国税徴収法 第62条(差押えの手続及び効力発生時期)
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- 債権(電子記録債権法第二条第一項(定義)に規定する電子記録債権(次条において「電子記録債権」という。)を除く。以下この条において同じ。)の差押えは、第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う。
- 2.徴収職員は、債権を差し押えるときは、債務者に対しその履行を、滞納者に対し債権の取立その他の処分を禁じなければならない。
- 3.第一項の差押の効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる。
- 4.税務署長は、債権でその移転につき登録を要するものを差し押えたときは、差押の登録を関係機関に嘱託しなければならない。
この条文の基本情報
差押えの手続及び効力発生時期とは何ですか?
定義差押えの手続及び効力発生時期とは、国税徴収法第62条に定められた規定で、「債権(電子記録債権法第二条第一項(定義)に規定する電子記録債権(次条において「電子記録債権」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第62条(差押えの手続及び効力発生時期)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第62条の条文原文は「債権(電子記録債権法第二条第一項(定義)に規定する電子記録債権(次条において「電子記録債権」という。」で始まります。
- 国税徴収法第62条は第三款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第62条の前の条は国税徴収法第61条です。
- 国税徴収法第62条の次の条は国税徴収法第62条の2です。
- 国税徴収法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法62条は、債権の差押えを第三債務者への債権差押通知書の送達により行い、その効力は送達時に生ずると定める。裁判所の関与も債務名義も不要である。
Q · 税務署は本当に、裁判所を通さずに口座を差し押えられるんですか?
できます。通知書が銀行に届いた時点で効力が生じます
国税徴収法62条1項により、債権の差押えは第三債務者(銀行、勤務先、取引先)に対する債権差押通知書の送達だけで行われます。判決などの債務名義も裁判所の差押命令も不要で、これを自力執行権と呼びます。3項により効力は通知書が第三債務者に送達された時に生じ、滞納者本人が差押調書の謄本を受け取るのはその後です(54条)。2項は第三債務者に履行を、滞納者に取立てその他の処分を禁じます。防御の場は差押えの瞬間ではなく、督促状到達後の10日間(47条)と換価の猶予(151条の2)に置かれています。
解説
給料日の朝、ATM の残高が0になっていた。心当たりは去年から放置した国税だけ。国税徴収法62条は、徴収職員が第三債務者(あなたの銀行、勤務先、取引先)へ債権差押通知書を送達するだけで差押えが完了すると定める。裁判所の関与も、判決という債務名義(強制執行の根拠となる公的な文書)も要らない。民間の債権者との決定的な違いで、自力執行権と呼ばれる。3項がさらに重い。効力が生じるのは通知書が第三債務者に届いた時点であり、滞納者本人が差押調書の謄本を受け取るのはその後だ(54条)。あなたが知る前に凍結は終わっている。2項は第三債務者に履行を禁じ、あなたには取立てや譲渡を禁じる。この順序を知っているかどうかが、差押えを受ける前に動ける人と、受けた後に嘆く人を分ける。
法的な位置づけ
国税徴収法62条は、滞納処分としての債権差押えの方法と効力発生時期を定める規定である。差押えは第三債務者への債権差押通知書の送達により行われ、その効力は通知書が第三債務者に送達された時に生ずる。徴収職員は第三債務者に対し履行を、滞納者に対し取立てその他の処分を禁じなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた書面の種類と日付を特定する 封筒の中身が督促状か、差押予告通知か、差押調書の謄本(54条)かを確認する。督促状なら発送日から10日が経過するまでが猶予申請の勝負どころ(47条)。日付を最初に見る
- 2.換価の猶予または納税の猶予を申請する 納期限から6か月以内であれば換価の猶予(151条の2)、災害・病気・事業廃止等の事情があれば納税の猶予(国税通則法46条)を申請する。収支の状況、財産目録、分割納付計画を添付する
- 3.すでに差し押えられた場合は解除・停止を求める 生活の維持が困難、または事業の継続が不能になることを家計資料・決算資料で疎明し、差押えの解除(79条)または滞納処分の停止(153条)を求める。並行して納付可能額を提示する
- 4.処分自体に不服なら期限内に審査請求する 処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う(国税通則法75条、77条)。ただし執行不停止の原則により、請求しても差押えは止まらない点を前提に組み立てる
- 5.第三債務者の立場なら到達日時と債務額を確定する 通知書の到達日時を記録し、その時点の未払額を確定させる。効力は送達時に生ずる(3項)ため、送達前に完了した支払いは有効。以後の支払いを停止し、債権額に争いがあれば書面で税務署に通知する
よくある質問 AI による整理
Q1債権差押通知書とは何ですか?
