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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

国税徴収法 第78条(条件付差押禁止財産)

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  1. 次に掲げる財産(第七十五条第一項第三号から第五号まで(農業等に欠くことができない財産)に掲げる財産を除く。)は、滞納者がその国税の全額を徴収することができる財産で、換価が困難でなく、かつ、第三者の権利の目的となつていないものを提供したときは、その選択により、差押をしないものとする。
  2. 一農業に必要な機械、器具、家畜類、飼料、種子その他の農産物、肥料、農地及び採草放牧地
  3. 二漁業に必要な漁網その他の漁具、えさ、稚魚その他の水産物及び漁船
  4. 三職業又は事業(前二号に規定する事業を除く。)の継続に必要な機械、器具その他の備品及び原材料その他たな卸をすべき資産

この条文の基本情報

条件付差押禁止財産とは何ですか?

定義条件付差押禁止財産とは、国税徴収法第78条に定められた規定で、「次に掲げる財産(第七十五条第一項第三号から第五号まで(農業等に欠くことができない財産)に掲げる財産を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第78条(条件付差押禁止財産)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第78条の条文原文は「次に掲げる財産(第七十五条第一項第三号から第五号まで(農業等に欠くことができない財産)に掲げる財産を除く。」で始まります。
  3. 国税徴収法第78条は第六款に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第78条の前の条は国税徴収法第77条です。
  7. 国税徴収法第78条の次の条は国税徴収法第79条です。
  8. 国税徴収法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第78条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/78

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法78条は、事業用の機械や漁船などについて、滞納者が国税の全額を徴収できる代替財産を提供したときは、その選択により差押えをしないと定める条件付差押禁止の規定である。

Q · 税金を滞納したら、仕事で使う機械まで差し押さえられてしまうの?

代わりの財産を出せば、仕事道具は差押えを免れます

国税徴収法78条により、農業用機械、漁具・漁船、職業や事業の継続に必要な機械・器具・備品・原材料・たな卸資産は、滞納者が代替財産を提供すれば差押えを免れます。代替財産の要件は三つで、滞納国税の全額を徴収できること、換価が困難でないこと、抵当権など第三者の権利の目的となっていないことです。提供して初めて効力が生じるため、黙っていれば通常どおり差し押さえられます。なお75条1項3号から5号の農業等に欠くことができない財産は絶対的差押禁止で、本条の対象外です。

解説

税金を滞納して差押えの通知が来たとき、多くの人は「役所が何を持っていくかは役所が決める」と信じている。国税徴収法78条は、その前提を覆す。あなたが農業の機械、漁具や漁船、あるいは仕事に使う工作機械や在庫を差し押さえられそうになったとき、代わりに別の財産を差し出せば、その仕事道具は差押えから外れる。条文が求める代替財産の条件は三つ。滞納国税の全額を回収できること、換価(売って現金化すること)が困難でないこと、抵当権や質権など第三者の権利がついていないこと。この三つを満たす財産を提供すれば、選ぶ権利はあなたの側に移る。「その選択により」という五文字が、この条文の核心だ。役所の裁量ではなく、滞納者の選択権として書かれている。ただし75条1項3号から5号の農業等に欠くことのできない財産は、そもそも絶対的に差押えが禁止されているので、この交換取引の対象外である。

