最低賃金法 第17条
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第十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、同項の規定により決定され、又は改正された特定最低賃金が著しく不適当となつたと認めるときは、その決定の例により、その廃止の決定をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第17条は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第17条の条文原文は「第十五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、同項の規定により決定され、又は改正された特定最低賃金が著しく不適当となつたと認め…」で始まります。
- 最低賃金法第17条は第三節 特定最低賃金に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第17条の前の条は最低賃金法第16条です。
- 最低賃金法第17条の次の条は最低賃金法第18条です。
- 最低賃金法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法17条は、特定最低賃金が著しく不適当となった場合、厚生労働大臣または都道府県労働局長が労使の申出なしに廃止を決定できると定める。決定と同じ手続の履践が必要である。
Q · 業界ごとの上乗せ最低賃金って、労使が反対しても国が勝手に廃止できるんですか?
できます。ただし「著しく不適当」+ 決定と同じ手続が必要です
最低賃金法17条により、厚生労働大臣または都道府県労働局長は、特定最低賃金が「著しく不適当となつた」と認めるときは、関係労使の申出がなくても廃止を決定できます。ただし発動には二重の縛りがあります。第一に「著しく不適当」という高いハードル、第二に「その決定の例により」、すなわち最低賃金審議会の調査審議、意見の公示、異議申出の機会という決定時と同じ手続の履践です。実務上の廃止の多くは15条2項の労使の申出により処理されています。
解説
あなたの職場に効いている最低賃金は、一本ではなく二本立てかもしれない。都道府県ごとの地域別最低賃金と、特定の産業や職種にだけ上乗せされる特定最低賃金である。後者は本来、労使双方が申し出なければ動かせない(15条)。ところが17条は、その労使自治をひとつだけ飛び越える。厚生労働大臣または都道府県労働局長が「著しく不適当となつた」と認めれば、労使の申出がなくても廃止を決められる。近年、地域別最低賃金が毎年数パーセント上がり続けた結果、上乗せのはずの特定最低賃金が地域別に追い抜かれる逆転が各地で起きている。追い抜かれた瞬間、その上乗せは事実上の空文になる。17条は、その空文を法的に消すためのブレーカーだ。ただし落とし方には条件がある。「その決定の例により」、つまり最低賃金審議会の調査審議と意見聴取、公示と異議申出という、決定時と同じ手続を丸ごと踏まなければならない。あなたの産業の床を、誰かが黙って抜くことはできない。
法的な位置づけ
最低賃金法17条は、特定最低賃金の職権廃止を定める規定である。厚生労働大臣または都道府県労働局長は、決定または改正された特定最低賃金が著しく不適当となったと認めるとき、15条1項・2項の関係労使の申出を要件とすることなく、決定の例による手続を履践して廃止を決定できる。申出主義の例外規定として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1特定最低賃金とは何ですか?
特定の産業や職種の労働者に、地域別最低賃金に上乗せして適用される最低賃金です。関係労使の申出に基づき決定され、地域別を上回るべきものとされます(最低賃金法15条、16条)。
Q2特定最低賃金の廃止は誰が決めるのですか?
厚生労働大臣または都道府県労働局長です。原則は関係労使の申出(15条2項)ですが、17条により著しく不適当と認めるときは申出なしでも廃止を決定できます。
Q3特定最低賃金が廃止されるのはどんなときですか?
地域別最低賃金の引き上げが続き、上乗せのはずの特定最低賃金が追い抜かれて実質的な意味を失った場合などです。この逆転が「著しく不適当」の典型的な実態とされます。
Q4特定最低賃金 廃止 いつ決まる?
最低賃金審議会の調査審議を経て意見が公示され、異議申出期間(公示の日から15日以内とされる)の経過後に決定されます。正確な日程は各都道府県労働局の公示文書で確認してください。
Q5特定最低賃金の廃止に異議を申し出られますか?
できます。関係労働者と関係使用者は、審議会の意見が公示された後に異議を申し出られます(最低賃金法25条)。ただし実質的な勝負どころは公示前の審議会段階です。
Q6最低賃金が二つ適用される場合どうなりますか?
最低賃金法6条により、最も高い額の最低賃金が適用されます。特定最低賃金が地域別に追い抜かれた場合、実際に効いているのは地域別最低賃金です。
Q7特定最低賃金違反は罰則がありますか?
