受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

国税徴収法 第147条(身分証明書の提示等)

クイックジャンプ
  1. 徴収職員は、この款の規定により質問、検査、提示若しくは提出の要求若しくは捜索をする場合又は前条の職務を執行する場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
  2. 2.この款の規定による質問、検査、提示若しくは提出の要求、物件の留置き又は捜索の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

この条文の基本情報

身分証明書の提示等とは何ですか?

定義身分証明書の提示等とは、国税徴収法第147条に定められた規定で、「徴収職員は、この款の規定により質問、検査、提示若しくは提出の要求若しくは捜索をする場合又は前条の職務を執行する場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第147条(身分証明書の提示等)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第147条の条文原文は「徴収職員は、この款の規定により質問、検査、提示若しくは提出の要求若しくは捜索をする場合又は前条の職務を執行する場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請…」で始まります。
  3. 国税徴収法第147条は第二款に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第147条の前の条は国税徴収法第146条の2です。
  7. 国税徴収法第147条の次の条は国税徴収法第148〜150条です。
  8. 国税徴収法第147条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第147条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第147条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/147

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法147条は、徴収職員に身分証明書の携帯と関係者の請求に応じた提示を義務づけ、質問検査や捜索の権限を犯罪捜査に用いることを禁じる規定である。

Q · 税務署の徴収職員が家に来たとき、こちらから何を求められるんですか?

令状ではなく身分証明書の提示を求めるのが正解です

国税徴収法147条1項により、徴収職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは提示しなければなりません。提示義務は請求があって初めて現実に働くため、こちらが求めなければ、誰が調査を行ったのかを後から特定できません。2項は、質問・検査・提示若しくは提出の要求・物件の留置き・捜索の権限を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと定めており、財産の所在や帰属を離れた質問には条文上の線が引かれています。

解説

令状なしで、税務署の職員があなたの自宅の押入れを開け、金庫をこじ開けることがある。これは違法ではない。滞納処分のための捜索(国税徴収法142条)は、裁判官の令状を必要としないからだ。ではあなたに何が残されているか。147条1項が答えの半分を握る。徴収職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは提示しなければならない。裏を返せば、あなたが「見せてください」と言うまで、その義務は眠ったままだ。もう半分が2項。この調査権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。徴収職員が家に入るのは税金を取り立てるためであって、あなたの犯罪の証拠を集めるためではない。質問が財産の所在から離れ、売上の計上漏れや架空経費の話に向かい始めたら、そこが条文の引いた線の外側である。

法的な位置づけ

国税徴収法147条は、滞納処分に係る財産調査権限の行使方法を規律する規定である。1項は徴収職員に身分証明書の携帯義務と、関係者の請求に応じた提示義務を課す。2項は質問、検査、提示若しくは提出の要求、物件の留置き及び捜索の各権限について、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない旨を明示し、権限の目的を租税債権の徴収に限定する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.玄関を開ける前に身分証明書の提示を請求する インターホンや玄関先の時点で「身分を示す証明書を提示してください」と述べる。147条1項の提示義務は請求があって初めて働く。証票の氏名・所属・職名をその場で書き取るか撮影する。室内に入れてからでは、捜索はすでに始まっている
  2. 2.調査の根拠となる滞納税目と金額を確認させる どの税目の、いつの、いくらの滞納に基づく調査なのかを口頭で確認し記録する。督促状や差押予告通知が手元にあれば照合する。根拠が説明できない調査は、後の不服申立てで争点になる
  3. 3.質問が財産の所在から逸れた時刻を記録する 質問が財産の所在や帰属から離れ、売上の計上漏れや架空経費の当否に向かい始めたら、その時刻と質問内容を書き留める。147条2項の転用禁止を後に争うときの中核証拠になる。その場で「それは147条2項の範囲を超えていませんか」と述べてよい
  4. 4.捜索調書を読み、異議を記載してから署名を判断する 捜索調書(146条)は必ず全文を読む。提示請求に応じられなかった事実、立会人の不在、時間制限(143条)に反する着手など、事実と異なる記載や欠落があればその場で異議を述べ、記載を求めてから署名の可否を判断する
  5. 5.捜索を待たず、猶予制度の申請を同時に走らせる 換価の猶予(国税徴収法151条の2)や納税の猶予(国税通則法46条)の申請を並行して進め、先に交渉のテーブルを作る。処分を争う場合、不服申立ては処分を知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)

よくある質問 AI による整理

Q1国税徴収法147条とは?

滞納処分の財産調査を行う徴収職員に、身分証明書の携帯と請求に応じた提示を義務づけ(1項)、その調査権限を犯罪捜査に転用することを禁じる(2項)規定です。

Q2徴収職員の身分証明書はどんなものですか?

