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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

国税徴収法 第10条(直接の滞納処分費の優先)

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納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、次条、第十四条から第十七条まで(担保を徴した国税の優先等)、第十八条の二第一項(法定納期限等以前に設定された企業価値担保権の優先等)、第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)及び第二十三条(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先等)の規定にかかわらず、その換価代金につき、他の国税、地方税その他の債権に先立つて徴収する。

この条文の基本情報

直接の滞納処分費の優先とは何ですか?

定義直接の滞納処分費の優先とは、国税徴収法第10条に定められた規定で、「納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、次条、第十四条から第十七条まで(担保を徴した国税の優先等)、第十八条の二第一項…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第10条(直接の滞納処分費の優先)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第10条の条文原文は「納税者の財産を国税の滞納処分により換価したときは、その滞納処分に係る滞納処分費は、次条、第十四条から第十七条まで(担保を徴した国税の優先等)、第十八条の二第一項…」で始まります。
  3. 国税徴収法第10条は第一節に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第10条の前の条は国税徴収法第9条です。
  7. 国税徴収法第10条の次の条は国税徴収法第11条です。
  8. 国税徴収法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第10条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法10条は、滞納処分で財産を換価したとき、その滞納処分費が換価代金から他の国税・地方税・抵当権等すべての債権に先立って徴収されると定める。

Q · 公売の代金って、まず誰が取るんですか?

税金本体より先に、差押えと公売にかかった実費が引かれます

国税徴収法10条により、滞納処分で財産を換価したときは、その手続に要した滞納処分費(差押え・運搬・保管・鑑定評価・公売公告などの実費)が、換価代金から最優先で徴収されます。国税本体はもちろん、地方税、法定納期限等前に設定された抵当権や企業価値担保権、先取特権、仮登記担保による債権よりも先です。優先順位を定める11条・14〜17条・18条の2第1項・19〜21条・23条を条文自身が名指しで押しのけており、配当計算はこの控除後の残額から始まります。

解説

税金の滞納で家や車、預金が差し押さえられ、公売にかけられた。その売却代金から誰が最初にお金を取るのか。あなたは「税務署が本体の税金を最優先で持っていく」と思っているかもしれないが、この条文が定めているのはそこではない。差押えや公売の手続そのものにかかった費用、つまり「滞納処分費」(差押えの現場に行く費用、公売の広告費、鑑定評価料、運搬・保管料など、換価に要した実費)が、本税よりも、地方税よりも、抵当権つきの銀行債権よりも、給料の先取特権よりも、さらに先に代金から回収される。あなたが債権者として抵当権を持っていたとしても、その手前でこの費用が抜かれる。しかも本条は「次条、第14条から第17条まで、第18条の2第1項、第19条から第21条まで、第23条の規定にかかわらず」と、優先順位を定めた条文群をまとめて名指しで押しのけている。国税徴収法の優先順位の階段は、この一段が全部の上に載っている構造だ。

法的な位置づけ

国税徴収法10条は滞納処分費の優先を定める規定である。納税者の財産を滞納処分により換価した場合、その換価に係る滞納処分費は、同法が定める国税・地方税・担保権・先取特権等の優先順位規定にかかわらず、換価代金から他のすべての債権に先立って徴収される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.公売公告の段階で滞納処分費の見込みを照会する 差押財産の公売公告が出たら、担当の徴収職員に滞納処分費の見込み額と内訳(運搬費・保管費・鑑定評価料・公告費など)を照会する。確定額は換価後だが、概算でも配当試算の前提が変わる
  2. 2.見積財産価額から費用を引いて実質回収額を試算する 見積価額または想定落札額から滞納処分費の見込みを控除し、その残額に自分の順位(14条から23条の優先関係)を当てはめて実際に配当が回るかを計算する
  3. 3.交付要求・参加差押えに乗るか降りるかを決める 試算結果が実質ゼロに近いなら、交付要求や参加差押えの労力とコストに見合わない。他の財産への執行や任意の回収交渉に切り替える判断を先に済ませる
  4. 4.配当計算書が届いたら費用の内訳を検証する 配当計算書の最上段にある滞納処分費の項目を最初に読み、換価に必要な範囲を超える計上がないかを確認する。疑義があれば徴収職員に説明を求める
  5. 5.不服があれば期間内に審査請求を行う 内訳の説明に納得できない場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に国税不服審判所への審査請求(国税通則法75条・77条)を検討する。期間を過ぎると争えない

よくある質問 AI による整理

Q1滞納処分費とは何ですか?

