国税徴収法 第109条(随意契約による売却)
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- 次の各号のいずれかに該当するときは、税務署長は、差押財産等を、公売に代えて、随意契約により売却することができる。
- 一法令の規定により、公売財産を買い受けることができる者が一人であるとき、その財産の最高価額が定められている場合において、その価額により売却するとき、その他公売に付することが公益上適当でないと認められるとき。
- 二取引所の相場がある財産をその日の相場で売却するとき。
- 三公売に付しても入札等がないとき、入札等の価額が見積価額に達しないとき、又は第百十五条第四項(買受代金の納付の期限等)の規定により売却決定を取り消したとき。
- 2.第九十八条(見積価額の決定)の規定は、前項第一号又は第三号の規定により売却する場合について準用する。この場合において、同号の規定により売却するときは、その見積価額は、その直前の公売における見積価額を下つてはならない。
- 3.税務署長は、第一項第三号の規定により売却する差押財産等が動産であるときは、あらかじめ公告した価額により売却することができる。
- 4.第九十六条(公売の通知)、第九十九条の二(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)、第百六条の二(調査の嘱託)及び第百七条第三項(再公売)の規定は差押財産等を随意契約により売却する場合について、第百六条第二項及び第三項(入札又は競り売りの終了の告知等)の規定は随意契約により買受人となるべき者を決定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、第九十六条第一項中「前条の公告をしたときは」とあるのは「随意契約により売却をする日の七日前までに」と、「通知し」とあるのは「通知書を発し」と、第九十九条の二中「)の入札等をしようとする者」とあるのは「)を随意契約により買い受けようとする者」と、「入札等をすることができない」とあるのは「買い受けることができない」と、同条第一号中「の入札等をしようとする者」とあるのは「を随意契約により買い受けようとする者」と、同条第二号中「の入札等をさせようとする者」とあるのは「を随意契約により買い受けさせようとする者」と、第百六条の二第二項中「の入札等をさせた者」とあるのは「を随意契約により買い受けさせようとした者」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
随意契約による売却とは何ですか?
定義随意契約による売却とは、国税徴収法第109条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当するときは、税務署長は、差押財産等を、公売に代えて、随意契約により売却することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第109条(随意契約による売却)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第109条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当するときは、税務署長は、差押財産等を、公売に代えて、随意契約により売却することができる。」で始まります。
- 国税徴収法第109条は第三款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第109条の前の条は国税徴収法第108条です。
- 国税徴収法第109条の次の条は国税徴収法第110条です。
- 国税徴収法第109条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第109条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第109条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/109
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法109条は、公売に付しても入札等がないときなど三つの場合に、差押財産等を随意契約で売却できると定める。ただし見積価額は直前の公売を下回れない。
Q · 公売で誰も入札しなかった差し押さえ財産は、値下げして売られてしまうんですか?
値下げはされません。前回と同じ下限価格のまま随意契約で売られます
国税徴収法109条1項3号により、公売に入札等がなかった差押財産等は、公売に代えて随意契約で売却できます。ただし同条2項後段は、その見積価額を直前の公売における見積価額より下回らせてはならないと明記しています。つまり売り方が競争から個別契約に変わるだけで、価格の下限は動きません。売却日の7日前までに通知書が発せられる(4項による96条準用)ため、滞納者に残された時間は数日です。完納、換価の猶予の申請(151条の2)、不服申立てによる換価の停止(90条3項)の三択を、その期間内に選ぶことになります。
解説
税務署が差し押さえた財産は、原則として公売、つまり入札か競り売りにかけられる(国税徴収法94条)。だが109条は、その原則に三つの抜け道を開けている。法令上その財産を買える者が一人しかいないとき、取引所の相場がある財産をその日の相場で売るとき、そして公売に入札等がなかった、入札額が見積価額に届かなかった、あるいは買受人が代金を納めず売却決定が取り消されたとき。三つ目があなたに直接関わる。滞納者側から見れば「入札ゼロだから安く投げ売りされる」という恐怖があるが、2項は見積価額を直前の公売の水準より下げてはならないと縛っている。買受け側から見れば、随意契約は掘り出し物ではなく、前回の下限価格が張り付いた取引だ。そして売却日の7日前までに通知書が発せられる(4項による96条準用)。あなたに残るのは、その数日で完納するか、換価の猶予を申請するか、不服申立てで換価を止めるか(90条3項)の三択である。
法的な位置づけ
国税徴収法109条は、公売を原則とする換価手続の例外として、税務署長が差押財産等を随意契約により売却できる場合を定める規定である。適用類型は、買受適格者が一人であるなど公売が公益上適当でない場合、取引所の相場がある財産をその相場で売却する場合、公売不成立または売却決定取消しの場合の三つであり、見積価額の下限(2項)と通知等の準用(4項)によって規律される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の売却日と「随意契約」の四文字を最初に探す 封筒を開けたらまず売却予定日と、公売か随意契約かの区別を確認する。109条4項による96条の準用で通知書は売却日の7日前までに発せられるため、到達から動ける実働は数日しかない。ここで日付を押さえないと、以降の選択肢がすべて期限切れになる
- 2.完納が可能か、資金繰りを一度だけ計算する 本税・延滞税を含む残額と、当日までに調達できる資金を突き合わせる。完納できれば差押えは解除され、以降の手続はすべて不要になる。ここで無理と判断できた場合のみ、次の猶予・不服申立てに進む
- 3.申請による換価の猶予を所轄税務署に申請する 国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予を、要件(納期限からの申請期間など)を確認したうえで申請する。財産収支状況書等の添付書類が必要になるため、様式の入手と記載を同日中に始める
- 4.処分に不服があるなら審査請求で換価を止める 差押えや売却に係る処分に不服があれば、国税通則法75条以下の不服申立てを行う。国税徴収法90条3項により、原則として決定・裁決があるまで換価が制限される。ただし価額が著しく減少するおそれのある財産は例外で、動産には通じにくい
- 5.見積価額が直前の公売の水準を下回っていないか照合する 109条1項3号による売却なら、2項後段により見積価額は直前の公売の見積価額を下回れない。前回の公売公告の見積価額と今回の価額を突き合わせ、下回っていれば2項違反として争う材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1随意契約による売却とは何ですか?