法的な位置づけ

国税徴収法78条は条件付差押禁止財産を定める規定である。農業・漁業・職業または事業の継続に必要な機械、器具、漁船、原材料、たな卸資産等について、滞納者が滞納国税の全額を徴収できる財産であって換価が困難でなく第三者の権利の目的となっていないものを提供した場合、その選択により差押えをしないものとする。75条の絶対的差押禁止財産とは異なり、代替財産の提供を条件とする点に特徴がある。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.差押予告通知の対象財産を特定する 通知に記載された財産が、農業用機械(1号)、漁具・漁船(2号)、職業・事業の継続に必要な機械・器具・備品・原材料・たな卸資産(3号)のいずれかに当たるかを確認する。同時に75条1項3号から5号の絶対的差押禁止財産に当たらないかも先に確認する
  2. 2.代替財産の候補をリスト化する 抵当権、質権、仮登記、譲渡担保などの設定がない自己所有財産を洗い出す。不動産は登記事項証明書、預金は残高証明書、有価証券は取引残高報告書を取り寄せ、第三者の権利がないことを書面で示せる状態にする
  3. 3.全額徴収可能性を評価額で検証する 候補財産の評価額が滞納国税の全額(本税+延滞税+加算税)を上回るかを計算する。不動産は公売見積価額が実勢価格より低く評価されうるため、余裕を持った価値の財産を選ぶ。あわせて換価が困難でないか(買い手がつくか、権利関係が明確か)を検討する
  4. 4.書面で代替財産の提供を申し出る 徴収職員に対し「国税徴収法78条に基づく代替財産の提供」として、対象財産、評価額、第三者の権利がない旨を明記した書面を提出する。口頭のみで済ませず、提出日を記録に残す
  5. 5.換価の猶予・納税の猶予を併用申請する 国税徴収法151条の2の換価の猶予、国税通則法46条の納税の猶予を同時に申請し、事業継続により完納する意思を示す。分割納付計画とセットで提出すると交渉が進みやすい
  6. 6.拒否された場合は不服申立てを検討する 三要件を満たす財産を提供したにもかかわらず78条各号の財産が差し押さえられた場合、どの要件がなぜ欠けると判断されたかを記録で確認し、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行う

よくある質問 AI による整理

Q1条件付差押禁止財産とは何ですか?

代替財産を提供すれば差押えを免れる財産のことです。国税徴収法78条が定め、農業用機械、漁具・漁船、事業継続に必要な機械・備品・たな卸資産が該当します。無条件に守られる75条とは区別されます。

Q2国税徴収法78条と75条の違いは?

75条は代替財産なしで絶対に差し押さえられない財産、78条は代替財産を提供して初めて差押えを免れる財産です。75条1項3号から5号の農業等の財産は78条の対象外とされています。

Q3事業用機械の差押えを止める方法は?

国税徴収法78条に基づき、滞納国税の全額を徴収できる財産で、換価が困難でなく、抵当権等の設定がないものを徴収職員に提供します。書面で申し出るのが確実です。

Q4代替財産の提供はいつまでにすべき?

条文に固有の期限はありませんが、実務上は差押執行前が勝負です。執行後は換価手続との調整が必要になり、交渉力が大きく落ちます。差押予告通知が届いた時点で動くべきです。

Q5住宅ローン中の家は代替財産にできる?

原則できません。抵当権が設定されている財産は「第三者の権利の目的となつていない」という78条柱書の要件を満たさないためです。完済して抵当権が抹消されていれば候補になります。

Q6漁船は差し押さえられる?

国税徴収法78条2号が漁業に必要な漁網その他の漁具、えさ、稚魚その他の水産物および漁船を掲げており、代替財産を提供すれば差押えを免れます。提供しなければ差押えの対象です。

Q7在庫商品も差押禁止になりますか?

78条3号の「原材料その他たな卸をすべき資産」に該当し、代替財産の提供により差押えを免れます。ただし提供しない限り保護されず、在庫自体が差し押さえられます。

Q8代替財産を出したのに差し押さえられたら?

三要件を満たす財産を提供したのに78条各号の財産を差し押さえた処分は違法として争えます。処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求を行います。

この条文についての質問 AI による整理

Q1代わりに出す財産って、税金の額とぴったり同じじゃないとダメなんですか?

ぴったりである必要はなく、条文は「その国税の全額を徴収することができる財産」と定めている。つまり滞納額を上回る価値が必要で、下回るものは不可。実務のポイント:不動産を提供する場合、徴収職員は公示価格や路線価ではなく、実際に公売で売れる価格(公売見積価額)を基準に判断する。実勢価格より2割から3割低く見積もられることが珍しくないので、余裕を持った価値の財産を用意しないと要件不足で断られる

Q2住宅ローンが残ってる家を差し出すのはダメですか?

