要点国税徴収法 15 条は、法定納期限等以前に設定された質権の被担保債権を国税に優先させる。ただし登記できない質権は、執行機関への設定事実の証明がなければ優先は適用されない。
Q · 質権を設定していれば、税金の差押えより先に回収できますか?
法定納期限等より前の質権なら国税に優先します
国税徴収法 15 条 1 項により、質権が国税の法定納期限等以前に設定されていれば、その国税は換価代金につき質権の被担保債権に次いで徴収されます。つまり担保権者が先、国が後です。ただし 2 項により、登記できない質権(動産質・債権質など)は、強制換価手続で執行機関に対し公正証書・確定日付のある私署証書・内容証明郵便・認証を受けた電磁的記録の交付書面のいずれかで設定の事実を証明しなければ、この優先は適用されません。さらに 3 項により、証明された質権は確定日付がある日に設定されたものとみなされます。
税金はどんな債権より先に取られる、と信じている人は多い。国税徴収法 8 条だけを読めばそう見える。だが 15 条はその原則に窓を開けている。あなたが誰かの財産に質権を設定していて、その設定が「法定納期限等」以前であれば、国税はあなたの被担保債権の後ろに回る。国が二番手になるということだ。ただし条件が残酷で、登記できない質権(動産質、売掛債権への質権など)は、強制換価手続で執行機関に設定の事実を証明しなければ、この優先はそもそも発動しない。証明手段は公正証書、公証役場等の日付ある私署証書、内容証明郵便、認証を受けた電磁的記録の交付書面の四種類に限定されている。しかも 3 項により、質権は「確定日付が付いた日」に設定されたものとみなされる。滞納が発覚してから慌てて公証役場に走っても、その日付が法定納期限等より後なら、あなたの担保は国税に抜かれる。
国税徴収法 15 条は、国税優先の原則(同法 8 条)に対する例外として、法定納期限等以前に設定された質権の被担保債権を国税に優先させる規定である。登記をすることができない質権については、強制換価手続における執行機関への設定事実の証明が適用要件とされ、証明された質権は民法施行法 5 条の確定日付がある日に設定されたものとみなされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国税優先の原則の例外規定です。納税者の財産上の質権が国税の法定納期限等以前に設定されていれば、その国税は換価代金につき質権の被担保債権に次いで徴収されます。
設定時期で決まります。質権が法定納期限等以前なら質権が先、以後なら国税が先です。国税徴収法 8 条の原則を 15 条が時点基準で修正しています。
公正証書、登記所または公証人役場で日付のある印章が押された私署証書、郵便法 48 条 1 項の内容証明を受けた証書、公証人法 60 条 4 項により交付を受けた書面の四種類に限定されています。
なりません。15 条 2 項が列挙する四種類の書類に該当しないため、有価証券以外を目的とする質権では優先の要件を満たしません。
できますが条件付きです。動産質は登記できない質権にあたるため、強制換価手続で執行機関に法定の書類により設定の事実を証明した場合に限り優先が適用されます。
15 条 1 項 2 号により、国税通則法 38 条 1 項の繰上請求がされた国税は、当該請求に係る期限が法定納期限等になります。本来の納期限より前倒しされます。
残余があれば受けられます。ただし 15 条 4 項により、2 項の証明をしなかったため国税におくれた金額の範囲では、国税に優先する後順位質権者に優先権を行使できません。
国税徴収法 133 条により、配当計算書の謄本を発した日から起算して 7 日以内に異議を申し立てる必要があります。最新の改正状況をご確認ください。
後から取っても遡りません。15 条 3 項は、2 項で証明された質権は民法施行法 5 条の確定日付がある日に設定されたものとみなすと定めます。契約が 3 年前でも確定日付が今日なら、今日設定した質権として扱われる。業界裏話ヒント:公証役場の確定日付は 1 通 700 円。融資実行のチェックリストに「確定日付取得」が入っているかどうかで、回収率は目に見えて変わります
登記できる担保権は 2 項の証明が不要で、登記の日と法定納期限等の前後だけで決まります(抵当権については 16 条)。抜けるのは登記できない担保、つまり動産質や債権質のほうです。業界裏話ヒント:2 項の「登記」には電子記録債権法の電子記録が含まれるので、でんさいに質権を設定すれば証明の手間ごと消えます
更正や決定で後から確定した国税は、15 条 1 項 1 号により更正通知書または決定通知書を発した日が法定納期限等になります。その日より前に確定日付を備えれば、増差税額に対しては質権が優先しうる。当初申告分の法定納期限には勝てません。業界裏話ヒント:調査着手から通知書発出までは数か月あることが多く、その期間が担保を締め直せる最後の窓です
得をします。15 条 4 項は、2 項の証明をしなかった質権者は、国税におくれる金額の範囲内で、国税に優先する後順位質権者に対して優先権を行使できないと定めます。順位が事実上ひっくり返る。業界裏話ヒント:後順位で入るときは先順位質権に確定日付があるかを確認する。なければ、自分が確定日付を備えるだけで実質一番手になれる場面があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる権利 | 15 条:質権(動産質・債権質・有価証券質など) | — |
| 優劣の基準 | 質権の設定が法定納期限等以前かどうか | — |
| 証明の要否 | 登記できない質権は執行機関への設定事実の証明が必須(2 項) | — |
| 証明を欠いた場合の効果 | 優先が発動せず、さらに 4 項により後順位質権者への優先権も封じられる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。