最低賃金法 第13条(派遣中の労働者の地域別最低賃金)
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労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十四条第一項に規定する派遣中の労働者(第十八条において「派遣中の労働者」という。)については、その派遣先の事業(同項に規定する派遣先の事業をいう。第十八条において同じ。)の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額により第四条の規定を適用する。
この条文の基本情報
派遣中の労働者の地域別最低賃金とは何ですか?
定義派遣中の労働者の地域別最低賃金とは、最低賃金法第13条に定められた規定で、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十四条第一項に規定する派遣中の労働者(第十八条において「派遣中…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 最低賃金法第13条(派遣中の労働者の地域別最低賃金)は、日本の最低賃金法に含まれる条文です。
- 最低賃金法第13条の条文原文は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第四十四条第一項に規定する派遣中の労働者(第十八条において「派遣中…」で始まります。
- 最低賃金法第13条は第二節 地域別最低賃金に置かれています。
- 最低賃金法の公布日は昭和34年4月15日です。
- 最低賃金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 最低賃金法第13条の前の条は最低賃金法第12条です。
- 最低賃金法第13条の次の条は最低賃金法第14条です。
- 最低賃金法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137 - 本サイト収録
最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000137/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点最低賃金法13条は、派遣中の労働者について派遣先の事業場の所在地を含む地域の地域別最低賃金額を適用すると定める。支払義務を負うのは派遣元である。
Q · 派遣で働いているとき、最低賃金は派遣元と派遣先のどっちの県で決まるの?
派遣先の事業場がある県の額で決まる
最低賃金法13条により、派遣中の労働者には派遣先の事業場の所在地を含む地域の地域別最低賃金額が適用されます。派遣元の本社所在地も、あなたの居住地も基準になりません。ただし賃金の支払義務を負うのは派遣先ではなく雇用主である派遣元です。基準は派遣先、責任は派遣元というこの分離が、実務で差額の取りこぼしが起きる最大の原因になっています。
解説
東京の派遣会社と雇用契約を結び、青森の工場に派遣されて働く。この人の時給の下限を決めるのは、東京の最低賃金ではなく青森の最低賃金である。逆に、秋田の派遣会社に雇われて都内のオフィスに常駐するなら、効くのは東京の額だ。最低賃金法13条は「派遣先の事業場の所在地」だけを基準にすると言い切っている。雇用主の本社がどこにあるか、給与計算をどの支店がやっているか、あなたがどこに住んでいるかは一切関係しない。しかも支払義務を負うのは派遣先ではなく、雇用主である派遣元だ。基準は派遣先、責任は派遣元。この分離こそ実務で最も事故が起きる箇所で、派遣元が自社所在地の低い額で計算し、誰も気付かないまま差額が何年も積み上がる。地域間の最高額と最低額の差は年度によっては200円前後に達し、フルタイムなら年40万円規模のずれになる(最新の公示額をご確認ください)。
法的な位置づけ
最低賃金法13条は、労働者派遣法44条1項に規定する派遣中の労働者について、適用すべき地域別最低賃金額を派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域のものと定める規定である。同法4条の最低賃金額以上の支払義務は、この額を基準として派遣元使用者に課される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.就業条件明示書で派遣先事業場の所在地を特定する 書面上の就業場所と実際に常駐している現場がずれている例が多いため、書面と実態の両方を確認する。実際に就労している事業場の所在地が判断基準になる
- 2.その都道府県の地域別最低賃金額と発効日を確認する 厚生労働省が公示する地域別最低賃金の一覧で、該当県の額と発効日を確認する。改定月をまたぐ場合は発効日を境に日割りで新旧が分かれる点に注意
- 3.除外賃金を差し引いて時給換算する 給与明細から通勤手当・皆勤手当・家族手当・時間外割増・休日割増・深夜割増などの算入除外賃金(最低賃金法施行規則2条)を差し引き、残った賃金を所定労働時間で割って時給に換算する
- 4.下回っていれば派遣元に書面で差額を請求する 口頭ではなく書面またはメールで、対象月・適用すべき地域別最低賃金額・差額計算根拠を明示して請求する。同じ派遣先に入っている全員での一斉照会が最も効く
- 5.応じなければ労働基準監督署に申告する 最低賃金法4条違反は監督署の監督対象である。申告を理由とする不利益取扱いは禁止されているため、報復を恐れて放置するより早期申告が合理的。時効は月ごとに進行する
よくある質問 AI による整理
Q1派遣の最低賃金は派遣元と派遣先どっち?
派遣先の事業場所在地の地域別最低賃金が適用されます(最低賃金法13条)。派遣元の本社所在地は基準になりません。ただし支払義務を負うのは雇用主である派遣元です。
Q2派遣の最低賃金の差額は誰に請求する?
請求先は雇用主である派遣元です。13条は適用額の決め方を派遣先基準に移しただけで、賃金支払義務者を派遣先に移す規定ではありません。
Q3在宅勤務の派遣は住んでいる県の最低賃金になる?
