最低賃金法 第1条(目的)
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この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、最低賃金法第1条に定められた規定で、「この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第1条(目的)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第1条の条文原文は「この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争…」で始まります。
- 最低賃金法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第1条の次の条は最低賃金法第2条です。
- 最低賃金法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法1条は、賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定と事業の公正な競争の確保を目的とする規定である。目的は労働者保護に限られない。
Q · 最低賃金法って、労働者を守るためだけの法律なんですか?
労働者保護に加え、公正な競争の確保も目的です。
最低賃金法1条は、賃金の低廉な労働者に賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、国民経済の健全な発展に資することを目的とします。三つ目の「事業の公正な競争の確保」があるため、最低賃金を割った人件費で価格を叩く同業者に対しては、適法に賃金を払う事業者の側の根拠にもなります。目的規定は、最低賃金未満の定めを無効とする4条2項など他条の解釈も支えています。
解説
目的条文は法律の中で最も読み飛ばされる場所だ。だが最低賃金法1条には、予想外の単語が並んでいる。労働者の生活の安定、労働力の質的向上、そして事業の公正な競争の確保。三つ目に注目してほしい。最低賃金法は働く側を守る法律であると同時に、人件費を削って安く受注する同業者を市場から締め出すための競争ルールでもある。真面目に賃金を払っている経営者なら、この一行はあなたの側に立つ根拠になる。さらにこの条文は裁判でも効く。最低賃金を下回る賃金の定めが、本人が納得してサインしていても無効になる(4条2項)。なぜ同意が効かないのかを支えているのが、1条の「生活の安定」という目的だ。目的条文は飾りではない。他のすべての条文の解釈を締めつける親ネジである。
法的な位置づけ
最低賃金法1条は同法の目的規定であり、賃金の低廉な労働者に賃金の最低額を保障して労働条件の改善を図ることを手段とし、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、および国民経済の健全な発展を目的として掲げる。他の各条の解釈指針として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1最低賃金法の目的とは?
1条が定めます。賃金の最低額保障により労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上、事業の公正な競争の確保、国民経済の健全な発展に資することが目的です。
Q2最低賃金は誰が決めるの?
法律本文に金額は書かれていません。最低賃金審議会の調査審議を経て、厚生労働大臣または都道府県労働局長が地域別に決定します(9条以下)。毎年見直される仕組みです。
Q3地域別最低賃金と特定最低賃金の違いは?
地域別は都道府県ごとに全労働者へ及ぶ底の額、特定は特定の産業について地域別を上回る額を定めるものです。両方が適用される場合は高い方が基準になります。
Q4最低賃金の改定はいつ発効する?
地域別最低賃金は毎年秋に改定され、多くの都道府県で10月中に発効します。発効日は都道府県ごとに異なるため、給与計算の反映日は必ず自県の公示で確認してください。
Q5最低賃金に算入されない手当は?
通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与などは算入しません(4条3項)。総支給額のまま割り戻すと判定を誤ります。
Q6最低賃金法違反の罰則は?
地域別最低賃金額以上を支払わない場合、50万円以下の罰金です(40条)。ただし実務で重いのは罰金より差額の遡及支払いで、人数と月数の積で総額が跳ね上がります。
Q7最低賃金を減額できる場合はある?
試用期間中の者や著しく労働能力の低い者などについて、都道府県労働局長の許可を得た場合に限り減額特例が認められます(7条)。無許可の減額は事後的に覆ります。
Q8最低賃金は生活保護と比べてどう決まる?
地域別最低賃金は、労働者の生計費、賃金、通常の事業の賃金支払能力を考慮し、生計費の考慮に当たっては生活保護に係る施策との整合性に配慮して定められます(9条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは時給が最低賃金以上なんですが、固定残業代込みだと言われました。これって大丈夫ですか?
危ない可能性がある。最低賃金の判定では、時間外・休日・深夜の割増賃金は算入しない(4条3項)。固定残業代部分を除いた額を所定労働時間で割って判定する。実務のポイント:精皆勤手当・通勤手当・家族手当も同じく除外される。求人票の「時給換算1,200円」は諸手当込みの数字であることが多く、法定判定に使う額はそれより低い。応募段階で内訳の開示を求めるだけで、その会社が計算を分かっているかが判別できる。
Q2最低賃金を下回っていた分、あとから請求できますか。もう辞めた会社なんですけど。
できる。4条2項により最低賃金未満の定めは無効となり、最低賃金額で契約したものとみなされるため、差額は未払賃金として残る。退職後でも監督署への申告は可能(34条1項)。実務のポイント:監督署は会社に是正を指導するが、取立てはしない。金を実際に動かしたいなら労働審判が現実的で、原則3回以内の期日で終わる。指導と回収は別の線だと分かっている人だけが、先に手続を選べる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「最低賃金は労働者を守る制度だから、経営する自分には守るだけの義務しかない」という問いの立て方そのものが誤っている。1条は事業の公正な競争の確保を目的に掲げており、最低賃金を割った人件費で価格を叩いてくる同業者に対しては、あなたの側の根拠になる。義務の条文としてだけ読むと、武器の面を見落とす。
