国税徴収法 第159条(保全差押え)
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- 納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第十一章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、記録命令付差押え若しくは領置又は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による押収(同法の規定による電磁的記録提供命令(同法第百二条の二第一項第一号イ(電磁的記録提供命令)に掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)若しくは逮捕を受けた場合において、その処分に係る国税の納付すべき額の確定(申告、更正又は決定による確定をいい、国税通則法第二条第二号(定義)に規定する源泉徴収等による国税についての納税の告知を含む。以下この条において同じ。)後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるときは、税務署長は、当該国税の納付すべき額の確定前に、その確定をすると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するためあらかじめ滞納処分を執行することを要すると認める金額(以下この条において「保全差押金額」という。)を決定することができる。この場合においては、徴収職員は、その金額を限度として、その者の財産を直ちに差し押さえることができる。
- 2.税務署長は、前項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ、その所属する国税局長の承認を受けなければならない。
- 3.税務署長は、第一項の規定により保全差押金額を決定するときは、当該保全差押金額を同項に規定する納税義務があると認められる者に書面で通知しなければならない。
- 4.前項の通知をした場合において、その納税義務があると認められる者がその通知に係る保全差押金額に相当する担保として国税通則法第五十条各号(担保の種類)に掲げるものを提供してその差押えをしないことを求めたときは、徴収職員は、その差押えをすることができない。
- 5.徴収職員は、第一号又は第二号に該当するときは第一項の規定による差押えを、第三号に該当するときは同号に規定する担保をそれぞれ解除しなければならない。
- 一第一項の規定による差押えを受けた者が前項に規定する担保を提供して、その差押えの解除を請求したとき。
- 二第三項の通知をした日から一年を経過した日までに、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
- 三第三項の通知をした日から一年を経過した日までに、保全差押金額について提供されている担保に係る国税につき納付すべき額の確定がないとき。
- 6.徴収職員は、第一項の規定による差押えを受けた者又は第四項若しくは前項第一号の担保を提供した者につき、その資力その他の事情の変化により、その差押え又は担保の徴取の必要がなくなつたと認められることとなつたときは、その差押え又は担保を解除することができる。
- 7.第一項の規定による差押え又は第四項若しくは第五項第一号の担保の提供があつた場合において、その差押え又は担保の提供に係る国税につき納付すべき額の確定があつたときは、その差押え又は担保の提供は、その国税を徴収するためにされたものとみなす。
- 8.第一項の規定により差し押さえた財産は、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定があつた後でなければ、換価することができない。
- 9.第一項の場合において、差し押さえるべき財産に不足があると認められるときは、税務署長は、差押えに代えて交付要求をすることができる。この場合においては、その交付要求であることを明らかにしなければならない。
- 10.税務署長は、第一項の規定により差し押さえた金銭(有価証券、債権又は無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭を含む。)がある場合において、その差押えに係る国税につき納付すべき額の確定がされていないときは、これを供託しなければならない。
- 11.第一項に規定する国税の納付すべき額として確定をした金額が保全差押金額に満たない場合において、その差押えを受けた者がその差押えにより損害を受けたときは、国は、その損害を賠償する責めに任ずる。この場合において、その額は、その差押えにより通常生ずべき損失の額とする。
この条文の基本情報
保全差押えとは何ですか?
定義保全差押えとは、国税徴収法第159条に定められた規定で、「納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第十一章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、記録命…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第159条(保全差押え)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第159条の条文原文は「納税義務があると認められる者が不正に国税を免れ、又は国税の還付を受けたことの嫌疑に基づき、国税通則法第十一章(犯則事件の調査及び処分)の規定による差押え、記録命…」で始まります。
- 国税徴収法第159条は第三節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第159条の前の条は国税徴収法第158条です。
- 国税徴収法第159条の次の条は国税徴収法第160条です。
- 国税徴収法第159条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第159条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第159条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/159
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法159条は、脱税の嫌疑で強制処分を受けた者について、税額の確定前でも税務署長が保全差押金額を決めて財産を差し押さえられると定める。ただし確定までは換価できない。
Q · 税額もまだ決まっていないのに、税務署に口座を差し押さえられることはあるんですか?
