要点最低賃金法30条は、地域別最低賃金を決める職権を原則として都道府県労働局長に置き、複数県にまたがる事案は厚生労働大臣が行うと定める。大臣は著しく不適当な決定の改正を命じられる。
Q · うちの県の最低賃金って、実際は誰が決めているんですか?
あなたの県の最低賃金を決めるのは大臣ではなく都道府県労働局長です
最低賃金法30条1項は、地域別最低賃金の決定等に関する職権を二段に分けます。一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案は当該都道府県労働局長が行い、二以上の局の管轄区域にわたる事案および大臣が全国的関連ありとして厚生労働省令で指定した事案は厚生労働大臣が行います。中央最低賃金審議会が示す目安に法的拘束力はなく、額を法的に確定させているのは各県の労働局長です。だから異議申出(11条2項、公示から15日以内)の宛先も原則として労働局長になります。
毎年夏、中央最低賃金審議会が「目安」を示し、ニュースは全国平均◯◯円と報じる。だがその目安に法的拘束力はない。最低賃金法30条1項は、10条1項(地域別最低賃金の決定)、12条(その改正・廃止)、15条2項・17条(特定最低賃金)の職権を、一つの都道府県労働局の管内だけの事案なら当該局長が行うと定める。つまりあなたの県の最低賃金を法的に決めているのは大臣ではなく、あなたの県の労働局長である。だから異議申出(11条2項、公示から15日以内)の宛先も局長になる。宛先を間違えれば、期間はそのまま流れて決定は確定する。一方2項は大臣に伝家の宝刀を与える。局長の決めた額が著しく不適当なら、改正または廃止を命じられる。ただし大臣も中央最低賃金審議会に諮り(3項)、その意見によりがたいときは理由を付して再審議を求めるしかない(4項、10条2項準用)。誰も単独では1円も動かせない構造になっている。
最低賃金法30条は最低賃金に関する職権の分配を定める規定であり、10条1項・12条・15条2項・17条の職権につき、二以上の都道府県労働局の管轄区域にわたる事案等は厚生労働大臣が、一の局の管轄区域内のみに係る事案は当該都道府県労働局長が行うものとする。2項は大臣に対し、局長の決定が著しく不適当な場合における改正・廃止の決定を命ずる権限を与える。
AI 輔助整理,以條文原文為準
最低賃金審議会の意見が公示された日から15日以内です(11条2項)。この期間は決定自体が留保され、異議が出れば審議会の意見が出るまで決定は止まります(11条4項)。
地域別最低賃金は公示の日から起算して原則30日を経過した日に効力を生じます(14条2項)。特定最低賃金も同様の仕組みです(19条2項)。毎年10月前後に切り替わるのはこのためです。
厚生労働省の地方支分部局である都道府県労働局の長です。最低賃金法では30条1項後段により、その県の地域別最低賃金を決定・改正・廃止する法的権限を持つ主体になります。
地域別最低賃金は県内の全労働者に適用される下限(10条)、特定最低賃金は特定の産業・職種について労使の申出を受けて設定される上乗せの下限(15条以下)です。職権分配はどちらも30条が規律します。
法的拘束力はありません。目安は参考値であり、実際に額を決定するのは地方最低賃金審議会の意見を聴いた都道府県労働局長です。目安と異なる答申が出ること自体は違法ではありません。
派遣元ではなく、派遣先の事業場が所在する地域の最低賃金が適用されます(13条、特定最低賃金は18条)。同じ会社の同僚でも配属先によって適用される額が変わります。
船員については35条2項が30条1項を読み替え、職権は国土交通大臣および地方運輸局長に移ります。審議機関も交通政策審議会となります(36条)。厚生労働省ルートではありません。
額を争う異議申出(11条2項)ではなく、監督機関への申告ルートです(34条1項)。申告を理由とする解雇その他の不利益取扱いは罰則付きで禁止されています(34条2項、39条)。
地域別最低賃金は、あなたの都道府県の労働局長が地方最低賃金審議会の意見を聴いて決定する(10条1項、30条1項後段)。中央最低賃金審議会の目安は参考値で法的拘束力はない。業界裏話ヒント:だから目安どおりの県と目安を超える県が毎年分かれる。各県の審議会の議事録は労働局サイトで公開されており、どの委員がどの数字を主張したかまで追える。額の根拠は報道より議事録が早い
命令はできるが、大臣が額を直接書き換えることはできない。30条2項は著しく不適当な場合に改正・廃止の決定をせよと局長に命ずる権限であり、決定するのは局長のままだ。命令の前に中央最低賃金審議会への諮問も要る(3項)。業界裏話ヒント:条文上の権限と実際の発動実績は別物で、この規定は目安制度の後ろ盾として効いている。交渉では大臣を動かすより、審議会でどう数字を積むかを設計するほうが実効的だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 30条:職権が大臣と労働局長のどちらに帰属するかを分配する | — |
| 決定権者 | 一の局の管内のみ=当該労働局長/複数局にまたがる等=厚生労働大臣 | — |
| 適用範囲 | 10条1項・12条・15条2項・17条の職権すべてに横断的に及ぶ | — |
| 争う窓口 | 宛先を誤ると審議の入口に乗らない(宛先選択そのものの問題) | — |
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