要点国税徴収法76条は、税金の滞納処分で給料を差し押さえる際、所得税・住民税等・社会保険料・政令が定める生活費相当額・残額の20パーセントの合計までは差し押さえられないと定める。
Q · 税金を滞納して給料を差し押さえられたら、手元にいくら残るんですか?
全額ではない。生活費相当額と残額の20パーセントまでは守られる
国税徴収法76条1項により、給料等からは、源泉所得税相当額、特別徴収される住民税・森林環境税相当額、社会保険料相当額、生活保護法の生活扶助基準を勘案して政令で定める金額(本人と生計を一にする親族分)、そしてこれらを控除した残額の20パーセントの合計額までは差し押さえられません。賞与は支給期間を1か月とみなして計算され(3項)、退職手当等は4項が別の計算式を置きます。ただし5項により、滞納者が承諾した場合はこれらの保護は一切適用されません。
税務署や市役所が給料を差し押さえたとき、手元にいくら残るかを決めているのが本条である。全額持っていかれることはない。源泉所得税、特別徴収される住民税と森林環境税、社会保険料、生活保護の生活扶助基準を勘案して政令が定める金額(本人分と生計を一にする親族分)、さらに残額の20パーセント、この合計までは差し押さえられない。ここで多くの人が足を踏み外す。消費者金融や個人の債権者による差押えなら、民事執行法152条で手取りの4分の3が守られる。だが国税の滞納処分にその条文は働かない。働くのは本条であり、収入が高いほど守られる割合は小さくなる。稼いでいる人ほど、税金の差押えの方が民間の債権者より厳しく削ってくる。そして5項がある。滞納者が承諾すれば、この保護は丸ごと消える。窓口で差し出された一枚に署名した瞬間、法律が用意した最低生活費の壁は自分の手で壊れる。
国税徴収法76条は、滞納処分における給料等の差押禁止範囲を定める規定である。源泉所得税、特別徴収される道府県民税・市町村民税および森林環境税、社会保険料、生活扶助基準を勘案した政令金額、ならびに残額の20パーセントの合計額までを差押えの対象から除外し、賞与および退職手当等については別途の計算方法を置く。
AI 輔助整理,以條文原文為準
税金の滞納処分で給料等を差し押さえるとき、差し押さえてはならない金額の範囲を定める規定です。所得税・住民税等・社会保険料・政令の生活費相当額・残額の20パーセントの合計までが対象外になります。
手取りから政令の生活費相当額を引いた残りの、原則80パーセントが差押えの対象です。収入が高いほど守られる割合は小さくなり、計算は76条1項各号を順に当てはめて機械的に決まります。
差し押さえられます。地方税法331条などが国税徴収法の滞納処分の例によると定めており、市区町村の徴収担当が同じ手続で給与に届きます。差押禁止額の計算も本条によります。
国税徴収法47条1項により、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないと、徴収職員は差押えをしなければならない立場になります。実質的に動ける時間は1週間程度です。
伝わります。給与差押えは勤務先を第三債務者として差押通知書を送る仕組みのため、経理・人事が必ず知ることになります。会社は法律上の義務として残額を徴収職員に引き渡します。
国税徴収法151条の2などに基づき、財産の換価(差押財産の売却・取立て)を一定期間猶予する制度です。事業継続や生活維持が困難であることを資料で示し、分割納付計画とあわせて申請します。
対象です。76条3項により賞与は支給期間を1か月とみなして計算されるため、守られる枠は月給のときと同じ幅にとどまります。まとまった額が入る月ほど差し押さえられる額は大きくなります。
可能性はあります。生活が維持できないことを家賃・医療費・扶養状況の資料で具体的に示せば、換価の猶予(151条の2)や差押えの解除(79条2項)に持ち込める余地があります。窮状の訴えではなく数字で示す申請が要です。
全部ではない。76条1項により、源泉所得税・住民税等・社会保険料に加え、政令で定める生活費相当額(国税徴収法施行令34条。本人分と生計を一にする親族1人あたりの月額が定められている)と、残額の20パーセントまでは差押えできない(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:差押えの効力は完納まで以後の給料にも継続して及ぶ(同66条)。一回きりの出来事だと思って放置すると、毎月削られ続ける
断れる。5項は「滞納者の承諾があるときは適用しない」と定めているだけで、承諾する義務はどこにもない。署名すれば1項・2項・4項の保護がすべて外れ、理論上は全額が差押えの対象になる。業界裏話ヒント:この承諾は分割納付誓約書と一体の書式になっていることがある。署名前に全文を読み、差押禁止額の適用を受けない旨の文言がないかを確認する。ここを読み飛ばす人が最も多い
逆である。給料が預金になると差押禁止の属性は原則として承継されないというのが最高裁の立場(最判平成10.2.10)。ただし振込直後で給料と識別できる事案で差押えを違法とした下級審裁判例もあり(広島高裁松江支部 平成25.11.27)、実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:争う可能性を残すには、入金日と金額が給料と一致することを示す記録を早い段階で確保しておくことが要になる
対象になる。76条4項で守られるのは、退職所得の源泉所得税相当額、住民税・社会保険料相当額、政令金額の3倍、そして勤続5年を超える年数1年につきその3倍額の20パーセントである。勤続20年・単身なら守られるのは百数十万円程度にとどまる。業界裏話ヒント:退職金は一度に大きな額が動くため、滞納整理では優先的に狙われる。退職前に猶予や分割の合意を整えた方が、退職後に交渉するより手元に残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文と適用場面 | 国税徴収法76条:税・社会保険料の滞納処分(行政の自力執行) | — |
| 守られる金額の決まり方 | 税・社会保険料相当額+政令の生活費相当額+残額の20パーセントの積み上げ | — |
| 高収入者への効き方 | 収入が高いほど守られる割合が小さくなる(残額の20パーセントが可変枠) | — |
| 本人の承諾・裁判所の関与 | 5項により滞納者の承諾があれば保護は全部適用されない。裁判所の関与なし | — |
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