なりません。基準は所属する派遣先事業場の所在地です。地方在住で東京の派遣先に所属するなら東京の額が下限となり、居住地基準の計算は誤りの可能性があります。
Q4最低賃金の改定はいつから適用される?
発効日は都道府県ごとに異なり、多くは10月上旬から中旬に集中します。発効日以後の労働分から新額が適用され、月をまたぐ場合は日割りで新旧が分かれます。
Q5最低賃金を下回っていたら違法?
最低賃金法4条違反となり、下回る部分の労働契約は無効で最低賃金額まで引き上げられます。地域別最低賃金に係る違反は50万円以下の罰金(40条)の対象です。
Q6通勤手当は最低賃金に含まれる?
含まれません。通勤手当、皆勤手当、家族手当、時間外割増などは最低賃金法施行規則2条により算入対象から除外されます。除外後の額で時給換算して比較します。
Q7最低賃金の差額請求はいつまでできる?
賃金請求権の消滅時効は労働基準法115条により当分の間3年です。起算点は各月の賃金支払期日で、古い月から順に消滅していきます。
Q8派遣先が変わって時給が下がったのは違法?
地域別最低賃金の低い県への異動なら下限が下がること自体は適法です。争点は下限ではなく、契約更新時に時給改定の説明と同意の手続を踏んでいるかです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1派遣元が東京で派遣先が地方なんですが、東京の最低賃金より時給が低いのは違法ですか?
違法にならない可能性が高い。13条は派遣先の事業場所在地の地域別最低賃金のみを基準とするため、その地方の県の額を上回っていれば適法である。実務のポイント:ただし就業条件明示書上の就業場所と実際の常駐先がずれている例は非常に多い。書面は本社、実態は別県の現場という場合、実際に就労している事業場の所在地で判断される。書面ではなく実態を押さえるのが交渉の起点になる
Q2差額って誰に請求するんですか、働いている派遣先ですか?
請求先は雇用主である派遣元である。13条は適用する最低賃金額の決め方を定めるだけで、賃金支払義務を派遣先に移すものではない。実務のポイント:ただし派遣先に事実を伝えるのは無駄ではない。派遣料金の水準が最賃割れの原因になっている場合、労働者派遣法には派遣先が派遣料金の額について配慮する義務を定めた規定がある(26条、項番号は度重なる改正で移動しているため要確認)。派遣元への請求と並行して通知すると、料金改定の実質的な圧力になる
Q3毎年10月に上がると聞きますが、いつから新しい時給になるんですか?
発効日は都道府県ごとに異なり、多くは10月上旬から中旬に集中する(年度により変動、最新の公示をご確認ください)。発効日以後の労働分から新額が適用され、月をまたぐ場合は日割りで新旧が分かれる。実務のポイント:複数県の現場を掛け持ちしていると、同じ月の中に県ごとの異なる下限が同時に走る。給与システムが就業場所単位で計算していないと片方の県だけ最賃割れが起きるので、明細が現場別に分かれているかを確認する
Q4在宅勤務の派遣です。自分が住んでいる県の最低賃金になるんですか?
ならない。基準は派遣先の事業場の所在地であって、労働者の居住地ではない(13条)。フルリモートでも、所属する派遣先事業場が東京にあれば東京の額が下限になる。実務のポイント:この構造は地方在住者に有利に働くことが多い。居住県より高い都市部の額が下限になるため、派遣元が居住地基準で計算していたら誤りの可能性が高い。明細と就業条件明示書を並べて確認する価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 雇用契約を結んだ会社の所在地の最低賃金が適用されると思われているが、13条が見るのは派遣先の事業場所在地だけである。本社が東京でも働く現場が地方なら地方の額、逆に本社が地方でも現場が都心なら都心の額。この思い込みは片方向にしか働かないため、地方から都市部へ派遣される人の取りこぼしを生む
- 「基準は派遣先」までは知っている人が多い。だが支払義務を負うのは派遣先ではなく派遣元だと正確に言える人は少ない。この一段深いところを外すと、請求先を間違えたまま時効だけが進む。13条は適用する額の決め方を移しただけで、賃金支払義務者を移してはいない
- 「派遣先が最低賃金を守っているか」という問いの立て方そのものがずれている。派遣先の正社員がいくら受け取っているかは13条の判断に一切関係しない。見るべきは、派遣先の事業場がどの都道府県にあるか、その県の地域別最低賃金額はいくらか、この二点だけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 13条:派遣中の労働者に適用する地域別最低賃金額を派遣先事業場所在地基準とする | 4条:最低賃金額以上の支払義務と下回る契約の無効 18条:派遣中の労働者に係る特定最低賃金の同型ルール |
| 基準となる場所 | 派遣先の事業場の所在地 | 場所を定める規定ではない(額の遵守義務そのもの) 派遣先の事業場の所在地(特定最低賃金について) |
| 義務を負う者 | 適用額の決定ルールのみ、義務者は移動しない | 使用者=派遣元(雇用主) 使用者=派遣元(雇用主) |
| 違反時の効果 | 13条単独の罰則はない | 契約の当該部分が無効、40条により50万円以下の罰金 特定最低賃金違反は労働基準法120条の罰則で処理される |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾の基本工資は全国一律であるため、日本のような地域別適用の切替問題自体が発生しない。派遣(派遣事業単位と要派単位)については賃金未払時の連帯責任構成で労働者を保護する設計を採る