脱税の嫌疑で強制処分を受けた場合に限り、確定前でも差押えできます
国税徴収法159条により、脱税の嫌疑に基づく差押え・領置・押収・電磁的記録提供命令又は逮捕を受けた者について、税額確定後では徴収を確保できないと認められるときは、税務署長が国税局長の承認を得て保全差押金額を決定し、その限度で財産を直ちに差し押さえることができます。ただし確定までは換価できず(8項)、通知後に担保を提供すれば差押えは行われません(4項)。通知から1年を経過しても税額の確定がなければ解除しなければならず(5項2号)、確定額が保全差押金額に満たず損害が生じた場合は国が賠償責任を負います(11項)。
解説
税務調査が査察(マルサ)に切り替わり、家宅捜索を受けた。その日、あなたの手元にはまだ「〇〇円払え」という納税通知書は一枚も来ていない。それなのに、税務署は口座も不動産も差し押さえることができる。これが国税徴収法159条の保全差押えである。通常、差押えは「税額が確定して、納期限を過ぎて、督促してもなお払わない」という三段階を踏んで初めて動く。ところがこの条文は、脱税の嫌疑で差押え・領置・押収・逮捕を受けた者に限り、その順序を丸ごと飛ばす権限を税務署長に与えている。理由は単純で、査察が入ったと知った瞬間に財産を隠す人間が現実にいるからだ。ただし引き換えに、あなた側にも三つの逆襲カードが用意されている。担保を出せば差押えは止まる(4項)、通知から1年経っても税額が確定しなければ解除しなければならない(5項2号)、確定額が保全差押金額を下回れば国は損害を賠償する責任を負う(11項)。この三枚を知っているかどうかで、査察後の数か月の生活が変わる。
法的な位置づけ
国税徴収法159条は保全差押えを定める規定であり、納税義務があると認められる者が脱税の嫌疑に基づく差押え・領置・押収・電磁的記録提供命令又は逮捕を受け、税額の確定後では当該国税の徴収を確保できないと認められる場合に、税務署長が国税局長の承認を得て保全差押金額を決定し、確定前に財産を差し押さえる権限を認める。確定前の暫定的措置であるため、換価は禁止される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の日付と保全差押金額を確定して保管 3項の書面通知を受け取ったら、通知日・保全差押金額・宛名を記録し、原本と別にコピーを保管する。通知日は5項の1年起算点であり、11項の賠償請求の起点でもある
- 2.国税通則法50条の担保に使える資産を即日棚卸し 国債・地方債・銀行保証・不動産など、担保として提供できる資産を洗い出し、取引金融機関に保証枠の可否を当日中に照会する。差押え実行前であれば4項で差押え自体を止められる
- 3.差押え実行前なら4項の不差押えを求める 保全差押金額に相当する担保を提供し、差押えをしないことを求める旨を書面で申し出る。実行前に止められれば口座凍結が一度も起きず、取引先や金融機関への信用毀損を回避できる
- 4.実行済みなら5項1号の解除請求を申し立てる 既に差押えが実行されている場合は、担保提供とセットで差押えの解除を請求する。あわせて資力その他の事情の変化があれば6項による解除の余地も主張する
- 5.通知日から1年経過日を管理し、確定の有無を書面照会 1年経過が近づいたら、更正・決定・納税の告知の有無を書面で照会する。確定がなければ5項2号・3号により解除は義務であり、税務署側は確定を急ぐか解除するかの二択になる
よくある質問 AI による整理
Q1保全差押えとは何ですか?
税額が確定する前に、脱税の嫌疑で強制処分を受けた者の財産を仮に凍結する処分です。国税徴収法159条が根拠で、確定までは換価できない暫定措置にとどまります。
Q2保全差押金額はどうやって決まるのですか?
税務署長が「確定をすると見込まれる国税の金額」のうち、徴収確保のためあらかじめ滞納処分が必要と認める額を決定します。決定前に国税局長の承認が必要です(2項)。
Q3保全差押えの通知書が届いたら最初に何をすべきですか?
通知の日付と保全差押金額を確保してください。通知日は1年の解除期限(5項)と賠償請求(11項)の起点になります。同時に担保提供の可否を金融機関に相談します。
Q4保全差押えはいつ解除されますか?
担保提供による解除請求(5項1号)、通知日から1年を経過しても税額の確定がないとき(5項2号・3号)は解除が義務です。資力等の変化による裁量解除もあります(6項)。
Q5保全差押えに不服がある場合はどうすればいいですか?
国税不服審判所への審査請求または取消訴訟で争います。1項の徴収困難性の要件と、2項の国税局長承認・3項の書面通知という手続面の双方が攻め口になります。
Q6保全差押えと繰上保全差押えの違いは何ですか?
159条は脱税の嫌疑に基づく強制処分を受けたことが入口要件です。158条の繰上保全差押えは納税義務の成立後に繰上請求の事由がある場合を対象とし、発動場面が異なります。
Q7保全差押えは会社の売掛金も対象になりますか?
なります。債権も差押えの対象で、第三債務者である取引先に債権差押通知書が届きます。取立てはできず、給付を受けた金銭は確定まで供託されます(10項)。
Q8保全差押えを受けると銀行取引はどうなりますか?
