国税徴収法 第15条(法定納期限等以前に設定された質権の優先)
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- 納税者がその財産上に質権を設定している場合において、その質権が国税の法定納期限(次の各号に掲げる国税については、当該各号に定める日とし、当該国税に係る附帯税及び滞納処分費については、その徴収の基因となつた国税に係る当該各号に定める日とする。以下「法定納期限等」という。)以前に設定されているものであるときは、その国税は、その換価代金につき、その質権により担保される債権に次いで徴収する。
- 一法定納期限後にその納付すべき額が確定した国税(過怠税を含む。)その更正通知書若しくは決定通知書又は納税告知書を発した日(申告納税方式による国税で申告により確定したものについては、その申告があつた日)
- 二法定納期限前に国税通則法第三十八条第一項(繰上請求)の規定による請求(以下「繰上請求」という。)がされた国税当該請求に係る期限
- 三第二期分の所得税(所得税法第百四条第一項(予定納税額の納付)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により同項に規定する第二期において納付すべき所得税をいい、同法第百十五条(出国をする場合の予定納税額の納期限の特例)(同法第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税で同法第百四条第一項に規定する第一期において納付すべき所得税の納期限後に納付すべきものを含む。)当該第一期において納付すべき所得税の納期限
- 四相続税法第三十五条第二項(更正及び決定の特則)の規定による更正又は決定により納付すべき税額が確定した相続税又は贈与税その更正通知書又は決定通知書を発した日
- 2.4_2 地価税(国税通則法第二条第七号(定義)に規定する法定申告期限(以下この号において「法定申告期限」という。)までに納付するもの及び第一号に掲げるものを除く。)その更正通知書又は決定通知書を発した日(申告により確定したものについては、その申告があつた日(その日が当該地価税の法定申告期限前である場合には、当該法定申告期限))
- 五再評価税で確定した税額を二以上の納期において納付するもののうち最初の納期後の納期において納付する再評価税その再評価税の最初の納期限
- 3.5_2 国税通則法第十五条第三項第二号から第四号まで及び第六号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)に掲げる国税(法定納期限以前に納付されたものを除く。)その納税告知書を発した日(納税の告知を受けることなく法定納期限後に納付された国税については、その納付があつた日)
- 六第二十四条第二項(譲渡担保権者の物的納税責任)又は第百五十九条第三項(保全差押え)(国税通則法第三十八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により告知し、又は通知した金額の国税これらの規定による告知書又は通知書を発した日
- 七相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)の固有の財産から徴収する被相続人(包括遺贈者を含む。以下同じ。)の国税及び相続財産から徴収する相続人の固有の国税(相続(包括遺贈を含む。以下同じ。)があつた日前にその納付すべき税額が確定したもの(国税通則法第十五条第三項第二号から第四号まで及び第六号に掲げる国税については、その日前に納税告知書を発したもの。以下この項において同じ。)に限る。)その相続があつた日
- 八合併により消滅した法人(以下「被合併法人」という。)に属していた財産から徴収する合併後存続する法人又は当該合併に係る他の被合併法人の固有の国税及び合併後存続する法人の固有の財産から徴収する被合併法人の国税(合併のあつた日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)その合併のあつた日
- 九分割を無効とする判決の確定により当該分割をした法人(以下この号において「分割法人」という。)に属することとなつた財産から徴収する分割法人の固有の国税及び分割法人の固有の財産から徴収する分割法人の国税通則法第九条の二(法人の合併等の無効判決に係る連帯納付義務)に規定する連帯して納付する義務に係る国税(当該判決が確定した日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)当該判決が確定した日