差押え・運搬・保管・鑑定評価・公売公告など、滞納処分の手続を実行するために要した実費です。国税徴収法136条以下が範囲を定め、滞納国税と一体で徴収されます。

Q2滞納処分費は誰が負担しますか?

最終的には換価代金から回収されるため、実質的に滞納者と配当を受ける債権者が負担します。国が一般財源で負担する仕組みではありません(国税徴収法10条)。

Q3抵当権と滞納処分費はどちらが優先ですか?

滞納処分費が優先です。法定納期限等前に設定された抵当権が国税本体に勝つ場面でも、国税徴収法10条により手続費用は抵当権より先に控除されます。

Q4公売の配当はどの順番で決まりますか?

まず滞納処分費(10条)、次に強制換価手続費用や担保権・国税・地方税の優先関係(11条〜23条)、最後に残余金が滞納者に交付されます(129条)。

Q5公売代金が余ったら返ってきますか?

返ってきます。ただし滞納処分費と本税・延滞税、他の債権への配当を差し引いた残余金が交付されます(国税徴収法129条)。税額分だけの用意では足りません。

Q6滞納処分費の金額は事前に分かりますか?

確定額は換価完了後ですが、徴収職員に見込み額と内訳を照会できる場面が多くあります。公売公告の段階で確認すると実質回収額を試算できます。

Q7滞納処分費の額に納得できないときはどうする?

配当計算書の内訳について徴収職員に説明を求め、換価に必要な範囲を超える計上があれば、国税通則法75条の審査請求を検討します。

Q8給料の未払いと滞納処分費はどちらが先ですか?

滞納処分費が先です。賃金の先取特権(民法306条・308条)が国税に優先する場面でも、手続費用は10条によりその前に控除されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1滞納処分費って、具体的にいくらぐらいかかるものなんですか?

国税徴収法136条以下と関連の政令で定められ、差押え・引揚げ・保管・鑑定・公売公告・広告などの実費が積算されます。動産や重量設備では運搬費と保管費が膨らみ、不動産では鑑定評価料が中心になります。実務のポイント:費用の絶対額より、財産価額に対する比率が問題です。低額動産の公売では費用が代金の相当割合を食うことがあり、後順位債権者は最初から配当ゼロが確定している。徴収職員に見込みを聞けば教えてくれる場面が多いのに、聞かずに手続に乗る債権者が非常に多い

Q2銀行の抵当権より滞納処分費が先って、担保の意味なくないですか?

担保の意味は失われません。本条が優先するのはその換価手続に係る滞納処分費に限られ、本税・地方税との順位争いでは15条から18条の2、23条の法定納期限等との先後関係で抵当権が勝つ場面が多くあります。実務のポイント:実務で効くのは順位そのものより、費用控除後の残額です。担保評価の実務では滞納税額だけを見て掛け目を決める例がありますが、換価手続に入った場合の費用控除まで織り込んでいるかどうかで、貸倒れの読みの精度が変わる

Q3公売で高く売れて税金を全部払えたら、残りのお金は返ってきますか?

残余金は滞納者に交付されます(国税徴収法129条)。ただし本条により滞納処分費が先に控除され、その後に本税・延滞税・他の債権への配当が行われた残りです。実務のポイント:公売価額は市場価格より低くなりやすく、そこから費用が引かれるため、滞納者にとって公売は最も損な出口です。だからこそ換価の猶予や任意売却の交渉には現実的な意味があり、徴収職員も高額回収につながる案なら耳を貸す

間違えやすい点 AI による整理

  • 「国税優先の原則(8条)があるから、税金本体が一番強い」と理解している人は多いが、正確には本税より先に滞納処分費が抜かれる。順位の話ではなく、費用の話が先に来るという構造を見落とすと、配当額の計算が最初からずれる
  • 抵当権を持っていれば安全だという理解は、法定納期限等との先後関係(16条)で既に揺らぐが、その競争に勝ったとしても本条がある。あなたが争っている土俵そのものが、費用控除後の残額の上に立っている
  • 滞納処分費は「税務署の内部コストだから国が負担するはず」と考えるのは自然だが、法律は換価代金から回収する設計にしている。手続を動かした費用を、その手続で実現した価値から回収するという発想であり、他の債権者もその受益者だから負担を分かち合うという理屈になっている
比較の観点この条文ほかの条文
優先の対象国税徴収法10条:その滞納処分に係る滞納処分費国税徴収法11条:強制換価手続に係る費用(裁判所の執行費用等)
国税徴収法8条:国税本体(本税・延滞税等)
優先の強さ11条・14〜17条・18条の2第1項・19〜21条・23条を名指しで排除する最上位10条に次ぐ位置、担保権等より優先
法定納期限等との先後で担保権に劣後する場面がある
発生原因税務署自身の滞納処分(差押え・公売)の実費裁判所の強制執行・担保権実行・破産等の手続費用
納税義務の成立(課税処分・申告)
配当計算での位置換価代金から最初に控除される項目滞納処分費の次に控除
費用控除後の残額を担保権等と分け合う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
稅捐稽徵法第6條・行政執行法第25條

