要点最低賃金法15条は、労使の代表者が厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対し、特定最低賃金の決定・改正・廃止を申し出られると定める。申出がなければ審議は始まらない。
Q · 業種別の最低賃金って、毎年勝手に上がるものじゃないんですか?
業種別の上乗せ額は、労使が申し出ない限り動きません
最低賃金法15条は、労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者が、厚生労働大臣又は都道府県労働局長に対して、業種や職業ごとの特定最低賃金の決定・改正・廃止を申し出られると定めます。地域別最低賃金が毎年行政主導で改定されるのに対し、特定最低賃金は誰かが申し出ない限り審議すら始まりません。申出があっても、大臣又は局長が必要があると認めたときに最低賃金審議会の調査審議を経て決定される建て付けであり、申出は決定を保証しません。
日本の最低賃金は二階建てである。ニュースで報じられる都道府県ごとの地域別最低賃金が一階、その上に業種や職種ごとの特定最低賃金が乗る。鉄鋼、電機、自動車小売など、全国で二百件を超える特定最低賃金が現に生きており、金額は地域別を上回るものでなければならない(法16条、条番号は現行効力を要確認)。問題は、この二階が自動では動かないことだ。15条が定めているのは、労働者側または使用者側の代表者が厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して、決定、改正、廃止を申し出る回路である。誰も申し出なければ、あなたの業種の上乗せ額は何年でも据え置かれる。上乗せ賃金は行政が勝手に決めているのではなく、申し出た者がいたかどうかで決まっている。しかも申出は決定を強制しない。大臣や局長が必要があると認めたときに審議会へ回す建て付けであり、扉を叩く権利と扉を開ける権限は、別の手に握られている。
最低賃金法第15条は、特定最低賃金の決定手続の起点を定める規定である。労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者が厚生労働大臣又は都道府県労働局長に申し出ることができ、行政が必要があると認めるときに最低賃金審議会の調査審議を経て、決定、改正又は廃止がなされる。地域別最低賃金と異なり、関係労使の申出がなければ手続は始まらない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
一定の事業又は職業に適用される業種別の最低賃金です。最低賃金法15条の申出を起点に決定され、その地域の地域別最低賃金額を上回るものでなければなりません(法16条)。
労働者又は使用者の全部若しくは一部を代表する者です(法15条1項)。労働側からも使用者側からも出せ、代表性の要件は厚生労働省令に委ねられています。
鉄鋼、電機、自動車小売、機械器具製造など、製造業と一部小売業を中心に設定されています。適用の有無は都道府県労働局や労働基準監督署で確認できます。
下回る部分の労働契約は無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされます(法4条2項)。差額は賃金債権として遡って支払う義務が生じます。
引上げと同じく法15条1項の申出から始まります。使用者側が廃止を申し出て、大臣又は局長が必要と認め、審議会の意見を聴いて廃止の決定がされます。
事業場単位です。主たる事業が何かで判定するため、同じ会社でも工場は対象、本社事務部門は対象外という結論の分かれ方が起きます。
審議会の意見が公示された日から15日以内です(法15条3項による法11条の準用)。窓が閉じれば、その内容で決定が進みます。
法定の期限はありません。審議会の調査審議、意見の公示、異議申出期間を経るため、申出から発効まで年単位になることも珍しくありません。
都道府県労働局または労働基準監督署で確認できます。適用の有無は15条1項の「一定の事業若しくは職業」に当たるかで決まり、判定単位は会社ではなく事業場です。業界裏話ヒント:同じ会社でも、工場は対象で本社事務部門は対象外、ということが普通に起きます。求人票の時給が県の最低賃金ぴったりなら、まず対象業種かを疑ってください
上がりません。15条2項は「必要があると認めるとき」に審議会の調査審議を求める建て付けで、申出は審議入りすら保証しません。業界裏話ヒント:申出は労使どちらからも出せ、使用者側は同じ15条1項で「廃止」を申し出られます。地域別の急上昇で存在意義が薄れた特定最低賃金について、労働側が沈黙している間に廃止の申出だけが出る、という盤面が現実に起きています
取り返せます。法4条2項により、下回る部分の労働契約は無効となり最低賃金額で契約したものとみなされるので、差額は賃金債権として請求できます。時効は労働基準法115条により当分の間3年(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:特定最低賃金違反には法40条の50万円の罰金が及ばないため、監督署は労働基準法24条違反として扱います。刑罰の軽さで諦めず、差額請求と労基署への申告を同時に走らせるほうが回収は早い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 決定の起点 | 法15条:労使の代表者による申出が必須。申出がなければ審議も始まらない | — |
| 適用範囲の単位 | 一定の事業又は職業(事業場の主たる事業で判定) | — |
| 違反したときの刑罰 | 法40条の罰金(50万円以下)は船員以外の特定最低賃金には及ばず、労働基準法24条違反(同法120条、30万円以下)として処理 | — |
| 金額水準の縛り | 法16条により、当該地域の地域別最低賃金額を上回るものでなければならない | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。