差し押さえられた預金は確定まで動かせず、取立ても換価もできません(8項)。融資契約の期限の利益喪失事由に触れることがあるため、金融機関への説明が実務上の急所です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1まだ税額が決まっていないのに差し押さえるって、憲法違反じゃないんですか?
適正手続の要請には応えている、というのが法の建て付けである。脱税の嫌疑に基づく強制処分(差押え・押収・逮捕)を受けたことという厳格な入口要件、国税局長の事前承認(2項)、書面通知(3項)、担保による回避(4項)、1年の期限(5項)、過大時の国家賠償(11項)が全体で手続保障を構成する。実務のポイント:実務で争点になるのは1項の「確定後においては徴収を確保することができないと認められるとき」という徴収困難性の判断である。財産の国外移転の形跡や名義変更の動きが根拠にされることが多く、査察後に不用意な資産の名義変更をすると、それ自体が保全差押えの理由に使われる
Q2差し押さえられた不動産、そのまま競売にかけられちゃうんですか?
かけられない。8項が「納付すべき額の確定があった後でなければ、換価することができない」と明文で定めている。確定前は凍結どまりで、売却も取立ても許されない。差し押さえた金銭も、確定していなければ供託しなければならない(10項)。実務のポイント:この換価禁止があるため、保全差押えの局面で本当に急ぐべきは「財産を守ること」より「事業のキャッシュフローを止めないこと」である。凍結された口座と別に決済用の資金ルートを確保する方が、差押えを外す交渉より優先度が高い場面は多い
Q3結局、税額が思ったより少なく確定したら、止められた分の損は誰が持つんですか?
確定額が保全差押金額に満たない場合、国が損害賠償責任を負う(11項)。ただし賠償されるのは「その差押えにより通常生ずべき損失の額」に限られ、事業機会の逸失といった間接損害まで当然に含まれるわけではない。実務のポイント:11項は国家賠償法1条と異なり、公務員の故意過失を立証する必要がない無過失責任の構造になっている。過失を争わずに済む点で納税者側に有利な条文であり、この違いを知らずに国家賠償法で構成すると、本来不要な過失立証を背負い込むことになる
Q4差し押さえるものが足りないと言われました。それで終わりですか?
終わらない。9項により、税務署長は差押えに代えて交付要求をすることができる。他の債権者による強制執行や競売がすでに進行している財産について、その手続の中から配当を受ける形で徴収を確保する仕組みである。実務のポイント:交付要求がされている場合、その旨を明らかにしなければならないと9項後段が定めている。他の債権者との配当順位を読むには、この交付要求の日付が要る。競売手続の記録から日付を取ってくることが、配当額の見込みを立てる第一歩になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「差し押さえられた=もう払うしかない、財産は取られた」と受け止める人が大半だが、法律から見た保全差押えは「凍結」であって「回収」ではない。8項が明文で、税額が確定するまで換価を禁じている。あなたから見れば財産を失った瞬間だが、法律から見ればまだ何も移転していない。この落差を理解しないまま慌てて不利な条件で修正申告に応じるのが、最も高くつく間違いである
- 保全差押えを「税務署長が単独で決められる」と思われがちだが、2項で国税局長の事前承認が必須とされている。承認なき決定は手続違背であり、争う余地がある。処分の適法性を検証するとき、実体(本当に徴収困難か)だけでなく手続(承認はあったか、書面通知はされたか)も攻め口になる
- 「1年経てば自動的に解除される」と安心するのは危険な誤読である。条文は徴収職員に解除義務を課しているが、解除の登記・第三債務者への通知が実際に動くまでの間、あなたの口座は事実上凍結されたままになりうる。知っているだけでは足りず、1年経過日を自分でカレンダーに入れ、督促する側に回らなければ現実は動かない
- 「脱税の嫌疑があれば必ず保全差押えされる」わけではない。1項は「その確定後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるとき」という要件を課している。資産が国内不動産中心で隠しようがない、事業実態が安定している、といった事情は「徴収は確保できる」方向の材料になる。この要件を争点化できることを知らないまま、当然の処分として受け入れる人が多い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動できる時期 | 159条:納付すべき額の確定前(督促も納期限も不要) | 47条:納期限経過後、督促状発付から10日経過が原則 158条:納税義務の成立後、繰上請求の事由がある場合 |
| 入口要件 | 159条:脱税の嫌疑に基づく差押え・領置・押収・電磁的記録提供命令・逮捕+徴収困難性+国税局長の承認 | 47条:滞納の事実(納付なし) 158条:繰上請求事由(財産の隠匿・法人の解散等) |
| 換価の可否 | 159条:確定前は換価できない(8項)、金銭は供託(10項) | 47条:公売等による換価が可能 158条:確定前保全としての性質から換価は制限される |
