国税徴収法 第144条(捜索の立会人)
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徴収職員は、捜索をするときは、その捜索を受ける滞納者若しくは第三者又はその同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせなければならない。この場合において、これらの者が不在であるとき、又は立会いに応じないときは、成年に達した者二人以上又は地方公共団体の職員若しくは警察官を立ち会わせなければならない。
この条文の基本情報
捜索の立会人とは何ですか?
定義捜索の立会人とは、国税徴収法第144条に定められた規定で、「徴収職員は、捜索をするときは、その捜索を受ける滞納者若しくは第三者又はその同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせなければな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第144条(捜索の立会人)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第144条の条文原文は「徴収職員は、捜索をするときは、その捜索を受ける滞納者若しくは第三者又はその同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせなければな…」で始まります。
- 国税徴収法第144条は第二款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第144条の前の条は国税徴収法第143条です。
- 国税徴収法第144条の次の条は国税徴収法第145条です。
- 国税徴収法第144条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第144条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第144条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/144
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法144条は、滞納処分の捜索に立会人を置くことを義務づける。滞納者本人や相当のわきまえのある同居親族が原則で、不在や拒否のときは成年者二人以上か自治体職員・警察官が必要。
Q · 税務署の人が家を捜索するとき、誰かが立ち会わないといけないんですか?
立会人がいなければ捜索は進められません
国税徴収法142条により滞納処分としての捜索に裁判官の令状は不要ですが、144条は立会人を必須としています。原則は滞納者本人か捜索を受ける第三者、又はその同居の親族・使用人その他の従業者で相当のわきまえのある者です。これらの者が不在または立会いに応じないときは、成年に達した者二人以上、又は地方公共団体の職員若しくは警察官を立ち会わせなければ捜索を進めることはできません。誰の目も届かない状態での捜索は、法律上許されていません。
解説
玄関に立った徴収職員が身分証明書を示し、税金の滞納を理由に家の中を捜索すると告げる。裁判官の令状はない。国税徴収法142条が、滞納処分としての捜索を令状なしで認めているからだ。ではあなたの側に何が残っているのか。144条である。捜索には立会人を置かねばならず、それはあなた自身か、同居の親族か、相当のわきまえのある使用人その他の従業者でなければならない。あなたが不在だったり立会いを拒んだりすれば、徴収職員は成年に達した者二人以上か、市役所の職員か警察官を立ち会わせない限り捜索を進められない。誰の目もない密室であなたの箪笥や金庫が開けられることは、法律上許されていない。立会人は儀式ではなく、後日「あの引き出しからは何も出ていないはずだ」と争うための、たった一人の証人である。
法的な位置づけ
国税徴収法144条は、滞納処分としての捜索における立会人を定める規定である。徴収職員は、捜索を受ける滞納者又は第三者、若しくはその同居の親族・使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせる義務を負い、これらの者が不在または立会いに応じない場合には、成年に達した者二人以上又は地方公共団体の職員若しくは警察官を立ち会わせなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.身分証明書を確認してから中に通す 玄関先で捜索を告げられたら、まず147条の身分証明書の提示を求め、氏名・所属・捜索の根拠となる滞納の内容を控える。この確認は拒否ではなく、法律が予定している正当な手続である
- 2.誰が立会人かをその場で特定する 自分が在宅なら必ず自分で立ち会う。不在で家族から連絡が来たら可能な限り駆けつける。自分以外が立ち会う場合、その人が同居の親族・使用人その他の従業者で相当のわきまえのある者か、成年者二人以上か、自治体職員・警察官かを確認して氏名を記録する
- 3.開けられた場所と取り出された物を時系列で記録する 捜索調書を作成するのは徴収職員だが、自分の手元の記録だけが後の反証材料になる。開扉された場所、取り出された物、時刻、立ち会った人物を時系列で書き留める
- 4.捜索調書の謄本を受け取り当日中に突き合わせる 146条による捜索調書の謄本を受け取り、自分の記録と照合する。食い違いがあればその日のうちに書面で指摘し、控えを保管する。数か月後に争う段階で「当日から一貫して指摘していた」という事実が重みを持つ
- 5.立会人要件の不備は後続処分の側から主張する 立会人が要件を満たしていなかったと考える場合、その事実を書面で残し、捜索に続く差押えの再調査の請求・審査請求(国税通則法77条、3か月以内)または国家賠償請求において違法性の根拠として主張する
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法144条の立会人とは?