税務署長が差押財産等を、入札や競り売りによらず個別の契約で売却する方法です。国税徴収法109条が根拠で、公売という原則に対する例外にあたります。
Q2国税徴収法109条が使える三つの場合とは?
①法令上買受人が一人であるなど公売が公益上適当でないとき、②取引所の相場がある財産をその日の相場で売るとき、③公売に入札等がない・入札額が見積価額に達しない・売却決定を取り消したときです。
Q3随意契約の売却はいつ通知されますか?
売却をする日の7日前までに通知書が発せられます(109条4項による96条の読替え準用)。発信主義のため、到達してから売却日までの実働は数日しかありません。
Q4換価の猶予はいつまでに申請しますか?
申請による換価の猶予は国税徴収法151条の2に定めがあり、納期限からの申請期間などの要件があります。売却日が迫ってからでは間に合わないため、通知書を受けた日に着手すべきです。
Q5動産の随意契約はどうやって価格が決まりますか?
109条3項により、税務署長はあらかじめ公告した価額で売却できます。買受けを検討する側は、その公告価額を先に押さえれば採算計算が確定します。
Q6随意契約で買い受けるのに条件はありますか?
暴力団員等に該当しない旨の陳述が必要です(4項による99条の2の準用)。税務署長は警察へ調査を嘱託でき(106条の2の準用)、虚偽の陳述には罰則があります。
Q7取引所の相場がある株を差し押さえられたらどうなりますか?
109条1項2号により、その日の相場で随意契約により売却されます。2号には98条(見積価額の決定)の準用がなく、相場そのものが価格の基準になります。
Q8公売で落札したのに代金を納めないとどうなりますか?
115条4項により売却決定が取り消され、その財産は109条1項3号の随意契約に回りえます。納付しなかった者は以後の公売参加を制限されうる立場になります(108条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公売で誰も入札しなかったら、うちの土地はそのまま残るんですよね?
残りません。入札等がなければ再公売(107条)か随意契約による売却(109条1項3号)に進みます。ただし見積価額は直前の公売を下回れない(同2項)ので、値崩れはしません。実務のポイント:入札不成立が続くと徴収側は見積価額の再評価に動きます。鑑定資料や賃料実績を出すなら決定後ではなく再評価の前、そこだけが数字を動かせる窓です
Q2随意契約って、税務署と知り合いなら安く買えるって話ですか?
買えません。1項3号による売却では見積価額が直前の公売水準に固定され(2項)、動産はあらかじめ公告した価額での売却です(3項)。買受人は暴力団員等でない旨の陳述を要し、警察への調査嘱託もあります(99条の2、106条の2の準用)。実務のポイント:狙い目は価格ではなく競争の不在です。入札不成立の直後に手を挙げた者が、同じ価格で競合なしに取得できます
間違えやすい点 AI による整理
- 「公売で売れ残った財産は値下げして随意契約で処分される」という理解は誤り。2項後段は、1項3号による売却の見積価額を「直前の公売における見積価額を下つてはならない」と明記する。価格は下がらず、売り方だけが変わる
- 「随意契約なら手続がゆるいから、通知も予告もなく売られてしまう」という心配は、問いの立て方そのものが違う。4項は公売の通知(96条)を準用し、売却日の7日前までに通知書を発することを義務づけている。争点は通知の有無ではなく、その数日をどう使うかにある
- あなたから見れば、入札がなかったことは「買い手がつかない財産」の証拠に見える。だが徴収側から見れば、それは見積価額の水準か周知の弱さという運用の問題であり、次の一手は再公売(107条)か随意契約かの選択にすぎない。この落差が、あなたを「まだ時間がある」という誤解に閉じ込める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 換価の方法 | 109条:買受人と個別に契約して売却する(競争なし) | 94条:入札または競り売りによる公開競争で売却する 107条:同一の財産を改めて公売に付す(再公売) |
| 発動する場面 | 買受適格者が一人・取引所の相場・公売不成立または売却決定取消し(1項各号) | 差押財産を換価するときの原則的方法 入札等がないとき、または買受代金が納付されなかったとき |
| 価格の下限 | 1項3号による売却は直前の公売の見積価額を下回れない(2項)。動産はあらかじめ公告した価額(3項) | 見積価額を決定・公告したうえで競争にかける(98条) 見積価額は改めて決定される(98条の適用を受ける) |
| 予告の期間 | 売却日の7日前までに通知書を発する(4項による96条の読替え準用) | 公売公告(95条)+公売の通知(96条) 再公売についても公告・通知の規律が及ぶ |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の執行に強制執行法が準用され、査封物は公開拍賣が原則だが、有価証券や市価のある物品等については拍賣によらない変売が認められる。競争を省く場面を法定列挙する構造は日本の109条1項と近い
