国民年金法 第92条の6
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- 厚生労働大臣は、第九十二条の三第一項第二号の規定による指定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。
- 一第九十二条の三第一項第二号に規定する指定の要件に該当しなくなつたとき。
- 二第九十二条の四第二項又は前条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 三前条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
- 四前条第三項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
- 2.厚生労働大臣は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第92条の6は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第92条の6の条文原文は「厚生労働大臣は、第九十二条の三第一項第二号の規定による指定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。」で始まります。
- 国民年金法第92条の6は第六章に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第92条の6の前の条は国民年金法第92条の5です。
- 国民年金法第92条の6の次の条は国民年金法第93条です。
- 国民年金法第92条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第92条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第92条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/92_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法92条の7は、納付事務の指定を受けた者が報告義務違反、帳簿の不備、立入検査の拒否などに該当するとき、厚生労働大臣が指定を取り消すことができると定める。取消しは公示される。
Q · 帳簿の不備や報告漏れだけで、納付事務の指定は取り消されるんですか?
取消事由には該当します。ただし裁量処分です
国民年金法92条の7第1項は、指定要件の不該当(第一号)、報告義務違反(第二号)、帳簿の不備付け・不記載・虚偽記載・不保存(第三号)、立入検査の拒否・妨害・忌避および質問への不陳述・虚偽陳述(第四号)の四事由を定めます。保険料の横領などの実害は事由に挙げられていません。ただし条文は「取り消すことができる」とする裁量処分であり、行政手続法13条により聴聞が必要です。取り消された場合、同条第2項により公示されます。
解説
四つの取消事由を並べると、ある偏りが見えてくる。第一号だけが「指定の要件を満たさなくなった」という状態の話で、残る三つはすべて報告・帳簿・立入検査、つまり厚生労働大臣があなたの法人の内部を見るための手段を潰した行為である。保険料を使い込んだとか被保険者に損害を与えたとか、そうした実害は取消事由に一つも書かれていない。制度が本当に守りたいのは、他人の保険料を預かる法人の中身が常に見える状態にあることだ、と条文自身が告白している。だから「実害は出ていない」という弁明は、この条文の前ではほとんど響かない。逆に言えば、帳簿と報告さえ生きていれば、多少の事務ミスで指定が飛ぶことはない。そして見落とされがちなのが第2項。取消しは公示される。処分そのものは訴訟で消せても、公示された事実が業界の記憶から消えるとは限らない。
法的な位置づけ
国民年金法92条の7は、保険料の納付事務について指定を受けた者に対する指定取消しの規定である。第1項は、指定要件の不該当、報告義務違反、帳簿の不備、立入検査の拒否・忌避および質問への不陳述・虚偽陳述の四事由を定め、いずれかに該当するとき厚生労働大臣は裁量により指定を取り消すことができる。第2項は取消しの公示を義務付ける。
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金の納付事務の指定取消しとは何ですか?
厚生労働大臣が、保険料の納付事務を委託できる者として与えた指定を失わせる処分です。国民年金法92条の7第1項が四つの取消事由を定めています。
Q2指定取消しの聴聞通知が届いたらまず何をすべきですか?
通知書の根拠号数と期日を確認し、行政手続法18条の文書閲覧を請求します。期日前に是正が完了していることを示す物証を揃えることが実務上の要点です。
Q3指定取消しの取消訴訟はいつまでに提起できますか?
処分を知った日から6か月、処分の日から1年が原則です(行政事件訴訟法14条)。審査請求は知った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法18条)。
Q4立入検査を拒否するとどうなりますか?
国民年金法92条の7第1項第四号の取消事由に直接該当します。検査の拒否・妨害・忌避のほか、質問への不陳述や虚偽の陳述も同じ号で扱われます。
Q5帳簿を備え付けないだけでも取消事由になりますか?
なります。同項第三号は帳簿の不備付け・不記載・虚偽記載・不保存を並列に取消事由としており、被保険者への実害の発生は要件になっていません。
Q6指定の取消しに執行停止は使えますか?
行政事件訴訟法25条の執行停止を申し立てる余地があります。公示前に処分の効力が止まれば、公示による社会的影響を回避できる可能性があります。
Q7取消事由に保険料の横領や実害は含まれますか?
含まれていません。92条の7第1項の四事由は、指定要件の不該当と、報告・帳簿・立入検査という監督手段の遮断に限られます。実害の有無は裁量判断の材料にとどまります。
Q8指定を取り消された法人に納めた保険料はどうなりますか?
取消し後の受領が納付として扱われるかは別問題になります。渡した日付・金額・受領記録を保全し、日本年金機構に納付記録を照会して未納期間の有無を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1報告を一回出し忘れただけでも、本当に取り消されるんですか?
条文は「取り消すことができる」と書いており、必ず取り消すとは定めていない(92条の7第1項)。裁量処分なので、事由の軽重、是正の有無、過去の経緯が考慮される。実務のポイント:聴聞で効くのは反省の言葉ではなく、是正が完了していることを示す物証である。復元した帳簿、改訂した内部規程、担当者配置を変えた記録。期日までに「もう直っている」状態を作れたかどうかで結論が変わる
Q2取り消されたら、年金の審査請求のところに出せばいいんですよね?
そこが最も間違えやすい。国民年金法101条の社会保険審査官への審査請求は、被保険者の資格・給付・徴収金に関する処分が対象で、指定の取消しは含まれない。行政不服審査法による審査請求か、行政事件訴訟法14条の取消訴訟になる。実務のポイント:窓口を間違えて出している間も、取消訴訟の6か月は止まらずに進む。返送された頃には出訴期間が残り僅か、という事故が実際に起きている
Q3公示って、そんなに重く見る必要ありますか?