韓国は派遣労働者の最低賃金を使用事業主(派遣先)の事業に適用される最低賃金によると明文で定めており、日本13条と同型。ただし韓国の最低賃金は全国一律である点が実務上の差となる
労務派遣について、派遣単位が跨地域で派遣する場合、被派遣労働者の労働報酬・労働条件は用工単位所在地の基準に従うと定める。基準地を就労地に置く点で日本13条と発想を共有する
ドイツの法定最低賃金は全国一律のため地域別適用規定は存在しない。派遣労働者については AÜG の Equal Pay 原則により、派遣先の同等労働者との均等待遇が求められる点で日本より踏み込んだ規律となる
連邦最低賃金に加え州・市が独自に上乗せするため地域差は日本以上に大きい。派遣・請負については joint employer 法理により実際の就労地の州法・市条例が適用される運用となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし10月に最低賃金が改定されたのに、11月の給与明細の時給が据え置きだったとしたら? 発効日は都道府県ごとに違い、多くは10月上旬から中旬に集中する。改定日をまたぐ月は日割りで新旧が分かれる。気付いた時点で派遣元に書面で照会し、遡及の起算日を確定させること。賃金請求権の時効は当分の間3年、放置した月から順に消えていく
- あなたが派遣会社の給与担当だとする。本社は大阪、スタッフは12都道府県の派遣先に散っている。給与システムに大阪の額を一本で入れていたら、その瞬間に最低賃金法4条違反が県の数だけ同時発生する。地域別最低賃金に係る違反は50万円以下の罰金(40条)で、罰金を払っても労働者一人ひとりへの差額支払義務は残る
- 派遣先が東京の本社から埼玉の物流センターに変わり、時給は据え置きのまま。下限が下がる方向の異動なので、それだけでは違法にならない。だが上がる方向の異動で据え置きなら、その月から差額が発生している
- 沖縄の自宅からフルリモートで、東京の IT 企業に派遣就業している。判断の軸はあなたの居住地ではなく、あなたが所属する派遣先事業場の所在地である。居住県の額で計算されていたら誤りの可能性が高い。実務上、複数拠点にまたがる場合はどの事業場に所属して就労しているかの実態で判断される
- 友人が「同じ作業なのに、派遣先が変わったら時給が80円下がった」と相談してきた。地域別最低賃金の異なる県への異動なら、下限が下がること自体は適法である。ただし下限と実際の時給は別の話で、契約更新の際に時給改定の説明と同意の手続を踏んでいるかが本当の争点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 就業条件明示書で派遣先の事業場所在地を特定する2. 厚生労働省が公示するその県の地域別最低賃金額と発効日を確認する3. 給与明細から通勤手当・皆勤手当・時間外割増などの除外賃金(最低賃金法施行規則2条)を差し引いた額で時給換算し比較する4. 下回っていれば派遣元に書面で差額を請求。応じなければ労働基準監督署に申告する。4条違反は監督署の監督対象で、申告を理由とする不利益取扱いは禁止されている
訴えられた側:1. 給与計算マスタが自社所在地基準になっていないか、派遣先ごとの就業場所単位で再点検する2. 改定の発効日は県ごとに異なるため、月次ではなく発効日単位で日割り更新する3. 遡及差額が判明したら監督署の指導を待たず自主精算し、支払記録を残す4. 減額の特例(7条)は都道府県労働局長の許可が前提で、無許可で下限を割ることはできない5. 差額の支払は労働基準法24条の全額払いにも関わるため、他の債権と相殺しない
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。差額分の賃金請求権は労働基準法115条により当分の間3年(本則5年、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金への経過措置)。起算点は各月の賃金支払期日で、月ごとに順次消滅していく。4条違反の罰則(40条、50万円以下の罰金)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)
学説
実務通説:13条は適用すべき最低賃金額の決定基準地を派遣先事業場に移すのみの規定であり、最低賃金法4条の支払義務主体である使用者は派遣元のままである。労働基準法44条型の使用者責任の派遣先への転嫁とは構造が異なると理解されている
制度趣旨説:地域別最低賃金が当該地域の生計費・賃金水準・支払能力を考慮して決定される(9条2項)以上、同一地域の同一現場で就労する労働者の下限を雇用形態で二重化しないことが本条の趣旨であるとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)最低賃金法改正 地域別最低賃金と特定最低賃金の二本立てへの再編に伴い、派遣中の労働者に適用される最低賃金額を派遣先の事業場所在地基準とするルールが本条に整理されたとされる。新設か既存規定の移動かの区別、及び条番号の変遷は要検証
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 改正:最低賃金法の全面的な見直しにより地域別最低賃金と特定最低賃金の二本立てに再編され、派遣中の労働者に適用する最低賃金額を派遣先事業場所在地基準とするルールが本条に整理されたとされる。新設か旧規定の移動かの区別および旧条番号は要検証
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