国税徴収法 第145条(出入禁止)
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- 徴収職員は、捜索、差押又は差押財産の搬出をする場合において、これらの処分の執行のため支障があると認められるときは、これらの処分をする間は、次に掲げる者を除き、その場所に出入することを禁止することができる。
- 一滞納者
- 二差押に係る財産を保管する第三者及び第百四十二条第二項(第三者に対する捜索)の規定により捜索を受けた第三者
- 三前二号に掲げる者の同居の親族
- 四滞納者の国税に関する申告、申請その他の事項につき滞納者を代理する権限を有する者
この条文の基本情報
出入禁止とは何ですか?
定義出入禁止とは、国税徴収法第145条に定められた規定で、「徴収職員は、捜索、差押又は差押財産の搬出をする場合において、これらの処分の執行のため支障があると認められるときは、これらの処分をする間は、次に掲げる者を除き、そ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第145条(出入禁止)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第145条の条文原文は「徴収職員は、捜索、差押又は差押財産の搬出をする場合において、これらの処分の執行のため支障があると認められるときは、これらの処分をする間は、次に掲げる者を除き、そ…」で始まります。
- 国税徴収法第145条は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第145条の前の条は国税徴収法第144条です。
- 国税徴収法第145条の次の条は国税徴収法第146条です。
- 国税徴収法第145条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第145条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第145条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/145
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法145条は、徴収職員が捜索・差押え・搬出に支障があると認めるとき、その場所への出入りを禁止できると定める。滞納者・保管者・同居の親族・代理権者は除外される。
Q · 税務署が家に踏み込んできたとき、誰なら中に居られるの?
本人・保管者・同居の親族・代理権者の四類型だけ
国税徴収法145条により、徴収職員は捜索・差押え・差押財産の搬出の執行に支障があると認めるとき、その場所への出入りを禁止できます。ただし①滞納者本人、②差押財産を保管する第三者および142条2項により捜索を受けた第三者、③①②の同居の親族、④滞納者を代理する権限を有する者、の四類型は明文で除外されます。別居の子や代理権のない知人・取引先は、この四類型に当たらず退去を命じられうる立場です。
解説
税務署の徴収職員が自宅や事務所に踏み込んで捜索・差押えをするとき、彼らは「この場から出て行ってください」と第三者に命じる権限を持っている。国税徴収法145条がそれだ。ただし、この権限には明確な穴があり、そこがあなたの防御線になる。追い出せない者が四種類、条文に列挙されている。滞納者本人、差押財産を保管している第三者と捜索を受けた第三者、それらの者の同居の親族、そして滞納者を代理する権限を持つ者。最後の一つが決定的だ。あなたの顧問税理士は、この規定によって現場から排除されない。逆に言えば、代理権限を持たない知人・友人・取引先の担当者は、法的に一言も言えないまま外へ出される。しかも「支障があると認められるとき」の判断は現場の徴収職員が下す。踏み込まれてから税理士を呼んでも、到着する頃には差押えは終わっている。
法的な位置づけ
国税徴収法145条は、滞納処分における出入禁止を定める規定である。徴収職員は捜索、差押え又は差押財産の搬出につき執行上の支障が認められるとき、当該処分の間に限り場所への出入りを禁止できる。滞納者、差押財産の保管者および捜索を受けた第三者、それらの同居の親族、滞納者の代理権限を有する者は除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押予告・捜索の兆候を受け取った段階で代理権を書面化する 督促状や差押予告書が届いたら、顧問税理士に税務代理権限証書の提出を依頼する。145条4号の「代理する権限を有する者」に当たることを当日その場で示せるようにしておく。口頭の主張だけでは押し問答になる。
- 2.当日その場に居られる人を先に確定しておく 同居の親族は145条3号で除外されるため、当日在宅できるかを事前に確認する。別居の家族や取引先の担当者は除外者に当たらないため、呼んでも玄関の外で待つことになる可能性が高い。
- 3.徴収職員の来訪時に身分証明書と処分の範囲を確認する 捜索・差押え・搬出のいずれの処分か、対象場所はどこかを確認する。出入禁止は「これらの処分をする間」に限られるため、処分の範囲と時間の記録がそのまま後日の争点になる。
- 4.出入禁止を告げられた者の氏名と時刻を記録する 誰が何時に退去を命じられたかを書き留める。現場は再現できないため、この記録が手続の適法性を争う際の数少ない反証材料になる。退去する側も、退去直前の30秒で記録を残す。
- 5.捜索調書の内容を確認し、事後の不服申立てを検討する 146条に基づく捜索調書の記載と自分の記録を突き合わせる。差押えや手続に不服があれば、国税通則法の定める再調査の請求・審査請求の期間内に手続を進める。現場での抵抗ではなく書面で争う。
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法145条の出入禁止とは?