抵当権が設定されている以上「第三者の権利の目的となつていない」という要件を満たさず、原則として不可。金融機関が優先弁済を受けるため、国税に回る分が確保できないからだ(78条柱書)。実務のポイント:ただし残債が僅少で、不動産価値が残債+滞納額を大きく上回る場合、実務上受け入れられる余地はある。実務上、解釈が分かれている領域なので、税理士を通じて事前に打診する価値がある

Q3会社の在庫商品でも代替財産として使えますか?

在庫は78条3号で保護される側(たな卸をすべき資産)であると同時に、換価が容易であれば代替提供の対象にもなりうる。ただし季節商品や陳腐化しやすい商品は「換価が困難でない」の要件を満たしにくい。実務のポイント:在庫を差し出すより、売掛金を提供する方が受け入れられやすいケースがある。売掛金は債権差押えで直接取り立てられ、公売の手間がかからないためだ。ただし取引先に差押通知が行くので、信用への影響は覚悟する必要がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「滞納したら何を差し押さえられるかは税務署が決める」と多くの人が思い込んでいるが、問い自体がずれている。正しい問いは「私が代わりに何を差し出せるか」である。78条は滞納者に選択権を与えており、要件を満たす代替財産を提供すれば、事業用資産は差押えの対象から外れる。受け身で待つか、能動的に提案するかで結果が変わる
  • 78条の存在を知っている人でも、その深刻度を見誤りがちだ。この条文は「提供したとき」に効力が発生する。つまり黙っていれば何も起こらない。差押えが執行されてしまった後で「78条があったのに」と言っても、既に換価手続が進んでいれば取り返しがつかない。知識としての78条と、期限内に行使される78条は、価値がまるで違う
  • 「事業用の機械は生活に必要だから差し押さえられないはず」という理解は、二つの制度を混同している。国税徴収法には75条の絶対的差押禁止財産(衣服、寝具、3か月分の食料など生活の最低限)と、78条の条件付き差押禁止財産がある。事業用機械は原則として後者であり、代替財産を出さなければ普通に差し押さえられる。「必要だから守られる」のではなく「代わりを出すから守られる」のだ
比較の観点この条文ほかの条文
保護の性質78条:条件付差押禁止(代替財産の提供が条件)75条:絶対的差押禁止(無条件で差押不可)
76条:給与の差押禁止額(金額基準で一部保護)
対象財産農業用機械・漁具漁船・事業継続に必要な機械器具・たな卸資産衣服、寝具、3か月分の食料、農業等に欠くことができない財産等
給料、賃金、俸給、賞与等の一定割合
滞納者の行動要否必要:代替財産を提供して初めて効力が生じる不要:職権で差押えが禁止される
不要:法定計算により差押可能額が自動的に決まる
事業継続への効果生業財産を維持したまま滞納整理を進められる最低限の生活を保障するが事業規模の維持は想定外
生活費相当額を確保するが事業用資産は保護されない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
税捐稽徵法第49条・強制執行法第52条・第53条

台湾は税捐の強制執行に強制執行法を準用し、債務者およびその共同生活の親族に必要な生活用品と、職業上必要な器具・物品を禁止查封財產とする。日本と異なり代替財産の提供を条件とする構成ではなく、原則として無条件の除外に近い。

韓国
대한민국 국세징수법 제41조

韓国も条件付差押禁止財産の類型を持ち、滞納者が他の財産を提供した場合に事業用資産等の差押えを行わない構成を採る。日本法の影響が強く構造が近い。

ドイツ
Abgabenordnung § 295, ZPO § 811

ドイツは租税通則法が民事訴訟法の差押禁止動産規定を準用し、稼働に必要な物(Sachen für Erwerbstätigkeit)を保護する。代替財産の提供という条件構成ではなく、必要性の判断で直接に差押禁止とする点が異なる。