- 十分割により事業を承継した法人(以下この号において「分割承継法人」という。)の当該分割をした法人から承継した財産(以下この号において「承継財産」という。)から徴収する分割承継法人の固有の国税、分割承継法人の固有の財産から徴収する分割承継法人の国税通則法第九条の三(法人の分割に係る連帯納付の責任)に規定する連帯納付の責任(以下この号において「連帯納付責任」という。)に係る国税及び分割承継法人の承継財産から徴収する分割承継法人の連帯納付責任に係る当該分割に係る他の分割をした法人の国税(分割のあつた日前にその納付すべき税額が確定したものに限る。)その分割のあつた日
- 十一第二次納税義務者又は保証人として納付すべき国税第三十二条第一項(第二次納税義務の通則)又は国税通則法第五十二条第二項(担保の処分)の納付通知書を発した日
- 4.前項の規定は、登記(登録及び電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項(定義)に規定する電子記録を含む。以下同じ。)をすることができる質権以外の質権については、その質権者が、強制換価手続において、その執行機関に対し、その設定の事実を証明した場合に限り適用する。この場合において、有価証券を目的とする質権以外の質権については、その証明は、次に掲げる書類によつてしなければならない。
- 一公正証書
- 二登記所又は公証人役場において日付のある印章が押されている私署証書
- 三郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第四十八条第一項(内容証明)の規定により内容証明を受けた証書
- 四民法施行法(明治三十一年法律第十一号)第七条第一項(公証人法の規定の準用)において準用する公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第六十条第四項(認証を受けた電磁的記録に記録された情報の同一性を確認するに足りる情報の保存等)の規定により交付を受けた書面
- 5.前項各号の規定により証明された質権は、第一項の規定の適用については、民法施行法第五条(確定日付がある証書)の規定により確定日付があるものとされた日に設定されたものとみなす。
- 6.第一項の質権を有する者は、第二項の証明をしなかつたため国税におくれる金額の範囲内においては、第一項の規定により国税に優先する後順位の質権者に対して優先権を行うことができない。
この条文の基本情報
法定納期限等以前に設定された質権の優先とは何ですか?
定義法定納期限等以前に設定された質権の優先とは、国税徴収法第15条に定められた規定で、「納税者がその財産上に質権を設定している場合において、その質権が国税の法定納期限(次の各号に掲げる国税については、当該各号に定める日とし、当該国税に係る附帯税及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第15条(法定納期限等以前に設定された質権の優先)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第15条の条文原文は「納税者がその財産上に質権を設定している場合において、その質権が国税の法定納期限(次の各号に掲げる国税については、当該各号に定める日とし、当該国税に係る附帯税及び…」で始まります。
- 国税徴収法第15条は第三節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第15条の前の条は国税徴収法第14条です。
- 国税徴収法第15条の次の条は国税徴収法第16条です。
- 国税徴収法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法15条は、法定納期限等以前に設定された質権の被担保債権を国税に優先させる。ただし登記できない質権は、執行機関への設定事実の証明がなければ優先は適用されない。
Q · 質権を設定していれば、税金の差押えより先に回収できますか?
法定納期限等より前の質権なら国税に優先します
国税徴収法15条1項により、質権が国税の法定納期限等以前に設定されていれば、その国税は換価代金につき質権の被担保債権に次いで徴収されます。つまり担保権者が先、国が後です。ただし2項により、登記できない質権(動産質・債権質など)は、強制換価手続で執行機関に対し公正証書・確定日付のある私署証書・内容証明郵便・認証を受けた電磁的記録の交付書面のいずれかで設定の事実を証明しなければ、この優先は適用されません。さらに3項により、証明された質権は確定日付がある日に設定されたものとみなされます。
解説