韓国も公売を原則としつつ、買受適格者が限られる場合や公売不成立の場合に随意契約による売却を認める。条番号は2020年の全部改正で変更されているため要確認
中国では税務機関の強制執行措置として、差し押さえた商品・貨物その他の財産を法により拍売または変売できると定める。変売の要件・価格統制の細目は日本ほど条文上明確ではない
ドイツ租税通則法は、滞納者の申立てまたは特別の合目的性の理由がある場合に、執行機関が競売以外の方法での換価を命じうると定める。日本の109条が要件を客観的類型で列挙するのに対し、ドイツは合目的性という一般条項で処理する点が異なる
米国では差押財産の売却方法(公開競売か封印入札か)をIRSが決定し、最低価格を定める仕組みがある。売却不成立時の取扱いは規則レベルで規律され、日本のような『直前の見積価額を下回れない』という条文上の下限規定は置かれていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公売に誰も入札しなかったと聞いて胸をなでおろした数日後、税務署から「随意契約により売却する」という通知書が届いたら、あなたに何ができる? 売却日まで残り数日。完納、申請による換価の猶予(151条の2)、不服申立てによる換価の停止(90条3項)、動かせる札はこの三枚しかない。順番を間違えると、売却日が先に来る
- あなたが流れた物件を随意契約で買おうとする側だとする。求められるのは暴力団員等に該当しない旨の陳述であり、税務署は警察に調査を嘱託できる(4項による99条の2、106条の2の準用)。虚偽の陳述には罰則が用意されている
- 共同開発した特許の持分を差し押さえられた場合。特許権の共有持分は他の共有者の同意なしに譲渡できず(特許法73条1項)、買い手が事実上絞られる財産は、公売ではなく随意契約に回りうる(1項1号)。ただしこの類型の射程は実務上、解釈が分かれている。競争のない価格で、あなたの元パートナーが持分を握る道が開いていることは知っておくべきだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の売却日を確認、7日前発送のため実働は数日しかない2. 完納が無理なら申請による換価の猶予(151条の2、納期限から6か月以内の申請という要件を確認) 3. 差押えや売却決定に不服があれば審査請求(国税通則法75条)、これにより決定・裁決まで換価が止まる(90条3項) 4. 見積価額が直前の公売水準を下回っていないか照合、下回れば2項違反の主張材料になる
訴えられた側:買受け側の立場では、1. 暴力団員等に該当しない旨の陳述書を提出(4項による99条の2の準用)、虚偽陳述は罰則対象2. 動産は公告価額を事前確認(3項)、不動産等は見積価額の下限が前回公売と同水準である前提で採算を組む3. 買受代金の納付期限は厳守、落とせば売却決定が取り消され(115条4項)、以後の公売参加も制限されうる(108条)
時効(請求できる期限):売却日の7日前までに通知書が発せられる(4項による96条準用)ため、到達から実働は数日。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)、取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。なお不動産等の売却決定に対する不服申立ては買受代金の納付の期限までという期限の特例がある(171条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
実務通説(国税徴収法基本通達に沿った理解):109条1項各号は公売原則の限定的な例外であり、とりわけ3号による売却では2項後段の価格下限と4項の通知・暴力団員等排除の規律が、競争を欠くことによる価格毀損と手続の不透明化を補う機能を担うと理解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)現行国税徴収法の制定 旧法下の換価手続を整理し、公売原則の例外としての随意契約売却を三類型に明文化した(制定経緯の詳細は要確認)
- 平成29年(2017年)改正 暴力団員等の排除規定(99条の2、106条の2)の新設に伴い、4項の準用対象に追加されたとみられる。施行日および読替え文言の確定は要確認
- 近年の改正 「差押財産」から「差押財産等」への文言変更(参加差押えをした税務署長による換価の導入に対応)。改正年および施行日は要確認
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:現行国税徴収法の制定。旧法下の換価手続を整理し、公売原則の例外としての随意契約売却を三類型に明文化した(制定経緯の詳細は要確認)
- 2.平成29年(2017年) 改正:暴力団員等の排除規定(99条の2、106条の2)の新設に伴い、4項の準用対象に追加されたとみられる。施行日および読替え文言の確定は要確認
- 3.近年(年次要確認) 改正:「差押財産」から「差押財産等」への文言変更。参加差押えをした税務署長による換価の導入に対応するもの。改正年および施行日は要確認
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