最低賃金法 第3条(最低賃金額)
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最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。以下同じ。)は、時間によつて定めるものとする。
この条文の基本情報
最低賃金額とは何ですか?
定義最低賃金額とは、最低賃金法第3条に定められた規定で、「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第3条(最低賃金額)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第3条の条文原文は「最低賃金額(最低賃金において定める賃金の額をいう。」で始まります。
- 最低賃金法第3条は第一節 総則に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第3条の前の条は最低賃金法第2条です。
- 最低賃金法第3条の次の条は最低賃金法第4条です。
- 最低賃金法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法3条は、最低賃金額を時間によって定めると規定する。月給や日給も、除外賃金を引いたうえで時間額に換算し、都道府県の地域別最低賃金と比較する。
Q · 月給制で働いていても、最低賃金って関係あるんですか?
あります。月給も時間額に換算して比べます
最低賃金法3条により、最低賃金額は時間によって定められます。月給制でも日給制でも出来高払制でも、まず通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外や休日の割増賃金・賞与を除き(同法4条3項)、残った額を1か月平均所定労働時間で割って時間額を出します(同法施行規則2条)。その数字が都道府県の地域別最低賃金額を下回っていれば、下回る部分は無効となり、最低賃金額を定めたものとみなされます(同法4条2項)。額面の大きさではなく、換算後の数字だけが判定材料です。
解説
最低賃金の額は、時間でしか定められない。この一行が効いてくるのは、月給制で働く人が給与明細を開いた瞬間である。額面がいくらであっても、法律が見るのは総支給額を一か月平均所定労働時間で割った後の数字ひとつだけだ。しかも割り算の前に、通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外や休日の割増賃金、賞与は分子から抜かれる(最低賃金法第4条第3項)。固定残業代込みで月26万円という求人が、換算すると地域の最低賃金を割っていることは珍しくない。日給制でも歩合制でも扱いは同じで、すべて時間額に直してから比較する(最低賃金法施行規則第2条)。裏を返せば、自分の時間額さえ一度出しておけば、割れているかどうかは電卓ひとつで判定できる。物差しは都道府県ごとの時間額、それ以外にない。
法的な位置づけ
最低賃金法第3条は、最低賃金額の表示単位を時間に一本化する規定である。平成19年改正前は時間・日・週・月の各単位で定めることが認められていたが、雇用形態と賃金支払形態の多様化に対応し比較可能性を確保するため、時間額単独表示へ統一された。月給制・日給制・出来高払制の賃金は、施行規則第2条の方法により時間額へ換算したうえで最低賃金額と比較される。
手順
- 1.所定労働時間を確定させる 雇用契約書または労働条件通知書で、1日の所定労働時間と年間所定労働日数を確認する。就業規則の年間カレンダーがあれば併せて取得する。ここが曖昧なままだと換算そのものが成立しない
- 2.給与明細から除外賃金を差し引く 直近数か月の給与明細を並べ、通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外や休日・深夜の割増賃金・1か月を超える期間ごとの賞与を総支給額から差し引く(最低賃金法4条3項)。手当が厚い会社ほどこの工程で数字が大きく落ちる
- 3.1か月平均所定労働時間で割って時間額を出す 分母は「年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12」。前工程で出した額をこの分母で割る(施行規則2条)。日給制は1日の所定労働時間で、出来高払制は賃金計算期間の総労働時間で割る
- 4.地域別最低賃金額と照合し、月ごとの差額を集計する 勤務地の都道府県の地域別最低賃金額と時間額を比べる。下回っていれば、月ごとに(最低賃金額 − 時間額)× その月の労働時間で差額を出し、支払日ごとに一覧化する。産業別の特定最低賃金の対象産業かどうかも同時に確認する
- 5.書面で是正と差額支払を求め、動かなければ申告する 換算表を添えて、会社へ書面で時給の是正と差額賃金の支払を求める。回答がない、または拒否された場合は、同じ資料を持って勤務地管轄の労働基準監督署へ申告する。賃金請求権は各支払日ごとに時効が進むため、古い月から順に消える点に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1最低賃金は誰が決めるのですか?
地域別最低賃金は厚生労働大臣または都道府県労働局長が、最低賃金審議会の調査審議を経て決定します(最低賃金法10条)。労使と公益の三者構成で審議されます。
Q2最低賃金はいつから改定されますか?
改定額は決定・公示のうえ発効日から効力を生じ、多くの都道府県で10月前後に発効します。発効日から自動的に効くため、契約書を直さなくても時給は引き上がります。
Q3地域別最低賃金と特定最低賃金の違いは?
地域別は都道府県ごとに全労働者へ適用され、違反は50万円以下の罰金(40条)。特定最低賃金は産業別に上乗せされ、違反は労働基準法24条違反として30万円以下の罰金です。
Q4最低賃金割れに気づいたらどこに相談すればいいですか?