税金はどんな債権より先に取られる、と信じている人は多い。国税徴収法8条だけを読めばそう見える。だが15条はその原則に窓を開けている。あなたが誰かの財産に質権を設定していて、その設定が「法定納期限等」以前であれば、国税はあなたの被担保債権の後ろに回る。国が二番手になるということだ。ただし条件が残酷で、登記できない質権(動産質、売掛債権への質権など)は、強制換価手続で執行機関に設定の事実を証明しなければ、この優先はそもそも発動しない。証明手段は公正証書、公証役場等の日付ある私署証書、内容証明郵便、認証を受けた電磁的記録の交付書面の四種類に限定されている。しかも3項により、質権は「確定日付が付いた日」に設定されたものとみなされる。滞納が発覚してから慌てて公証役場に走っても、その日付が法定納期限等より後なら、あなたの担保は国税に抜かれる。
法的な位置づけ
国税徴収法15条は、国税優先の原則(同法8条)に対する例外として、法定納期限等以前に設定された質権の被担保債権を国税に優先させる規定である。登記をすることができない質権については、強制換価手続における執行機関への設定事実の証明が適用要件とされ、証明された質権は民法施行法5条の確定日付がある日に設定されたものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.質権設定と同じ日に確定日付を備える 質権設定契約書・通知書・承諾書を整えたその日に、公証人役場で確定日付を取得するか内容証明郵便で通知する。15条3項により質権は確定日付がある日に設定されたものとみなされるため、後日取得では既に到来した法定納期限等に勝てない
- 2.対象国税の法定納期限等を特定する 自らの質権と比較すべき基準日を15条1項各号で確認する。更正・決定によるものは通知書を発した日、繰上請求は当該請求に係る期限、第二次納税義務は納付通知書を発した日など、申告期限としての法定納期限とは異なる日にずれる
- 3.強制換価手続で執行機関へ証明書類を提出 滞納処分なら税務署の徴収担当、競売なら執行裁判所に対し、公正証書・日付のある私署証書・内容証明を受けた証書・認証を受けた電磁的記録の交付書面のいずれかを提出して設定の事実を証明する。有価証券を目的とする質権はこの書類限定を受けない
- 4.配当計算書を検算し期限内に異議を申し立てる 配当計算書の謄本が届いたら、自らの順位と金額が15条の適用結果と一致するかを検算する。誤りがあれば謄本を発した日から起算して7日以内に異議を申し立てる。証明が配当確定後に届いても効力は生じない
よくある質問 AI による整理
Q1国税徴収法15条とは何ですか?
国税優先の原則の例外規定です。納税者の財産上の質権が国税の法定納期限等以前に設定されていれば、その国税は換価代金につき質権の被担保債権に次いで徴収されます。
Q2税金と担保権はどちらが優先されますか?
設定時期で決まります。質権が法定納期限等以前なら質権が先、以後なら国税が先です。国税徴収法8条の原則を15条が時点基準で修正しています。
Q3質権の設定を証明する書類は何ですか?
公正証書、登記所または公証人役場で日付のある印章が押された私署証書、郵便法48条1項の内容証明を受けた証書、公証人法60条4項により交付を受けた書面の四種類に限定されています。
Q4質屋の預り証は質権の証明になりますか?
なりません。15条2項が列挙する四種類の書類に該当しないため、有価証券以外を目的とする質権では優先の要件を満たしません。
Q5動産質権は国税に優先できますか?
できますが条件付きです。動産質は登記できない質権にあたるため、強制換価手続で執行機関に法定の書類により設定の事実を証明した場合に限り優先が適用されます。
Q6繰上請求された国税の法定納期限等はいつですか?
15条1項2号により、国税通則法38条1項の繰上請求がされた国税は、当該請求に係る期限が法定納期限等になります。本来の納期限より前倒しされます。
Q7国税に劣後した質権者は配当を受けられますか?
残余があれば受けられます。ただし15条4項により、2項の証明をしなかったため国税におくれた金額の範囲では、国税に優先する後順位質権者に優先権を行使できません。
Q8配当計算書に不服がある場合の申立期限は?
国税徴収法133条により、配当計算書の謄本を発した日から起算して7日以内に異議を申し立てる必要があります。最新の改正状況をご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1確定日付って、あとから取ればいいんじゃないんですか?
後から取っても遡りません。15条3項は、2項で証明された質権は民法施行法5条の確定日付がある日に設定されたものとみなすと定めます。契約が3年前でも確定日付が今日なら、今日設定した質権として扱われる。実務のポイント:公証役場の確定日付は1通700円。融資実行のチェックリストに「確定日付取得」が入っているかどうかで、回収率は目に見えて変わります
Q2不動産の抵当権なら登記してあるから大丈夫ですよね?
