要点国税徴収法 77 条は、老齢年金や普通恩給などを給料等とみなし、退職一時金や一時恩給を退職手当等とみなして、76 条の差押禁止枠を適用する。障害年金と遺族年金は対象外。
Q · 年金って差し押えられないんじゃないの?税金を滞納したらどうなる?
老齢年金は国税だけ差押可、生活費相当額は守られる
国民年金法 24 条・厚生年金保険法 41 条は年金受給権の差押えを禁じていますが、国税滞納処分はその例外です。そのうえで国税徴収法 77 条が、退職年金・老齢年金・普通恩給・休業手当金を給料等とみなし、退職一時金・一時恩給を退職手当等とみなして、76 条の差押禁止枠をそのまま適用します。源泉税・社会保険料の相当額、本人と生計を一にする親族の生活費相当額、残額の一定割合は差押えの対象外です。障害年金・遺族年金は例外の対象外であり、滞納処分でも差し押えられません。
年金は差し押えられない、と聞いたことがあるだろう。半分だけ正しい。国民年金法 24 条も厚生年金保険法 41 条も受給権の差押えを禁じているが、どちらの条文にも「国税滞納処分の場合を除く」というただし書きが付いている。消費者金融も家賃の未払いもあなたの年金には届かない。税金だけが届く。ではどこまで届くのか、その線を引くのが国税徴収法 77 条だ。本条は、退職年金・老齢年金・普通恩給・休業手当金を「給料等」とみなし、退職一時金・一時恩給を「退職手当等」とみなして、76 条の差押禁止枠をそのまま持ち込む。つまり源泉税・住民税・社会保険料の相当額、あなたと生計を一にする親族の最低生活費、さらに残額の一定割合が法律上守られる。確定給付企業年金や確定拠出年金(企業型のほか、73 条の準用により個人型、いわゆる iDeCo の老齢給付年金も含む)まで射程に入っている点は、受給者本人にもほとんど知られていない。
国税徴収法 77 条は、社会保険制度に基づき支給される退職年金、老齢年金、普通恩給、休業手当金及びこれらの性質を有する給付に係る債権を給料等とみなし、退職一時金、一時恩給及びこれらの性質を有する給付に係る債権を退職手当等とみなして、同法 76 条の差押禁止規定を適用する規定である。確定給付企業年金法及び確定拠出年金法に基づく給付も含まれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
法律で差押えが禁じられた債権のことです。給料等や年金がこれにあたり、国税徴収法 76 条・77 条が生活費相当額などを差押えの対象から外しています。
納期限から 6 か月以内なら申請による換価の猶予(国税徴収法 151 条の 2)、生活が困窮しているなら滞納処分の停止(同法 153 条)を求められます。差押え前に動くほど選択肢が残ります。
差し押えられません。国民年金法 24 条・厚生年金保険法 41 条の差押禁止が解除されるのは国税滞納処分の場合ですが、その対象は老齢給付に限られ、障害年金と遺族年金は税務署でも対象外です。
対象です。77 条 2 項が社会保険制度として厚生年金保険法、船員保険法、国民年金法、恩給法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法を列挙しています。
国税徴収法 76 条には、滞納者本人の承諾があれば差押禁止の枠を超えて差し押えられる仕組みがあります。署名は自由意思であり、その場で即答せず内容を確認してから判断すべきです。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に、再調査の請求または審査請求をする必要があります(国税通則法 77 条)。通知を開封しなかった期間も進行します。
違います。普通恩給は給料等、一時恩給は退職手当等とみなされ、それぞれ国税徴収法 76 条の別の計算式で差押禁止額が決まります。受給形態によって守られる額が変わります。
関係します。本人と生計を一にする親族の人数に応じて生活費相当額が加算されます(基準額は政令で規定)。自己申告しないと反映されないため、住民票や送金記録の提出が重要です。
国民年金法 24 条も厚生年金保険法 41 条も受給権の差押えを禁じていますが、条文にただし書きがあり、国税滞納処分の場合は禁止が解除されます。そのうえで、どこまで取れるかを国税徴収法 77 条が 76 条の枠に接続して制限しています。業界裏話ヒント:その解除の対象は老齢給付に限られています。障害年金・遺族年金は税務署でも差し押えられません。年金証書の給付名を先に確認するかどうかで、交渉の出発点がまったく変わります
口座に入った時点で預金債権に変わるため、原則として 77 条の差押禁止は及びません。ただし振込直後を狙って全額を差し押えた事案で、実質は差押禁止債権の差押えだとして違法と判断した裁判例があります。業界裏話ヒント:争えるかどうかは、振込日と差押日が接近していること、その口座に年金以外の入金がほとんどないことを取引明細で示せるかで決まります。通帳をまとめて記帳しておくだけで、後の主張の説得力が変わります
国税徴収法 76 条の枠が 77 条でそのまま年金に適用され、源泉税・住民税・社会保険料の相当額に加え、本人と生計を一にする親族の人数に応じた生活費相当額(政令で基準額が定められています)、さらに残額の一定割合が守られます(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:この親族の人数は自己申告しないと反映されません。別居していても仕送りで生計を一にしていれば算入され得るので、送金記録を出すかどうかで守られる額が毎月変わります
関係します。77 条は確定給付企業年金法 38 条、確定拠出年金法 35 条(同法 73 条により個人型に準用される場合を含む)の給付を明文で取り込んでおり、年金形式なら給料等、一時金形式なら退職手当等としてみなされます。業界裏話ヒント:年金で受け取るか一時金で受け取るかによって適用される計算式が変わります。受給方法を選べる段階で滞納を抱えているなら、税務面だけでなく差押禁止枠の観点からも比較する価値があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 77 条:年金・恩給等の債権(給料等・退職手当等とみなす) | — |
| 保護の仕組み | みなし規定により 76 条の計算式を年金に接続する | — |
| 本人の承諾による解除 | 76 条の仕組みが準用されるため、承諾により枠を超えた差押えが可能 | — |
| 受給形態による差 | 年金形式は給料等、一時金形式は退職手当等として別の計算式 | — |
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