国税徴収法 第32条(第二次納税義務の通則)
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- 税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限その他必要な事項を記載した納付通知書により告知しなければならない。この場合においては、その者の住所又は居所の所在地を所轄する税務署長に対しその旨を通知しなければならない。
- 2.第二次納税義務者がその国税を前項の納付の期限までに完納しないときは、税務署長は、次項において準用する国税通則法第三十八条第一項及び第二項(繰上請求)の規定による請求をする場合を除き、納付催告書によりその納付を督促しなければならない。この場合においては、その納付催告書は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その納付の期限から五十日以内に発するものとする。
- 3.国税通則法第三十八条第一項及び第二項、同法第四章第一節(納税の猶予)並びに同法第五十五条(納付委託)の規定は、第一項の場合について準用する。
- 4.第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き、第一項の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことができない。
- 5.この章の規定は、第二次納税義務者から第一項の納税者に対してする求償権の行使を妨げない。
この条文の基本情報
第二次納税義務の通則とは何ですか?
定義第二次納税義務の通則とは、国税徴収法第32条に定められた規定で、「税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限その他必要な事項を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第32条(第二次納税義務の通則)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第32条の条文原文は「税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限その他必要な事項を…」で始まります。
- 国税徴収法第32条は第三章に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第32条の前の条は国税徴収法第27〜31条です。
- 国税徴収法第32条の次の条は国税徴収法第33条です。
- 国税徴収法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法32条は、第二次納税義務者から国税を徴収する際、税務署長が納付通知書で告知しなければならないと定める。換価は原則として本来の納税者の財産の換価後に限られる。
Q · 自分は滞納していないのに納付通知書が届いた。払わないといけないの?
告知は行政処分。3か月以内なら不服申立てで争える
国税徴収法32条1項により、税務署長は第二次納税義務者に対し納付通知書で告知します。これは行政処分なので、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求ができます(国税通則法77条1項)。争点は「自分が滞納したか」ではなく「同法33条から41条のどの類型に当たるか」「限度額はいくらか」です。4項により換価は本来の納税者の財産を換価した後ですが、差押えは先に来ます。納付した分は5項の求償権で本来の納税者に請求できます。
解説
税務署から届いた封筒に、自分が申告した覚えのない税額が書いてある。宛名はあなた、金額は他人の滞納税。これが国税徴収法32条1項の納付通知書による告知である。第二次納税義務とは、本来の納税者から取り切れないとき、その財産を無償で受け取った人、同族会社、事業を譲り受けた親族などに肩代わりさせる制度だ。押さえるべきは三点ある。第一に、この告知は行政処分であり、処分を知った日の翌日から3か月以内に不服申立てができる(国税通則法77条)。第二に、4項の補充性。本来の納税者の財産を換価した後でなければ、あなたの財産は換価できない。ただし差押えは先に来る。第三に、5項の求償権。払った分は本来の納税者に請求できる。この通知を「もう決まったこと」と読むか、「反撃の起点」と読むかで、その後の数百万円が変わる。
法的な位置づけ
国税徴収法32条は、第二次納税義務の徴収手続に関する通則規定である。税務署長が第二次納税義務者から国税を徴収する際の納付通知書による告知、納付催告書による督促、換価の補充性、および求償権の留保を定め、同法33条から41条の各類型に共通する手続の枠組みを構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.納付通知書の記載を分解する 通知書から、根拠となる類型(国税徴収法33条から41条のどれか)、限度額、本来の納税者、納付の期限を抜き出す。類型と限度額の算定根拠は開示を求める
- 2.限度額の算定根拠を検証する 不動産や非上場株式が対象なら、税務署の評価が過大でないかを検証する。不動産鑑定士や税理士の意見書で限度額が下がる余地がある
- 3.3か月以内に不服申立てを行う 処分を知った日の翌日から3か月以内に、再調査の請求または審査請求を行う(国税通則法77条1項)。申立てにより裁決等まで換価が原則停止する(同法105条1項ただし書)
- 4.上流の課税処分も検討する 最高裁平成18年1月19日判決により、第二次納税義務者は本来の納税者への課税処分自体を争う適格を持つ。自分宛ての告知だけでなく上流の課税の当否も検討する
- 5.納付前に求償権の実効性を確認する 納付を選ぶ場合、5項の求償権が絵に描いた餅にならないか、本来の納税者の資産状況と破産手続の有無を先に調べ、必要なら担保設定など保全を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1第二次納税義務とは何ですか?
本来の納税者から国税を徴収できないとき、無償譲受人・同族会社・事業譲受人など一定の関係者に補充的に納付義務を負わせる制度です。国税徴収法33条から41条に類型が定められています。
Q2納付通知書と納税告知書は違いますか?
