最低賃金法 第2条(定義)
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- この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一労働者1労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。2
- 二使用者1労働基準法第十条に規定する使用者をいう。2
- 三賃金1労働基準法第十一条に規定する賃金をいう。2
この条文の基本情報
定義とは何ですか?
定義定義とは、最低賃金法第2条に定められた規定で、「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第2条(定義)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第2条の条文原文は「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。」で始まります。
- 最低賃金法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第2条の前の条は最低賃金法第1条です。
- 最低賃金法第2条の次の条は最低賃金法第3条です。
- 最低賃金法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法2条は、労働者・使用者・賃金の定義を労働基準法9条・10条・11条に委ねる規定である。ただし同居の親族のみを使用する事業の従事者と家事使用人は、労働者から除かれる。
Q · 業務委託契約でも最低賃金法は適用されるの?
契約名ではなく実態で労働者かどうかが決まります
最低賃金法2条1号は、労働者の意義を労働基準法9条に規定する労働者によると定めており、独自の定義を置いていません。労働基準法9条の労働者性は、指揮命令の有無、時間的場所的拘束、仕事を断る自由、代替性、報酬の労務対償性などの実態から総合判断されます。したがって契約書の表題が業務委託・請負であっても、実態が労働者であれば最低賃金法4条の効力が及びます。ただし同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者と家事使用人は、2条1号の括弧書きにより適用から除外されます。
解説
定義条文と聞いて読み飛ばしたくなるだろうが、最低賃金法2条はこの法律の「入口の門番」である。ここに書かれた「労働者」に当たらなければ、時給がいくら低かろうと最低賃金法は一行もあなたを守らない。ポイントは、この条文が独自の定義を作らず、労働基準法9条・10条・11条をそのまま借りてきている点にある。つまりあなたが最低賃金を主張できるかどうかは、契約書の肩書き(業務委託、個人事業主、フリーランス)ではなく、労働基準法上の労働者性、すなわち指揮命令を受けているか、時間や場所を拘束されているか、代替を認められているか、で決まる。さらに2条1号は括弧書きで、同居の親族のみを使用する事業と家事使用人を明示的に外している。家業を手伝う家族と、個人宅に直接雇われた家政婦は、この法律の外側にいる。あなたの働き方がどちら側の線にあるか、まずそこを確かめることから始まる。
法的な位置づけ
最低賃金法第2条は同法の用語の定義規定であり、労働者を労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)、使用者を同法第10条に規定する使用者、賃金を同法第11条に規定する賃金と定める。最低賃金法の適用範囲を労働基準法の労働者概念に接続する条文である。
よくある質問 AI による整理
Q1最低賃金法の「労働者」とは?
最低賃金法2条1号は労働基準法9条の労働者をそのまま用います。職業の種類を問わず、事業に使用され賃金を支払われる者であり、契約の名称ではなく指揮命令や拘束の実態で判断されます。
Q2家事使用人は最低賃金法の対象外ですか?
個人家庭に直接雇われて家事に従事する家事使用人は、2条1号括弧書きにより労働者から除かれます。一方、家事代行会社に雇用されて各家庭へ派遣される場合は会社の労働者であり、最低賃金法が適用されます。
Q3「同居の親族のみを使用する事業」とはどこまで?
事業所単位で判断され、使用されている者が同居の親族だけの場合に除外されます。他人の従業員を一人でも雇えば除外は外れ、その事業所全体が最低賃金法の適用対象に戻ります。
Q4最低賃金法の「使用者」には誰が含まれる?
2条2号は労働基準法10条の使用者を指します。事業主だけでなく、事業の経営担当者や、賃金の決定など労働者に関する事項について事業主のために行為する者も含まれます。
Q5役員や取締役に最低賃金は適用される?
純粋な取締役は労働者に当たらず適用されません。ただし使用人兼務役員で、業務執行の実態が従業員と同様で指揮命令下にある場合は、労働者部分について労働基準法9条の労働者と評価される余地があります。
Q6学生アルバイトやインターンにも最低賃金は適用される?
2条は雇用形態や身分で区別していないため、学生でも労働基準法9条の労働者であれば適用されます。インターンも、実質的に業務に従事し指揮命令を受けていれば労働者と評価されます。
Q7試用期間中は最低賃金を下回ってもいい?