勤務地を管轄する労働基準監督署が窓口です。雇用契約書、給与明細、実労働時間の記録と、自分で出した時間額換算表を持参すると事実確認が早く進みます。
Q5歩合制の最低賃金はどう計算しますか?
出来高払制の賃金総額を、その賃金計算期間の総労働時間数で割って時間額を出します(施行規則2条)。件数や売上ではなく、実際に働いた総時間が分母になります。
Q6通勤手当は最低賃金の計算に入りますか?
入りません。通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賞与は分子から除外されます(最低賃金法4条3項)。
Q7アルバイトやパートにも最低賃金は同じですか?
同じです。最低賃金法は雇用形態や賃金の支払形態を問わず適用されます。学生アルバイト、パート、契約社員、正社員のいずれも同一の地域別最低賃金額が基準になります。
Q8自分の地域の最低賃金額はどこで確認できますか?
厚生労働省および各都道府県労働局が公表する地域別最低賃金額の一覧で確認できます。産業別の特定最低賃金の対象かどうかも同じ資料で確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1月給制なんですけど、自分が最低賃金を下回ってるかどうか、どう計算すればいいんですか?
除外賃金を引いた月額を、1か月平均所定労働時間で割ります(最低賃金法施行規則第2条)。分母は年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12で出します。実務のポイント:分母に使うのは実労働時間ではなく所定労働時間です。残業が多い人ほど体感の時給は下がりますが、最低賃金の判定は所定で行うので、そこでは救えない。その部分は割増賃金(労働基準法第37条)の未払いとして別立てで攻める。
Q2最低賃金より安い時給でも、本人が納得してサインしてれば有効ですよね?
無効です。第4条第2項により、最低賃金額に達しない部分だけが無効となり、その部分は最低賃金額と同じ定めをしたものとみなされます。契約全体が消えるのではなく、時給だけが自動的に引き上がる構造です。実務のポイント:この効力は発効日から自動で働くので、請求は「契約が無効だ」と争う形ではなく「差額賃金を支払え」と求める形になる。入口の立て方を間違えると、話が余計に長引く。
Q3違反した会社って、実際どんな罰を受けるんですか?
地域別最低賃金の違反は50万円以下の罰金です(第40条)。産業別の特定最低賃金の違反は最低賃金法の罰則ではなく、労働基準法第24条の賃金全額払い義務違反として30万円以下の罰金になります。実務のポイント:同じ最低賃金でも、地域別か特定かで根拠条文も罰金額も変わる。自分の勤務先が特定最低賃金の対象産業かどうかは、都道府県労働局の公表資料で確認できる。
間違えやすい点 AI による整理
- 月給を時給に直すという発想自体は、多くの人が知っている。だが割り算の分子から何が抜かれるかまで把握している人は少ない。通勤手当も家族手当も精皆勤手当も、残業代も賞与も落としてから割る(第4条第3項)。手当が厚い会社ほど、額面と法律上の時間額の乖離は大きくなり、額面の安心感だけが残る。
- 「うちは月給制だから最低賃金の対象外では」という問いの立て方そのものが誤っている。最低賃金法は支払形態も雇用形態も問わず、時間額へ換算したうえで適用される。正社員も日給制も歩合制も例外はない。問うべきは対象かどうかではなく、換算後にいくらかである。
- あなたから見れば「双方が合意した時給」でも、法律から見れば最低賃金額に達しない部分は初めから無効で、その部分は最低賃金額を定めたものとみなされる(第4条第2項)。同意書に署名していても効力は生じない。この落差を知らないまま「自分で納得したのだから仕方ない」と引き下がる人が、毎年大量に出る。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定が担う役割 | 第3条:最低賃金額の表示単位を時間に一本化し、比較の物差しを作る | 第4条:最低賃金額以上の賃金を支払う義務と、下回る定めを無効とする効力 第15条:産業別の特定最低賃金の決定手続 |
| 実務で使う場面 | 月給・日給・歩合を時間額へ換算し、割れているかを判定する入口 | 割れが判明した後、差額賃金の支払を請求する根拠 自社・自分が産業別の上乗せ額の対象かを確認する場面 |
| 違反したときの効果 | 単独の罰則規定ではなく、比較の前提となる技術規定 | 地域別最低賃金の不払いは50万円以下の罰金(第40条) 特定最低賃金の不払いは労働基準法24条違反として30万円以下の罰金 |
| 当事者の合意で動かせるか | 動かせない。単位は法定であり合意で日額表示に戻すことはできない | 動かせない。下回る合意は無効で最低賃金額を定めたものとみなされる 動かせない。適用対象産業・地域は決定手続で定まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は月額(月薪)と時間額(時薪)の双方を公示する二本立て。月給者は月額基準、時間給者は時間額基準で直接比較でき、換算作業が原則不要となる点が日本の時間額単独表示と対照的
韓国は時間・日・週・月の各単位で定めることを認めつつ、日・週・月単位で定める場合は時間給の併記を義務づける。単位の多様性を残したまま比較可能性を確保する折衷型で、日本の一本化とは設計思想が異なる