船員に係る特定最低賃金を除き、最低賃金法40条の罰金は及びません。差額の未払いは労働基準法24条(賃金の全額払い)違反として処理されます。
Q8特定最低賃金が廃止されたら賃金は下がりますか?
既存の労働契約の賃金額が自動的に下がることはありません。ただし法的な下限は地域別最低賃金まで落ち、次の賃金交渉の出発点が一段低くなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの業界の最賃が廃止されたら、いまもらってる時給って下げられるんですか?
廃止されても既存の労働契約の賃金額が自動的に下がることはない。引き下げには労働者との合意(労働契約法8条、9条)か、就業規則変更の合理性(同法10条)が要る。ただし法的な床は地域別最低賃金まで落ちる。実務のポイント:影響は在職者ではなく求人票に最初に出る。廃止前後で自社と同業他社の募集時給の下限を記録しておくと、次の交渉で「床が下がった分の実害」を数字で示せる
Q2廃止の決定に、こっちから文句を言う方法はあるんですか?
最低賃金審議会の意見が公示された後、関係労働者と関係使用者は異議を申し出られる(最低賃金法25条)。なお、最低賃金の決定や廃止が取消訴訟の対象となる「処分」に当たるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:だから本当の勝負どころは異議申出ではなく、その前の審議会での労使委員の議論である。地方最低賃金審議会の委員名簿と議事録は公開されているので、廃止の話が出た時点で自分の業界団体や組合がどの席にいるかを先に確かめる
Q3特定最低賃金を割った給料を払った会社って、逮捕されるんですか?
地域別最低賃金と船員に係る特定最低賃金の違反には最低賃金法40条の罰金(50万円以下)があるが、それ以外の特定最低賃金の違反に同条は及ばない。差額は同法4条2項により当然に発生し、その未払いは労働基準法24条違反として同法の罰則の対象になりうる。実務のポイント:罰則ルートが違うということは、監督署の是正勧告の書きぶりも違う。申告するときは「最低賃金法違反」ではなく「賃金全額払い違反」として整理して持ち込む方が、話が早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「特定最低賃金が廃止されたら時給が下がるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。廃止されても地域別最低賃金は残り、既存の労働契約の賃金額が自動的に下がることもない。本当の争点は金額そのものではなく、次の賃金改定で交渉の出発点となる床が消える点にある。問いを「いくら下がるか」から「何を基準に交渉するか」に置き換えた瞬間、見える景色が変わる
- あなたから見れば特定最低賃金は「守ってくれるルール」だが、法律から見れば罰則の付かない下限である。地域別最低賃金と船員に係る特定最低賃金の違反には最低賃金法40条の罰金(50万円以下)が用意されているが、それ以外の特定最低賃金にはこの罰則が及ばない。差額の未払いは労働基準法24条(賃金の全額払い)違反として処理される。この落差を知らずに「違反すれば最低賃金法で刑事罰だ」と迫ると、相手の顧問社労士に一言で足元をすくわれる
- 17条があるから行政はいつでも産業別の上乗せを消せる、と読むのは誤りである。「著しく不適当」という高いハードルに加え、決定と同じ手続、すなわち最低賃金審議会の調査審議、意見の公示、異議申出の機会を丸ごと履践しなければならない。実務上、廃止の多くは15条2項の関係労使の申出として処理されており、17条単独の職権廃止が使われる場面は乏しい。この条文の本当の機能は、発動されることではなく、発動されうる状態が労使に自主的な整理を促す圧力になっている点にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の主体 | 17条:厚生労働大臣または都道府県労働局長の職権 | 15条2項:関係労使の申出が起点 16条:地域別を上回るべきとの実体的基準 |
| できる行為 | 廃止の決定のみ(決定・改正は含まない) | 決定・改正・廃止のすべて 行為ではなく水準の基準 |
| 発動要件 | 「著しく不適当となつた」という高いハードル | 関係労使の申出と審議会の調査審議 地域別最低賃金額を上回ること |
| 手続 | 「その決定の例により」=決定時と同格の手続を丸ごと履践 | 審議会の調査審議・意見の公示・異議申出(25条) 手続規定ではない |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は産業別の上乗せ最低賃金制度を持たず、勞動部の基本工資審議会と行政院の核定による単一の基本工資制。よって「上乗せの廃止」という問題自体が生じない構造的差異がある