試用期間中も労働者は労働者です。減額が認められるのは最低賃金法7条の減額特例許可を都道府県労働局長から受けた場合に限られ、会社が独自に定めた研修時給は4条違反となります。
Q8最低賃金の対象になる「賃金」には何が含まれる?
2条3号は労働基準法11条の賃金を指します。もっとも最低賃金と比較する際は、臨時に支払われる賃金や時間外・休日・深夜の割増賃金などが算入されない点に注意が必要です(最低賃金法4条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約書に「業務委託」って書いてあるんですが、最低賃金って請求できないんですか?
契約書の名称は決定打になりません。2条1号が引く労働基準法9条の労働者性は、指揮命令の有無、時間や場所の拘束、仕事を断る自由、代替性などの実態で判断されます。実務のポイント:労働基準監督署は労働者性がグレーな案件を敬遠しがちですが、勤怠管理をしている、制服や機材を貸与している、この二点の証拠があると受理の温度が変わります。相談前にこの二つを揃えていくかどうかで、初回の対応がまるで違う
Q2実家の店を手伝っています。給料が最低賃金以下でも仕方ないんでしょうか?
2条1号の括弧書きは、同居の親族のみを使用する事業を除外しています。従業員があなたと親だけならこの法律の外側です。ただし他人のアルバイトを一人でも雇っていれば除外は外れます。実務のポイント:この線引きは労災保険や雇用保険の加入可否とも連動します。家族従業員のまま何年も過ごすと、廃業や離婚のときに失業給付も労災も受けられない事態になる。適用の外にいることは、守られていないことと同義です
Q3技能実習生や外国人アルバイトにも、日本人と同じ最低賃金が適用されるんですか?
適用されます。2条は国籍も在留資格も要件にしておらず、労働基準法9条の労働者であれば地域別最低賃金が同じように及びます(最低賃金法4条)。実務のポイント:寮費や食費の名目で天引きして実質時給を下げる手口は、最低賃金の算入対象となる賃金の範囲(同法4条3項)の問題として整理されます。天引き前の額面ではなく、何を賃金として算入できるかが争点になる。給与明細の控除欄こそ、最初に見るべき場所です
間違えやすい点 AI による整理
- 「業務委託契約だから最低賃金は関係ない」と多くの人が信じているが、2条1号は労働基準法9条を引いており、そこでの労働者性は契約の名称ではなく実態で判定される。指揮命令、時間的場所的拘束、報酬の労務対償性、代替性の有無を総合判断する。契約書に「請負」と書いてあることは、判断材料の一つに過ぎない
- 労働者性の判定基準を知っている人でも、その判定が「効くタイミング」の重さを見落としている。労働者と認められれば、最低賃金だけでなく労働時間規制、割増賃金、労災保険、解雇規制がまとめて後ろからついてくる。一つの判定が守備範囲の全体を一気に切り替える構造になっている
- 「家族経営だから自分は労働者ではない」という理解は、問いの立て方が半分ずれている。正しい問いは「この事業所が同居の親族のみを使用しているか」であって、あなた個人が家族かどうかではない。他人の従業員が一人でもいれば事業所単位の除外は外れ、そこから改めて個々人の労働者性を判断することになる
- 「最低賃金は正社員の話で、パートや外国人技能実習生は別枠」という誤解も根強い。2条は雇用形態でも国籍でも区別していない。技能実習生も特定技能外国人も、労働基準法9条の労働者である限り、同じ地域別最低賃金が適用される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 最低賃金法2条:適用対象となる労働者・使用者・賃金を定義する入口規定 | 最低賃金法4条:最低賃金額の効力(未満の定めは無効、法定額まで引上げ) 最低賃金法7条:一定の労働者について減額して適用する特例 |
| 判断の材料 | 労働基準法9条・10条・11条の実態判断(指揮命令、拘束、代替性) | 実際の支払額と地域別最低賃金額との比較(算入対象賃金の範囲を含む) 都道府県労働局長の減額特例許可の有無 |
| 適用の除外 | 同居の親族のみを使用する事業に使用される者、家事使用人 | 本条の労働者に当たらない者には効力が及ばない 許可がなければ減額は認められない |
| 争いになる場面 | 業務委託・フリーランスの労働者性、家族従業員、家事使用人の線引き | 実質時給の算定、寮費・食費の控除、諸手当の算入可否 無許可減額の是正、差額の遡及請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も2023年制定の最低工資法で独自定義を置かず、労働者・使用者・賃金の意義を勞動基準法第2条に依拠させている。委任型定義という構造は日本と同型
