国税徴収法 第34条(清算人等の第二次納税義務)
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- 法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税を納付しないで残余財産の分配又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算人及び残余財産の分配又は引渡しを受けた者(前条の規定の適用を受ける者を除く。以下この項において同じ。)は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。ただし、清算人は分配又は引渡しをした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡しを受けた者はその受けた財産の価額の限度において、それぞれその責めに任ずる。
- 2.信託法(平成十八年法律第百八号)第百七十五条(清算の開始原因)に規定する信託が終了した場合において、その信託に係る清算受託者(同法第百七十七条(清算受託者の職務)に規定する清算受託者をいう。以下この項において同じ。)に課されるべき、又はその清算受託者が納付すべき国税(その納める義務が信託財産責任負担債務(同法第二条第九項(定義)に規定する信託財産責任負担債務をいう。)となるものに限る。以下この項において同じ。)を納付しないで信託財産に属する財産を残余財産受益者等(同法第百八十二条第二項(残余財産の帰属)に規定する残余財産受益者等をいう。以下この項において同じ。)に給付をしたときは、その清算受託者に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算受託者(信託財産に属する財産のみをもつて当該国税を納める義務を履行する責任を負う清算受託者に限る。以下この項において「特定清算受託者」という。)及び残余財産受益者等は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。ただし、特定清算受託者は給付をした財産の価額の限度において、残余財産受益者等は給付を受けた財産の価額の限度において、それぞれその責めに任ずる。
この条文の基本情報
清算人等の第二次納税義務とは何ですか?
定義清算人等の第二次納税義務とは、国税徴収法第34条に定められた規定で、「法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税を納付しないで残余財産の分配又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分を執行…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第34条(清算人等の第二次納税義務)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第34条の条文原文は「法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税を納付しないで残余財産の分配又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分を執行…」で始まります。
- 国税徴収法第34条は第三章に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第34条の前の条は国税徴収法第33条です。
- 国税徴収法第34条の次の条は国税徴収法第35条です。
- 国税徴収法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法34条は、法人が国税を納付せず残余財産を分配し、法人への滞納処分でもなお不足する場合に、清算人と分配を受けた者が受けた価額を限度に第二次納税義務を負うと定める。
Q · 解散した会社の残った財産を株主として受け取ったら、会社の滞納税金を私が払うことになるの?
受け取った財産の価額を限度に、個人へ請求が届きます
国税徴収法34条1項により、法人が国税を納付しないまま残余財産を分配・引渡し、その法人に滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められる場合、清算人と分配・引渡しを受けた者が第二次納税義務を負います。限度額は、清算人が分配した財産の価額、受けた側は受けた財産の価額です。受け取った30万円を既に使い切っていても、限度は受取時の価額で判定されるため義務は消えません。義務は納付通知書(同法32条)による告知で具体化します。
解説