所属する税務署等の名称、氏名、職名などが記載された公的な証票です。147条1項は携帯を義務づけていますが、提示は関係者から請求があったときに行われます。

Q3滞納処分の捜索は何時から何時までできる?

捜索は原則として日没後から日出前まではできません(国税徴収法143条)。日没前に着手した捜索は継続できるなどの例外があるため、着手時刻の記録が重要です。

Q4税務署の質問検査を拒否したらどうなる?

正当な理由なく質問に答えず、検査を拒み妨げた場合、国税徴収法188条の罰則の対象となり得ます。「任意だから断れる」という理解は誤りです。

Q5滞納処分の捜索に立会人は必要ですか?

国税徴収法144条により、捜索には滞納者や同居の親族、第三者などの立会いが求められます。立会人がいない捜索は手続の適正が問題になり得ます。

Q6捜索調書はもらえますか?

捜索をしたときは捜索調書が作成されます(国税徴収法146条)。内容を必ず読み、事実と異なる記載があればその場で異議を述べてから署名の可否を判断してください。

Q7差し押さえできない財産はある?

生活に不可欠な衣服・寝具・家具、一定額の給与、実印などは差押禁止財産とされています(国税徴収法75条以下)。全財産が対象になるわけではありません。

Q8滞納の事実は勤務先や取引先にも知られる?

財産調査は滞納者本人だけでなく、取引先や金融機関など第三者にも及びます(国税徴収法141条)。売掛金や預金の照会を通じて外部に伝わる経路があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1税務署の人が家に来たとき、令状がないなら追い返してもいいんですか?

追い返せません。滞納処分のための捜索は裁判官の令状を要しません(国税徴収法142条)。最高裁も税務調査の質問検査権について憲法35条の令状主義が当然には及ばないとしています(最大判昭和47.11.22)。あなたにできるのは147条1項の提示請求と記録の確保です。実務のポイント:徴収職員は捜索に着手する前に任意の納付交渉を試みるのが通常です。玄関先で「今から換価の猶予を申請したい」と具体的に切り出すと、その日の捜索が見送られることは実務上珍しくない

Q2調査で話したことが、後で脱税事件の証拠に使われることってありますか?

147条2項はこの権限を犯罪捜査のために用いることを禁じています。査察(国税通則法131条以下の犯則調査)は別の手続で、臨検・捜索・差押えには裁判官の許可状が必要です(同132条)。ただし徴収調査で判明した事実が犯則事件の端緒となる余地については、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:質問が「財産はどこにあるか」から「なぜ売上が合わないのか」へ変わった瞬間が境界線です。その変化を日時とともに書き留めておくことが、後に証拠の使用を争う唯一の材料になる

Q3証明書を見せてくださいと言ったのに見せてもらえなかったら、その捜索は無効になりますか?

直ちに無効にはなりません。147条1項の提示義務違反だけで差押えが取り消されるとは限らない、というのが実務の一般的な理解です。ただし捜索の時間制限違反(143条)や立会人不在(144条)と重なれば、全体として違法性が評価されます。実務のポイント:その場で紙に「◯時◯分、証票の提示を求めたが応じられず」と書き、職員の面前で読み上げる。この一手が後の不服申立てで最も効く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「令状を見せてください」と言えば止められる、という問いの立て方そのものが誤っている。滞納処分のための捜索に令状は要らない(142条)。最高裁も、税務調査における質問検査に憲法35条の令状主義が当然には及ばないとしている(最大判昭和47.11.22、川崎民商事件)。あなたが求めるべきは令状ではなく身分証明書であり、問いを間違えた人は使えるカードを一枚も切らないまま捜索の終わりを迎える
  • 2項の「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」を「だから刑事事件にはならない」と読むのは、条文の深刻度の読み違いである。禁じられているのは徴収の権限を犯罪捜査に流用することであって、徴収の過程で判明した事実が犯則事件(国税通則法131条以下)の端緒になる道まで塞がれているわけではない。この境界の引き方は、実務上、解釈が分かれている
  • あなたから見れば「証明書の提示なんてただの形式」だが、法律から見れば違う。提示を請求した事実と、応じた職員の氏名の記録が、後の不服申立てや国家賠償請求における唯一の足場になる。形式だと思って請求しなかった人は、争うための材料をその日のうちに自分で捨てている
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割147条:権限行使の方法と目的の枠付け(身分開示・転用禁止)141条:財産調査のための質問及び検査権の根拠
142条:令状によらない捜索の権限と方法
令状の要否令状に代わる統制として主体の可視化と目的限定を置く令状不要(任意的な質問検査だが拒否には罰則)
令状不要(裁判官の審査を経ない強制的捜索)
違反したときの効果提示義務違反のみで差押えが当然に無効となるとは限らない拒否・妨害は188条の罰則の対象
時間制限(143条)・立会人(144条)違反と重なれば違法性が高まる
刑事手続との関係2項が犯罪捜査への転用を明文で禁止犯則調査(国税通則法131条以下)とは別系統
犯則調査の臨検・捜索・差押えは許可状が必要(同132条)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国 稅捐稽徵法第32條

