最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。)は、時間によつて定めるものとする。
要点最低賃金法 3 条は、最低賃金額を時間によって定めると規定する。月給や日給も、除外賃金を引いたうえで時間額に換算し、都道府県の地域別最低賃金と比較する。
Q · 月給制で働いていても、最低賃金って関係あるんですか?
あります。月給も時間額に換算して比べます
最低賃金法 3 条により、最低賃金額は時間によって定められます。月給制でも日給制でも出来高払制でも、まず通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外や休日の割増賃金・賞与を除き(同法 4 条 3 項)、残った額を 1 か月平均所定労働時間で割って時間額を出します(同法施行規則 2 条)。その数字が都道府県の地域別最低賃金額を下回っていれば、下回る部分は無効となり、最低賃金額を定めたものとみなされます(同法 4 条 2 項)。額面の大きさではなく、換算後の数字だけが判定材料です。
最低賃金の額は、時間でしか定められない。この一行が効いてくるのは、月給制で働く人が給与明細を開いた瞬間である。額面がいくらであっても、法律が見るのは総支給額を一か月平均所定労働時間で割った後の数字ひとつだけだ。しかも割り算の前に、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外や休日の割増賃金、賞与は分子から抜かれる(最低賃金法第4条第3項)。固定残業代込みで月26万円という求人が、換算すると地域の最低賃金を割っていることは珍しくない。日給制でも歩合制でも扱いは同じで、すべて時間額に直してから比較する(最低賃金法施行規則第2条)。裏を返せば、自分の時間額さえ一度出しておけば、割れているかどうかは電卓ひとつで判定できる。物差しは都道府県ごとの時間額、それ以外にない。
最低賃金法第 3 条は、最低賃金額の表示単位を時間に一本化する規定である。平成 19 年改正前は時間・日・週・月の各単位で定めることが認められていたが、雇用形態と賃金支払形態の多様化に対応し比較可能性を確保するため、時間額単独表示へ統一された。月給制・日給制・出来高払制の賃金は、施行規則第 2 条の方法により時間額へ換算したうえで最低賃金額と比較される。
地域別最低賃金は厚生労働大臣または都道府県労働局長が、最低賃金審議会の調査審議を経て決定します(最低賃金法 10 条)。労使と公益の三者構成で審議されます。
改定額は決定・公示のうえ発効日から効力を生じ、多くの都道府県で 10 月前後に発効します。発効日から自動的に効くため、契約書を直さなくても時給は引き上がります。
地域別は都道府県ごとに全労働者へ適用され、違反は 50 万円以下の罰金(40 条)。特定最低賃金は産業別に上乗せされ、違反は労働基準法 24 条違反として 30 万円以下の罰金です。
勤務地を管轄する労働基準監督署が窓口です。雇用契約書、給与明細、実労働時間の記録と、自分で出した時間額換算表を持参すると事実確認が早く進みます。
出来高払制の賃金総額を、その賃金計算期間の総労働時間数で割って時間額を出します(施行規則 2 条)。件数や売上ではなく、実際に働いた総時間が分母になります。
入りません。通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、1 か月を超える期間ごとに支払われる賞与は分子から除外されます(最低賃金法 4 条 3 項)。
同じです。最低賃金法は雇用形態や賃金の支払形態を問わず適用されます。学生アルバイト、パート、契約社員、正社員のいずれも同一の地域別最低賃金額が基準になります。
厚生労働省および各都道府県労働局が公表する地域別最低賃金額の一覧で確認できます。産業別の特定最低賃金の対象かどうかも同じ資料で確認できます。
除外賃金を引いた月額を、1か月平均所定労働時間で割ります(最低賃金法施行規則第2条)。分母は年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12で出します。業界裏話ヒント:分母に使うのは実労働時間ではなく所定労働時間です。残業が多い人ほど体感の時給は下がりますが、最低賃金の判定は所定で行うので、そこでは救えない。その部分は割増賃金(労働基準法第37条)の未払いとして別立てで攻める。
無効です。第4条第2項により、最低賃金額に達しない部分だけが無効となり、その部分は最低賃金額と同じ定めをしたものとみなされます。契約全体が消えるのではなく、時給だけが自動的に引き上がる構造です。業界裏話ヒント:この効力は発効日から自動で働くので、請求は「契約が無効だ」と争う形ではなく「差額賃金を支払え」と求める形になる。入口の立て方を間違えると、話が余計に長引く。
地域別最低賃金の違反は50万円以下の罰金です(第40条)。産業別の特定最低賃金の違反は最低賃金法の罰則ではなく、労働基準法第24条の賃金全額払い義務違反として30万円以下の罰金になります。業界裏話ヒント:同じ最低賃金でも、地域別か特定かで根拠条文も罰金額も変わる。自分の勤務先が特定最低賃金の対象産業かどうかは、都道府県労働局の公表資料で確認できる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定が担う役割 | 第 3 条:最低賃金額の表示単位を時間に一本化し、比較の物差しを作る | — |
| 実務で使う場面 | 月給・日給・歩合を時間額へ換算し、割れているかを判定する入口 | — |
| 違反したときの効果 | 単独の罰則規定ではなく、比較の前提となる技術規定 | — |
| 当事者の合意で動かせるか | 動かせない。単位は法定であり合意で日額表示に戻すことはできない | — |
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