徴収職員が第三債務者(銀行・勤務先・取引先)へ送達する書面で、これが届くこと自体が差押えの実行方法です。国税徴収法62条1項が根拠で、裁判所の差押命令とは別物です。
Q2差押えの効力はいつ発生しますか?
国税徴収法62条3項により、債権差押通知書が第三債務者に送達された時点で発生します。滞納者本人への差押調書の謄本交付(54条)はその後になります。
Q3差押えは本人にいつ知らされますか?
効力発生後です。62条3項は第三債務者への送達時を効力発生時とし、本人は54条の差押調書の謄本で事後的に知ります。凍結を先に体感するのが通常の順序です。
Q4会社に従業員の債権差押通知書が届いたらどうする?
到達日時を記録し、以後は本人への支払いを停止します(62条2項)。知らずに満額支払うと国に対抗できず二重払いのリスクがあります。給与なら76条の差押禁止額を計算します。
Q5電子記録債権も62条で差し押えられますか?
対象外です。62条1項は電子記録債権法2条1項の電子記録債権を除外し、その差押手続は62条の2に分けられています。電子債権記録機関の記録が権利の基礎となるためです。
Q6敷金や保険の解約返戻金も差押えの対象?
対象になり得ます。62条に金額の下限はなく、敷金返還請求権も解約返戻金請求権も債権である以上、射程に入ります。範囲を絞るのは63条の「徴収すべき国税の額を限度」という原則です。
Q7差し押えられた債権を解除してもらう方法は?
納付、換価の猶予(151条の2)による差押解除、生活困窮や事業継続不能を疎明した79条の解除、153条の滞納処分の停止などの経路があります。収支資料の提出が前提になります。
Q8差押えの前に猶予を申請できますか?
できます。督促状の発送日から10日を経過すると差押えは義務化されます(47条)。その前に納税の猶予(国税通則法46条)や換価の猶予(151条の2、納期限から6か月以内)を申請します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差押えって、本当に裁判所を通さずにできるんですか?
できます。62条1項は第三債務者への債権差押通知書の送達だけで差押えが成立すると定め、判決も裁判所の差押命令も不要です。民事執行法145条で裁判所を経由する民間債権者とは根本が違います。実務のポイント:さらに国税徴収法67条には、民事執行法155条のような取立てまでの待機期間がない。送達の直後に銀行から取り立てられるため、民事執行の感覚で「まだ1週間ある」と構えると間に合わない
Q2口座を差し押えられたら、生活費もゼロになるんですか?
差押えの範囲は徴収すべき国税の額が限度ですが(63条)、預金は原則として全額が対象になりえます。給与自体は76条で一定額が差押禁止でも、振り込まれて預金に変われば保護が外れるのが原則です。実務のポイント:この点は実務上、解釈が分かれており、振込直後の給与や公的給付を狙った差押えを権利濫用として違法とした裁判例もある。生活実態を家計資料で疎明し、差押えの解除(79条)や換価の猶予を交渉する余地は残っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「差押えを止めるには、どう異議を出せばいいか」という問いを立てた時点で、すでに手遅れになっていることが多い。審査請求(国税通則法75条)を出しても原則として執行は止まらない(執行不停止の原則)。立てるべき問いは「差押えの前に、猶予制度でどう時間を買うか」である
- 給与には差押禁止額がある(国税徴収法76条)と知っている人は多い。知られていないのは、その給与が口座に振り込まれた瞬間に「預金債権」へ姿を変え、原則として差押禁止の保護が外れる点だ。ただし振込直後の給与や公的給付を狙い撃ちした差押えを権利濫用として違法とした下級審裁判例もあり、実務上、解釈が分かれている
- 「少額だから差し押えられない」は誤り。62条に金額の下限はない。数万円の預金でも、生命保険の解約返戻金請求権でも、敷金返還請求権でも、債権であれば対象になる。範囲を絞るのは63条の「徴収すべき国税の額を限度とする」という原則の方であって、下限の問題ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 差押えの方法 | 国税徴収法62条:第三債務者への債権差押通知書の送達のみ | 国税徴収法62条の2:電子記録債権は電子債権記録機関への通知等の別手続 民事執行法145条:裁判所の債権差押命令が必要 |
| 債務名義の要否 | 不要(自力執行権) | 不要(同じく滞納処分) 必要(確定判決・公正証書等) |
| 効力発生時期 | 通知書が第三債務者に送達された時(3項) | 記録機関への手続完了時(62条の2による) 差押命令が第三債務者に送達された時 |
| 取立てまでの待機 | 待機期間なし、効力発生後ただちに取立て可(67条) | 同様に滞納処分としての取立てが可能 債務者への送達から原則1週間(民事執行法155条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の強制執行は法務部行政執行署へ移送され、徴税機関自身が差押えを実行しない。日本の自力執行と異なり、執行主体を分離することで内部的な牽制を確保する設計である
