要点最低賃金法 2 条は、労働者・使用者・賃金の定義を労働基準法 9 条・10 条・11 条に委ねる規定である。ただし同居の親族のみを使用する事業の従事者と家事使用人は、労働者から除かれる。
Q · 業務委託契約でも最低賃金法は適用されるの?
契約名ではなく実態で労働者かどうかが決まります
最低賃金法 2 条 1 号は、労働者の意義を労働基準法 9 条に規定する労働者によると定めており、独自の定義を置いていません。労働基準法 9 条の労働者性は、指揮命令の有無、時間的場所的拘束、仕事を断る自由、代替性、報酬の労務対償性などの実態から総合判断されます。したがって契約書の表題が業務委託・請負であっても、実態が労働者であれば最低賃金法 4 条の効力が及びます。ただし同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者と家事使用人は、2 条 1 号の括弧書きにより適用から除外されます。
定義条文と聞いて読み飛ばしたくなるだろうが、最低賃金法 2 条はこの法律の「入口の門番」である。ここに書かれた「労働者」に当たらなければ、時給がいくら低かろうと最低賃金法は一行もあなたを守らない。ポイントは、この条文が独自の定義を作らず、労働基準法 9 条・10 条・11 条をそのまま借りてきている点にある。つまりあなたが最低賃金を主張できるかどうかは、契約書の肩書き(業務委託、個人事業主、フリーランス)ではなく、労働基準法上の労働者性、すなわち指揮命令を受けているか、時間や場所を拘束されているか、代替を認められているか、で決まる。さらに 2 条 1 号は括弧書きで、同居の親族のみを使用する事業と家事使用人を明示的に外している。家業を手伝う家族と、個人宅に直接雇われた家政婦は、この法律の外側にいる。あなたの働き方がどちら側の線にあるか、まずそこを確かめることから始まる。
最低賃金法第 2 条は同法の用語の定義規定であり、労働者を労働基準法第 9 条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)、使用者を同法第 10 条に規定する使用者、賃金を同法第 11 条に規定する賃金と定める。最低賃金法の適用範囲を労働基準法の労働者概念に接続する条文である。
最低賃金法 2 条 1 号は労働基準法 9 条の労働者をそのまま用います。職業の種類を問わず、事業に使用され賃金を支払われる者であり、契約の名称ではなく指揮命令や拘束の実態で判断されます。
個人家庭に直接雇われて家事に従事する家事使用人は、2 条 1 号括弧書きにより労働者から除かれます。一方、家事代行会社に雇用されて各家庭へ派遣される場合は会社の労働者であり、最低賃金法が適用されます。
事業所単位で判断され、使用されている者が同居の親族だけの場合に除外されます。他人の従業員を一人でも雇えば除外は外れ、その事業所全体が最低賃金法の適用対象に戻ります。
2 条 2 号は労働基準法 10 条の使用者を指します。事業主だけでなく、事業の経営担当者や、賃金の決定など労働者に関する事項について事業主のために行為する者も含まれます。
純粋な取締役は労働者に当たらず適用されません。ただし使用人兼務役員で、業務執行の実態が従業員と同様で指揮命令下にある場合は、労働者部分について労働基準法 9 条の労働者と評価される余地があります。
2 条は雇用形態や身分で区別していないため、学生でも労働基準法 9 条の労働者であれば適用されます。インターンも、実質的に業務に従事し指揮命令を受けていれば労働者と評価されます。
試用期間中も労働者は労働者です。減額が認められるのは最低賃金法 7 条の減額特例許可を都道府県労働局長から受けた場合に限られ、会社が独自に定めた研修時給は 4 条違反となります。
2 条 3 号は労働基準法 11 条の賃金を指します。もっとも最低賃金と比較する際は、臨時に支払われる賃金や時間外・休日・深夜の割増賃金などが算入されない点に注意が必要です(最低賃金法 4 条 3 項)。
契約書の名称は決定打になりません。2 条 1 号が引く労働基準法 9 条の労働者性は、指揮命令の有無、時間や場所の拘束、仕事を断る自由、代替性などの実態で判断されます。業界裏話ヒント:労働基準監督署は労働者性がグレーな案件を敬遠しがちですが、勤怠管理をしている、制服や機材を貸与している、この二点の証拠があると受理の温度が変わります。相談前にこの二つを揃えていくかどうかで、初回の対応がまるで違う
2 条 1 号の括弧書きは、同居の親族のみを使用する事業を除外しています。従業員があなたと親だけならこの法律の外側です。ただし他人のアルバイトを一人でも雇っていれば除外は外れます。業界裏話ヒント:この線引きは労災保険や雇用保険の加入可否とも連動します。家族従業員のまま何年も過ごすと、廃業や離婚のときに失業給付も労災も受けられない事態になる。適用の外にいることは、守られていないことと同義です
適用されます。2 条は国籍も在留資格も要件にしておらず、労働基準法 9 条の労働者であれば地域別最低賃金が同じように及びます(最低賃金法 4 条)。業界裏話ヒント:寮費や食費の名目で天引きして実質時給を下げる手口は、最低賃金の算入対象となる賃金の範囲(同法 4 条 3 項)の問題として整理されます。天引き前の額面ではなく、何を賃金として算入できるかが争点になる。給与明細の控除欄こそ、最初に見るべき場所です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 最低賃金法 2 条:適用対象となる労働者・使用者・賃金を定義する入口規定 | — |
| 判断の材料 | 労働基準法 9 条・10 条・11 条の実態判断(指揮命令、拘束、代替性) | — |
| 適用の除外 | 同居の親族のみを使用する事業に使用される者、家事使用人 | — |
| 争いになる場面 | 業務委託・フリーランスの労働者性、家族従業員、家事使用人の線引き | — |
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