要点国税徴収法 78 条は、事業用の機械や漁船などについて、滞納者が国税の全額を徴収できる代替財産を提供したときは、その選択により差押えをしないと定める条件付差押禁止の規定である。
Q · 税金を滞納したら、仕事で使う機械まで差し押さえられてしまうの?
代わりの財産を出せば、仕事道具は差押えを免れます
国税徴収法 78 条により、農業用機械、漁具・漁船、職業や事業の継続に必要な機械・器具・備品・原材料・たな卸資産は、滞納者が代替財産を提供すれば差押えを免れます。代替財産の要件は三つで、滞納国税の全額を徴収できること、換価が困難でないこと、抵当権など第三者の権利の目的となっていないことです。提供して初めて効力が生じるため、黙っていれば通常どおり差し押さえられます。なお 75 条 1 項 3 号から 5 号の農業等に欠くことができない財産は絶対的差押禁止で、本条の対象外です。
税金を滞納して差押えの通知が来たとき、多くの人は「役所が何を持っていくかは役所が決める」と信じている。国税徴収法 78 条は、その前提を覆す。あなたが農業の機械、漁具や漁船、あるいは仕事に使う工作機械や在庫を差し押さえられそうになったとき、代わりに別の財産を差し出せば、その仕事道具は差押えから外れる。条文が求める代替財産の条件は三つ。滞納国税の全額を回収できること、換価(売って現金化すること)が困難でないこと、抵当権や質権など第三者の権利がついていないこと。この三つを満たす財産を提供すれば、選ぶ権利はあなたの側に移る。「その選択により」という五文字が、この条文の核心だ。役所の裁量ではなく、滞納者の選択権として書かれている。ただし 75 条 1 項 3 号から 5 号の農業等に欠くことのできない財産は、そもそも絶対的に差押えが禁止されているので、この交換取引の対象外である。
国税徴収法 78 条は条件付差押禁止財産を定める規定である。農業・漁業・職業または事業の継続に必要な機械、器具、漁船、原材料、たな卸資産等について、滞納者が滞納国税の全額を徴収できる財産であって換価が困難でなく第三者の権利の目的となっていないものを提供した場合、その選択により差押えをしないものとする。75 条の絶対的差押禁止財産とは異なり、代替財産の提供を条件とする点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
代替財産を提供すれば差押えを免れる財産のことです。国税徴収法 78 条が定め、農業用機械、漁具・漁船、事業継続に必要な機械・備品・たな卸資産が該当します。無条件に守られる 75 条とは区別されます。
75 条は代替財産なしで絶対に差し押さえられない財産、78 条は代替財産を提供して初めて差押えを免れる財産です。75 条 1 項 3 号から 5 号の農業等の財産は 78 条の対象外とされています。
国税徴収法 78 条に基づき、滞納国税の全額を徴収できる財産で、換価が困難でなく、抵当権等の設定がないものを徴収職員に提供します。書面で申し出るのが確実です。
条文に固有の期限はありませんが、実務上は差押執行前が勝負です。執行後は換価手続との調整が必要になり、交渉力が大きく落ちます。差押予告通知が届いた時点で動くべきです。
原則できません。抵当権が設定されている財産は「第三者の権利の目的となつていない」という 78 条柱書の要件を満たさないためです。完済して抵当権が抹消されていれば候補になります。
国税徴収法 78 条 2 号が漁業に必要な漁網その他の漁具、えさ、稚魚その他の水産物および漁船を掲げており、代替財産を提供すれば差押えを免れます。提供しなければ差押えの対象です。
78 条 3 号の「原材料その他たな卸をすべき資産」に該当し、代替財産の提供により差押えを免れます。ただし提供しない限り保護されず、在庫自体が差し押さえられます。
三要件を満たす財産を提供したのに 78 条各号の財産を差し押さえた処分は違法として争えます。処分を知った日の翌日から 3 か月以内に再調査の請求または審査請求を行います。
ぴったりである必要はなく、条文は「その国税の全額を徴収することができる財産」と定めている。つまり滞納額を上回る価値が必要で、下回るものは不可。業界裏話ヒント:不動産を提供する場合、徴収職員は公示価格や路線価ではなく、実際に公売で売れる価格(公売見積価額)を基準に判断する。実勢価格より 2 割から 3 割低く見積もられることが珍しくないので、余裕を持った価値の財産を用意しないと要件不足で断られる
抵当権が設定されている以上「第三者の権利の目的となつていない」という要件を満たさず、原則として不可。金融機関が優先弁済を受けるため、国税に回る分が確保できないからだ(78 条柱書)。業界裏話ヒント:ただし残債が僅少で、不動産価値が残債+滞納額を大きく上回る場合、実務上受け入れられる余地はある。実務上、解釈が分かれている領域なので、税理士を通じて事前に打診する価値がある
在庫は 78 条 3 号で保護される側(たな卸をすべき資産)であると同時に、換価が容易であれば代替提供の対象にもなりうる。ただし季節商品や陳腐化しやすい商品は「換価が困難でない」の要件を満たしにくい。業界裏話ヒント:在庫を差し出すより、売掛金を提供する方が受け入れられやすいケースがある。売掛金は債権差押えで直接取り立てられ、公売の手間がかからないためだ。ただし取引先に差押通知が行くので、信用への影響は覚悟する必要がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の性質 | 78 条:条件付差押禁止(代替財産の提供が条件) | — |
| 対象財産 | 農業用機械・漁具漁船・事業継続に必要な機械器具・たな卸資産 | — |
| 滞納者の行動要否 | 必要:代替財産を提供して初めて効力が生じる | — |
| 事業継続への効果 | 生業財産を維持したまま滞納整理を進められる | — |
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