要点最低賃金法 6 条は、二以上の最低賃金が競合する場合に最も高い額を適用すると定める。ただし刑事罰(40 条)が及ぶのは地域別最低賃金の額までで、特定最低賃金の上乗せ分は対象外である。
Q · 県の最低賃金と業種の最低賃金、両方あるときはどっちを払えばいいの?
高い方が適用されるが、罰則が付くのは地域別の額まで
最低賃金法 6 条 1 項により、地域別最低賃金と特定最低賃金など二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、最も高い最低賃金額により 4 条が適用されます。ただし 2 項は、4 条 1 項の支払義務と 40 条の罰則(50 万円以下の罰金)が及ぶ範囲を、9 条 1 項の地域別最低賃金額に限定しています。したがって地域別は超えているが特定最低賃金には届かない場合、最低賃金法の罰則は作動せず、差額の民事請求と労働基準法 24 条違反(同法 120 条、30 万円以下の罰金)で処理される構造になります。
日本では、同じ一人の労働者に最低賃金が二枚重なることがある。都道府県ごとに決まる地域別最低賃金と、鉄鋼・電機・各種商品小売・自動車小売など特定の産業に上乗せで設定される特定最低賃金だ。6条1項は「最も高いもの」を適用すると決める。ここまでは直感どおりだろう。問題は2項である。高い方の特定最低賃金が適用される場面でも、最低賃金法の罰則(40条、50万円以下の罰金)が飛ぶ範囲は、地域別最低賃金の水準までに限定されている。つまり、地域別を下回れば最低賃金法違反、地域別は超えているが特定最低賃金には届かないという中間帯では、最低賃金法の罰則は作動しない。ただし差額を払う民事上の義務は消えないうえ、労働基準法24条(賃金全額払)違反として同法120条の罰金(30万円以下)で捕まる構造になっている。あなたが受け取れる金額は変わらない。変わるのは、どの条文でどの窓口を押すかだ。
最低賃金法 6 条は、一人の労働者に地域別最低賃金と特定最低賃金など二以上の最低賃金が競合して適用される場合の適用関係を定める規定である。1 項は最高の最低賃金額により 4 条を適用すると定め、2 項は 4 条 1 項の支払義務および 40 条の罰則の適用対象を、9 条 1 項の地域別最低賃金において定める額の限度に画する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特定の産業について、関係労使の申出を起点に地域別最低賃金より高い水準で決定される最低賃金です(最低賃金法 15 条)。鉄鋼、電機、自動車小売、各種商品小売などの業種で設定されています。
勤務先の事業場が所在する都道府県労働局が公示する特定最低賃金の一覧で確認します。業種の判定は日本標準産業分類が基準となるため、社名や自己申告の業種名とずれることがあります。
臨時に支払われる賃金、1 か月を超える期間ごとに支払われる賃金、時間外・休日・深夜の割増賃金、通勤手当、家族手当、精皆勤手当は算入されません(最低賃金法 4 条 3 項および同法施行規則)。
その部分は無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます(最低賃金法 4 条 2 項)。労働者が同意していても結論は変わらず、使用者は差額の支払義務を負います。
地域別最低賃金の額を下回った場合は最低賃金法 40 条により 50 万円以下の罰金です。特定最低賃金のみを下回る場合は 6 条 2 項により同条の対象外で、労働基準法 120 条の 30 万円以下の罰金となります。
賃金請求権の消滅時効は労働基準法 115 条により 5 年、当分の間 3 年とする経過措置があります。起算点は各月の賃金支払日で、古い月から順に時効が完成していきます。
多くの特定最低賃金の公示では、18 歳未満または 65 歳以上の者、雇入れ後一定期間未満の技能習得中の者、軽易な業務に従事する者などが適用除外とされます。この場合は地域別最低賃金が適用されます。
含めません。時間外、休日、深夜の割増賃金は算入対象から除外されます。所定内賃金だけを時間額に換算したうえで、適用される最低賃金額と比較します。
両方正しく、6条1項により高い方が適用される。あなたのケースでは特定最低賃金が上回っているので、そちらが基準になり、差額の支払義務が発生する。業界裏話ヒント:特定最低賃金の存在は都道府県労働局の公示でしか周知されず、求人サイトも給与ソフトも地域別しか自動反映しない。中小企業の未払いの大半はここで起きている
派遣先の事業場に適用される最低賃金が基準になる(最低賃金法5条)。派遣先の産業に特定最低賃金があれば、6条により地域別と比べて高い方が適用される。業界裏話ヒント:派遣元の給与計算は本社所在地の地域別で組まれていることがあり、就業先が高い県や特定最低賃金のある業種だと自動的に不足が出る。就業先が変わったタイミングが一番危ない
最低賃金法40条の罰金は、6条2項により地域別最低賃金の水準についてのみ適用される。特定最低賃金だけを割っている場合は同条では処罰されず、労働基準法24条違反として同法120条(30万円以下の罰金)の対象になる。業界裏話ヒント:どちらの条文で申告するかで担当窓口も監督官の動き方も変わる。申告書に条文を書けるだけで、初動の扱いが変わる
6条1項により高い方すなわち地域別が適用され、特定最低賃金は事実上機能しなくなる。この場合は最低賃金法40条の罰則も通常どおり働く。業界裏話ヒント:地域別に追い越された特定最低賃金は、労使の申出により改正か廃止が審議される。自分の業種の特定最低賃金が何年据え置かれているかを見ると、その業界の労使交渉の体力が透けて見える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 6 条:二以上の最低賃金が競合したときの適用関係と罰則射程の決定 | — |
| 適用される金額 | 競合する最低賃金額のうち最高のもの | — |
| 違反時の刑事罰 | 2 項により、40 条の罰則は地域別最低賃金額の限度でのみ適用 | — |
| 民事上の効力 | 最高額を基準に 4 条を適用するため、上乗せ部分も支払義務は残る | — |
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