ドイツは2015年施行の一般法定最低賃金を当初から時間単位(je Zeitstunde)で規定。日本より半世紀遅く導入された分、最初から時間額のみで設計されており、単位変更の立法過程を経ていない
米国連邦法も時間額で規定するが、州・郡・市が上乗せ額を定めるため、勤務地ごとに適用額が重層化する。日本の都道府県別地域別最低賃金と発想は近いが、自治体単位はより細かい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 求人票に「固定残業代45時間分を含む月給26万円」とあったら、法律上の時給はいくらになる? 割増賃金にあたる部分は最低賃金の比較対象から除外されるので、残った基本部分だけを所定労働時間で割った数字が判定材料になる。額面の大きさと、換算後の数字は別物である。
- あなたが飲食店を経営していて、アルバイトの時給を昨年の額のまま据え置いた。10月に改定された地域別最低賃金は発効日から自動的に効き、契約の時給が下回っていればその部分は無効となり、最低賃金額を定めたものとみなされる(第4条第2項)。知らなかったでは止まらず、差額の支払いに加えて50万円以下の罰金の対象になる(第40条)。
- 歩合制の配送ドライバー。1件いくらの積み上げで月20万円でも、総労働時間が240時間なら時間額は約833円になる。件数ではなく総労働時間で割るのが法律の見方だ。
- 退職して3年目に入る直前に、在職中の賃金が最低賃金割れだったと気付いた。賃金請求権の時効は各支払日ごとに進むので、古い月から順に毎月消えていく。あと数週間で一番古い月が落ちる状況で、会社へ書面で請求するか労働基準監督署へ申告するかを同時に決めなければならない。
- 同僚が「うちは日給1万円だから最低賃金なんて関係ない」と言っている。日給制は1日の所定労働時間で割って時間額に直す。所定8時間なら1,250円だが、所定が曖昧なまま毎日10時間拘束されているなら、その曖昧さ自体が最初の争点になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 雇用契約書または労働条件通知書で所定労働時間を確認する2. 直近数か月の給与明細から、通勤手当・家族手当・精皆勤手当・時間外や休日の割増賃金・賞与を除いた額を出す3. その額を1か月平均所定労働時間(年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12)で割り、都道府県の地域別最低賃金額と比べる4. 下回っていれば月ごとに差額を集計し、まず書面で是正と差額支払を求める5. 動かなければ換算表と給与明細を持って労働基準監督署へ申告する
訴えられた側:1. 改定発効日時点の全従業員について時間額換算を一括で洗い直す。固定残業代込みの月給者と歩合制者が最も落ちやすい2. 割れが見つかったら遡って差額を計算し、指導を待たずに自主的に支払う。自主是正の記録は処分判断で効く3. 契約書と賃金台帳の時給を書き換え、以後は毎年の発効日を点検日として固定する4. 自社が産業別の特定最低賃金の対象かどうかも同時に確認する
時効(請求できる期限):賃金請求権の消滅時効は、労働基準法第115条の本則で5年、同法附則第143条第3項により当分の間3年。起算点は各賃金の支払日ごとで、古い月から順に消えていく。労働基準監督署への申告自体に期限はないが、回収できるのは時効内の分に限られる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:平成19年改正による時間額単独表示の趣旨は、比較可能性の確保にあると解される。支払形態の自由を維持したまま、法の目に映る単位のみを一元化することで、多様な雇用形態の間で保護水準を揃え、行政監督の実効性を担保する技術的選択であるとされる。
通説:最低賃金との比較から除外される賃金の範囲は限定列挙であり、拡張解釈は許されないと解されている。労働の内容や成果に直接結びつかない属人的手当と、割増部分・臨時的支給を外すことで、基礎的な賃金水準そのものを比較対象とする趣旨である。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正、平成20年(2008年)7月1日施行 最低賃金額の表示単位を時間に一本化。改正前は時間、日、週または月の単位で定めることが認められていたが、雇用形態と支払形態の多様化に対応し比較可能性を確保するため、時間額単独表示へ統一された
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法制定(昭和34年法律第137号)。業者間協定方式を中心とする最低賃金決定制度が発足し、最低賃金額は時間、日、週または月の単位で定めることが認められた
- 2.昭和43年(1968年) 改正:業者間協定方式を廃止し、最低賃金審議会の調査審議に基づく決定方式へ全面移行。使用者側の自主決定から公労使三者構成の審議による決定へ制度の重心が移った
- 3.平成19年(2007年)改正、平成20年(2008年)7月1日施行 改正:最低賃金額の表示単位を時間に一本化。雇用形態と賃金支払形態の多様化に対応し比較可能性を確保するため、時間・日・週・月の各単位を認めていた従前の規定を時間額単独表示へ統一した
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