方向の関係を法定したものと理解される

実務運用:地域別最低賃金の大幅引き上げにより特定最低賃金が実質的に追い越された場合、6条1項の競合調整により高い方の地域別が適用され、当該特定最低賃金は改正または廃止の対象として審議会で検討されるのが実務の扱いとされる

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最低賃金法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 特定最低賃金

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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