要点国税徴収法 67 条は、徴収職員が差し押えた債権を裁判所を通さず自ら取り立てられると定める。取り立てた金銭の限度で滞納者から国税を徴収したものとみなされる。
Q · 税務署は裁判所を通さずに、売掛金を取引先から直接回収できるんですか?
できます。国税徴収法 67 条 1 項の取立権によるものです
国税徴収法 67 条 1 項により、徴収職員は差し押えた債権を自ら取り立てることができます。民事の債権回収と違い、債務名義も裁判所の差押命令も必要ありません(発動要件は督促状発送から 10 日経過、同法 47 条)。取り立てた金銭は、その限度で滞納者から国税を徴収したものとみなされ(3 項)、延滞税の計算もその分だけそこで止まります。取立てが終わってしまうと差押えを解除する対象自体が消えるため、動けるのは取立て実行前の数週間です。
銀行から電話が入り、口座が使えなくなっていると告げられる。その裏で動いているのが国税徴収法 67 条 1 項だ。民間の債権者があなたの預金や売掛金を押さえるには、判決などの債務名義を取り、裁判所に差押命令を申し立て、送達を待つ必要がある。税務署は違う。督促状を発した日から 10 日を過ぎれば(同法 47 条)、徴収職員が自ら差押えを行い、そのまま第三債務者、つまり銀行や取引先や勤務先から直接取り立てる。裁判所は一度も登場しない。これが自力執行権である。そして 3 項が効いてくる。取り立てられた金額の分だけ、あなたは国税を納付したものとみなされる。延滞税の計算もその分だけそこで止まる。逆に言えば、取引先が支払いを渋って回収が半年遅れれば、その半年分の延滞税を負担するのはあなただ。誰がいつ払うかは、他人事ではなく自分の財布の話になる。
国税徴収法 67 条は、滞納処分により差し押えた債権について、徴収職員が第三債務者から直接取り立てる権限を定める規定である。取り立てた金銭は、その限度において滞納者から国税を徴収したものとみなされる。金銭以外の物を取り立てたときは、徴収職員はこれを改めて差し押えなければならない。第三債務者は、一定の要件のもとで証券による納付委託をすることができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
徴収職員が、差し押えた売掛金や預金などの債権を、第三債務者(取引先・銀行)から直接支払わせることです。国税徴収法 67 条 1 項が根拠で、裁判所の関与は不要です。
督促状を発した日から 10 日を経過した時点で差押えが可能になります(国税徴収法 47 条)。交渉中かどうかは要件と関係なく、法律上はいつでも実行できる状態に入ります。
取立て実行前に、換価の猶予(151 条の 2)や納税の猶予(国税通則法 46 条)を申請し、代替財産を提案します。取立てが終わると 67 条 3 項で納付済みとみなされ、止める対象が消えます。
申請による換価の猶予は、納期限から 6 か月以内が期限です(国税徴収法 151 条の 2)。認められれば新たな差押えは止まり、既にした差押えの解除も検討対象になります。
処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内に審査請求ができます(国税通則法 77 条)。ただし申立てをしても手続は原則止まらず、争っている間に取立てが完了することがあります。
解約返戻金請求権という債権として差押えの対象になります。実務では徴収職員が解約して取り立てる扱いがされており、現金より先に保障が失われることがあります。
法定納期限から 5 年で時効消滅します(国税通則法 72 条)。ただし差押えは時効の更新事由となり、そこから再び進行するため、放置しても消えることは期待できません。
その弁済は徴収職員に対抗できず、第三債務者はもう一度国に支払う二重払いのリスクを負います。通知を受けたら滞納者への支払いを直ちに停止してください。
給与そのものには差押禁止額があるが(国税徴収法 76 条)、いったん口座に入ると預金債権に変わり、原則としてその制限は及ばない。ただし児童手当の振込直後の預金差押えを、実質は差押禁止財産の差押えだとして違法とした裁判例がある(広島高裁松江支部 平成 25.11.27)。実務上、解釈が分かれている領域だ。業界裏話ヒント:争うなら、通帳明細でその金銭が何の給付か識別できると示せるかが分岐点になる
売掛金を押さえる場合、第三債務者である取引先に差押通知が届き(62 条)、取立て(67 条 1 項)はその後になる。信用への影響は現実に起きる。業界裏話ヒント:どの財産を差し押さえるかは徴収職員の裁量なので、通知が発送される前なら、預金や他の財産を代わりに充てる申し出が通ることがある。動くなら発送前、届いた後で交渉しても信用は戻らない
取り立てた限度で、その時点で滞納者から徴収したものとみなされる(67 条 3 項)。延滞税の計算もその額の分だけそこで止まる。業界裏話ヒント:取引先が支払いを渋って回収が遅れれば、その間の延滞税を負担し続けるのは滞納者本人だ。取引先に早く払うよう頼むのは税務署のためではなく、自分の負担額を止めるためである
67 条 4 項が国税通則法 55 条(納付委託)を準用しており、証券による弁済の委託ができる。ただし証券の取立てるべき期限が差し押さえられた債権の弁済期より後になる場合は、滞納者本人の承認が要る(同項ただし書)。業界裏話ヒント:この承認は滞納者側に残された数少ない交渉材料になる。承認の有無で自分の延滞税も動くので、感情ではなく日数で判断する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 67 条:差し押えた債権を徴収職員が取り立てる段階 | — |
| 主な名宛人 | 第三債務者(銀行・取引先・勤務先)と徴収職員 | — |
| 生じる効果 | 取立額の限度で国税を徴収したものとみなす(3 項)/延滞税の計算が止まる | — |
| 滞納者が動ける余地 | 取立て実行前のみ。実行後は納付済みとみなされ止める対象が消える | — |
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