会社をたたむとき、最後に残った現金を株主で分け、登記も閉じて、これで一区切りだと考える。国税徴収法34条は、その一区切りの後ろに扉をもう一枚用意している。法人が解散し、納めるべき国税を払わないまま残余財産を分配または引き渡した場合、その法人に滞納処分を執行してもなお足りないと認められるときに限り、分配を実行した清算人と、分配を受けた者が第二次納税義務を負う。上限は、清算人なら分配した財産の価額、受け取った側なら受け取った価額まで。株主として30万円を受け取っただけの人にも、30万円までの追及が届くということだ。法人格という盾は、税を払わずに財産を外へ出した瞬間、その財産を追いかける形で外れる。2項では信託が終了した場合に同じ構造が用意され、清算受託者と残余財産受益者等が同じ立場に置かれる。
法的な位置づけ
国税徴収法34条は、清算に伴う第二次納税義務を定める規定である。法人の解散後、納付すべき国税を納付しないまま残余財産の分配または引渡しが行われ、その法人への滞納処分によってもなお徴収不足が認められる場合に、清算人および分配等を受けた者が、それぞれ分配した価額または受けた価額を限度として納付義務を負う。第2項は信託終了時に同じ構造を及ぼす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解散決議の直後に未納国税を洗い出す 解散したら、残余財産に手をつける前に法人税・消費税・源泉所得税・地方税の未納の有無を確定させる。納税証明書(その3)を取得し、課税庁への照会日と回答を記録に残す
- 2.国税を完納してから分配順序を組む 会社法502条は債務の弁済後でなければ株主に分配できないと定める。国税を完納した上で分配に進めば、34条の第三要件(滞納処分でもなお不足)自体が成立しない。ここが唯一のタイミング
- 3.分配時の価額を証拠として固定する 現金以外(不動産・株式・車両)で分配する場合、分配時点の評価根拠を書面化する。34条の限度は受取時の価額であり、後の使途や値下がりは考慮されない。評価資料の有無が限度額の議論を左右する
- 4.納付通知書が届いたら期限から逆算して動く 納付通知書(国税徴収法32条)を受けたら、限度額の根拠、33条適用除外に当たらないか、会社への滞納処分が実際に執行され不足が認定されたかを確認し、3か月の不服申立期間内に主張を組む
よくある質問 AI による整理
Q1第二次納税義務とは何ですか?
本来の納税者から徴収できないとき、一定の関係にある第三者が補充的に納付義務を負う制度です。国税徴収法32条以下に手続が置かれ、34条は清算の場面を定めます。
Q2国税徴収法34条の適用要件は?
①法人の解散、②国税を納付しないままの残余財産の分配または引渡し、③その法人に滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められること。三つがそろって初めて発動します。
Q3清算人はいくらまで責任を負いますか?
分配または引渡しをした財産の価額が限度です。受け取った側が自分の受取額までなのに対し、清算人は分配した財産の総額まで背負う点が大きく異なります。
Q4残余財産を分配する前に何を確認すべき?
未納の国税・地方税の有無です。分配前に完納していれば34条の要件そのものが立ちません。納税証明書や課税庁への照会記録を残しておくと、後日の順序の証明になります。
Q5第二次納税義務の納付通知書が届いたらどうすればいい?
まず記載された限度額の根拠と納付期限を確認し、受け取った財産の価額を示す資料を集めます。争うなら処分を知った日の翌日から3か月以内の不服申立てが必要です。
Q6みなし解散した会社にも34条は適用される?
適用の余地があります。みなし解散でも清算手続は存在し、そこで財産を分配すれば34条の射程に入ります。放置していた会社が個人の納税義務に転化する場面です。
Q7第二次納税義務を争う期限はいつまで?
納付通知書という処分を知った日の翌日から3か月以内に、再調査の請求または審査請求を行う必要があります(国税通則法77条)。期限を落とすと中身の議論に入れません。
Q8特定清算受託者とは誰のことですか?
34条2項の用語で、信託財産に属する財産のみをもって当該国税を納める責任を負う清算受託者を指します。給付をした財産の価額を限度に第二次納税義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1もう清算結了の登記も済んで会社は消えています。それでも私が払うんですか?
法人格が消えても、34条の名宛人は清算人と分配を受けた個人であり、義務は個人に立つ。発動要件は、会社に滞納処分を執行してもなお不足すると認められることであって、会社が空であることは免責ではなく要件の充足を意味する。実務のポイント:登記を閉じる前に未納の有無を照会し、その記録を残しておくと、後日「分配の前に確認した」という順序を示す材料になる
Q2株主として30万円もらっただけです。会社の滞納が3000万円でも30万円で済みますか?