稽徵人員は職務執行時に証明文件を出示すべきものとされ、出示しない場合には被調査者が調査を拒否できると明定する点で、日本の147条1項より被調査者側の効果が明確である

韓国
대한민국 국세기본법 제81조의4(세무조사권 남용 금지)

税務調査権を他の目的のために濫用してはならないとする明文を置き、目的限定の統制という点で日本の147条2項と機能的に対応する

ドイツ
Abgabenordnung § 198、§ 393

§ 198は外部調査官に着手時の身分開示義務を課し、§ 393は課税手続と租税刑事手続の関係を規律して、刑事手続開始後の強制的な協力義務を制限する。日本の147条が1条で担う二つの機能を、ドイツは二か条に分けて規律している

アメリカ
26 U.S.C. § 7602(d)、United States v. LaSalle National Bank, 437 U.S. 298 (1978)

司法省への刑事告発が有効な間は行政上の召喚状を発しえないとする明文の遮断規定を持ち、行政調査と刑事捜査の切り分けを手続的に厳格化している

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし今日の午前、名乗らないスーツの二人組が玄関で「税務署です」と言ったら、あなたの最初の一言は何になるか。正解は「身分証明書を提示してください」だ。147条1項の提示義務は、あなたが請求して初めて発動する。証票の氏名・所属をその場で書き取ること。後で違法な調査を争うとき、誰がやったかを特定できない主張は最初から相手にされない
  • あなたが小さな会社の経理担当で、社長個人の滞納を理由に会社の帳簿を検査された。職員が「これ、社長の脱税じゃないんですか」と聞いてきた。その質問は2項の外側にある
  • 差押えの予告通知が届いて残り7日。分割納付の相談に行ったその場で、職員が資料の提示を求めてくる。これは141条の質問検査権に基づくもので、正当な理由なく拒めば188条の罰則(一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)が現実に動く。「任意だから断れる」と誰かに言われたなら、その助言は間違っている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 玄関先で「身分証明書を提示してください」と述べ、証票の氏名・所属を書き取るか撮影する(147条1項)。2. どの税目のいくらの滞納に基づく調査かを口頭で確認させる。3. 捜索調書(146条)は必ず読み、事実と異なる記載にはその場で異議を述べてから署名の可否を判断する。4. 質問が財産の所在から逸れ、売上や経費の当否に向かい始めた時刻を記録する。2項違反を争う際の中核証拠になる。

訴えられた側:1. 拒否は得策ではない。141条の質問検査を正当な理由なく拒めば188条の罰則が現実に動く。2. ただし答える義務があるのは財産の所在と帰属に関する範囲まで。3. 捜索を待つのではなく、換価の猶予(国税徴収法151条の2)や納税の猶予(国税通則法46条)の申請を同時に走らせ、先に交渉のテーブルを作る。4. 給与の一定額や生活に不可欠な家財は差押禁止財産(75条以下)にあたる。全部持っていかれるわけではない。

時効(請求できる期限):147条自体に期限の定めはない。調査に伴う処分を争うなら、不服申立ては処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)、その裁決を経たうえで取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条、国税は不服申立前置=国税通則法115条)。違法な捜索を理由とする国家賠償請求は、損害及び加害者を知った時から3年(民法724条)。いずれの入口も、捜索当日の記録がなければ実質的に閉じる。

学説

通説:147条2項は、行政上の徴収目的で付与された権限を犯罪捜査の証拠収集に流用することを禁じる趣旨であり、犯則事件の調査には国税通則法131条以下の別手続と裁判官の許可状が必要であると解される。もっとも、徴収調査で得られた資料が犯則事件の端緒となる場合の限界については見解が分かれている。

改正沿革 AI による整理

  • 国税通則法の調査手続整備に伴う改正(改正年次は要検証) 物件の提示若しくは提出の要求および物件の留置きが税務調査手続として明文化された際、2項の権限列挙にこれらが加えられたものと解されるが、改正年次と条文文言の変遷は人的検証を要する

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

国税徴収法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›