登記できる担保権は2項の証明が不要で、登記の日と法定納期限等の前後だけで決まります(抵当権については16条)。抜けるのは登記できない担保、つまり動産質や債権質のほうです。実務のポイント:2項の「登記」には電子記録債権法の電子記録が含まれるので、でんさいに質権を設定すれば証明の手間ごと消えます
Q3税務調査が入った会社に融資しています。うちの担保は今からでも守れますか?
更正や決定で後から確定した国税は、15条1項1号により更正通知書または決定通知書を発した日が法定納期限等になります。その日より前に確定日付を備えれば、増差税額に対しては質権が優先しうる。当初申告分の法定納期限には勝てません。実務のポイント:調査着手から通知書発出までは数か月あることが多く、その期間が担保を締め直せる最後の窓です
Q4一番質権者が証明を怠ったら、二番のうちが得をするんですか?
得をします。15条4項は、2項の証明をしなかった質権者は、国税におくれる金額の範囲内で、国税に優先する後順位質権者に対して優先権を行使できないと定めます。順位が事実上ひっくり返る。実務のポイント:後順位で入るときは先順位質権に確定日付があるかを確認する。なければ、自分が確定日付を備えるだけで実質一番手になれる場面があります
間違えやすい点 AI による整理
- 国税が優先することは知っていても、その優先が「いつの時点との比較か」までは知られていない。比較対象は申告期限としての法定納期限ではなく、15条1項各号で修正された「法定納期限等」である。更正・決定で後から確定した税額なら通知書を発した日まで基準日が後ろにずれる。この数か月から数年のズレが、担保権者の勝敗を分ける
- 「うちの質権は国税より先に設定したから大丈夫か」という問いの立て方自体が半分外れている。先に設定したかどうかと、先に設定したことを法定の四種類の書類で証明できるかどうかは別の関門である。登記できない質権は、2項の証明を欠けば実際の設定が何年前でも優先は発動しない
- 確定日付は後から取ればよいと考えられがちだが、3項は確定日付がある日に設定されたものとみなすと定める。あなたから見れば「3年前に締結した契約書」でも、法律から見れば「今日設定された質権」。この落差が、書類上は万全に見える担保を静かに消す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる権利 | 15条:質権(動産質・債権質・有価証券質など) | 16条:抵当権 24条:譲渡担保権 |
| 優劣の基準 | 質権の設定が法定納期限等以前かどうか | 抵当権の設定登記が法定納期限等以前かどうか 国税の法定納期限等以前に譲渡担保財産となっているかどうか |
| 証明の要否 | 登記できない質権は執行機関への設定事実の証明が必須(2項) | 登記により公示されるため別途の証明は不要 証明ではなく告知書の発出日が基準日となる(15条1項8号) |
| 証明を欠いた場合の効果 | 優先が発動せず、さらに4項により後順位質権者への優先権も封じられる | 登記があれば当然に優劣が定まる 物的納税責任として譲渡担保財産から徴収される |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も税捐の優先を原則としつつ、土地増値税等を除き担保物権との関係を条文で調整する。日本のような「法定納期限等」の細分規定は置かれていない
韓国は「법정기일(法定期日)」を基準に国税と担保物権の優劣を判定する。日本の法定納期限等とほぼ同型の設計で、日本法の影響が明確に見られる
中国は「欠税が抵当権・質権・留置権の設定より前に発生した場合は税収が優先する」と定め、発生時期の前後で優劣を切る点は日本と共通する
ドイツは1999年の倒産法改正で租税債権の一般的優先権を廃止し、租税は原則として一般倒産債権となる。担保権との優劣は差押質権の成立時期で決まり、日本のような特則は置かれていない
フランスは Trésor(国庫)の privilège を動産上に認め、一定範囲で担保権に優先する。公示の有無ではなく先取特権の順位表で調整する点が日本と異なる
