偽りその他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた株式会社、合資会社又は合同会社がその国税(その附帯税を含む。以下この条において同じ。)を納付していない場合において、その株式会社、合資会社又は合同会社に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるとき(合資会社にあつては、第三十三条(合名会社等の社員の第二次納税義務)の無限責任社員に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限る。)は、その偽りその他不正の行為をしたその株式会社の役員又はその合資会社若しくは合同会社の業務を執行する有限責任社員(その役員又は有限責任社員を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合にその株式会社、合資会社又は合同会社が法人税法第六十七条第二項(特定同族会社の特別税率)に規定する会社に該当する場合におけるその役員又は有限責任社員に限る。以下この条において「特定役員等」という。)は、その偽りその他不正の行為により免れ、若しくは還付を受けた国税の額又はその株式会社、合資会社若しくは合同会社の財産のうち、その偽りその他不正の行為があつた時以後に、その特定役員等が移転を受けたもの及びその特定役員等が移転をしたもの(その株式会社、合資会社又は合同会社の取引の内容その他の事情を勘案して、当該取引の相手方との間で通常の取引の条件に従つて行われたと認められるその株式会社、合資会社又は合同会社の各事業年度の収益に係る売上原価、販売費又は一般管理費の額の基因となる取引その他の政令で定める取引として移転をしたものを除く。)の価額のいずれか低い額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
要点国税徴収法 40 条は、不正に国税を免れた会社が滞納し徴収不足の場合、不正を行った役員個人に、免れた税額と移転財産価額の低い方を限度として第二次納税義務を負わせる。
Q · 会社が税務調査で脱税を指摘されたら、社長個人が会社の税金を払わされることはありますか?
はい。不正をした役員本人なら、会社の税金が個人に来ます
国税徴収法 40 条により、偽りその他不正の行為で国税を免れた会社が滞納し、会社への滞納処分でもなお徴収不足のときは、その不正を行った役員又は業務を執行する有限責任社員が第二次納税義務を負います。対象は、その者を判定の基礎となる株主・社員として選定すると会社が法人税法 67 条 2 項の特定同族会社に該当することとなる、支配側の役員に限られます。負担の上限は、免れた税額と、不正の行為があった時以後に本人が移転を受け又は移転した会社財産の価額のいずれか低い額です。通常の取引条件による売上原価・販売費・一般管理費に係る取引などは除かれます。
株式会社にしておけば会社の税金が個人に降ってくることはない。多くの経営者が信じているこの前提には、正面から開いた穴がある。国税徴収法 40 条は、会社が偽りその他不正の行為で国税を免れ(または還付を受け)、その会社に滞納処分をかけてもなお足りないとき、その不正を実際に行った役員個人に第二次納税義務を負わせる。ただし誰でもというわけではない。絞りは二重にかかっている。まず、あなたを判定の基礎となる株主または社員として選べばその会社が法人税法 67 条 2 項の特定同族会社になること、つまりあなたが実質的な支配側にいること。次に、不正の行為があった時以後に、あなたが会社から財産の移転を受けたか、会社の財産を外へ移転させたこと。負担の上限は、免れた税額と、その移転した財産の価額の、低いほうである。通常の取引条件で行われた売上原価・販売費・一般管理費に当たる普通の営業取引は除外される。つまり 40 条が狙い撃ちしているのは、税を軽くした会社を空にして役員個人が持ち出す動線そのものだ。
国税徴収法 40 条は、特定役員等の第二次納税義務を定める規定である。不正により国税を免れた株式会社・合資会社・合同会社が滞納し、その財産への滞納処分でも徴収不足となる場合に、不正行為を行った役員又は業務執行有限責任社員であって特定同族会社の判定基礎となる株主・社員に該当する者が、免れた税額と不正後の移転財産価額の低い方を限度に補充的な納税義務を負う。