韓国は事業の種類別に区分適用できる建付けだが、近年は全業種一律の適用が続いている。区分の設定・変更が本条の機能に近い
ドイツは業種別最低賃金を労働協約の一般的拘束力宣言(Allgemeinverbindlicherklärung)で実現しており、その撤回・失効が日本の特定最低賃金廃止に機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、来年度にあなたの業界の特定最低賃金が廃止されたら、いまの時給はどうなる? 在職者の賃金額が自動的に下がるわけではない。だが法的な床は地域別最低賃金まで落ち、次の賃金交渉であなたが立っていた土台が一段低くなる。落ちたことに気付くのは、たいてい翌年の改定期だ
- 賃金表を組んでいる労務担当のあなた。自社が属する業種の特定最低賃金が、今年の地域別改定でついに逆転された。「上位が適用されるから実害なし」と処理して終わらせがちだが、廃止が正式に決定されると社内規程の引用条項が空振りになる。就業規則の賃金条項に旧特定最低賃金を引いている会社は、この時点で条文が死ぬ
- 組合の執行部から電話が来る。「うちの最賃、来年なくなるらしい」。相談されたあなたは、廃止が15条2項の申出によるものか、17条の職権によるものかをまず聞き返せる
- 最低賃金審議会の意見が公示された。異議を申し出られる期間は公示の日から15日以内とされる(正確な日数は必ず公示文書で確認)。あと十数日で、あなたの産業の上乗せに対して当事者が正面から物を言える唯一の窓が閉じる。組合の総会日程を待っていたら間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の事業所に特定最低賃金が適用されるか、都道府県労働局のサイトで業種区分と適用範囲を確認する(区分は細かく、同じ会社でも部門で分かれることがある) 2. その額と地域別最低賃金額を並べ、逆転していないか見る。逆転していれば廃止の候補である3. 廃止の動きが出たら、組合または業界団体を通じて審議会段階で意見を出す。個人でも公示後の異議申出(25条)は可能4. 現在の賃金額を労働条件通知書と給与明細で保全し、廃止前後の求人時給も記録しておく
訴えられた側:1. 自社に適用される最低賃金を全部洗い出す。複数が競合する場合は最も高い額が適用される(6条) 2. 廃止されても在職者の賃金を一方的に引き下げれば労働契約法上のリスクが残る。就業規則変更の合理性(同法10条)を先に検討する3. 廃止や改正の申出は関係労使の合意形成が前提(15条2項)。業界団体経由で審議会の議論に早期参加する4. 差額未払いが判明したら、是正勧告を待たず自主的に遡及支払する方が金額でも評判でも安く済む
時効(請求できる期限):17条の廃止決定そのものに固有の期間制限はない。争う場合、最低賃金審議会の意見の公示後の異議申出が実務上の起点となる(最低賃金法25条、公示の日から15日以内とされる。正確な期間は公示文書で確認すること。最新の改正状況をご確認ください)。廃止までの間に発生した差額賃金の請求権は、労働基準法115条により本則5年、附則により当分の間3年で時効消滅し、起算点は各賃金の支払期日
学説
通説的理解:特定最低賃金は関係労使の自治を基礎とする制度であり、17条の職権廃止は自治が機能不全に陥った場合の例外的な解除弁と位置付けられる。「著しく不適当」の要件と決定同格の手続要求により、行政の日常的介入は封じられている
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正(新設か旧規定の改正かは要検証) 最低賃金法の大幅改正により、従来の産業別最低賃金が「特定最低賃金」として再編され、地域別最低賃金を上回るべきものと位置付けられるとともに、罰則の適用範囲が地域別最低賃金等に限定された。特定最低賃金の決定、改正、廃止に関する現行の条文構成はこの改正で整えられている。本条が同改正で新設されたのか旧規定の文言改正なのかは、条文沿革の人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 改正:最低賃金法の大幅改正により、従来の産業別最低賃金が「特定最低賃金」として再編され、地域別最低賃金を上回るべきものと位置付けられた。罰則の適用範囲も地域別最低賃金等に限定された。本条が同改正で新設されたのか旧規定の文言改正なのかは、条文沿革の人的検証を要する
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