滞納者の国税につき滞納処分の執行(租税条約等(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第二条第二号(定義)に規定する租税条約等をいう。)の規定に基づく当該租税条約等の相手国等(同条第三号に規定する相手国等をいう。)に対する共助対象国税(同法第十一条の二第一項(国税の徴収の共助)に規定する共助対象国税をいう。)の徴収の共助(第百五十三条第一項第一号(滞納処分の停止の要件等)並びに第百八十七条第一項及び第二項(罰則)において「租税条約等の相手国等に対する共助対象国税の徴収の共助」という。)の要請をした場合には、当該要請による徴収を含む。)をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該国税の法定納期限の一年前の日以後に、滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免れた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他滞納者と特殊な関係のある個人又は同族会社(これに類する法人を含む。)で政令で定めるもの(第五十八条第一項(第三者が占有する動産等の差押手続)及び第百四十二条第二項第二号(捜索の権限及び方法)において「親族その他の特殊関係者」という。)であるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
要点国税徴収法 39 条は、滞納処分をしてもなお徴収額に不足が生じ、その原因が法定納期限の 1 年前の日以後の無償譲渡や著しい低額譲渡にある場合、財産を受け取った者に第二次納税義務を課す規定である。
Q · 父から実家をもらっただけなのに、父の滞納税を私が払わされることはあるんですか?
あり得る。自分が滞納していなくても対象になる
国税徴収法 39 条により、滞納者本人の財産に滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足し、その不足が主たる国税の法定納期限の 1 年前の日以後に行われた無償譲渡、著しく低い額の対価による譲渡、債務免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、財産を受け取った側が第二次納税義務を負います。自分が滞納していなくても、滞納の事実を知らなくても対象になります。責任範囲は原則として受けた利益が現に存する限度ですが、親族その他の特殊関係者に当たる場合は受けた利益の限度となり、使い切っていても責任は残ります。
税務署が差し押さえられるのは滞納した本人の財産だけ、多くの人はそう信じている。国税徴収法39条は、その常識に穴を開ける条文である。滞納者の財産に滞納処分を執行してもなお税額に足りず、その不足の原因が「法定納期限の1年前の日以後」に行われた無償譲渡、著しく低い額の対価による譲渡、債務免除など第三者に利益を与える処分にあると認められれば、財産を受け取った側が第二次納税義務を負う。あなたが滞納したかは問われない。相手が税金から逃げようとしていたと知っていたかも問われない。さらに落差が大きいのは責任の範囲だ。赤の他人なら「受けた利益が現に存する限度」、つまり使い切っていれば残額ゼロで済む。ところが親族その他の特殊関係者と判定されると「受けた利益の限度」に跳ね上がり、使ってしまっていても払う。同じ一台の車、同じ一筆の土地でも、続柄ひとつで結論が反転する。
国税徴収法 39 条は、無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務を定める規定である。滞納処分を執行してもなお徴収額に不足し、その不足が法定納期限の 1 年前の日以後の無償譲渡、著しく低い額の対価による譲渡、債務免除等に基因するとき、権利を取得し又は義務を免れた者が責任を負う。範囲は原則現存利益の限度、親族その他の特殊関係者は受けた利益の限度である。
本来の納税者から徴収できないとき、一定の関係にある者に補充的に納税義務を負わせる制度です。国税徴収法 32 条以下が手続を、39 条が無償・低額譲受人の類型を定めます。
無償譲渡、著しく低い額の対価による譲渡、債務の免除、その他第三者に利益を与える処分です。担保の目的でする譲渡は条文上明文で除外されています。
時価と実際の対価との差額の大きさを基礎に、取引の経緯や当事者の関係を含めて実質的に判断されます。契約書や領収書が揃っていても、差額分について責任を負う余地があります。
滞納者の親族その他滞納者と特殊な関係のある個人や同族会社等で、政令が範囲を定めています。該当すると責任が「受けた利益の限度」となり、現存利益の抗弁が使えません。
39 条の括弧書きが担保の目的でする譲渡を除外しています。譲渡担保については国税徴収法 24 条が別途、譲渡担保権者の物的納税責任として受け皿を用意しています。
記載された主たる国税の税目・年度・法定納期限を特定し、その 1 年前の日と財産を受け取った日を並べます。射程内か外かで防御方針がまったく変わります。
第二次納税義務は主たる国税の徴収権の存在を前提とするため、主たる国税の徴収権が時効消滅すれば追及できなくなります。個別の起算点は最新の改正状況を確認してください。
対象になり得ます。時価より著しく低い対価での譲渡と評価されれば、譲り受けた社長個人が第二次納税義務を負います。会社を清算しても追及が消えるわけではありません。
贈与税はあなた自身に課される税、第二次納税義務は贈与した側の滞納税を肩代わりさせる別の制度です(国税徴収法39条、32条)。同じ財産移転に二つの系統が走るため、贈与税の納付は39条の防御になりません。業界裏話ヒント:納付通知書には主たる納税者の税目・年度・法定納期限が必ず書かれています。まずその法定納期限の1年前の日を紙に書き、贈与を受けた日と並べる。この一手で射程内か射程外かが分かれます
続柄で結論が真逆になります。親族その他の特殊関係者でなければ「受けた利益が現に存する限度」なので、現存しないことを示せれば責任は縮みます。特殊関係者に当たると「受けた利益の限度」で、使い切っても責任は残ります(国税徴収法39条、同法施行令)。業界裏話ヒント:現存利益の判断では、生活費に充てた分は「その分の出費を免れた」として現存を認められやすい。逆にギャンブルや浪費で消えた分は現存しないと評価されやすく、使途の記録の残し方が結論を動かします
言えます。最高裁は、第二次納税義務者は主たる納税者に対する課税処分の取消しを求める原告適格を有すると判断しています(最判平成18.1.19)。自分への納付告知の違法だけでなく、大元の課税処分そのものを攻められます。業界裏話ヒント:この道は期間との戦いになります。大元の課税処分から時間が経っているほど手続的な壁が高くなるので、通知書を受け取った週のうちに税理士か弁護士に「主たる課税処分も争えるか」を明示的に聞くこと
39条で追えるのは、主たる国税の法定納期限の1年前の日以後に行われた処分だけです。それより前の財産移転は、国税通則法42条が準用する民法424条の詐害行為取消訴訟によるほかありません。業界裏話ヒント:詐害行為取消しは訴訟を起こす必要があり、詐害意思の立証も要るため、徴収側にとって重い選択肢です。だからこそ39条で届くかどうかを先に検討する。日付が一日ずれるだけで、相手が使える武器の重さが変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の発生原因 | 39 条:無償譲渡・著しい低額譲渡・債務免除その他第三者に利益を与える処分 | — |
| 責任を負う者 | 39 条:処分により権利を取得し又は義務を免れた者(第三者も含む) | — |
| 責任の限度 | 39 条:受けた利益が現に存する限度(特殊関係者は受けた利益の限度) | — |
| 時期の限定 | 39 条:法定納期限の 1 年前の日以後に行われた処分に限る | — |
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