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最低賃金法 第15条(特定最低賃金の決定等)

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  1. 労働者又は使用者の全部又は一部を代表する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、当該労働者若しくは使用者に適用される一定の事業若しくは職業に係る最低賃金(以下「特定最低賃金」という。)の決定又は当該労働者若しくは使用者に現に適用されている特定最低賃金の改正若しくは廃止の決定をするよう申し出ることができる。
  2. 2.厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の規定による申出があつた場合において必要があると認めるときは、最低賃金審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて、当該申出に係る特定最低賃金の決定又は当該申出に係る特定最低賃金の改正若しくは廃止の決定をすることができる。
  3. 3.第十条第二項及び第十一条の規定は、前項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつた場合について準用する。この場合において、同条第二項中「地域」とあるのは、「事業若しくは職業」と読み替えるものとする。
  4. 4.厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、第二項の決定をする場合において、前項において準用する第十一条第二項の規定による申出があつたときは、前項において準用する同条第三項の規定による最低賃金審議会の意見に基づき、当該特定最低賃金において、一定の範囲の事業について、その適用を一定の期間を限つて猶予し、又は最低賃金額について別段の定めをすることができる。
  5. 5.第十条第二項の規定は、前項の規定による最低賃金審議会の意見の提出があつた場合について準用する。

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点最低賃金法15条は、労使の代表者が厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、特定最低賃金の決定・改正・廃止を申し出られると定める。申出がなければ審議は始まらない。

Q · 業種別の最低賃金って、毎年勝手に上がるものじゃないんですか?

業種別の上乗せ額は、労使が申し出ない限り動きません

最低賃金法15条は、労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者が、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対して、業種や職業ごとの特定最低賃金の決定・改正・廃止を申し出られると定めます。地域別最低賃金が毎年行政主導で改定されるのに対し、特定最低賃金は誰かが申し出ない限り審議すら始まりません。申出があっても、大臣又は局長が必要があると認めたときに最低賃金審議会の調査審議を経て決定される建て付けであり、申出は決定を保証しません。

解説

日本の最低賃金は二階建てである。ニュースで報じられる都道府県ごとの地域別最低賃金が一階、その上に業種や職種ごとの特定最低賃金が乗る。鉄鋼、電機、自動車小売など、全国で二百件を超える特定最低賃金が現に生きており、金額は地域別を上回るものでなければならない(法16条、条番号は現行効力を要確認)。問題は、この二階が自動では動かないことだ。15条が定めているのは、労働者側または使用者側の代表者が厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して、決定、改正、廃止を申し出る回路である。誰も申し出なければ、あなたの業種の上乗せ額は何年でも据え置かれる。上乗せ賃金は行政が勝手に決めているのではなく、申し出た者がいたかどうかで決まっている。しかも申出は決定を強制しない。大臣や局長が必要があると認めたときに審議会へ回す建て付けであり、扉を叩く権利と扉を開ける権限は、別の手に握られている。

法的な位置づけ

最低賃金法第15条は、特定最低賃金の決定手続の起点を定める規定である。労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者が厚生労働大臣又は都道府県労働局長に申し出ることができ、行政が必要があると認めるときに最低賃金審議会の調査審議を経て、決定、改正又は廃止がなされる。地域別最低賃金と異なり、関係労使の申出がなければ手続は始まらない。

試算與流程

AI 輔助整理,以條文原文為準

よくある質問 AI による整理(2026-09-08T15:00:00+09:00 時点)

Q1特定最低賃金とは何ですか?

一定の事業又は職業に適用される業種別の最低賃金です。最低賃金法15条の申出を起点に決定され、その地域の地域別最低賃金額を上回るものでなければなりません(法16条)。

Q2特定最低賃金の申出は誰ができますか?

労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者です(法15条1項)。労働側からも使用者側からも出せ、代表性の要件は厚生労働省令に委ねられています。

Q3特定最低賃金はどの業種にありますか?

鉄鋼、電機、自動車小売、機械器具製造など、製造業と一部小売業を中心に設定されています。適用の有無は都道府県労働局や労働基準監督署で確認できます。

Q4特定最低賃金を下回るとどうなりますか?

下回る部分の労働契約は無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされます(法4条2項)。差額は賃金債権として遡って支払う義務が生じます。

Q5特定最低賃金の廃止はどうやって決まりますか?

引上げと同じく法15条1項の申出から始まります。使用者側が廃止を申し出て、大臣又は局長が必要と認め、審議会の意見を聴いて廃止の決定がされます。

Q6特定最低賃金の適用は会社単位ですか、事業場単位ですか?

事業場単位です。主たる事業が何かで判定するため、同じ会社でも工場は対象、本社事務部門は対象外という結論の分かれ方が起きます。

Q7特定最低賃金の異議申出はいつまでにできますか?

審議会の意見が公示された日から15日以内です(法15条3項による法11条の準用)。窓が閉じれば、その内容で決定が進みます。

Q8申し出てから決定までどれくらいかかりますか?

法定の期限はありません。審議会の調査審議、意見の公示、異議申出期間を経るため、申出から発効まで年単位になることも珍しくありません。

この条文についての質問 AI による整理(2026-09-08T15:00:00+09:00 時点)

Q1うちの会社に業種別の最低賃金があるかどうかって、どこで分かるんですか?

