国税徴収法 第11条(強制換価の場合の消費税等の優先)
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国税通則法第三十九条(強制換価の場合の消費税等の徴収の特例)又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第三号若しくは第七号(公売又は売却等の場合における内国消費税の徴収)の規定により徴収する消費税等(その滞納処分費を含む。)は、次条から第十七条まで(差押先着手による国税の優先等)、第十八条の二第一項(法定納期限等以前に設定された企業価値担保権の優先等)及び第十九条から第二十一条まで(先取特権等の優先)の規定にかかわらず、その徴収の基因となつた移出又は公売若しくは売却に係る物品の換価代金につき、他の国税、地方税その他の債権に先立つて徴収する。
この条文の基本情報
強制換価の場合の消費税等の優先とは何ですか?
定義強制換価の場合の消費税等の優先とは、国税徴収法第11条に定められた規定で、「国税通則法第三十九条(強制換価の場合の消費税等の徴収の特例)又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第三号若しく…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第11条(強制換価の場合の消費税等の優先)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第11条の条文原文は「国税通則法第三十九条(強制換価の場合の消費税等の徴収の特例)又は輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第三号若しく…」で始まります。
- 国税徴収法第11条は第一節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第11条の前の条は国税徴収法第10条です。
- 国税徴収法第11条の次の条は国税徴収法第12条です。
- 国税徴収法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法11条は、公売等を基因として発生した消費税等を、差押先着手や抵当権の優先に関わらず、その物品の換価代金から他の一切の債権に先立って徴収すると定める。
Q · 公売で財産が売れたお金って、抵当権者より先に税金が持っていくことがあるんですか?
はい、公売自体が生んだ消費税等は最優先で取られます
国税徴収法11条により、公売・売却・移出を基因として発生した消費税等(滞納処分費を含む)は、差押先着手(12条)や法定納期限等以前の抵当権の優先(16条)などの配当順位ルールを飛び越え、その物品の換価代金から他の国税・地方税・あらゆる債権に先立って徴収されます。ただし優先するのは基因となった物品の換価代金についてのみで、同じ滞納者の別の消費税は通常の順位に戻ります。
解説
税金の世界には「先着順」も「担保を取った者勝ち」も通用しない場面がある。国税徴収法11条がその一つだ。差押えを受けた財産が公売にかけられ、その換価代金が配当される段階を思い浮かべてほしい。通常なら、差押えを最初にした国税が優先し(12条)、法定納期限等より前に設定された抵当権が国税に勝つ(15条、16条)。ところが、公売という行為そのものから発生した消費税等(酒税・たばこ税・揮発油税などの個別消費税を含む)は、その配当順位表を丸ごと飛び越える。「次条から第十七条まで、第十八条の二第一項及び第十九条から第二十一条まで」の規定にかかわらず、その物品の換価代金から他の国税・地方税・あらゆる債権に先立って徴収される。あなたが抵当権者でも、先に差し押さえた債権者でも、この一枚だけは剥がされる。理由は単純で、その税は公売という手続がなければそもそも発生しなかったからだ。
法的な位置づけ
国税徴収法11条は、強制換価手続に伴い発生する消費税等の優先徴収を定める規定である。国税通則法39条または輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律8条1項により徴収される消費税等は、同法12条から21条までの配当順位規定にかかわらず、その徴収の基因となった物品の換価代金から他の一切の債権に優先して徴収される。
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法11条とは何ですか?
公売・売却・移出を基因として発生した消費税等を、配当順位規定にかかわらず、その物品の換価代金から最優先で徴収すると定める規定です。
Q2消費税等の優先はいつ適用されますか?
国税通則法39条または輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律8条1項3号・7号により消費税等を徴収する場面、つまり強制換価手続や公売・売却の場面に限られます。
Q3抵当権より国税が優先することはありますか?
あります。法定納期限等以前の抵当権は原則国税に優先しますが(16条)、11条は15条から21条までを明示的に排除するため、公売由来の消費税等には抵当権も劣後します。
Q4国税徴収法11条の消費税等には何が含まれますか?
消費税のほか、酒税・たばこ税・揮発油税などの個別消費税と、これらに係る滞納処分費が含まれます。条文が「その滞納処分費を含む」と明記しています。
Q5配当額に納得できない場合はどうすればよいですか?