台湾も執行費用を優先的に受償させる構造を持つ。行政執行の費用は義務者負担とされ、換価代金から先に充当される

韓国
대한민국 국세기본법 제35조・국세징수법

韓国も国税優先の原則の枠内で体納処分費を優先させる。日本法を継受した徴収手続の構造を共有している

ドイツ
AO § 337 ff.、ZVG § 10 Nr. 1

ドイツでは強制換価手続の費用(Verfahrenskosten)が売却代金から最先順位で控除される。租税債権の優先自体は縮小されたが費用優先は維持されている

アメリカ
26 U.S.C. § 6342(a)(1)

米国内国歳入法典も、levy による売却代金をまず差押え・売却の費用に充当し、その後に税額へ充てると明文で定める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 自社が取引先に融資し、その工場設備に譲渡担保を設定していた。取引先が消費税を滞納し、設備が差し押さえられて公売された。落札額は800万円。あなたは自分の担保順位を数えて配当を計算していたが、まず滞納処分費が引かれてから残りが分配される。重量物の運搬費・保管費・鑑定料が積み上がると、この控除は無視できる額ではない
  • もし、あなたが滞納者本人で、公売で不動産が売れて本税を完済できたとしたら、余った金は戻ってくるのか。戻ってくるが、その前に滞納処分費が引かれる。つまり「税額分だけ用意すれば済む」という計算は最初から成り立っていない
  • 従業員として未払賃金の先取特権(民法306条、308条)を持っている。会社の財産が国税の滞納処分で公売された。賃金債権は国税に優先する場面もあるが、滞納処分費はその賃金債権よりさらに先に引かれる。労働者の取り分は、手続費用を差し引いた後の残額から計算が始まる
  • 公売公告が出た。入札まであと10日。あなたは後順位の抵当権者で、配当に回ってくるかどうかの瀬戸際にいる。配当計算書が届いてから異議を述べるのでは遅い場面がある。滞納処分費の額と内訳は、配当計算の一番上に載る数字だ。今のうちに徴収職員に費用の見込みを確認しておくかどうかで、権利放棄か債権回収の続行かの判断が変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 債権者として配当を期待する立場なら、公売公告の段階で徴収職員に滞納処分費の見込み額と内訳を照会する2. 見積財産価額から費用見込みを引き、その残額に対して自分の順位(14条から23条の優先関係)を当てはめて実質回収額を試算する3. 試算がゼロに近いなら、交付要求・参加差押えのコストと見合うか判断し、他の財産への執行に切り替える4. 配当計算書が届いたら費用の内訳を確認し、換価に必要な範囲を超える計上があれば異議を検討する

訴えられた側:1. 滞納者側であれば、公売に進む前に納税の猶予・換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2、国税通則法46条)を申請し、費用の発生自体を止める2. 既に差押えが入っている場合、任意売却で高値換価できる見込みを示して交渉する3. 完納後に残余があれば返還されるが、滞納処分費が控除された後の額であることを前提に資金計画を立てる4. 費用の内訳に納得できない場合は徴収職員に説明を求め、必要なら審査請求(国税通則法75条)を検討する

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。滞納処分費の徴収は滞納国税の徴収と一体で行われ、国税の徴収権の消滅時効は法定納期限から5年(国税通則法72条)。配当計算書に対する不服申立ては、処分を知った日の翌日から3か月以内の審査請求(国税通則法77条)が原則(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:滞納処分費の優先は、換価手続が滞納国税の回収のみならず配当を受ける全債権者に利益をもたらすことから、受益者に費用を分担させる共益費用の法理に基づくと解される。優先の射程は当該換価に係る費用に限定される

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正により現行法が制定され、滞納処分費の優先が第10条に置かれた(改正沿革の詳細は e-Gov 法令検索で要確認)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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