韓国も徴税機関自身が第三債務者への通知により債権を差し押える自力執行型で、日本法と構造が近い。ただし2020年の全部改正により条文番号が変更されており、対応条文の特定には検証が必要
ドイツも Pfändungsverfügung(差押処分)の第三債務者への送達により効力が生ずる点で日本と同型。徴収庁が自ら執行文書を発する行政上の強制執行であり、62条の直接的な系譜上の対応規定といえる
米国 IRS も裁判所を経ずに levy を行えるが、原則として30日前の final notice と Collection Due Process hearing の機会が法定されている点で、事前手続保障の厚みが日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 督促状が届いてから10日が過ぎたら、何が起きる? 国税徴収法47条は、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納されないとき、徴収職員は財産を差し押えなければならないと定める。差押えは裁量ではなく義務だ。残された時間は督促状の日付から10日。この間に納税の猶予(国税通則法46条)または換価の猶予(151条の2)を申請できるかが分水嶺になる
- 経理担当のあなたのもとに、従業員宛の債権差押通知書が届いた。その瞬間から、会社は本人へ給与を全額支払うことを禁じられる(2項)。知らずに満額を振り込めば、国に対しては支払っていない扱いになり、会社が二重に払う
- フリーランスのあなたの大口取引先に、売掛金の差押通知書が届いた。金額より痛いのは、取引先が「この人は税金を滞納している」と知る事実の方だ。差押えは秘密裏には行われない。第三債務者への通知が差押えの方法そのものである以上、通知イコール発覚という構造は避けられない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた書面の種類を確認する。督促状か、差押予告通知か、差押調書の謄本(54条)か。督促状段階なら10日の時間が残っている2. 換価の猶予(151条の2、納期限から6か月以内)または納税の猶予(国税通則法46条)を、収支状況と財産目録を添えて申請する3. すでに差押済みなら、生活困窮や事業継続不能を疎明して差押えの解除(79条)や滞納処分の停止(153条)を求める4. 処分自体に不服なら知った日の翌日から3か月以内に審査請求(国税通則法75条、77条)。ただし請求しても執行は止まらない
訴えられた側:1. 差押通知書の到達日時を記録し、その時点の債務額を確定する。効力は送達時に発生する(3項) 2. 以後、滞納者本人への支払いを直ちに停止する(2項)。支払えば国に対抗できず二重払いになる3. 差押え前から保有していた反対債権があれば相殺の主張を検討する4. 給与なら76条の差押禁止額を計算し、差押可能額のみを納付する5. 債権の存否や金額に争いがあれば書面で税務署へ通知し、安易に全額を認めない
時効(請求できる期限):差押えの効力は債権差押通知書が第三債務者に送達された時に発生する(3項)。取立ては効力発生後ただちに可能で、民事執行法155条のような待機期間はない。差押処分への不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)。換価の猶予の申請は納期限から6か月以内(151条の2)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(自力執行性):租税債権の徴収は行政上の強制執行であり、司法機関の関与を要しないとするのが通説である。62条の送達方式は、財産隠匿や他の債権者による先取りを防ぐために速度を優先した制度設計であり、その代償としての事前手続保障の欠落を、事後救済と事前の猶予制度で補うと理解される。
通説(効力発生時期):3項の「送達された時」は、通知書が第三債務者の支配領域に到達した時点を指すと解され、滞納者の認識は効力発生の要件ではないとされる。第三債務者にとっては到達日時が二重払い回避の分水嶺となるため、受領記録の保存が実務上の要点となる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)現行国税徴収法制定 旧国税徴収法の全部改正により、債権差押えを第三債務者への通知書送達で行う方式と、送達時に効力が生じる旨が現行の形で整備された(改正年次の詳細は要検証)
- 電子記録債権法の施行に伴う改正(年次要確認) 電子記録債権法2条1項の電子記録債権を1項の対象から除外し、その差押手続を62条の2に切り出した。電子記録債権は電子債権記録機関の記録が権利の基礎であるため、通知書送達では効力を確保できないことによる(新設か改正かの区別を含め人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:旧国税徴収法の全部改正により現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)が成立し、債権差押えを第三債務者への通知書送達で行う方式と、送達時に効力が生ずる旨が現行の形に整備された。
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