都道府県労働局または労働基準監督署で確認できます。適用の有無は15条1項の「一定の事業若しくは職業」に当たるかで決まり、判定単位は会社ではなく事業場です。業界裏話ヒント:同じ会社でも、工場は対象で本社事務部門は対象外、ということが普通に起きます。求人票の時給が県の最低賃金ぴったりなら、まず対象業種かを疑ってください

Q2申し出れば、その業種の最低賃金は必ず上がるんですか?

上がりません。15条2項は「必要があると認めるとき」に審議会の調査審議を求める建て付けで、申出は審議入りすら保証しません。業界裏話ヒント:申出は労使どちらからも出せ、使用者側は同じ15条1項で「廃止」を申し出られます。地域別の急上昇で存在意義が薄れた特定最低賃金について、労働側が沈黙している間に廃止の申出だけが出る、という盤面が現実に起きています

Q3業種別の最低賃金より低い時給で働かされていました。今から取り返せますか?

取り返せます。法4条2項により、下回る部分の労働契約は無効となり最低賃金額で契約したものとみなされるので、差額は賃金債権として請求できます。時効は労働基準法115条により当分の間3年(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:特定最低賃金違反には法40条の50万円の罰金が及ばないため、監督署は労働基準法24条違反として扱います。刑罰の軽さで諦めず、差額請求と労基署への申告を同時に走らせるほうが回収は早い

間違えやすい点 AI による整理(2026-09-08T15:00:00+09:00 時点)

  • 「今年の最低賃金はいくらになるのか」という問いは、二階部分については立て方そのものが誤っている。特定最低賃金は、誰かが15条1項の申出をしない限り審議すら始まらない。問うべきは「今年いくらか」ではなく「今年、誰かが申し出たか」であり、その申出は労働側からも使用者側からも出せる
  • 特定最低賃金を下回れば違法、というところまでは知られている。だが深刻度の中身が違う。地域別最低賃金の違反は最低賃金法40条で50万円以下の罰金だが、船員以外の特定最低賃金にはこの罰金が及ばない。実務では賃金の一部未払いとして労働基準法24条違反(同法120条、30万円以下の罰金)で処理される。刑罰は軽く見えるが、下回る部分の労働契約を無効として最低賃金額で契約したとみなす民事の効力(法4条2項)に上限はなく、遡って支払う金額のほうがはるかに重い
  • 使用者から見れば「うちの業界の特定最低賃金なんて形骸化していて、誰も気にしていない」。だが法律から見れば、廃止の決定がされない限り効力は生き続ける。地域別が追い越すまでの期間について発生した差額は、賃金債権として積み上がっている。形骸化しているという業界の空気は、支払義務を一円も減らさない
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決定の起点法15条:労使の代表者による申出が必須。申出がなければ審議も始まらない
適用範囲の単位一定の事業又は職業(事業場の主たる事業で判定)
違反したときの刑罰法40条の罰金(50万円以下)は船員以外の特定最低賃金には及ばず、労働基準法24条違反(同法120条、30万円以下)として処理
金額水準の縛り法16条により、当該地域の地域別最低賃金額を上回るものでなければならない

想定される場面と対応 AI による整理(2026-09-08T15:00:00+09:00 時点)

こんなときに使う

  • もし、あなたの業種の特定最低賃金が今まさに審議されていたら、どうなるか。審議会の意見はいったん公示され、そこから15日以内という短い窓の間だけ、異議や適用猶予の申出ができる(法11条の準用、期間は最新の条文をご確認ください)。窓が閉じれば、その金額で一年動く。知らずに過ごせば、賛成したのと同じ結果になる
  • 製造業の経営者として賃金台帳を見直したら、県の地域別最低賃金は全員クリアしているのに、業種の特定最低賃金を数十円下回る従業員が十数名いた。差額は遡って支払う義務がある。しかも15条4項の適用猶予は、決定される段階で申し出て初めて使えるもので、決定後に「うちは払えない」と言っても入口はもう閉じている
  • 求人票の時給が県の最低賃金ちょうど。業種欄は自動車小売。その求人条件は、そのまま違法かもしれない
  • 労働組合の役員をしている友人から相談される。「うちの業種の特定最低賃金、もう地域別に追い抜かれてるし廃止でいいんじゃないか」。廃止の申出も引上げの申出も、同じ15条1項の同じ窓口から出る。どちらが先に申し出るかで、業界数万人の賃金の下限が決まる
  • 派遣社員として自動車部品の工場に入った。雇用主は人材会社だが、最低賃金法は派遣中の労働者について派遣先の事業に適用される最低賃金を適用する特例を置いている。同じ派遣会社に籍を置く同僚と時給の下限が違う理由が、ここにある

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

事実サマリー

以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。

  1. 最低賃金法第15条(特定最低賃金の決定等)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
  2. 最低賃金法第15条の条文原文は「労働者又は使用者の全部又は一部を代表する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、当該労働者若しくは使用者に適用される一定…」で始まります。
  3. 最低賃金法第15条は第三節に置かれています。
  4. 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
  5. 最低賃金法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。