滞納処分の捜索に立ち会う人のことです。滞納者本人か第三者、その同居の親族・使用人その他の従業者で相当のわきまえのある者が原則で、いない場合は成年者二人以上か自治体職員・警察官が代わりに立ち会います。
Q2滞納処分の捜索は何時から何時までできる?
原則として日没後から日出前までは捜索に着手できません(143条1項)。ただし日没前に着手した捜索は日没後も継続できます。夜間の突然の訪問で捜索を開始されることは原則ないと考えてよいです。
Q3捜索調書はもらえるの?
146条により徴収職員は捜索調書を作成し、立会人に謄本を交付します。開けられた場所や取り出された物の記載を必ず確認し、自分の記録と食い違う点はその日のうちに書面で指摘しておくのが実務です。
Q4立会人になった人に責任はある?
立会人は捜索の適正を見届ける役割で、滞納税を負担する義務は生じません。ただし捜索調書に署名を求められることがあるため、記載内容に納得できない部分があればその場で申し出て記録に残すべきです。
Q5捜索に警察官が来るのはなぜ?
滞納者側が不在または立会いを拒んだ場合、144条後段は成年者二人以上か地方公共団体の職員若しくは警察官の立会いを求めます。警察官の同行は逮捕目的ではなく、立会人要件を満たすための措置です。
Q6捜索に続く差押えの不服申立てはいつまで?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行います(国税通則法77条)。立会人要件の不備を争うなら、この期間内に主張する準備が必要です。
Q7市役所も家を捜索できるの?
できます。地方税の滞納処分は国税徴収法の例によるため、市県民税や国民健康保険税の滞納でも市町村の徴税吏員が同じ手続で捜索します。立会人の規律も同じように適用されます。
Q8鍵のかかった金庫は勝手に開けられる?
142条3項により、徴収職員は閉鎖された戸扉・金庫・容器を開くため必要な処分ができます。鍵を渡さなくても解錠されうるため、鍵をかけておけば守られるという理解は誤りです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務署の人が家に来て捜索するって、令状もないのに断れないんですか?
断れません。142条の捜索は裁判官の令状を要さず、実力で妨害すれば公務執行妨害(刑法95条)の問題になります。歯止めは144条の立会人だけです。実務のポイント:自宅の捜索まで来る事案は、預金や給与に差し押さえるものが見つからなかったか、財産隠しを疑われているかのどちらかです。どちらなのかを見極めると、その後の分割納付の交渉で切るべき札がまるで変わります
Q2家族が留守で、隣の人に一人立ち会ってもらったと言われました。それでいいんですか?
144条後段は、滞納者側が不在または立会いに応じないときは「成年に達した者二人以上」または地方公共団体の職員もしくは警察官を立ち会わせよと定めます。隣人が一人だけでは要件を満たしません。実務のポイント:立会人要件の欠如を理由に捜索そのものを取り消す道は実務上ほとんど機能しません。争うなら、その捜索でなされた差押えの取消しや国家賠償の側から違法性を主張するのが定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 捜索に令状が要らないことは知っている人もいる。だが深刻なのはその先だ。徴収職員は閉鎖された戸扉・金庫・容器を開くため必要な処分ができ(142条3項)、実力で妨害すれば公務執行妨害(刑法95条)の問題になる。令状はないのに強制力は本物という、この非対称さが実務の急所である
- 「立会いを拒否すれば捜索を止められるのでは」という問いの立て方そのものが誤っている。144条後段は、あなたが不在または拒否した場合に備えて代替の立会人を用意させる規定だ。拒否は捜索を止める手段ではなく、あなたの目が届かない状態で捜索が進む結果を招くだけである
- 立会人は「とりあえずその場にいる人」だと思われがちだが、条文は同居の親族や使用人その他の従業者について「相当のわきまえのあるもの」という質を要求している。判断能力を欠く高齢の親族や幼い子どもを立てただけの捜索は、立会人要件を満たさない可能性がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 144条:捜索に立ち会わせるべき人(人的な歯止め) | 142条:捜索できる場所と方法(権限そのもの) 143条:捜索できる時間帯(時間的な歯止め) |
| 中心的な内容 | 滞納者・第三者・相当のわきまえのある同居親族等、不在時は成年者二人以上か自治体職員・警察官 | 滞納者の物・住居等の捜索、第三者は相当の理由がある場合、閉鎖された戸扉等を開く処分 日没後から日出前までは着手不可、日没前着手分は継続可 |
| 違反したときの争い方 | 捜索自体の取消しは実務上困難、後続の差押えの不服申立てや国家賠償で違法性を主張 | 権限の範囲外の捜索として同様に後続処分を争う 夜間着手の違法として後続処分を争う |
