受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

最低賃金法 第42条

クイックジャンプ

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 最低賃金法第42条は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
  2. 最低賃金法第42条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に…」で始まります。
  3. 最低賃金法第42条は第五章 罰則に置かれています。
  4. 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
  5. 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 最低賃金法第42条の前の条は最低賃金法第41条です。
  7. 最低賃金法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第42条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
  • 本サイト収録最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/42

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点最低賃金法42条は両罰規定であり、従業者が業務に関して39条から41条に違反した場合、行為者本人を罰するほか、法人または個人事業主にも各本条の罰金刑を科す。

Q · 最低賃金を割っていたら、罰金を払うのは会社だけですか?

会社だけでなく、給与計算をした担当者個人にも科される

最低賃金法42条は両罰規定です。従業者が業務に関して同法39条から41条の違反行為をした場合、まず違反を現実に行った行為者本人に各本条の刑が科され、それに加えて法人または個人事業主にも同じ罰金刑が科されます。法人処罰は行為者処罰の代替ではなく追加であり、両方に科されるのが原則です。事業主側は、従業者の選任監督について過失がなかったことを立証しない限り責任を免れません。

解説

罰金は会社が払うもの、という前提がこの条文で崩れる。最低賃金法42条は両罰規定と呼ばれ、違反行為を実際に行った個人(行為者)を罰したうえで、さらにその法人または個人事業主にも同じ罰金刑を科す。順序が大事である。法人が先ではない。まず給与計算を担当した人事担当者、時給を決裁した店長、その個人に前三条(39条から41条)の刑が科され、それに上乗せして会社が罰金を負う。あなたが中間管理職で、上から「この時給でいけ」と言われて実行しただけでも、条文上の行為者はあなたである。逆に経営者側から見れば、担当者に丸投げしていたという弁解は通用しない。両罰規定における事業主の処罰は、従業者の選任監督についての過失が推定される構造と解されており(最大判昭和32.11.27)、無過失を立証できない限り法人は逃げられない。

法的な位置づけ

最低賃金法42条は両罰規定を定める規定であり、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して同法39条から41条までの違反行為をしたときに、違反行為を行った自然人を処罰するほか、事業主である法人または人に対しても各本条の罰金刑を科すことを規定する。

よくある質問 AI による整理

Q1両罰規定とは何ですか?

違反行為を実際に行った自然人(行為者)を罰したうえで、その事業主である法人または人にも同じ罰金刑を科す仕組みです。最低賃金法では42条がこれにあたります。

Q2最低賃金法違反で個人も罰金になりますか?

なります。42条は「行為者を罰するほか」と定めており、給与計算担当者や時給を決裁した店長など、違反行為を現実に行った自然人が処罰対象です。役職の上下は問いません。

Q3最低賃金法42条の「行為者」とは誰のことですか?

法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者のうち、業務に関して違反行為を現実に行った自然人です。本部の指示どおり入力しただけの担当者も行為者になり得ます。

Q4最低賃金を割ったときの罰金はいくらですか?

地域別最低賃金額以上の支払義務違反は50万円以下の罰金(40条)です。42条により、行為者個人と法人の双方に同じ罰金刑が科される構造になっています。

Q5社長が知らなければ会社は罰金を免れますか?

免れません。両罰規定の事業主処罰は従業者の選任監督についての過失が推定される構造と解されており(最大判昭和32.11.27)、無過失を立証できない限り責任を負います。

Q642条の「人」に個人事業主は含まれますか?

含まれます。条文は「その法人又は人」と書き分けており、個人でカフェや工務店を営む事業主も、行為者としても事業主としても評価されうる立場に立ちます。

Q7罰金刑を受けると許認可や入札に影響しますか?

影響し得ます。労働関係法令の罰金刑は、建設業や労働者派遣事業の許可要件、公共工事の入札参加資格、外国人材の受入れ適格性などに波及することがあります。

Q8最低賃金違反は誰が摘発するのですか?