アメリカ
26 U.S.C. § 6334(a)(3), (6)

米国内国歳入法典は連邦税リーエンの執行において、職業・事業に必要な書籍および道具を一定金額まで免除財産とする。金額上限による定量的な保護であり、日本の代替財産提供型とは設計思想が異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 町工場を営むあなたのもとに差押予告通知が届いた。狙われているのは800万円の NC 旋盤、これを失えば受注が止まり、税金を払う原資そのものが消える。だが自宅の隣にある更地(抵当権なし、評価額1,200万円)を提供すれば、旋盤は差押えを免れる。徴収職員に「78条3号で代替提供したい」と言えるかどうかで、来月の売上がゼロになるか続くかが分かれる
  • もし、あなたが漁師で漁船を差し押さえられたらどうなる? 船がなければ漁に出られず、収入はゼロ。滞納は増える一方で、税務署にとっても回収額は減る。78条2号は、この共倒れを防ぐために置かれている。船の代わりに定期預金や有価証券を提供する、その一手が生活の全部を守る
  • 徴収職員として現場に立つあなたの側から見た場合。滞納者が代替財産を提供してきたら、「換価が困難でないか」「第三者の権利がついていないか」を確認する義務が生じる。要件を満たしているのに事業用機械の差押えを強行すれば、その処分は違法として争われうる
  • あと10日で差押えの期限。あなたはトラック運送業で、車両3台のうち2台に狙いがついている。手元には母から相続した未登記の農地。だが「換価が困難でない」という要件を満たすには、権利関係が明確で買い手のつく財産でなければならない。今夜のうちに登記簿を取り寄せ、抵当権の有無を確認する必要がある
  • 農家のあなたがトラクターの差押えを告げられた。ここで注意すべきは、農業に欠くことのできない一定の財産は75条で最初から絶対的に差押禁止であり、78条の交換の話に入る前に、そもそも取れない財産かどうかを先に確認すべきだという点だ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 差押予告通知が来たら、狙われている財産が事業継続に不可欠か即座に判断する2. 抵当権・質権・仮登記のない自己所有財産をリスト化、不動産は登記事項証明書、預金は残高証明を用意3. その財産の評価額が滞納国税の全額(本税+延滞税)を上回るか計算4. 徴収職員に書面で「国税徴収法78条に基づく代替財産の提供」を申し出る、口頭だけで済ませない5. 同時に換価の猶予(151条の2)の申請も検討、事業継続の意思を示す

訴えられた側:徴収側の立場では、滞納者から代替提供があった場合、三要件(全額徴収可能性、換価容易性、第三者権利の不存在)を個別に検証する義務がある。要件を満たさないと判断するなら、どの要件がなぜ欠けるかを記録に残すこと。要件充足の財産があるのに78条各号の財産を差し押さえれば、違法な処分として審査請求や取消訴訟の対象になりうる

時効(請求できる期限):78条自体に固有の申出期限はないが、実際上は差押執行前が勝負。差押えの効力発生後は換価手続との調整が必要になる。差押処分に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法77条)。国税の徴収権自体の消滅時効は法定納期限から5年(国税通則法72条)だが、差押えにより時効は更新される

学説

通説:78条は租税債権の確実な徴収と滞納者の生業維持との調整規定であり、代替財産の三要件(全額徴収可能性、換価容易性、第三者の権利の不存在)が充足される限り、徴収職員には各号財産を差し押さえない義務が生じると解される。

実務運用上の理解:「換価が困難でない」の判断は、買受人の見込み、権利関係の明確性、市場性を総合して行われ、季節商品や陳腐化の早いたな卸資産、権利関係が未整理の不動産は要件を満たしにくいとされる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全面改正により制定。旧法下の差押禁止規定を、絶対的差押禁止(75条)と条件付差押禁止(78条)に再編し、生業財産については代替財産の提供を条件とする構成が採られた。

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国税徴収法の全文を見る所属する編章節を開く:第六款

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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