この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
要点最低賃金法 1 条は、賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定と事業の公正な競争の確保を目的とする規定である。目的は労働者保護に限られない。
Q · 最低賃金法って、労働者を守るためだけの法律なんですか?
労働者保護に加え、公正な競争の確保も目的です。
最低賃金法 1 条は、賃金の低廉な労働者に賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、国民経済の健全な発展に資することを目的とします。三つ目の「事業の公正な競争の確保」があるため、最低賃金を割った人件費で価格を叩く同業者に対しては、適法に賃金を払う事業者の側の根拠にもなります。目的規定は、最低賃金未満の定めを無効とする 4 条 2 項など他条の解釈も支えています。
目的条文は法律の中で最も読み飛ばされる場所だ。だが最低賃金法 1 条には、予想外の単語が並んでいる。労働者の生活の安定、労働力の質的向上、そして事業の公正な競争の確保。三つ目に注目してほしい。最低賃金法は働く側を守る法律であると同時に、人件費を削って安く受注する同業者を市場から締め出すための競争ルールでもある。真面目に賃金を払っている経営者なら、この一行はあなたの側に立つ根拠になる。さらにこの条文は裁判でも効く。最低賃金を下回る賃金の定めが、本人が納得してサインしていても無効になる(4 条 2 項)。なぜ同意が効かないのかを支えているのが、1 条の「生活の安定」という目的だ。目的条文は飾りではない。他のすべての条文の解釈を締めつける親ネジである。
最低賃金法 1 条は同法の目的規定であり、賃金の低廉な労働者に賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図ることを手段とし、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、および国民経済の健全な発展を目的として掲げる。他の各条の解釈指針として機能する。
1 条が定めます。賃金の最低額保障により労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、国民経済の健全な発展に資することが目的です。
法律本文に金額は書かれていません。最低賃金審議会の調査審議を経て、厚生労働大臣または都道府県労働局長が地域別に決定します(9 条以下)。毎年見直される仕組みです。
地域別は都道府県ごとに全労働者へ及ぶ底の額、特定は特定の産業について地域別を上回る額を定めるものです。両方が適用される場合は高い方が基準になります。
地域別最低賃金は毎年秋に改定され、多くの都道府県で 10 月中に発効します。発効日は都道府県ごとに異なるため、給与計算の反映日は必ず自県の公示で確認してください。
通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与などは算入しません(4 条 3 項)。総支給額のまま割り戻すと判定を誤ります。
地域別最低賃金額以上を支払わない場合、50 万円以下の罰金です(40 条)。ただし実務で重いのは罰金より差額の遡及支払いで、人数と月数の積で総額が跳ね上がります。
試用期間中の者や著しく労働能力の低い者などについて、都道府県労働局長の許可を得た場合に限り減額特例が認められます(7 条)。無許可の減額は事後的に覆ります。
地域別最低賃金は、労働者の生計費、賃金、通常の事業の賃金支払能力を考慮し、生計費の考慮に当たっては生活保護に係る施策との整合性に配慮して定められます(9 条)。
危ない可能性がある。最低賃金の判定では、時間外・休日・深夜の割増賃金は算入しない(4 条 3 項)。固定残業代部分を除いた額を所定労働時間で割って判定する。業界裏話ヒント:精皆勤手当・通勤手当・家族手当も同じく除外される。求人票の「時給換算 1,200 円」は諸手当込みの数字であることが多く、法定判定に使う額はそれより低い。応募段階で内訳の開示を求めるだけで、その会社が計算を分かっているかが判別できる。
できる。4 条 2 項により最低賃金未満の定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされるため、差額は未払賃金として残る。退職後でも監督署への申告は可能(34 条 1 項)。業界裏話ヒント:監督署は会社に是正を指導するが、取立てはしない。金を実際に動かしたいなら労働審判が現実的で、原則 3 回以内の期日で終わる。指導と回収は別の線だと分かっている人だけが、先に手続を選べる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 1 条:目的規定。手段(最低額保障)と目的(生活の安定・質的向上・公正な競争・国民経済の発展)を示す | — |
| 直接の権利義務 | 直接の権利義務を生じさせず、他条の解釈指針として作用する | — |
| 交渉・紛争での使い方 | 同業者の安値受注や、同意の有無を持ち出す反論に対する解釈上の根拠 | — |
| 違反時の帰結 | 単独では制裁なし | — |
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