労働基準監督署です。臨検監督や労働者の申告(同法34条1項)を端緒に是正勧告が出され、是正されない場合に書類送検へ進む流れが一般的です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1給与計算は社労士に外注してるんですが、それでも会社が罰金なんですか?

外注していても事業主の責任は消えない。42条の法人処罰は、従業者の選任監督についての過失が推定される構造と解されており(最大判昭和32.11.27)、委託したこと自体は免責事由にならない。実務のポイント:委託契約書に「最低賃金改定時の単価点検は受託者が行う」と明記し、毎年の改定通知を受領した記録を残しておく。この一文と記録の有無で、無過失を争える形が残るかどうかが変わる

Q2産業別(特定)最低賃金を割っていた場合も、この条文で罰金ですか?

特定最低賃金の違反は、船員に適用されるものを除き最低賃金法40条の罰則対象から外れている。ただし差額は未払賃金となり、労働基準法24条の全額払い違反として同法120条の30万円以下の罰金、さらに同法121条の両罰規定で法人にも罰金が科される。実務のポイント:根拠条文が移るだけで罰金は消えない。「産別だからセーフ」という社内説明は半分しか合っていない

Q3罰金を払えば、それで話は終わりですか?

刑事が終わっても民事の支払義務は残る。最低賃金額に達しない賃金の定めは無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされるため(最低賃金法4条2項)、労働者は差額を当然に請求できる。実務のポイント:厚生労働省は労働基準関係法令違反で送検した企業を一覧公表している。罰金額そのものより、公表による採用力と取引先評価への打撃のほうが長期の損失は大きい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「法人が罰金を払えば個人は免れる」と考えられがちだが、条文は「行為者を罰するほか」と書いている。法人処罰は行為者処罰の代替ではなく追加であり、両方に科されるのが原則である
  • 両罰規定の存在自体は知っている人でも、法人に科されるのが「罰金」という刑事処分であることの深刻度を見落としている。前科として記録が残り、建設業や労働者派遣事業の許可要件、公共工事の入札参加資格、金融機関の与信判断、外国人材の受入れ適格性まで波及する
  • 「うちは最低賃金以上を払っているから関係ない」という問いの立て方自体がずれている。最低賃金の計算では、精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜の割増賃金などが算入賃金から除外される(最低賃金法4条3項)。総支給額で足りていても、除外項目を差し引くと割れているというのが、監督署の是正対象の典型である
比較の観点この条文ほかの条文
処罰の対象最低賃金法42条:行為者+法人または人(両罰)最低賃金法40条:最低賃金額以上の支払義務違反そのもの(本条)
労働基準法121条:労基法違反についての同趣旨の両罰規定
前提となる違反前三条(39条・40条・41条)の違反行為があること同法4条1項の地域別最低賃金額以上の支払義務違反
労基法24条の全額払い違反など労基法上の違反
事業主が免責される余地従業者の選任監督についての過失がないことを立証した場合違反事実そのものを争うほかない
42条と同様、選任監督上の無過失立証による余地
特定(産業別)最低賃金割れの扱い40条の対象外のため42条も直接は及ばない(船員に係るものを除く)40条は地域別最低賃金を対象とする
労基法24条違反として同法120条・121条の経路で処罰され得る

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
勞動基準法 第81条

台湾も日本型の両罰規定を採用し、行為者を処罰するほか法人または自然人にも各本条の罰金を科す。基本工資(最低賃金)違反もこの経路で法人へ及ぶ点が日本と近い。

韓国
최저임금법 양벌규정

韓国も日本法の影響下で양벌규정を置くが、憲法裁判所の違憲決定を受けた法改正により、法人が相当の注意・監督を尽くした場合の免責規定(但書)が明文化された点が日本と異なる。

ドイツ
MiLoG § 21、OWiG §§ 30, 130

ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法に基づく過料(Geldbuße)で対応する。監督義務違反(OWiG 130条)を独立の要件として明文化しており、日本の過失推定構成より要件が明確である。

アメリカ
Fair Labor Standards Act, 29 U.S.C. § 216(a)