韓国も근로자・사용자・임금の定義を근로기준법に委ねる。ただし同居の親族のみの事業と가사사용인の除外は근로기준법 제11조側に置かれている点が形式上異なる
ドイツは最低賃金法自体に人的適用範囲を明記し、実習生・長期失業者・未成年者などの除外を条文で列挙する。委任ではなく自己完結型の定義方式
米国は FLSA 自体が employee / employer / wage を定義し、economic reality test で被用者性を判定する。独立請負人(independent contractor)該当性の争いは日本の労働者性論争と機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 業務委託契約でウーバー的な配送や在宅ライティングをしている。報酬を時間換算すると時給700円に届かない。ここで問われるのは契約書の表題ではなく、シフト指定・業務指示・断る自由の有無。労働者性が認められれば、2条を経由して最低賃金法4条の効力が発動し、差額を過去に遡って請求できる
- 実家の飲食店を手伝っていて、月8万円だけもらっている。従業員が親と自分だけなら「同居の親族のみを使用する事業」として最低賃金法の適用外になりうる。だが赤の他人のアルバイトを1人雇った瞬間、この除外は外れ、家族であるあなた自身の労働者性も検討対象に入る
- 個人宅に直接雇われて家事や育児を担う場合、2条1号括弧書きの「家事使用人」として除外される。だが家事代行会社に雇用され、会社の指示で各家庭に派遣されているなら、あなたは会社の労働者であり最低賃金法が適用される。同じ掃除でも、誰と契約しているかで法の傘の内と外が入れ替わる
- もし試用期間中や研修中だと言われて、時給を下げられていたらどうなる? 試用期間でも労働者は労働者。減額が許されるのは最低賃金法7条の減額特例許可を都道府県労働局長から得た場合だけで、会社が勝手に決めた「研修時給」は無効になる
- 退職して2年、当時の給与明細を見返したら最低賃金を下回っていた。賃金請求権の時効は3年(当面の措置、労働基準法115条、143条3項)。残された時間はあと1年。まず自分が当時「労働者」だったかを2条経由で確定させ、それから労働基準監督署へ動く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の労働者性を裏付ける資料を集める。シフト表、業務指示の LINE やメール、勤怠記録、制服や機材の貸与、断ったときのやりとり2. 実際の労働時間と受取額から時給を算出し、勤務地の地域別最低賃金と比較(毎年10月頃改定、最新額を厚生労働省サイトで確認) 3. 差額があれば、まず会社へ書面で是正を求める。応じなければ勤務地を管轄する労働基準監督署へ申告4. 労働者性自体を争われるなら、労働局のあっせん、または労働審判へ進む選択肢を検討する
訴えられた側:1. 契約書の名称ではなく実態で判定されることを前提に、指揮命令の程度、時間的拘束、報酬の性質を自社で棚卸しする2. 同居の親族のみを使用する事業や家事使用人に当たるかは、事業所の実際の使用者構成で判断されるため、他人の従業員がいないか確認3. 減額が必要な場合は、最低賃金法7条の減額特例許可を都道府県労働局長へ申請する。無許可の減額は4条違反となり差額の支払義務が残る4. 過去分の是正が必要なら、時効期間を踏まえた清算計画を先に作る
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。差額の賃金請求権は労働基準法115条の消滅時効に服し、当面の措置として3年(同法143条3項、支払期日から起算。将来5年へ移行予定のため最新の改正状況をご確認ください)。労働基準監督署への申告に法定期限はないが、時効の壁は動かない
学説
通説・行政解釈:最低賃金法2条は独自定義を置かない委任型定義規定であり、労働者性は労働基準法9条の解釈に完全に従う。判断は昭和60年労働基準法研究会報告の使用従属性基準に沿って行われ、契約形式は一要素にとどまるとされる
有力説(適用除外への批判):家事使用人および同居の親族のみを使用する事業の除外は、最も交渉力の弱い層を保護の外に置く構造的な穴であり、ILO 第189号条約(家事労働者条約)を踏まえた見直しが必要とする議論がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法制定。定義規定として本条を置き、労働者・使用者・賃金の意義を労働基準法に委ねる構造を採用した
- 2.平成19年(2007年) 改正:最低賃金制度の大幅改正。地域別最低賃金の全労働者への適用を明確化し、生活保護との整合性への配慮を規定、罰則も強化された。適用対象を画する本条の重要性が一段と高まった
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