要点国税徴収法 35 条は、滞納者が株主である同族会社の株式が換価できない場合、その株式の価額を限度に会社が第二次納税義務を負うと定める。法定納期限の 1 年以上前に取得した株式は対象外。
Q · 社長個人の税金の滞納で、会社に納付通知書が届くことってあるんですか?
原則は会社に責任なし。35 条の要件を満たす場合だけ会社が負う
あります。国税徴収法 35 条は、滞納者が判定の基礎となる株主等である同族会社について、その株式又は出資が再度の換価でも買受人がないか、譲渡制限・株券不発行により譲渡に支障があり、かつ滞納者の他の財産に滞納処分を執行してもなお不足する場合に、株式又は出資の価額を限度として会社に第二次納税義務を負わせます。限度額は納付通知書を発する時の純資産を株式数で除した額が基礎となり(同条 2 項)、当該国税の法定納期限の 1 年以上前に取得された株式は対象から除かれます。
税務署が差し押さえに来る相手は、滞納した本人だけとは限らない。国税徴収法35条は、同族会社のオーナーが個人の税金を滞納し、その持ち株を差し押さえても換金できないとき、会社本体に納税義務を移す。非上場の同族会社の株は、公売にかけても買い手がつかない。定款に譲渡制限があり、株券も発行されていない。だから徴収官は株ではなく、会社の預金や売掛金を取りに行く。ここであなたが握るべき条件が二つある。一つ、責任の上限は株式の価額、つまり納付通知書を発する時の純資産を株数で割った額まで。二つ、法定納期限の1年以上前に取得した株式は対象から外れる。創業時から株を持ち続けているオーナーなら、この条文は会社まで届かない。逆に、滞納が固まる直前に株を買い足していたら、そこが突破口になる。
国税徴収法 35 条は、同族会社の第二次納税義務を定める規定である。滞納者が判定の基礎となる株主又は社員である同族会社の株式又は出資について、再度の換価でも買受人がないこと、又は譲渡制限・株券不発行により譲渡に支障があることのいずれかがあり、かつ滞納者の他の財産への滞納処分によってもなお徴収不足が認められる場合に、当該株式又は出資の価額を限度として、その会社が納税義務を負う。
本来の納税者が滞納し、その財産に滞納処分を執行してもなお不足する場合に、一定の関係者が補充的に納税義務を負う制度です。国税徴収法 32 条以下に類型が並び、35 条は同族会社の類型にあたります。
納付通知書は第二次納税義務を負わせる処分で、国税徴収法 32 条 1 項に基づき限度額を示して発せられます。納税告知書は本来の納税者に納付を求めるもので、名宛人も争う対象も異なります。
できます。納付通知書は行政処分なので、処分を知った日の翌日から 3 か月以内に再調査の請求又は審査請求ができます(国税通則法 77 条)。この期限を過ぎると処分自体を争えなくなります。
生じ得ます。35 条は「株式又は出資」と規定しており、同族会社に該当すれば持分会社の出資も対象です。定款上の譲渡制限があることが通常で、1 項 2 号の要件を満たしやすい類型です。
納付通知書を発する時における会社の資産総額から負債総額を控除し、株式又は出資の数で除した額を基礎に計算します(35 条 2 項)。決算書の簿価ではなく、基準日の現況が問題になります。
公売等の換価手続を二度実施しても買受人が現れない状態を指します(35 条 1 項 1 号)。非上場の同族会社株では現実に起こりやすく、この事実自体が会社への請求の根拠になります。
35 条固有の期間制限はありません。もっとも国税の徴収権は法定納期限から原則 5 年で時効消滅し(国税通則法 72 条)、第二次納税義務もこれに服すると解されています。
35 条は滞納者が株主である同族会社に、株式の価額を限度として義務を課します。39 条は滞納者から無償又は著しく低い額で財産を譲り受けた者に、受けた利益の限度で義務を課す規定です。
社長個人の非上場株を差し押さえても買い手がつかず換金できないからである。国税徴収法35条はその場合に限り、株式の価額を上限として会社本体へ納税義務を移す。上限は純資産を株数で割った額(同条2項)で、青天井ではない。業界裏話ヒント:徴収官はこの条文を使う前に「本人の他の財産では足りない」という認定を要する。本人の預金・不動産・保険の調査が尽くされていない事例は実在し、そこが最初の反撃点になる
原則として対象外である。35条1項は、当該滞納に係る国税の法定納期限の1年以上前に取得した株式を明文で除いている。創業時の取得なら滞納発生のはるか前であり、要件を満たさない。業界裏話ヒント:問題は増資や名義変更で取得日が新しくなっている部分。事業承継対策で直前に持株を動かしていると、その分だけ対象になる。株主名簿の異動履歴を自分で先に洗っておくこと
法人税法2条10号の定義を借りている。上位3人以下の株主グループ(親族などの特殊関係者を含む)で発行済株式の50パーセント超を保有すれば同族会社である。判定時点は納付通知書を発する時の現況(35条3項)で、過去の状態ではない。業界裏話ヒント:通知時が基準ということは株主構成の変化で結論も変わりうるが、通知が出た後に慌てて株を動かせば滞納処分免脱を疑われる。動かすなら理由と時期の記録が必須
実務上、第二次納税義務者が納付した分は本来の納税者に求償できると解されている。回収せず放置すると、税務上は役員への給与や贈与と認定されるリスクがあり、取締役の責任も問題になる。業界裏話ヒント:本人に資力がないからこそ35条が使われている以上、求償しても回収できないのが通常である。それでも取締役会決議と請求書だけは残す。後の税務調査で「なぜ請求していないのか」と問われたときの唯一の防壁になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 35 条:滞納者を株主等とする同族会社(法人本体) | — |
| 責任の上限 | 株式又は出資の価額(35 条 2 項の純資産方式) | — |
| 発動の前提 | 換価不能(1 号)又は譲渡の支障(2 号)+本人財産で不足 | — |
| 主な争点 | 株式の取得時期と基準日純資産の評価 | — |
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