米国は連邦租税リーエンを規定しつつ、§ 6323により Notice of Federal Tax Lien の登録前に完成した security interest を保護する。公示の先後で優劣を切る発想は15条と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 信用金庫の融資担当として、取引先の売掛債権に質権を設定して3,000万円を実行した。契約書は整い、第三債務者の承諾も取った。だが確定日付は取っていない。1年後、その取引先が消費税を滞納し、税務署が売掛先に差押えを打つ。配当の場であなたの質権は15条2項の証明を満たさず、優先は発動しない。稟議書には「担保保全済」と書いてある
- もし取引先に税務調査が入り、3年前の申告に更正処分が出たら、あなたの質権の順位はどうなる? 15条1項1号により、後から確定したその国税の法定納期限等は更正通知書を発した日になる。3年前に確定日付を備えた質権なら、その増差税額には優先しうる。調査着手の情報を掴んだ時点が、担保を締め直せる最後の窓になる
- 質屋に預けた腕時計。持ち主が税を滞納し、流質期限が来る前に徴収職員が現れる。質屋の預り証は15条2項が定める四種類の書類のどれにも当たらない
- 配当計算書の謄本が郵便受けに入っていた。あなたの質権は国税の後ろに並んでいる。異議を申し立てられるのは謄本を発した日から起算して7日。契約書を掘り出し、確定日付の有無を確認し、証明書類を執行機関に出すまでの時間は、その中にしかない
- あなたは2番質権者。1番質権者が証明を怠ったおかげで、あなたが国税に優先して配当を受けた。後から1番が「本来はうちが先だ」と迫ってくるが、15条4項は国税におくれた金額の範囲でその主張を封じる。順位表どおりに配当が並ばない場面がある、と知っているかどうかの差
取るべき行動
被害を受けた側:1. 質権設定契約書、通知書、承諾書を集め、公正証書・確定日付のある私署証書・内容証明郵便・認証済み電磁的記録の交付書面のいずれかが備わっているか確認する2. 備わっていれば直ちに執行機関(滞納処分なら税務署の徴収担当、競売なら執行裁判所)へ15条2項の証明として提出3. 同時に対象国税の法定納期限等を特定する。更正や決定によるものなら通知書発出日まで後ろにずれ、勝てる余地が出る4. 配当計算書が届いたら順位と金額を検算し、期限内に異議を申し立てる
訴えられた側:滞納者本人であれば、換価に至る前に換価の猶予(国税徴収法151条)や納税の猶予(国税通則法46条)を申請し、そもそも配当局面に持ち込まない道がある。他の債権者として先順位質権者と争う立場なら、相手が2項の証明を尽くしているかを最初に確認する。証明を欠く質権者は4項により、国税に優先した後順位質権者へ優先権を主張できない。相手方書類の日付が本物の確定日付かを見るのが一手目
時効(請求できる期限):本条自体に固有の権利行使期間はないが、2項の証明は換価代金の配当が確定する前に執行機関へ届かなければ意味を失う。配当計算書に不服があるときは、その謄本を発した日から起算して7日以内に異議を申し立てる必要がある(国税徴収法133条、最新の改正状況をご確認ください)。国税の徴収権自体は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(国税通則法72条)
学説
通説:15条は国税優先の原則(8条)に対する担保物権保護の例外であり、公示されない租税債権と公示を伴う担保取引の調和を「法定納期限等」という時点基準で図った規定と理解されている。登記できない質権に確定日付を要求するのは、公示の代替機能を果たさせるためとされる
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年) 国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により現行15条が成立。旧法下で不明確だった租税債権と質権の優劣を、法定納期限等という統一基準で整理した
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により現行15条が成立。旧法下で不明確だった租税債権と質権の優劣を、法定納期限等という統一基準で整理した
- 2.平成19年(2007年) 改正:電子記録債権法(平成19年法律第102号)が制定され、2項の「登記」に同法2条1項の電子記録が含まれることとなった。でんさいに質権を設定した場合、記録自体が公示となり別途の証明が不要となる
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