給料若しくは年金又はこれらに類する継続収入の債権の差押の効力は、徴収すべき国税の額を限度として、差押後に収入すべき金額に及ぶ。
要点国税徴収法 66 条は、給料や年金など継続収入の債権への差押えの効力が、徴収すべき国税の額を限度として差押後に収入すべき金額にも及ぶと定める。完済まで毎月取り立てが続く。
Q · 給料を差し押さえられたら、それは今月だけの話ですか?
いいえ。完済か解除まで、毎月続きます。
国税徴収法 66 条により、給料や年金など継続収入の債権への差押えの効力は、徴収すべき国税の額を限度として、差押後に収入すべき金額にも及びます。つまり一度差し押さえられれば、税務署が毎月手続をやり直さなくても、完済または差押えの解除まで自動的に天引きと国への納付が続きます。しかも国税の場合、督促状を発した日から 10 日を経過すれば裁判所の手続を経ずに差押えができます(47 条 1 項 1 号)。手元に残る額は 76 条の差押禁止額により確保され、151 条の 2 の換価の猶予によって取立てが緩和される余地があります。
差押えと聞いて浮かぶのは、通帳の残高を一度に持っていかれる場面だろう。給料の場合はそれと違う。66条は、一度の差押えの効力が「差押後に収入すべき金額」、つまり来月も再来月も、まだ発生していない給料に及ぶと定めている。限度は徴収すべき国税の額。完済するまで、毎月自動的に削られ続ける。しかも税務署は判決も裁判所の差押命令も必要としない(国税徴収法47条、督促状を発した日から10日を経過すれば差押えができる)。民間の債権者が訴訟と執行手続を経てようやく手にする権利を、税務署は督促状一枚で持っている。そして差押通知は勤務先に届く。会社の経理はあなたの給料から法定の額を天引きして国に納める作業を、毎月続けることになる。滞納が職場に知られるのは、この効力が生む副作用である。
国税徴収法 66 条は、継続収入の債権に対する差押えの効力範囲を定める規定である。給料、年金その他これらに類する継続的な給付を目的とする債権が差し押さえられた場合、その効力は徴収すべき国税の額を限度として、差押後に収入すべき金額にも及ぶ。給付のたびに手続を繰り返す必要がなく、一回の差押処分で将来の給付分まで捕捉される点に特徴がある。
給料、年金、地代家賃など、同一の法律関係から反復・継続して発生する債権をいいます。国税徴収法 66 条は、この種の債権を差し押さえた効力が差押後の給付分にも及ぶと定めています。
知られます。債権差押通知書は第三債務者である勤務先に送達され、経理が毎月の天引きと国への納付を行うことになります(67 条)。本人への通知だけで完結する仕組みではありません。
賞与も給料等として差押えの対象になります。差押禁止額の計算方法は国税徴収法 76 条が定めており、月々の給料とは別枠の計算がされます。手取り全額が残るわけではありません。
できます。地方税法は滞納処分について国税徴収法の例によると定めており、住民税や国民健康保険料でも 66 条と同じ継続的な差押えの効力が働きます。執行するのは市区町村です。
徴収すべき国税を完済するか、差押えが解除されるまで続きます。66 条は限度を「徴収すべき国税の額」としているため、限度に達すれば効力は尽きます。期間そのものの上限はありません。
督促状が送達され、その発した日から 10 日を経過すると差押えが可能になります(47 条 1 項 1 号)。裁判所の手続は不要で、10 日経過後は個別の事前予告なく執行されることがあります。
税の滞納処分は民間の債務ではないため、信用情報機関の事故情報として登録される仕組みではありません。ただし勤務先に通知が届くため、職場に事実が知られる影響は避けられません。
第三債務者である勤務先が、天引きした額を国へ直接納付します(67 条)。会社が支払いを拒めば会社自身が取立ての相手方になるため、独断で保留することはできません。
全部ではない。国税徴収法76条が差押禁止額を定めており、源泉所得税・住民税・社会保険料に加え、滞納者本人分、生計を一にする親族の人数分、さらに残額の一定割合が手元に残る(具体的な金額と割合は最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:親族の人数は税務署が把握している資料をもとに計算される。実際に生計を一にしている親族が届出より多いなら、その事実を申し出るだけで毎月残る額が増える。向こうからは教えてくれない
前の勤務先に対する差押えの効力は、その勤務先に支払義務のある給料にしか及ばない。退職すれば以後の分は取られなくなる。ただし滞納自体は残り、税務署が新しい勤務先を把握すれば改めて差押えがされる。業界裏話ヒント:税務署は源泉徴収や社会保険の届出から新勤務先を把握できる。逃げ切りを狙うより、勤務先が変わる空白期間に猶予申請を持ち込む方が現実的で、実務でもその時期の相談は結論が変わりやすい
厚生年金保険法41条、国民年金法24条は受給権の差押えを禁じているが、いずれも国税滞納処分の場合を除くと明記している。税の滞納だけが例外である。もっとも国税徴収法77条により76条が準用され、生活に必要な額は差押えの対象外となる。業界裏話ヒント:年金が口座に振り込まれた後の預金差押えについては、原則として可能とされる一方、振込直後で年金由来と特定できる場合に違法とした裁判例もあり、実務上、解釈が分かれている。争う余地のある論点である
ある。換価の猶予(151条の2)を申請すれば原則1年以内の分割納付に切り替わり、必要がないと認められる財産の差押えは解除されうる(152条)。ほかに納税の猶予(国税通則法46条)もある。業界裏話ヒント:窓口で「払えません」と言うだけでは何も動かない。収支の分かる家計表と、毎月いくらなら確実に払えるかの数字を持参する。担当者が上に上げやすい資料があるかどうかで、同じ収入でも結論が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律している対象 | 66 条:差押えの効力が及ぶ範囲(差押後に収入すべき金額まで及ぶ) | — |
| 効いてくるタイミング | 差押え後、毎月の給付が発生するたびに自動で作動 | — |
| 滞納者側の主な争点 | 限度額(徴収すべき国税の額)に達しているか、解除の要件を満たすか | — |
| 緩和手段との関係 | 151 条の 2 の換価の猶予・152 条の差押解除で取立てが緩和されうる | — |
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