- 最低賃金を割ると罰金があることは知られているが、深刻度が理解されていない。地域別最低賃金違反は50万円以下の罰金(40条)だが、実務で効くのは罰金ではなく差額の遡及支払いだ。一人あたり月数千円でも、人数 × 月数で積み上がる。少額に見える単価が、支払い総額では桁が二つ動く。
- あなたから見れば「本人が納得して働いている」だが、法律から見れば同意の有無は判定材料ですらない。4条2項は最低賃金未満の定めを無効とし、最低賃金額で契約したものとみなす。合意書もサインも録音も、この効果を止められない。この落差に気付かないまま雇用を続けた事業者が、後で一括請求を受ける。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 1条:目的規定。手段(最低額保障)と目的(生活の安定・質的向上・公正な競争・国民経済の発展)を示す | 4条:効力規定。最低賃金額以上の支払義務と、下回る定めの無効・法定額への置換 9条:決定原則。地域別最低賃金の考慮要素と生活保護との整合性配慮 |
| 直接の権利義務 | 直接の権利義務を生じさせず、他条の解釈指針として作用する | 使用者に支払義務、労働者に差額請求の基礎を与える 審議会・行政の決定手続を規律する |
| 交渉・紛争での使い方 | 同業者の安値受注や、同意の有無を持ち出す反論に対する解釈上の根拠 | 差額請求の直接の根拠(同意書があっても無効) 改定額の妥当性・引上げ幅の議論の土俵 |
| 違反時の帰結 | 単独では制裁なし | 差額の遡及支払義務、40条の罰金(地域別) 制裁規定ではない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は長く労基法21条と行政の基本工資審議委員会で運用してきたが、2023年に単独法である最低工資法を制定し、目的と審議手続を法律レベルへ引き上げた。日本より60年以上遅い法典化
韓国も目的条文に労働者の生活安定と労働力の質的向上、国民経済の健全な発展を掲げ、日本法と文言構造がきわめて近い。ただし決定機構と引上げ幅の政治的可視性は韓国の方が高い
ドイツは2015年施行の全国一律法定最低賃金を採用し、日本の都道府県別方式と対照的。額は最低賃金委員会(Mindestlohnkommission)の勧告に基づき政令で定める
米国は連邦法が全国一律の下限を定め、州・市がそれを上回る額を設定できる二層構造。§ 202の政策宣言は、劣悪な労働条件が州際通商の公正な競争を害するという論理を採り、日本1条の『公正な競争の確保』と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小さな飲食店を回しているあなたは、10月に地域別最低賃金が改定されたことに気付かず、去年の時給のままシフトを組んでいた。従業員5人、差額は一人あたり月4,000円。遡って払う対象は時効の範囲すべてに及ぶ。労働基準監督署の定期監督は予告なしで来る。
- 試用期間だから時給を下げると言われたら? 最低賃金の減額には都道府県労働局長の許可が要る(7条)。許可のない減額は、口約束でも書面でも通らない。
- 歩合給で月収が上下する営業職。売れた月は問題ないが、閑散期に労働時間で割り戻すと最低賃金を割っていた。歩合給は最低賃金の判定対象に入るが、通勤手当・家族手当・時間外の割増賃金・賞与は算入されない(4条3項)。総支給額のまま眺めている限り、自分がいくら削られているかは永遠に見えない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 直近3か月の給与明細とタイムカードを揃え、通勤手当・家族手当・時間外の割増賃金・賞与を除いた額を所定労働時間で割る(4条3項) 2. 自分の都道府県の地域別最低賃金額と比べ、差額を月ごとに一覧化する3. 会社に書面で差額請求(4条2項により、最低賃金額で契約したものとみなされる) 4. 応じない場合は労働基準監督署へ申告(34条1項)。申告を理由とする解雇や不利益取扱いは同条2項で禁じられている。回収まで急ぐなら労働審判の方が早い。
訴えられた側:1. まず全従業員の時間あたり単価を再計算し、算入できない手当を混ぜていないか点検する2. 割れている者がいれば、指摘される前に差額を自主的に精算し、記録を残す。是正の先手は量刑にも指導の温度にも効く3. 試用期間・障害・軽易な業務などを理由に減額したいなら、都道府県労働局長の許可を先に取る(7条)。無許可の減額は事後的に全額覆る4. 毎年10月前後の改定日をカレンダーに固定し、改定額の反映を給与計算のルーチンに組み込む。
時効(請求できる期限):賃金差額の請求権は、各賃金支払期日から3年(労働基準法115条、附則により当分の間3年。本則は5年。最新の改正状況をご確認ください)。地域別最低賃金違反の罰則は罰金刑のため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。地域別最低賃金の改定は毎年秋に発効するため、事業者側の期限管理は発効日が起点になる。
学説
通説:目的規定は、それ自体から直接の権利義務が生じるものではないが、個別条文の趣旨を示し、解釈上の疑義が生じた場合の指針として機能すると解されている。最低賃金法1条についても、4条の効力規定や9条の決定原則を読む際の基準として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)制定 最低賃金法として制定。当初は業者間協定を基礎とする決定方式を含んでいたが、後年の改正で審議会方式へ移行した(制定時の目的規定の文言は要検証)
- 平成19年(2007年)改正 地域別最低賃金をすべての労働者に及ぶ基本の枠組みとして整理し、生活保護との整合性配慮、適用除外から減額特例への転換、罰則強化が行われた。これに伴い目的規定も整理されたとされるが、変更文言の詳細は原典照合による人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法として制定。当初は業者間協定を基礎とする決定方式を含んでいたが、後年の改正で審議会方式へ移行した(制定時の目的規定の文言は原典照合による検証が必要)
- 2.平成19年(2007年) 改正:地域別最低賃金をすべての労働者に及ぶ基本の枠組みとして整理し、生計費の考慮における生活保護施策との整合性配慮、適用除外から減額特例への転換、罰則の見直しが行われた。目的規定の文言の変更点は原典照合による人的検証が必要
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