国税につき徴した担保財産があるときは、前二条の規定にかかわらず、その国税は、その換価代金につき他の国税及び地方税に先だつて徴収する。
要点国税徴収法 14 条は、担保を徴した国税が、その担保財産の換価代金について他の国税・地方税に先立って徴収されると定める。差押えの先後は問わない。
Q · 納税の猶予で土地を担保に出したら、その土地を売ったお金は誰が先に取るの?
担保を取った国税が、その売却代金から最優先で回収します
国税徴収法 14 条により、納税の猶予や延納等で徴した担保財産の換価代金については、担保を徴した国税が他の国税・地方税に先立って徴収されます。差押えや交付要求の先後(12 条・13 条)は考慮されません。ただし優先が及ぶのは当該担保財産の換価代金に限られ、それ以外の財産では通常の順位に戻ります。また抵当権など私債権との優劣は 15 条・16 条により、法定納期限等と設定登記の先後で決まります。
税金どうしがぶつかったとき、日本の徴収法は原則として早い者勝ちで決着をつける。先に差し押さえた役所が勝ち(12 条)、差押えができない場合は先に交付要求した役所が勝つ(13 条)。ところが 14 条は、その順番争いを一箇所だけ丸ごと無効にする。納税の猶予や相続税の延納を受けるとき、あなたが差し出した土地や有価証券。その担保財産を売った代金に限っては、担保を取った国税が、他のどの国税・地方税よりも先に持っていく。あとから住民税や固定資産税の滞納で市役所が差押えに走っても、その代金からは一円も取れないことがある。つまりあなたが担保として差し出した瞬間、その財産は特定の税金のために囲い込まれる。押さえておくべきは、この優先が効くのは税金どうしの間だけで、法定納期限等より前に登記された抵当権など民間の担保権との勝負は 15 条・16 条という別のルールで決まる、という点だ。
国税徴収法 14 条は、担保を徴した国税の優先を定める規定であり、納税の猶予や延納等に際して徴した担保財産の換価代金については、差押先着手主義および交付要求先着手主義を排除し、当該国税を他の国税及び地方税に先立って徴収する旨を規定する。優先の対象は当該担保財産の換価代金に限定される。
担保を徴した国税を、その担保財産の換価代金について他の国税・地方税に優先させる規定です。12 条・13 条の先着手主義を、この場面に限って正面から排除します。
原則として必要ですが、猶予に係る金額が少額である場合や猶予期間が短い場合、その他担保を徴することができない特別の事情があるときは不要とされています(国税通則法 46 条)。
国債・地方債、税務署長が確実と認める社債その他の有価証券、土地、保険を付した建物や船舶等、税務署長が確実と認める保証人の保証、金銭が定められています(国税通則法 50 条)。
適用されます。延納許可の際は原則として担保提供が必要で(相続税法 38 条)、その担保財産の換価代金からは延納中の相続税が他の国税・地方税に先立って徴収されます。
及びません。優先するのは当該担保財産の換価代金に限られます。それ以外の財産については、8 条の国税優先の原則と 12 条・13 条の先着手主義に戻ります。
原則は差押えや交付要求の先後で決まります(12 条・13 条)。ただし担保を徴した国税があるときは、その担保財産の換価代金についてのみ、14 条により当該国税が優先します。
配当計算書の謄本の発送日から 7 日以内に、税務署長へ異議を申し出ることができます(国税徴収法 133 条)。期間が極端に短いため、届いた当日に内容を確認する必要があります。
同一財産に複数の納税担保が設定されている場合、担保権相互の順位(設定登記の先後等)に従って配当されるのが実務の考え方です。14 条は税目間の先着手主義を排除するにとどまります。
所有権は移りません。不動産の場合、税務署が抵当権の設定登記を受ける形が通常です(国税通則法 50 条、同施行令 16 条)。使い続けられるし、売ることもできます。ただし換価代金からは、担保を取った国税が他の税金に先立って回収される(14 条)。業界裏話ヒント:登記簿の乙区に「抵当権者 国」と公示されるため、次の融資審査でほぼ確実に発見されます。担保提供は税務署との内輪の話ではない
その担保財産の換価代金に限っては本当です。差押先着手(12 条)・交付要求先着手(13 条)の原則を、14 条が正面から外しているためです。市役所が住民税で先に差し押さえていても、担保を取った国税が先に配当を受ける。業界裏話ヒント:徴収の現場では、順番より先に他庁の担保徴取の有無を照会します。着手の早さだけで回収見込みを立てると、配当額の計算が丸ごと狂う
守られません。14 条が優先させるのは担保財産の換価代金についてであり、保証人の一般財産はここでいう担保財産ではないからです。保証人からの徴収は国税通則法 52 条の手続で、納付通知書による告知を経て行われます。業界裏話ヒント:保証人方式は自社の財産を囲い込まれない代わりに、保証人の全財産が矢面に立つ。どちらが軽いかは資産構成で逆転するので、提示された方式をそのまま受けない
登記の日付そのものではなく、国税の法定納期限等と抵当権設定登記の先後で決まります(15 条、16 条)。登記が法定納期限等より前なら銀行が勝ち、後なら国税が勝つ。14 条は税金どうしの順番を決める条文で、この勝負には口を出しません。業界裏話ヒント:更正・決定で追徴された国税は、法定納期限等が元の申告期限より後ろにずれる扱いがある(15 条 1 項各号)。税務調査で追徴が出ても、既登記の抵当権が自動的に負けるわけではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 順位を決める基準 | 14 条:担保徴取の有無(先後を問わない) | — |
| 適用される場面 | 担保財産の換価代金の配当に限定 | — |
| 対抗する相手 | 他の国税および地方税(私債権は対象外) | — |
| 私債権との関係 | 14 条は関与しない。15 条・16 条で法定納期限等と設定登記の先後により決定 | — |
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