| 解除・期限 | 159条:担保提供で解除、通知日から1年で解除義務(5項)、過大なら国家賠償(11項) | 47条:完納・徴収額の消滅により解除 158条:確定後は通常の滞納処分に移行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は確定前でも財産の移転禁止処分や裁判所への假扣押の申立てが可能。日本と異なり裁判所の関与を経る場面がある点が対照的
韓国も税額確定前の保全差押えを認め、一定期間内に確定がなければ解除する構造をとる。日本の5項に近い期間制限型の設計
ドイツは徴収の危殆化がある場合に dinglicher Arrest(物的仮差押命令)を用いる。命令書の形式と期間制限で濫用を抑える点は日本と共通
米国は徴収が危うい場合に通常の予告手続を省いて直ちに賦課・徴収できる jeopardy assessment を認める。事後の司法審査(§ 7429)で迅速に争える点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 早朝、査察官が自宅と事務所に同時に入り、帳簿とパソコンを持っていった。数日後、税務署から「保全差押金額8,000万円」という書面が届く。まだ修正申告も更正処分もない段階で、事業用口座が凍結される。仕入代金の支払いが今週末に迫っている。ここで担保提供(4項)を即座に検討できるかどうかが、会社が回るか止まるかの分岐点になる
- あなたが経理担当者で、社長が査察を受けた。金融機関から「差押通知が来た」と連絡が入る。ここで社長に伝えるべきは、この差押えが「税額が決まったから」ではなく「決まる前の仮押さえ」だという一点。仮押さえである以上、8項により換価(競売・取立て)はできない。財産は凍結されるが、売り飛ばされることはない
- もし通知から1年が過ぎても、税務署が更正処分も決定も出してこなかったらどうなる? 徴収職員は差押えを解除しなければならない(5項2号)。義務であって裁量ではない。1年の期限管理を自分でやっている納税者は極めて少なく、放置されたまま気付かず凍結が続く例がある
- 査察の対象になったのは自分ではなく取引先。その取引先への売掛金が保全差押えの対象になり、あなたのところに債権差押通知書が届く。第三債務者として支払先が国に変わる。あなた自身は何も悪いことをしていないのに、取引先への入金ルートを変更する義務が生じる
- 更正処分が出て、確定した税額は2,000万円。保全差押金額は8,000万円だった。差額6,000万円分の過剰な凍結で、資金繰りが破綻し取引先を失った。11項の国家賠償請求権が発動する場面だが、「通常生ずべき損失」に限定されるため、何が通常かの立証を自分で組み立てる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:保全差押えを受ける側の手順。1. 3項の通知書の日付・保全差押金額・宛名を確保、コピーを別途保管(1年の起算点になる) 2. 国税通則法50条に列挙された担保(国債、銀行保証、不動産等)を用意できるか金融機関と即日相談、差押え実行前なら4項で阻止できる3. 実行済みなら5項1号の解除請求を担保提供とセットで申し立てる4. 資力や事業状況が改善したなら6項の解除も検討5. 国税に強い弁護士・税理士に、1項の「徴収を確保できない」要件と2項の国税局長承認の有無を検証させる
訴えられた側:税務署側の処分を受けた事業者として反撃を組むなら。1. 8項により換価はできないため、慌てて不利な内容で修正申告に応じない2. 保全差押金額が過大でないか検証、確定額が下回れば11項で国に損害賠償請求できる(通常生ずべき損失に限る) 3. 通知日から1年経過日を管理し、確定がなければ5項2号の解除を書面で求める4. 処分自体に不服があれば国税不服審判所への審査請求または取消訴訟を検討、期間制限があるため通知受領日から起算して即動く
時効(請求できる期限):3項の通知日から1年を経過した日までに納付すべき額の確定がないときは、徴収職員は差押えまたは担保を解除しなければならない(5項2号・3号)。処分そのものを争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(国税通則法77条、行政事件訴訟法14条)。11項の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の保全差押えは、租税債権の確保を目的とする暫定的・保全的処分であり、終局的な満足を目的とする滞納処分としての差押えとは性質を異にする。この理解から、換価禁止(8項)、供託義務(10項)、1年の期間制限(5項)は例外規定ではなく、保全的性質から導かれる当然の帰結と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正により、確定前保全の制度として保全差押えが設けられた。国税局長の事前承認、書面通知、担保による回避、換価禁止、1年の期間制限という枠組みが同時に置かれた
- 2.令和5年(2023年) 改正:刑事訴訟法における電磁的記録提供命令の新設に伴い、1項の前提となる強制処分の範囲に電磁的記録提供命令が加えられた。クラウド上の会計データ等の提供命令が保全差押えの入口要件を満たすことになった
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