配当計算に不服があれば配当期日までに配当異議の申出を行います(国税徴収法133条3項)。処分自体への不服は国税通則法に基づく審査請求を検討します。
Q611条は差押先着手主義より強いのですか?
強いです。条文は12条以下を「かかわらず」と排除し「先立つて徴収する」と定めており、先に差し押さえた国税とも按分せず完全に先取りします。
Q7滞納者の消費税は全部優先されますか?
されません。優先されるのは公売等を基因として発生した消費税等に限られ、しかもその物品の換価代金についてのみです。他の期間の消費税は通常の順位に戻ります。
Q8輸入貨物が公売された場合の内国消費税は誰が負担しますか?
その貨物の換価代金から最優先で充てられます。輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律8条1項が根拠で、担保権者は残額を分け合うことになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1抵当権を先に設定しておけば国税より優先すると聞いたんですが、違うんですか?
原則は正しく、法定納期限等以前に設定された抵当権は国税に優先します(国税徴収法16条)。ただし11条はその15条から21条までを明示的に排除しており、公売等を基因として発生した消費税等については抵当権も劣後します。実務のポイント:金融機関の担保評価実務では、酒類・たばこ・揮発油などの課税物品在庫に対する掛目が他の動産より厳しく設定されることがあります。その根拠の一つがこの条文で、担当者は理由を説明せずに掛目だけ下げていることが多い
Q2この優先って、滞納者の消費税全部が最優先になるってことですか?
違います。優先するのは、その公売・売却・移出を基因として発生した消費税等に限られ、しかもその物品の換価代金についてのみです。同じ滞納者の別の消費税は、通常の優先順位(国税徴収法8条以下)に戻ります。実務のポイント:配当計算でここを混同した処理が出ることがあり、基因物品と換価財産の同一性は配当異議で唯一実効的に争える論点です。配当表を見たら、まず控除項目と対応する物品の突合から始める
Q3なんで公売で出た税だけそんなに特別扱いなんですか?
その税は公売という手続がなければ発生しなかったからです。換価行為が生んだ費用に近い性質を持ち、滞納処分費が優先されるのと同じ発想です(国税徴収法10条)。徴収機関が代金から回収できなければ、公売という手段自体が成り立たなくなります。実務のポイント:この「手続が生んだ債権は手続で生まれた金から取る」という発想は、破産手続の財団債権や執行費用の優先とも通底しており、一つ理解すると他の配当構造も一気に読めるようになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「法定納期限等より前に抵当権を設定しておけば国税に勝てる」というのは15条・16条の話としては正しい。だが11条はその15条から21条までを名指しで「かかわらず」と排除している。抵当権優先のルールを知っている人ほど、この一条の存在を知らずに回収額を過大に見積もる
- 「消費税等が優先するなら、その滞納者の消費税は全部優先するのだろう」と読むのは、条文の射程を取り違えている。優先するのは、その公売・売却・移出を基因として発生した消費税等に限られ、しかもその物品の換価代金についてのみである。同じ滞納者の別の期間の消費税は、通常の順位に戻る
- 債権者の側から見れば「国が横入りしてきた」に見える。だが徴収実務の側から見れば、公売をしなければその税は生まれず、税を代金から取れないなら税務署は公売という手段自体を使えなくなる。この落差を理解していないと、配当異議で通らない主張に時間と費用を注ぎ込むことになる
- 「11条は差押先着手主義(12条)の例外だから、先に差し押さえた国税とは同順位で按分するのだろう」と考える人がいるが、条文は「先立つて徴収する」と書いている。按分ではなく完全な先取りである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 優先の根拠 | 国税徴収法11条:公売等を基因とする消費税等の絶対的優先 | 国税徴収法12条:差押先着手による国税の優先 国税徴収法16条:法定納期限等以前に設定された抵当権の優先 |
| 適用対象となる金銭 | その徴収の基因となった移出・公売・売却に係る物品の換価代金のみ | 差し押さえた財産の換価代金全般 抵当権の目的財産の換価代金 |
| 他の順位規定との関係 | 12条から17条、18条の2第1項、19条から21条を明示的に排除 | 11条により排除される側 11条により排除される側 |