本来の納税者から税を徴収しきれないとき、一定の関係者が補充的にその滞納税額を負う義務です。罰則ではなく納税義務であり、国税徴収法 32 条の納付告知によって手続が始まります。
偽りその他不正の行為をした株式会社の役員、又は合資会社・合同会社の業務を執行する有限責任社員のうち、その者を判定の基礎となる株主・社員として選定すると会社が法人税法 67 条 2 項の特定同族会社に該当する者を指します。
来る場合があります。40 条は「業務を執行する有限責任社員」を条文上明示しており、合同会社・合資会社も対象です。器を株式会社から合同会社に替えても本条の射程からは外れません。
免れた(又は還付を受けた)国税の額と、不正の行為があった時以後に移転を受け又は移転した会社財産の価額の、いずれか低い額が上限です。財産をほとんど動かしていなければ責任額は小さくなります。
40 条が対象とするのは「その偽りその他不正の行為をした」役員です。名義があるだけで不正の実行に関与していなければ対象から外れる余地があり、関与を裏づける材料は課税庁側が示す必要があります。
誰のどの行為が不正とされたか、限度額が免れた税額と移転財産価額のどちらで計算されたかを分解し、両方の数字を出させます。処分を知った日の翌日から 3 か月以内に不服申立てを検討してください。
39 条は無償・著しい低額の譲受人等が対象で、不正の有無を問いません。40 条は偽りその他不正の行為をした支配側の役員個人が対象で、通常の営業取引による移転は限度額から除かれます。
40 条固有の期間制限はありません。徴収権の消滅時効は法定納期限から 5 年(国税通則法 72 条)ですが、督促・差押えで更新されます。不服申立ては処分を知った日の翌日から 3 か月以内です。
40 条が対象にするのは「その偽りその他不正の行為をした」役員である。丸投げという事実だけで免責されるわけではないが、不正の実行者と評価できるかは別論点であり、その裏づけは課税庁の側が示す必要がある。業界裏話ヒント:この争点は、税理士に渡した資料と渡さなかった資料の線引きで決まることが多い。売上の元データを誰が握っていたかが結論を左右するため、顧問税理士とのやり取りの記録は調査の初期段階で自分の手元に確保しておく
通常の取引条件に従った売上原価・販売費・一般管理費に係る取引などは 40 条の計算から除かれるが、役員貸付金の精算はその除外に当てはまりにくい。不正の行為があった時以後の移転であれば、限度額にそのまま積まれる。業界裏話ヒント:除外の範囲は政令と国税徴収法基本通達で細かく線引きされており、判断は取引の名目ではなく「通常の取引条件だったか」で行われる。同時期の第三者との取引条件を並べられる資料が、最も強い反証になる
できる余地がある。第二次納税義務者は自分への納付告知を争えるだけでなく、主たる納税義務を確定させた会社への課税処分についても、最高裁が原告適格を認めている(最判平成 18.1.19)。業界裏話ヒント:会社側がすでに争うのをあきらめていても、役員個人の側から見た争訟の窓が残っている場合がある。ただし期間の起算点の扱いは事案ごとに判断が分かれるため、告知書を受け取った日付を持って早期に確認すること
違う。罰金や過料のような刑事罰・行政罰ではなく、他人の納税義務を補充的に負う「納税義務」である(手続は国税徴収法 32 条の納付告知による)。だから刑事裁判も有罪判決も不要で、告知だけで徴収手続が動き出す。業界裏話ヒント:脱税の刑事事件が不起訴で終わっても、40 条の第二次納税義務はまったく別の軌道で進む。刑事で助かったから終わりだと考えて資産の保全を怠るのが、最も高くつく誤解である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任を負う者 | 40 条:不正行為をした役員・業務執行有限責任社員のうち特定同族会社の判定基礎となる者 | — |
| 不正行為の要否 | 40 条:偽りその他不正の行為が必須(重加算税事案と実務上連動) | — |
| 責任の限度額 | 40 条:免れた税額と不正後の移転財産価額のいずれか低い額 | — |
| 除外される取引 | 40 条:通常の取引条件による売上原価・販売費・一般管理費に係る取引その他政令で定める取引 | — |
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