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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

国税徴収法 第89条(換価する財産の範囲等)

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  1. 差押財産(金銭、債権及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。)又は次条第四項に規定する特定参加差押不動産(以下この節において「差押財産等」という。)は、この節の定めるところにより換価しなければならない。
  2. 2.差し押さえた債権のうち、その全部又は一部の弁済期限が取立てをしようとする時から六月以内に到来しないもの及び取立てをすることが著しく困難であると認められるものは、この節の定めるところにより換価することができる。
  3. 3.税務署長は、相互の利用上差押財産等を他の差押財産等(滞納者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの差押財産等を一括して公売に付し、又は随意契約により売却することができる。

この条文の基本情報

換価する財産の範囲等とは何ですか?

定義換価する財産の範囲等とは、国税徴収法第89条に定められた規定で、「差押財産(金銭、債権及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国税徴収法第89条(換価する財産の範囲等)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
  2. 国税徴収法第89条の条文原文は「差押財産(金銭、債権及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。」で始まります。
  3. 国税徴収法第89条は第一款に置かれています。
  4. 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
  5. 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 国税徴収法第89条の前の条は国税徴収法第88条です。
  7. 国税徴収法第89条の次の条は国税徴収法第89条の2です。
  8. 国税徴収法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第89条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
  • 本サイト収録国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/89

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国税徴収法89条は、差押財産等を換価すべきことを定める。金銭・債権・57条の有価証券は除外されるが、弁済期限が6か月以内に来ない債権は換価できる。

Q · 差し押さえられた財産は、全部売られてしまうんですか?

金銭・債権・取立て対象の有価証券は原則売らない

国税徴収法89条1項は、差押財産のうち金銭、債権、57条により取立てをする有価証券を換価対象から除外しています。取立てで足りるからです。ただし2項により、弁済期限が取立てをしようとする時から6か月以内に到来しない債権、および取立てが著しく困難と認められる債権は換価できます。長期の売掛金や満期の遠い定期預金債権は売却対象になりえます。さらに3項により、税務署長は相互の利用上相当と認めるとき、滞納者が異なる財産も含めて一括して同一の買受人に売却できます。

解説

税金を滞納して差し押さえられた。その次に何が起きるかを決めているのが、この条文だ。差押えは「取り上げた」だけの状態で、まだお金にはなっていない。国税徴収法89条は、その差押財産を換価、つまり公売や随意契約で売り飛ばして現金に変える段階への入口を開く。ここであなたが握っておくべき事実が三つある。第一に、換価の対象から外れるものが明示されている。金銭、債権、57条により取立てをする有価証券は換価しない。取立てで足りるからだ。第二に、弁済期限が6か月以内に来ない債権や、取立てが著しく困難な債権は、逆に換価できる。つまり「債権だから売られない」は誤りで、回収に時間がかかる債権ほど叩き売られる側に回る。第三に、税務署長は複数の差押財産を、しかも滞納者が違っても、一括して同一の買受人に売ることができる。土地と建物、工場と機械。バラバラに売れば安くなるものを、まとめて高く売る権限が税務署長の手にある。

法的な位置づけ

国税徴収法89条は、滞納処分における換価対象財産の範囲を定める規定である。差押財産等は原則として換価しなければならないが、金銭、債権および57条により取立てをする有価証券は除外される。他方、弁済期限が6か月以内に到来しない債権と取立てが著しく困難な債権は換価できる。税務署長は相当と認めるとき一括換価を行える。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.差押財産を換価対象/対象外に仕分ける 差押調書をもとに財産一覧を作り、金銭・債権・57条の有価証券(原則換価対象外)と、不動産・動産・特定参加差押不動産(換価対象)に分ける。この仕分けが交渉の出発点になる
  2. 2.差押債権の弁済期限を全件確認する 各債権について弁済期限を確認し、取立てをしようとする時から6か月以内に到来するかを判定する。6か月以内なら取立てで処理される見込みが高く、それ以外は2項により換価されうる
  3. 3.公売公告が出る前に換価の猶予を申請する 国税徴収法151条・151条の2の要件を確認し、納付計画(分割額・期間・資金繰り表)を添えて申請する。公告後は手続が動き出すため、差押通知直後の申請が決定的に効く
  4. 4.一括公売の通知には個別売却の根拠資料で意見を出す 3項の一括換価は「相当であると認めるとき」の裁量である。近隣の実勢価格、分割売却の実例、個別売却の方が高値になる試算を書面で示し、相当性の判断材料を提出する
  5. 5.入札期日までの残り時間で最終交渉を行う 公売公告から入札期日まで(95条以下)が実質的な最後の窓である。第三者納付、分割納付、資産の任意売却による一括納付など、換価より確実な回収案を提示する

よくある質問 AI による整理

Q1換価とは何ですか?