| 争える論点 | 基因物品と換価財産の同一性、11条の射程超過 | 差押えの先後関係、交付要求の時期 抵当権設定日と法定納期限等の先後 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税捐一般の優先を定めるほか、関税法で貨物の変売価金から関税等を優先充当する規定を置き、物品と代金の対応関係を重視する点で日本と発想が近い
韓国も国税優先の原則を置き、法定期日前の担保権との先後で調整するが、換価行為から生じた税の絶対的優先を独立条文で明示する構造は日本ほど明確でない
ドイツは消費税・関税について物品自体が納税義務を担保する物的責任(Sachhaftung)を定め、物と税の結びつきを担保法的に構成する。日本の11条が配当順位の排除で処理するのと手法が異なる
米国は連邦租税リーエンの対抗要件と優先順位を通知の先後で処理し、換価行為から生じた税を絶対優先とする一般規定は置かない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが酒類卸売業者に運転資金を貸し、在庫の酒に譲渡担保を設定した。取引先が破綻し、税務署が在庫を差し押さえて公売にかける。落札代金が入る。ところがその公売により酒税・消費税が新たに発生し、あなたの譲渡担保より先に代金から抜かれる。あなたが計算していた回収見込額は、その分だけ最初から存在していなかった
- もし、保税倉庫に置かれたままの輸入貨物が競売にかけられたら、その関税・内国消費税は誰が負担するのか? 輸入者はもう資力がない。答えは、その貨物の換価代金が最優先で充てられる。担保権者はその残りを分け合う
- あなたが債権者として競売の配当表を受け取り、想定より配当額が少ない。摘要欄に「国税徴収法11条」とある。3文の話だが、意味は重い。あなたの順位計算は初めから一段下だったということだ
- 国税局が差し押さえた製造場から課税物品が移出され、公売された。配当異議の申出期限は配当期日から1週間(国税徴収法133条、170条の不服申立期間も併せて確認が要る)。この短い窓の中で、11条の適用範囲、つまり「その徴収の基因となつた」物品の換価代金なのか、それとも別の財産の代金にまで及んでいるのかを検証しなければならない
- あなたが破綻企業の管財人的立場で財産を換価する側に立ったとき。換価すればするほど消費税等が発生し、それが最優先で持っていかれる構造を理解していないと、一般債権者への配当見込みを説明する場で数字を外す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 配当表を受け取ったら、11条により控除された額と、その基因となった物品を特定する2. 換価された財産と課税の基因となった物品が同一かを検証、別財産の代金にまで及んでいれば争点になる3. 配当計算に不服があれば、配当期日までに配当異議の申出(国税徴収法133条3項)を行う。期限は極めて短い4. 並行して、処分自体への不服は審査請求(国税通則法75条以下、原則として処分を知った日の翌日から3か月)を検討5. 税理士ではなく、滞納処分・徴収実務に通じた弁護士に相談する(税理士は税額計算の専門家、配当順位争いは訴訟実務の領域)
訴えられた側:1. 滞納者の立場であれば、公売により新たな消費税等が発生する構造を理解し、公売前の任意売却や換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)の申請を検討する2. 換価の猶予は申請期限があるため、督促状を受け取った時点で税務署の徴収担当と面談を設定3. 課税物品を保有している場合、公売にかけられると手取りがさらに減るため、自主的な処分による納付の方が総額で有利になるケースがある4. 分割納付計画は資力を示す資料(試算表、預金通帳、売掛金明細)とセットで提出しないと通らない
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。国税の徴収権の消滅時効は法定納期限の翌日から5年(国税通則法72条、偽りその他不正の行為がある場合は7年)。配当異議の申出は配当期日まで(国税徴収法133条3項)、滞納処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(国税通則法77条)。配当をめぐる争いは、この1週間から3か月という短い窓の中でしか動かせない
学説
通説:本条の優先は、強制換価手続そのものが新たに発生させた租税を手続から生じた代金で回収させる趣旨であり、滞納処分費の優先(10条)と同じ手続費用的発想に立つ。したがって優先の射程は基因物品の換価代金に厳格に限定される
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