納付通知書は国税徴収法32条1項に基づき第二次納税義務者に発せられる告知文書です。本来の納税者に対する納税の告知とは名宛人も根拠条文も異なります。
Q3納付通知書に不服がある場合はどうすればいいですか?
納付通知書は行政処分なので、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求ができます(国税通則法77条1項)。期限を過ぎると正面から争えなくなります。
Q4第二次納税義務の限度額はどう決まりますか?
類型ごとに異なります。無償譲受人(39条)は受けた利益の限度、同族会社(35条)は株式等の価額の限度、事業譲受人(38条)は譲受財産の限度です。通知書に金額が記載されます。
Q5納付催告書はいつ届きますか?
納付の期限までに完納しないとき、原則としてその期限から50日以内に発せられます(32条2項)。督促と同じ効果を持ち、その後は差押えの段階に進みます。
Q6第二次納税義務者の財産はすぐ公売されますか?
されません。4項により、本来の納税者の財産を換価に付した後でなければ換価できません。ただし差押え自体は告知後に行われ得ます。
Q7払った税金は取り戻せますか?
5項により本来の納税者に対する求償権の行使は妨げられません。ただし本来の納税者が無資力なら事実上回収困難なので、納付前に資産状況の確認が必要です。
Q8第二次納税義務は地方税にもありますか?
あります。地方税法11条以下に同様の通則が置かれ、国税徴収法と並行する構造で地方団体の徴収金についても第二次納税義務が定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1もらった家の分だけ払えばいいんですか、それとも滞納額の全部ですか?
類型ごとに限度が決まっています。国税徴収法39条の無償譲受人なら受けた利益の限度、35条の同族会社なら株式等の価額の限度で、通知書にもその金額が記載されます。実務のポイント:限度額は譲渡時の評価が基礎になるため、不動産で税務署の評価が過大なケースは実際にあります。不動産鑑定士の意見書一通で限度額が下がることがあるので、算定根拠は必ず開示を求めてください
Q2本来の滞納者が破産したら、私の第二次納税義務も消えますか?
消えません。むしろ本来の納税者から徴収できないことが発動の前提なので、破産は追及を後押しする方向に働きます。実務のポイント:問題はその後です。破産されると32条5項の求償権も事実上回収不能になります。納付する前に破産手続開始の時期を確認し、開始前であれば担保設定など求償権の保全を先に打っておくかどうかで、最終的な自己負担が丸ごと変わります
Q3無視して払わなかったら、どうなりますか?
納付期限から50日以内に納付催告書が発せられ(32条2項)、これが督促と同じ役割を果たします。その後は差押えの段階に進みます。実務のポイント:この50日は訓示的な期間と解されており、過ぎて発せられた催告書も無効ではないというのが実務の扱いです。「50日を過ぎたから無効だ」という主張に時間を使うより、類型該当性と限度額で争うほうが実益があります
Q4税務署の人に「払ってもらうしかない」と言われたら、もう決まりですか?
決まりではありません。納付通知書は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、不服申立ての対象です。最高裁平成18年1月19日判決は、第二次納税義務者が本来の納税者への課税処分自体を争う適格も認めました。実務のポイント:徴収の担当者は徴収の専門であって、課税処分の当否は所管外です。上流の課税に問題があるケースほど、窓口の会話には最後まで出てきません
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分は滞納していないのに、なぜ払う義務があるのか」という問いの立て方そのものがずれている。第二次納税義務はあなた自身の納税義務ではなく、他人の納税義務の徴収を、あなたの財産にまで及ぼす仕組みだ。だから争点は「自分が滞納したか」ではなく、「国税徴収法33条から41条のどの類型に当たるか」「限度額はいくらか」になる。問いを立て直さないと、税務署の窓口で永遠にすれ違う
- 補充性(4項)があるから本来の納税者から取り切るまで自分は安全、という理解は半分しか届いていない。制限されているのは換価であって、差押えではない。告知の直後に預金や不動産が押さえられ、使えない状態が本来の納税者の財産処分が終わるまで何年も続くことがある。「まだ換価されていない」と「まだ何も起きていない」は全く違う
- あなたから見れば、もらった不動産や譲り受けた事業はすでに自分の物である。法律から見れば、それは本来滞納税の引当てになるはずだった財産が移動したものにすぎない。この落差が、贈与や譲渡から何年も経った後、納付通知書という形で戻ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 32条:第二次納税義務の徴収手続の通則(告知・督促・換価順序・求償) | 39条:無償譲受人等の類型(成立要件) 35条:同族会社の類型(成立要件) |
| 限度額 | 32条自体は限度を定めない。各類型の限度を通知書に記載 | 受けた利益の限度 株式等または出資の価額の限度 |
| 手続上の効果 | 納付通知書による告知+納付催告書(期限から50日以内) | 32条の告知手続に乗る 32条の告知手続に乗る |
| 争い方 | 告知の形式・換価順序(4項)違反を争う | 無償譲渡の該当性・利益の額を争う 同族会社該当性・株式評価額を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は日本のような包括的な第二次納税義務の章を持たず、遺囑執行人・清算人・合併存続法人などの納税義務承継と、行政執行法上の義務者拡張で対応する。無償譲受人型の追及は詐害行為取消や実質課税で処理される傾向がある