| 記録の残し方 | 立会人の氏名・属性を捜索調書と自分の記録の双方で確認 | 開扉された場所・取り出された物を記録 着手時刻・終了時刻を記録 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の強制執行を法務部行政執行署が担い、手続は強制執行法を準用する。滞納処分の捜索に特化した立会人の専条は置かれていない
韓国も国税徴収法に捜索と参与者(立会人)の規定を置き、日本法と近い構造をとる。具体的な条番号は改正沿革の確認が必要
ドイツは債務者や家族等が不在の場合、執行官に成年者二人又は市町村職員・警察職員を証人として立ち会わせる義務を課す。日本の144条後段とほぼ同一の設計。なお住居の捜索自体には原則として裁判官の命令を要する点が日本と異なる
フランスも住居内での執行に際し、市長・市議会議員・委任を受けた市職員、警察もしくは憲兵の職員、又は成年の証人二人の立会いを要求する。税務の家宅捜索(LPF L. 16 B)は裁判官の許可を要する
米国は行政上の徴収(levy)自体は令状不要だが、私的空間への物理的立入りには修正4条により令状(writ of entry)が必要とされる。立会人ではなく令状で統制する設計であり、日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが留守にしている間に徴収職員が訪れ、家にいたのが高校生の子どもだけだったとしたら? 144条前段の「相当のわきまえのあるもの」に当たるかは年齢だけでなく、捜索の意味を理解して見届けられるかで判断される。要件を欠く立会いだったと主張するなら、その捜索に続く差押えを知った日の翌日から3か月が勝負になる
- 滞納者に部屋を貸している大家のあなたのもとに、徴収職員が立会いを求めてくる。借主の財産がそこにあると疑うに足りる相当の理由があれば、第三者の建物でも捜索の対象になる(142条2項)。あなたは無関係な傍観者ではなく、立会人という当事者の席に座らされる。
- 会社の事務所に徴収職員が入ってきた。社長は出張中で、その場にいるのは入社二か月のアルバイトだけ。その人が「相当のわきまえのある使用人その他の従業者」に当たらなければ、徴収職員は成年者二人以上か、地方公共団体の職員か警察官を連れてこなければ捜索を進められない。ここを押し切って強行された捜索は、後日の差押えを争うときの数少ない材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 徴収職員の身分証明書を確認し(147条)、氏名と所属を控える2. 在宅なら必ず自分で立ち会う。不在中に家族から連絡が来たら可能な限り駆けつける3. 開けられた場所、取り出された物、時刻を時系列で記録する4. 捜索調書の謄本を受け取り(146条)、自分の記録と食い違う点はその日のうちに書面で指摘5. 立会人が要件を満たしていないと考えたらその事実を残し、後続の差押えの不服申立てや国家賠償請求で違法性の根拠として主張する
訴えられた側:滞納者本人ではなく、滞納者の財産を保管しているとして捜索を受ける第三者の立場なら。1. 第三者への捜索は「滞納者の財産を所持すると認めるに足りる相当の理由」がある場合に限られる(142条2項)。その理由の説明を求める2. 自分の所有物と滞納者の物を明確に区別して申し出て、区分を記録に残す3. 立会いを拒めば目の届かない場所で捜索が進む。拒否より立会いを選ぶ方が実利は大きい4. 自分の財産が差し押さえられたら審査請求(国税通則法75条)または取消訴訟で所有権を主張する
時効(請求できる期限):捜索自体に期間制限はないが、原則として日没後から日出前までは捜索を開始できない(143条1項、日没前に着手した捜索の継続は可)。捜索に続く差押えなどの処分を争う場合、再調査の請求または審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)。国家賠償請求は損害および加害者を知った時から3年(国家賠償法4条、民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:144条の立会人制度の趣旨は、事前の司法審査を欠く滞納処分の捜索において、その適正な執行を現場で担保し、事後の検証を可能にする点にあると解される。立会人要件の欠缺が捜索自体の効力に及ぼす影響については、後続の差押処分の違法性や国家賠償の場面で評価されるのが実務的な扱いである。
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年) 現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の全部改正により、捜索の立会人に関する規定として設けられた。以後の改正沿革は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の全部改正により、捜索の立会人に関する規定として設けられた。以後の改正沿革は人的検証が必要
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