米国は FLSA の故意(willful)違反に刑事罰を定め、法人の刑事責任は respondeat superior 法理により従業員の行為から導かれる。実務上は民事の未払賃金+倍額賠償(liquidated damages)が主戦場となる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 本部から降りてきた時給表をそのまま給与ソフトに入力しただけなのに、自分が罰金を科されることがあるのか? ある。42条の行為者は違反行為を現実に行った自然人であり、役職の上下は問わない。労働基準監督署の是正勧告を受けた後も同じ賃金を払い続けた期間があると、担当者個人の故意が立証されやすくなる
  • 深夜シフトを組んだ副店長が、県境をまたいだ二店舗の地域別最低賃金の差を見落とした。数か月分の差額は数十万円。行為者は副店長、そのうえで法人にも罰金が科される
  • 監督官から「二週間以内に是正報告書を出せ」と言われた。この期間内に差額を全額遡って支払い、決裁フローの是正まで示せるかどうかで、書類送検に進むか行政指導で収束するかが分かれる。残された時間は14日
  • 個人でカフェを営むあなたが、アルバイトの時給を地域別最低賃金より30円低く設定していた。42条の「人」には個人事業主も含まれるため、雇い主であるあなた自身が行為者としても事業主としても評価されうる立場に立つ
  • 取引先の下請企業が最低賃金割れで送検されたというニュースが流れた。あなたの会社はその企業と同じ賃金テーブルを使うグループ会社。42条があるため、実行した現場責任者と法人が同時に刑事処分を受ける構造になっている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 給与明細、労働条件通知書、タイムカードの写しを三か月分そろえる2. 通勤手当・精皆勤手当・家族手当・割増賃金を除外して時間額を自分で再計算し、地域別最低賃金額と比較する3. 差額があれば労働基準監督署に申告する(最低賃金法34条1項)。申告を理由とする解雇その他の不利益取扱いは同法39条で処罰される4. 差額そのものの回収は民事の賃金請求であり、刑事の処罰とは別軌道で並行して動かす

訴えられた側:1. 是正勧告を受けたら反論より先に、全事業所・全雇用形態で遡及計算をやり直す2. 誰がいつ時給を決裁したかの記録を確定させる。行為者が誰と評価されるかで個人の刑事責任の所在が変わる3. 法人側は選任監督上の過失がなかったことを示す材料(改定通知の社内展開記録、給与ソフトの自動更新設定、内部監査記録)を整理する4. 差額の遡及支払いと再発防止策の提出を是正報告期限内に完了させ、送検を回避する

時効(請求できる期限):42条自体に期限規定はない。刑事の公訴時効は各本条の法定刑に連動し、罰金のみの40条・41条違反も、拘禁刑を含む39条違反も3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は違反行為の終了時であり、割れた賃金の支払いが続いている間は進行しない。労働者側の差額請求権(民事)は各賃金支払日から3年(労働基準法115条、当分の間3年、最新の改正状況をご確認ください)

学説

過失推定説(判例・通説):両罰規定における事業主処罰の根拠を、従業者の選任監督についての過失に求め、その過失は推定されると解する立場。責任主義と両罰規定の整合を図る通説的構成であり、事業主側に無過失の立証責任が事実上転換される。

無過失責任説(少数説):両罰規定を政策的な無過失責任と解する立場。抑止効果を重視するが、過失なければ刑罰なしという責任主義と衝突するため、現在の実務上の支持は限定的である。

改正沿革 AI による整理

  • 平成19年(2007年)最低賃金法大改正 地域別最低賃金の全国的整備と罰則強化を伴う大改正が行われ、第5章罰則の構成が再編された。両罰規定の条文番号の異動および文言変更の有無は要人的検証

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:最低賃金法(昭和34年法律第137号)が制定され、罰則章に両罰規定が置かれた。条文番号および文言の沿革は要人的検証。
  2. 2.平成19年(2007年) 改正:地域別最低賃金の全国的整備と罰則強化を伴う大改正により、第5章罰則の構成が再編された。両罰規定の条文番号の異動および文言変更の有無は要人的検証。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

最低賃金法の全文を見る所属する編章節を開く:第五章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›