韓国は国税基本法に第二次納税義務を置き、清算人、出資者、法人、事業譲受人の4類型を規定する。日本の国税徴収法と類似の構造だが、根拠法が通則法側にある点が異なる
ドイツは租税通則法上の Haftung(責任)として構成し、責任告知書(Haftungsbescheid)により追及する。裁量性が明示され、責任の順序(Subsidiarität)も § 219に規定される
米国は譲受人責任(transferee liability)として、州法上の詐害譲渡法理を連邦の徴収手続に取り込む構造。手続は通知(notice of liability)+租税裁判所での争訟という流れになる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、生前贈与で父から受け取ったマンションが、父の未納だった消費税と紐づいていたとしたら? 納付通知書はあなたに届く。国税徴収法39条の無償譲受人として、受けた利益の限度で支払義務を負う。争える窓は、処分を知った日の翌日から3か月だけ。それを過ぎると、類型該当性も限度額も、もう正面からは崩せない
- あなたは個人の所得税を滞納していて、資産の大半は自分が経営する会社の株式。税務署がその株を差し押さえても、非上場株には買い手がつかない。そのとき納付通知書は会社宛てに出る(同法35条)。従業員の給与が回っている会社の口座から、経営者個人の税金が引かれていく
- 事業を丸ごと譲り受けた。譲渡人は義理の兄だった。半年後、譲渡人の滞納分について納付通知書が届く(同法38条)
- 友人から「税務署から知らない税金の通知が来た、放っておいていいか」と相談された。放置すれば納付期限から50日以内に納付催告書が発せられ、督促と同じ効果が生じる。そこから差押えの段階に進む。あなたが三分で説明できるかどうかで、その友人の預金口座の運命が変わる
- 納付催告書が届いた。だが、あなたの自宅はまだ公売にかけられない。本来の納税者の財産を換価に付した後でなければ換価できないという順序が4項にあるからだ。税務署がこの順序を飛ばして公売に進んだ場合、それ自体が違法主張の材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の記載を分解:国税徴収法33条から41条のどの類型か、限度額はいくらか、本来の納税者は誰か。2. 処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法77条1項)。申し立てれば裁決まで換価が原則停止する(同法105条1項ただし書)。3. 最高裁平成18年1月19日判決により、本来の納税者への課税処分自体も争える。上流と下流の両方を検討する。4. 納付する判断をするなら、その前に本来の納税者の資産状況と破産の有無を調べ、5項の求償権が絵に描いた餅にならないか確認する
訴えられた側:1. 自分の滞納がどこへ飛ぶかを先に把握する:直近の無償譲渡(39条)、保有する同族会社の株式(35条)、親族への事業譲渡(38条)。2. 家族名義への財産移転は解決策ではなく最悪手。移した先に納付通知書が飛び、詐害行為取消(民法424条)や滞納処分免脱罪(国税徴収法187条)の射程にも入る。3. 納税の猶予(国税通則法46条)や申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)を先に使い、第二次納税義務の発動条件である徴収不足の状態を作らないことが、最も確実な防御になる
時効(請求できる期限):第二次納税義務そのものに固有の消滅時効はない。第一の期限は納付通知書に記載された納付の期限(国税徴収法施行令11条により、原則として告知書を発する日の翌日から起算して1月を経過する日。最新の改正状況をご確認ください)。不服申立ては処分を知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条1項)、取消訴訟は裁決を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。土台となる国税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(国税通則法72条)
学説
通説:第二次納税義務は、本来の納税者の租税債務に対する補充的・付従的な義務であり、独立の課税処分ではなく徴収手続上の制度と解される。したがって争点は納税義務の成立ではなく、類型該当性と限度額の算定に集約される
実務上の理解:32条2項の50日は訓示的期間であり、経過後に発せられた納付催告書も無効ではないとされる。他方4項の補充性は換価にのみ及び、差押えを制限しないという理解が定着している
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年) 現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の制定に伴い、第二次納税義務の通則として設けられた。以後の改正回数および内容(準用する国税通則法の条番号変更を含む)は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の制定に伴い、第二次納税義務の徴収手続に関する通則として設けられた。以後の改正回数および内容(準用する国税通則法の条番号変更を含む)は人的検証が必要
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