厚生労働大臣及び都道府県労働局長は、この法律の目的を達成するため必要な限度において、厚生労働省令で定めるところにより、使用者又は労働者に対し、賃金に関する事項の報告をさせることができる。
要点最低賃金法29条は、厚生労働大臣及び都道府県労働局長が、使用者又は労働者に対し賃金に関する事項の報告をさせることができると定める。報告拒否や虚偽報告は第41条の罰金の対象となる。
Q · 労働局から「賃金に関する事項の報告」という書面が届きました。これは何の権限で、出さなかったらどうなりますか?
最低賃金法29条の報告で、拒否も虚偽も罰金の対象です
最低賃金法29条により、厚生労働大臣及び都道府県労働局長は、法目的の達成に必要な限度で、使用者又は労働者に対し賃金に関する事項の報告をさせることができます。対象は会社だけでなく労働者個人にも及びます。報告をせず、又は虚偽の報告をした者は第41条により30万円以下の罰金、法人にも第42条の両罰規定で罰金が科されます。非協力は第32条の立入検査へ段階が上がる契機にもなります。提出前に賃金台帳と労働時間記録を突合し、最低賃金額を下回る月があれば遡及払いを済ませておくことが実務上の分かれ目です。
「厚生労働大臣及び都道府県労働局長は、…使用者又は労働者に対し、賃金に関する事項の報告をさせることができる」。読み流せば地味な事務規定だが、仕掛けが二つ埋まっている。第一に、対象は「使用者又は労働者」。監督=会社への調査だと思っているなら、そこが誤り。パートで働くあなた個人のところにも、いくら支払われているかを問う報告が届きうる。第二に、これは任意のお願いではない。報告をせず、又は虚偽の報告をした者は第41条により30万円以下の罰金、第42条の両罰規定で法人にも罰金が科される。さらに、あなたが正直に書いたその一枚は、第4条違反(最低賃金額未満の支払い、第40条で50万円以下の罰金)を使用者自身の名で確定させた文書になる。逆に労働者の側から見れば、第34条の申告と組み合わせたとき、行政の手で会社の賃金台帳を開かせるレバーがここにある。同じ条文が、立つ位置で牙の向きを変える。
最低賃金法29条は報告の徴収を定める規定であり、厚生労働大臣及び都道府県労働局長が、法目的の達成に必要な限度で、厚生労働省令の定めるところにより、使用者又は労働者に対して賃金に関する事項の報告を求める権限を規定する。労働基準監督官による立入検査(同法32条)の一段手前に位置する行政調査の手段であり、報告義務違反には罰則が付される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
厚生労働大臣及び都道府県労働局長が、法目的の達成に必要な限度で、使用者又は労働者に賃金に関する事項の報告をさせる権限です。方法は厚生労働省令の定めによります。
来ます。29条の対象は「使用者又は労働者」であり、会社だけではありません。パートやアルバイトの個人にも、実際に支払われた賃金についての報告が求められることがあります。
本条に一律の期限はなく、個別の求めの中で指定されます。実務では2週間程度が多く、書面に記載された提出期限が基準です。間に合わない事情があれば期限前に担当官へ連絡します。
29条の報告は書面で賃金の実態を提出させるもの、32条の立入検査は労働基準監督官が事業場に立ち入って調査するものです。報告への非協力は検査へ段階が上がる契機になります。
最低賃金額未満の支払いは4条違反として40条の50万円以下の罰金、報告拒否や虚偽報告は41条の30万円以下の罰金です。法人にも42条の両罰規定により罰金が科されます。
直せます。提出前に賃金台帳と労働時間記録を突合し、下回る月があれば遡及払いを実行して記録を残します。是正勧告前の自主是正は、行政の処分判断で有利に働きます。
報告を求めているのは労働局であり、会社ではありません。数字は自分の給与明細、タイムカード、銀行入金額から取り、会社の言い値ではなく実額を記載するのが原則です。
29条の報告は行政が求めて提出させるもの、34条の申告は労働者が自ら違反の事実を行政に申し出るものです。申告を理由とする不利益取扱いは34条2項で禁止されています。
第29条に基づく正式な報告の求めであれば、拒否も虚偽の報告も第41条により30万円以下の罰金の対象で、法人にも第42条の両罰規定で罰金が科されます。業界裏話ヒント:実務でいきなり罰金になる例は多くなく、非協力が記録されて第32条の立入検査へ段階が上がる方が早い。断るかどうかではなく、断った後に何が来るかで判断する
虚偽の報告は第41条で報告拒否と同じ罰則の対象になり、しかも本体の第4条違反(第40条、50万円以下の罰金)とは別個に評価されます。隠す方が結果的に重い。業界裏話ヒント:送検まで行くかどうかを分けるのは違反の有無より「是正の意思」。報告前に遡及払いを済ませ、その事実を添えた事業場が刑事手続に進むことは実務上まれです
労働基準監督官は行政監督に加え、労働基準法102条により司法警察員の職務も行い、最低賃金法にも同旨の規定があります。ただし行政調査は犯罪捜査のために認められたものではないとされ、実務上、解釈が分かれる領域です。業界裏話ヒント:罰則付きの報告義務と憲法38条1項の自己負罪拒否特権の関係は、川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)以来の論点。刑事に振れそうな段階で相談相手を弁護士に切り替えるかどうかが、実務の分かれ目になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権限の主体 | 29条:厚生労働大臣及び都道府県労働局長 | — |
| 手段の内容 | 賃金に関する事項の報告を書面で提出させる | — |
| 対象となる相手 | 使用者又は労働者(個人にも及ぶ) | — |
| 従わない・使った場合の帰結 | 報告拒否・虚偽報告は41条の30万円以下の罰金、42条の両罰規定 | — |
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