捜索・差押え・差押財産の搬出の執行に支障があると徴収職員が認めるとき、処分をする間だけその場所への出入りを禁止できる現場権限です。四類型の者は除外されます。
Q2税務署の捜索に立ち会えるのは誰?
145条の除外者、すなわち滞納者本人、差押財産を保管する第三者と捜索を受けた第三者、その同居の親族、滞納者の代理権限を有する者です。立会人の規律は144条が別に定めます。
Q3税理士は捜索の現場に入れる?
滞納者を代理する権限を有する者として145条で除外されます。ただし現場では税務代理権限証書など代理権を客観的に示せる書面の有無が実際の分岐点になります。
Q4出入禁止はいつまで続く?
条文上「これらの処分をする間」に限られます。捜索・差押え・搬出が終われば禁止の効力も終わり、無期限に立入りを封じる処分ではありません。
Q5別居の家族は追い出される?
145条3号の除外は「同居の親族」に限られます。別居の子や親は文言上除外されず、支障があると判断されれば退去を命じられうる立場です。
Q6出入禁止に従わないと違法?
徴収職員の捜索等を妨げる行為には国税徴収法上の罰則があり、物理的な妨害は公務執行妨害罪に発展する余地があります。争うなら現場ではなく事後の不服申立てです。
Q7出入禁止処分に不服がある場合の手続きは?
滞納処分に関する不服申立ての枠組みで争います。国税通則法75条以下の再調査の請求・審査請求によることになり、期間制限があるため早期の確認が必要です。
Q8地方税の滞納でも同じルール?
地方税法は地方団体の徴収金の滞納処分について国税徴収法の例によると定めており、市町村・都道府県の徴収職員にも同様の出入禁止権限が及びます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務署が来たとき、弁護士を呼んだら中に入れてもらえますか?
145条が除外するのは「滞納者を代理する権限を有する者」であり、税務代理の権限を持つ立場かどうかが問題になる。弁護士は税理士業務を行える(税理士法51条の通知弁護士など)が、当日その権限を示せるかは別問題だ。実務のポイント:現場では書面の有無が決定的になる。弁護士に依頼するなら、委任状と税務代理の資格を示す書面を先に用意させておく
Q2同居していない家族は本当に追い出されるんですか?
145条3号が除外するのは「前二号に掲げる者の同居の親族」であり、別居の親族は文言上含まれない。実務上、徴収職員が必ず退去を命じるとは限らないが、命じられたら法的に争う根拠は薄い。実務のポイント:同居の事実は住民票だけでなく生活実態で判断される。単身赴任や介護のための一時的な別居は、実態を説明できれば扱いが変わりうる
Q3出入禁止を無視して部屋に居座ったらどうなりますか?