34条1項ただし書により、分配や引渡しを受けた者の責任は受けた財産の価額が上限。滞納が3000万円でも、受取が30万円ならその限度である。ただし清算人は分配した財産の価額全体まで責任を負う点が違う。実務のポイント:限度は受け取った時の価額なので、現金以外(不動産、株式、車両)で受け取った場合は評価の取り方で金額が動く。評価資料を自分から先に出すかどうかで、交渉の出発点が変わる
Q3家族信託が終わって残った分を受け取りました。信託にも同じ話があるんですか?
34条2項が用意されている。信託が終了し、信託財産責任負担債務となる国税を納めないまま残余財産受益者等へ給付した場合、特定清算受託者は給付した財産の価額、受益者等は受けた価額を限度に第二次納税義務を負う。実務のポイント:家族信託は組成時の設計に力が入る一方、終了時の税務まで詰めた例は少ない。給付の前に、信託財産責任負担債務となる国税の洗い出しを一工程として置く
Q4そもそも会社の税額自体がおかしいと思うんですが、私の立場から争えますか?
第二次納税義務者が主たる納税義務の額そのものをどこまで争えるかは、実務上、解釈が分かれている論点である。まずは告知処分に対する不服申立て(国税通則法77条)で、発動要件と限度額を争うのが基本線となる。実務のポイント:主たる課税処分を争う道が残っているかは事案と時期で変わる。初回相談の段階で「どの処分を、どの期限で争うか」を二本立てで整理させると、後戻りが減る
間違えやすい点 AI による整理
- 「責任は受け取った額まで」は広く知られているが、その額の重さが見落とされている。限度は受け取った時点の財産の価額であり、その後に使ったか、値下がりしたかは考慮されない。100万円を受け取って全額が生活費に消えても、100万円の第二次納税義務はそのまま残る
- 「会社の税金なのだから、会社の財産がなくなれば終わりではないか」という問いの立て方自体が外れている。34条が動く条件は、まさに会社に滞納処分を執行してもなお不足すると認められる場合。会社が空であることは免責の理由ではなく、発動の要件である
- 清算結了の登記さえ済ませれば法人格が消え、追及も止まると考えられがちだが、34条の名宛人は清算人個人と分配を受けた者であり、法人の消滅とは別枠で立つ。登記を閉じる行為は防御にならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 34条:清算人+残余財産の分配・引渡しを受けた者(33条適用者を除く) | 33条:合名会社等の無限責任社員 39条:無償または著しく低い額で財産を譲り受けた者等 |
| 発動の前提となる場面 | 法人の解散・清算に伴う残余財産の分配または引渡し(2項は信託の終了) | 無限責任社員としての地位そのもの 滞納者が納税義務成立後にした無償譲渡等の処分 |
| 責任の限度 | 清算人=分配した財産の価額/受けた者=受けた財産の価額 | 無限責任(限度額の定めなし) 受けた利益が現に存する限度等(規定に従う) |
| 共通する発動条件 | 主たる納税者に滞納処分を執行してもなお不足と認められること+納付通知書による告知(32条) | 同左(第二次納税義務共通の補充性) 同左(第二次納税義務共通の補充性) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は「清算人は税捐を完納した後でなければ賸余財産を分配できない」と正面から義務づけ、違反した清算人は分配した賸余財産の額を限度に納付義務を負う。日本の34条が徴収不足の認定を発動要件に置くのに対し、台湾は分配順序の違反そのものを引き金にする点で構造が異なる
韓国は国税基本法に清算人等の第二次納税義務を置き、清算人は分配した財産の価額、受けた者は受けた財産の価額を限度とする。日本法と枠組みが近く、限度額の立て方もほぼ並行する
ドイツは清算人を含む財産管理人に納税義務の履行を義務づけ、故意または重過失で義務に違反した場合に個人責任(Haftung)を負わせる。日本の34条が主観的要件を置かず価額限度で処理するのに対し、ドイツは帰責性を要件にする
米国は連邦債権優先法により、連邦政府への債務を知りながら他の債権者や分配を先行させた受託者に個人責任を課す。受領者側は transferee liability の手続で追及される。日本の清算人/受領者の二段構成と機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親族の会社の清算人を引き受けた。税理士を入れず自分で残余財産を株主に分け、登記も閉じた。半年後に届いた封筒は、会社宛てではなく、あなた個人宛ての納付通知書だった