差し押さえた財産を公売または随意契約で売却し、現金に換える手続です。国税徴収法89条が換価対象財産の範囲を定めています。

Q2差し押さえられた売掛金は売られますか?

弁済期限が取立てをしようとする時から6か月以内に到来しない売掛金は、89条2項により換価できます。長期の売掛金ほど売却対象になります。

Q3換価されない財産は何ですか?

金銭、債権、国税徴収法57条により取立てをする有価証券です。これらは取立てで回収できるため換価する必要がありません。

Q4一括公売とは何ですか?

税務署長が相互の利用上相当と認めるとき、複数の差押財産を同一の買受人に一括して売却する方法です。89条3項が根拠です。

Q5他人の滞納財産と一緒に売られることはありますか?

あります。89条3項は「滞納者を異にするものを含む」と明記しており、隣接地や一体設備は他社の財産と一括公売されえます。

Q6換価を止める方法はありますか?

換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)や納税の猶予(国税通則法46条)の申請があります。公売公告前の申請が有効です。

Q7定期預金も換価されますか?

満期が取立て時から6か月より先の定期預金債権は、2項により換価対象になりえます。満期まで待たずに売却される場合があります。

Q8換価と公売は同じ意味ですか?

違います。換価は現金化する手続全体を指し、その方法として公売(94条)と随意契約による売却(109条)があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1差し押さえられたら、もうすぐ売られちゃうんですか?

差押えと換価は別段階である。89条は換価の入口を定めるが、実務では差押後すぐ公売になるとは限らず、納付交渉や換価の猶予(151条の2)が挟まる。実務のポイント:徴収職員は「回収額の最大化」を評価軸に動く。公売は手間もコストもかかるため、確実に回収できる分割納付案を出せば、換価より交渉を選ぶ動機が働く。この動機を理解して交渉に臨むかどうかで結果が変わる。

Q2自分の会社の資産が、なぜ知らない他社の資産と一緒に売られるんですか?

89条3項が「滞納者を異にするものを含む」と明記しているためである。相互の利用上一括して売る方が相当だと税務署長が認めれば可能となる。隣接する土地や、一体として機能する設備が典型例である。実務のポイント:一括公売は買受希望者が絞られるため、単独売却より落札価格が下がる傾向がある。滞納者としては個別売却を求める意見を早期に出す実益がある。

Q3売掛金を差し押さえられました。取り立てられるだけですよね?

弁済期限が取立てをしようとする時から6か月以内に到来しない債権、または取立てが著しく困難と認められる債権は、2項により換価できる。長期の売掛金や回収困難な貸付金は売却対象になりうる。実務のポイント:債権が換価されると、額面より相当低い価格で売却されることが多く、その分だけ滞納額の減り方が悪くなる。取立てで満額回収される見込みを示せれば、換価を避ける交渉材料になる。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「債権は差し押さえられても取り立てられるだけで、売られることはない」という理解は前提そのものが誤っている。2項は明確に、弁済期限が6か月以内に来ない債権と取立てが著しく困難な債権を換価できると定める。売掛金・貸付金・長期の定期預金は、換価される側の典型である。
  • 換価は「差し押さえた財産を一つずつ処分していく手続」だと思われているが、3項の一括換価権限の重さを理解している人は少ない。滞納者が異なる財産まで束ねて同一の買受人に売れる。これは単なる事務の効率化ではなく、個々の財産の売却価格と買受人の顔ぶれを税務署長が実質的に設計できるという意味である。
  • あなたから見れば「事業用資産は生活の糧だから最後まで残るはず」だが、法律から見れば換価対象かどうかは事業継続の必要性ではなく、財産の種類と換価適性で決まる。この落差が、公売公告を見た日に事業計画を根こそぎ崩す。
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割89条:換価する財産の範囲と一括換価の権限94条:公売という換価方法の原則
109条:随意契約による売却の例外要件
債権の扱い原則換価せず、6か月超・取立困難なら換価可対象は換価適格財産(89条の判定を前提)
対象は換価適格財産(89条の判定を前提)
手続を止める側の条文89条自体に停止機能なし151条・151条の2:換価の猶予で手続停止
国税通則法46条:納税の猶予で滞納処分停止
滞納者が動ける余地換価対象性の争い+一括換価の相当性への意見公売手続の瑕疵(公告・見積価額)を争う
随意契約の要件充足性を争う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
稅捐稽徵法第39條以下、行政執行法第26条