徴収職員の質問検査や捜索を妨げる行為には罰則がある(国税徴収法188条など)。物理的に妨害すれば公務執行妨害罪(刑法95条)に発展する余地もある。争うなら現場ではなく事後の不服申立てで行うのが実益だ。実務のポイント:現場で抵抗した記録は、後の換価や執行停止の判断で不利な情状として働く。冷静に退去し、時刻と経緯を記録した者の方が、最終的に有利な位置に立つ
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の家なんだから、誰を入れるかは自分が決められる」と考える人が多い。だがこの問いの立て方自体がずれている。滞納処分の捜索中、その場所の出入りを管理するのは所有者ではなく徴収職員だ。所有権の問題ではなく、処分の執行に支障があるかどうかという行政上の判断で決まる
- 出入禁止は「野次馬を追い出す規定」だと軽く見られがちだが、深刻なのはその適用範囲だ。あなたが呼んだ弁護士であっても、税務代理の権限を有する立場でなければ、条文の文言上は除外者に当たらない可能性がある。実務上の取扱いは分かれるところであり、当日その場で権限を主張できる書面を持っているかが分岐点になる
- 「立会人が必要だから、誰かは必ず中にいられる」と思われている。捜索の立会いについては国税徴収法144条が別に定めており、145条の出入禁止とは別の話だ。立会人がいることと、あなたの味方が中にいられることは、まったく違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 145条:処分中の場所への出入りを禁止する権限 | 144条:捜索の立会人を置くべき義務 142条:捜索そのものの権限と第三者捜索の要件 |
| 誰のための規定か | 執行の実効性確保(徴収職員側の現場権限) | 手続の公正確保(第三者の目を置く) 捜索の要件統制(対象と範囲の限定) |
| 除外・要件 | 滞納者・保管者と被捜索第三者・同居の親族・代理権者を除外 | 同居の親族等または第三者を立会人とする 第三者への捜索は財産を所持すると認めるに足りる相当の理由が必要 |
| 時間的な限界 | 「これらの処分をする間」に限定 | 捜索の実施中 捜索の実施中(原則として日没後の制限あり) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では滞納処分に相当する行政執行を行政執行署が担い、執行現場の秩序維持は強制執行法の準用によって処理される。除外者を条文で列挙する日本の方式とは立法技術が異なる。
韓国も国税徴収法に捜索と質問検査の規定を置き、日本法の構造と近い。現場の立会いと退去に関する運用は税務当局の執行基準に委ねられる部分が大きい。
ドイツでは徴収官吏の権限として住居等への立入りが規定され、住居不可侵(GG Art. 13)との関係で裁判官の令状が要求される場面がある点が日本と対照的である。
米国では IRS の levy が原則として司法手続を経ずに行われる一方、私的な住居への立入りには裁判所の writ of entry が必要とされ、現場の出入り規律は令状の枠組みで処理される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自営業で消費税を滞納したまま半年。ある朝、徴収職員が三名、事務所に現れた。あなたはパニックになって取引先の社長に電話し、駆けつけてもらった。だがその社長は代理権限を持たない第三者だ。出入禁止を告げられ、玄関の外で待つしかない。中で何が押さえられているか、あなたは一人で見届けることになる
- 同居していない実の息子が、心配して実家に駆けつけた。だが145条が除外するのは「同居の親族」。別居の子は条文上、出入禁止の対象になりうる。血縁の濃さではなく同居という事実が線を引いている
- もし捜索の途中で顧問税理士が到着したら、現場に入れてもらえるのか? 入れる。税務代理の権限を有する者は明文で除外されている。ただし税理士法上の税務代理権限証書などで代理権を示せることが実務上重要になる。名刺だけでは押し問答になる
- あと数日で年度末、資金繰りが限界。滞納処分の予告書が届いてから10日が経った。今のうちに税理士と代理権の書面を整えておくか、当日その場で立ち会える者がゼロになるか。準備の差が、その日の情報量の差になる
取るべき行動
被害を受けた側:滞納者側の立場で書く。1. 差押予告・捜索の兆候があれば、直ちに税理士に税務代理権限証書の提出を依頼する。当日現場に入れる唯一の外部専門家になる2. 同居の親族には、当日その場を離れないよう伝えておく。除外者として明文で認められている3. 捜索当日は、押さえられた物、時刻、担当職員の氏名を記録する4. 出入禁止の告知を受けた者がいれば、氏名と時刻を控える。手続の適法性を争う際の材料になる
訴えられた側:徴収職員側または保管を求められた第三者の立場で書く。1. あなたが差押財産を保管する第三者であれば、145条により出入禁止の対象外になる。退去を求められたら保管者である旨を主張する2. 捜索を受けた第三者(142条2項)も同様に除外される3. 立場が曖昧な場合、その場で争うより退去に応じ、直後に書面で異議を記録した方が実益がある4. 保管中の財産に損害が生じた場合の責任範囲は、保管を引き受けた時点の書面で確認しておく
時効(請求できる期限):出入禁止処分そのものに特定の期間制限はなく、「これらの処分をする間」に限られる。滞納処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条、国税に関する処分は国税通則法の定めによる)。捜索が終わってから思い出したように争っても、期間の壁に当たる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:145条の出入禁止は、滞納処分の実効性確保のための執行付随的な現場処分であり、除外者の列挙は限定列挙と解される。もっとも「支障があると認められるとき」の判断には比例原則が及び、必要性を欠く一律の排除は違法となりうるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全面改正により現行法が制定され、捜索に関する一連の規定(142条以下)の一部として出入禁止の規定が置かれた。
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