- もし、受け取った残余財産をすでに使い切っていたら? 34条ただし書の限度は「受けた財産の価額」であって、手元に残っている額ではない。生活費に消えていても義務は消えない。使途を説明しても、限度額の議論はそこを見ていない
- 納付通知書には納付期限が印字されている。第二次納税義務はこの告知で具体化し、期限までに納めなければ、あなた個人の預金や給与が差押えの対象になる。争うなら、処分を知った日の翌日から3か月の不服申立期間がすでに走り出している。あと何日残っているか、今日数える必要がある
- 父の家族信託が終わり、受託者だった兄から残った財産を受け取った。信託財産責任負担債務となる国税が未納だった場合、34条2項は受け取ったあなたを直接の名宛人にする。相続対策として組成された信託の出口に、税の入口がある
- 取引先が解散して債権を諦めていたら、その残余財産は株主へ流れていた。国税は34条で受け取った株主を直接追えるが、あなたのような一般債権者はこの条文を使えない。会社法502条違反や清算人の責任という、別の道を自分で組み立てることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 納付通知書の日付と、記載された限度額の根拠を確認する2. 自分が受け取った財産の価額を示す資料(分配時の残高証明、清算時の貸借対照表、評価明細)を集める。限度は受取時の価額で、その後の使途は関係ない3. 自分が33条の適用対象者(合名会社等の無限責任社員)に当たらないか確認する。当たれば34条1項の名宛人から除かれる4. 争うなら、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法77条)。期限を落とすと中身の議論に入れない
訴えられた側:1. 清算人として、分配した財産の価額と、その時点の国税債務の有無を時系列で整理する2. 分配前に国税が完納されていた、あるいは分配後に発生した国税であれば、要件を欠く余地がある3. 会社に対して実際に滞納処分が執行され、なお不足すると認められたかは発動要件であり、その充足を国側が示せているかを確認する4. 会社法502条(債務弁済後でなければ株主に分配できない)違反の責任と重なる場面があるため、税と会社法の両面で税理士と弁護士を同時に入れる
時効(請求できる期限):34条自体に固有の期限はない。第二次納税義務は納付通知書による告知(国税徴収法32条)で具体化し、その告知処分を争うには処分を知った日の翌日から3か月以内の再調査の請求または審査請求が必要(国税通則法77条)。主たる国税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(国税通則法72条)が、偽りその他不正の行為がある場合は起算が異なる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:第二次納税義務は主たる納税義務に対して補充性と附従性を持つ制度であり、34条は清算により法人外へ流出した財産を、その価額の限度で追及する設計と理解される。責任の上限を価額に限定する点に、財産権保障との調整が読み取れる
実務上の争点:第二次納税義務者が主たる納税義務の存否・数額そのものをどこまで争えるかについては解釈が分かれる。実務では、まず告知処分に対する不服申立てで発動要件と限度額を争うのが基本線とされる
改正沿革 AI による整理
- 信託法(平成18年法律第108号)全面改正に伴う整備(改正年・改正内容とも要検証) 信託の終了時における清算受託者および残余財産受益者等の第二次納税義務を定める第2項が整備されたとみられるが、追加時期と条文の変遷は一次資料での確認が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により現行法が成立し、その中で第二次納税義務の体系が整備された。清算人および残余財産の分配を受けた者に関する規律も、この体系の一部として置かれている
- 2.平成18年(2006年)以降 改正:条文が信託法(平成18年法律第108号)の各条を引用していることから、第2項は同法の制定・施行に対応する税制上の整備によって設けられたとみられる。追加時期と改正条文の特定は一次資料での確認が必要
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