台湾は税務署自身が売却するのではなく、法務部行政執行署の行政執行分署が強制執行法の拍賣手続を準用して換価する。徴収機関と換価機関が分離している点が日本と大きく異なる

韓国
대한민국 국세징수법 제65조 이하(압류재산의 매각)

韓国も公売を原則とし、韓国資産管理公社(KAMCO)に公売を代行させる運用が広く行われる。日本のように税務署長が直接公売を主宰する構造とは実務が異なる

ドイツ
Abgabenordnung § 296 ff.

ドイツも租税債権について自力執行権を認め、差押物の換価(Verwertung)を行政庁が行う。競売(Versteigerung)が原則で、換価対象からの除外は差押禁止財産の規定側で処理される

アメリカ
Internal Revenue Code § 6335(Sale of Seized Property)

米国 IRS も裁判所の判決なしに levy と sale を行える。公告期間や最低売却価額(minimum price)の設定が法定され、納税者には売却前の redemption 権が与えられる点が特徴

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 個人事業主として消費税を滞納し、事業用の土地と建物、それに製造機械が差し押さえられた。あなたは「機械だけ手放せば済む」と思っていたが、税務署長は3項により土地・建物・機械を一括公売にかける判断をした。一体として売った方が高値がつくからだ。生産設備一式が同時に消えるという意味を、公売公告を見て初めて理解する。
  • 取引先に対する売掛金500万円が差し押さえられた。支払期日は10か月後。あなたは「期日が来たら税務署が取り立てて終わり」と考えていたが、2項により期限が6か月以内に到来しない債権は換価できる。売掛金が額面より大幅に安い金額で第三者に売られ、残った滞納額はそのまま残る。
  • もし、あなたの会社と、まったく別の会社が、隣接する土地をそれぞれ差し押さえられていたら? 3項は「滞納者を異にするものを含む」と明記している。他人の滞納が、あなたの不動産の売られ方を左右する。
  • 公売公告が出た。入札期日まで残り3週間。この期間に換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)を申請するか、分割納付の交渉に持ち込むか、決めなければならない。落札されて売却決定がされた後では、原則として取り戻せない。
  • 銀行に対する定期預金債権が差し押さえられた。満期は2年後。取立てを待てば元本が確保されるのに、6か月ルールにより換価対象となりうる。あなたにとっての最善は換価前に猶予制度へ持ち込むことだが、その判断材料を持っている滞納者は多くない。

取るべき行動

被害を受けた側:滞納者側として動く場合。1. 差押財産の一覧を作り、金銭・債権・57条の有価証券(換価対象外)と、それ以外(換価対象)に分ける。2. 債権については弁済期限を確認、6か月以内に到来するものは換価されにくい。3. 換価の猶予(151条、151条の2)または納税の猶予(国税通則法46条)の要件を確認し、公売公告が出る前に申請書と納付計画を提出する。4. 一括公売の通知が来たら、個別売却の方が高額になる根拠資料を添えて意見を出す。

訴えられた側:徴収する側または買受人側として動く場合。1. 換価対象性を条文で確認、換価できない財産を換価すると手続違法となる。2. 3項の一括換価は「相互の利用上」相当と認められることが要件、土地建物一体・工場財団など客観的な一体性の根拠を記録に残す。3. 滞納者を異にする財産の一括は特に慎重に、各滞納者への配当計算の透明性を確保する。4. 買受人としては、一括物件は競争が少なく安く落ちやすい反面、不要な財産まで抱えるリスクを試算する。

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。ただし国税の徴収権は法定納期限の翌日から5年で時効消滅する(国税通則法72条)。差押えにより時効の完成猶予・更新が生じる(同73条)。換価の猶予の申請は、原則として国税の納期限から6か月以内(国税徴収法151条の2、最新の改正状況をご確認ください)。公売手続では公売公告から入札期日までの期間が定められており(同95条以下)、この間が実質的な最後の交渉窓となる。

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国税徴収法の全文を見る所属する編章節を開く:第一款

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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