第2項は公示を義務として定めており、行政に選択の余地はない(92条の7第2項)。処分の効力は処分書の到達で生じるが、公示は取引先や被保険者に対して「知り得た」状態を作り出す。実務のポイント:公示された処分歴は、後年の提携交渉や与信審査で必ず照会される。争うなら公示前の執行停止(行政事件訴訟法25条)まで含めて設計する。処分が消えても公示の記憶は消えない
間違えやすい点 AI による整理
- 指定の取消しが行政処分であることは、担当者なら知っている。だが「取り消すことができる」と書かれた裁量処分であることの意味までは押さえていない。裁量処分だからこそ、比例原則違反・他事考慮・理由提示の不備といった裁量統制の切り口で争える。もし「取り消す」という羈束処分なら、争えるのは事由の存否だけだった。条文の語尾ひとつが、防御に使える戦場の広さを決めている
- 「取り消されたら年金の審査請求に出せばいい」という問いの立て方自体がずれている。国民年金法101条の社会保険審査官への審査請求は、被保険者の資格・給付・徴収金に関する処分が対象であり、指定の取消しはそこに入らない。年金の不服申立て=社会保険審査官という反射で動くと、行政不服審査法・行政事件訴訟法の期間だけが空費される
- あなたから見れば、第2項の公示は取消しに付随する事務手続にすぎない。制度の側から見ると、公示こそが本体に近い。処分の効力は処分書の到達で生じるが、社会的な効果を作るのは公示である。取消訴訟で処分が消えても、公示された事実を見た相手の記憶までは巻き戻らない。この落差が、勝訴後も残る損失を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 92条の7:指定の取消しと公示(サンクション) | 92条の6:帳簿備付け・報告・立入検査の義務(監督手段) 92条の3:納付事務の委託と指定の根拠(授権) |
| 名宛人 | 指定を受けた者(処分の相手方) | 指定を受けた者(義務の主体) 厚生労働大臣・委託を行う被保険者等 |
| 違反した場合の帰結 | 指定の取消し(裁量)+公示(義務) | 92条の7第1項第二号〜第四号の取消事由を構成 指定要件の不該当は同項第一号の取消事由となる |
| 争い方 | 行政不服審査法の審査請求、行政事件訴訟法14条の取消訴訟(101条の社会保険審査官は対象外) | 義務の存否自体は独立して争えず、取消処分の中で争う 指定の拒否処分として別途争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、授益的行政処分の廃止事由を行政手続法典に一般規定として置き、個別法はそれを前提に上乗せする構造。日本のように個別法へ取消事由を列挙する例と設計の重心が異なる
韓国は2021年の行政基本法で撤回の一般要件を明文化し、公益上の必要性と利益衡量を条文レベルで要求する。日本は個別法の裁量文言+行政手続法の聴聞で同じ機能を担う
ドイツは適法な授益処分の撤回を一般行政手続法で規律し、撤回事由と信頼保護の調整を条文上組み込む。個別法の列挙型である本条とは規律レベルが異なる
米国は許認可の取消しに先立ち、原則として違反の指摘と是正の機会を与えることを法定する。是正機会の付与が手続要件として前置される点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 報告を一度出し忘れたら、それだけで指定は消えるのか。条文は「取り消すことができる」であって「取り消す」ではない。裁量処分だからこそ、聴聞で何を言うかが結論を左右する
- 厚生労働省から立入検査の予告が届いた。担当者が退職して帳簿の引継ぎが途切れており、直近半期分の記載が空白のまま。検査日まであと10日。この空白をどう説明するかで、第三号(帳簿の不記載)で止まるか、第四号(検査の忌避・虚偽の陳述)まで踏み込むかが変わる。取り繕った説明が虚偽の陳述と認定されれば、取消事由が一つ増えるだけである
- 聴聞の通知書が届き、期日は2週間後と書かれている。ここで出席しなければ、あなたの言い分は記録に一行も残らないまま処分が固まる。行政手続法18条の文書閲覧請求で行政側が握っている資料を先に見るかどうかで、その2週間の密度がまるで違う
- あなたの側が委託していた法人の指定が取り消され、公示された。取消し後もその法人へ保険料を渡し続けたとき、それが納付として扱われるかは別問題になる。公示は取引先への個別通知ではなく、あなたが知り得た状態を法的に作り出す装置である
取るべき行動
被害を受けた側:納付事務を委託していた側なら、まず公示の有無と日付を押さえる。取消し後にその法人へ渡した保険料が納付として扱われるかは別問題になるため、渡した日付・金額・受領記録を先に固める。並行して日本年金機構に自分の納付記録を照会し、未納期間が生じていないかを突き合わせる。未納が判明した場合、追納できる期間には限りがあるので、記録照会は取消しを知った時点で最優先に置く
訴えられた側:第一号から第四号のどれを理由とするかは聴聞通知書に書かれる。まず行政手続法18条で文書閲覧を請求し、行政側の証拠を確認する。事由の存在を争えないなら、争点を「取り消すことができる」という裁量に移し、是正済みの事実、再発防止体制、事由の軽微性、被保険者への実害の不存在を書面で積む。処分後は審査請求か取消訴訟かを選び、公示前であれば執行停止を同時に申し立てる
時効(請求できる期限):取消権の行使自体に時効の定めはない。厳しいのは争う側の期限である。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月、処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。聴聞の期日は通知書記載の日であり、不出頭のまま経過すれば意見を述べる機会は原則として失われる(最新の改正状況をご確認ください)
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